庭づくりで大事なのはトータルコーディネート。庭の要素には植物以外にも舗装やフェンス、門扉、花壇などがあり、それらの素材やデザインの選び方次第で庭の雰囲気が変わってきます。こうした家の外構、外観に関わる部分を、エクステリアと呼びます。エクステリアデザインの成功のポイントは、“イメージの統一”。これまで「ナチュラル」「カジュアル」「エレガント」イメージのエクステリアデザインをご紹介してきましたが、今回は「クラシック」について解説、デザイン提案をします。

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クラシックのイメージとは

クラシックとは階級を表すラテン語「class/クラス」から転じ、「最高の」または「一流の」という意味です。そこからさらに広がり、歴史を感じる「伝統的な」や「格式のある」の意味としても用いられます。

まずはそこから連想されるデザインイメージの言葉を思い浮かべてみましょう。デザインイメージの形容詞に置き換えてみると、「落ち着きのある」「堅実な」「豪華な」「高級感のある」「どっしりとした」「重厚感のある」などがイメージする用語になるでしょう。

そこで、今回のクラシックなエクステリアは「落ち着きと重厚感のある高級なイメージ」を連想してみました。ここではまず家の顔となる「ファサードデザイン」について考えていきましょう。

「クラシック」の素材と色

「落ち着きと重厚感のある高級なイメージ」に似合う素材や色を考えてみましょう。

皆さんが、すぐ思い浮かぶ素材は赤茶色や茶色のレンガタイルではないでしょうか? イギリスなどの伝統的な建築では、レンガタイル張りの外壁をよく見かけますが、レンガを住宅の壁や塀などに使うと、重厚感のある高級なイメージに演出することができます。目地は馬目地といって、横方向は一直線に通し、縦方向を半分ずらし、交互にレンガを積んだ状態になります。

次に門まわりについて考えてみましょう。門柱は左右の塀より高めに配し、曲線の入った青銅色の鋳物製や黒いアイアン製の門扉を設置すると高級感が出ます。

また、濃いグリーン系のポール照明を設置すると、茶系の中にワンポイントとして変化があるカラーコーディネートになります。

道路ぎわにはレンガの花壇を設け、赤紫、紫、青紫の花を飾れば、大人っぽい雰囲気が演出できます。青緑や緑っぽいクールなコニファー類を部分的に植えると引き締まって、レンガタイルとなじみ、イングリッシュガーデン風になります。コニファー類は生長が早いものが多いので、年に1~2度の刈り込みが必要です。生長の遅いものもあるので、ガーデンセンターなどに出向き、専門家に相談して研究してみましょう。

クラシックなファサードガーデンのデザインとカラーコーディネート

それでは実際のデザインで見ていきましょう。

北入り(北側の出入り口)・直角駐車(道路に直角に駐車)のプランでご提案します。レンガに白いボーダーを入れて、落ち着きの中に清潔感のあるデザインにしました。

平面図 玄関を中心に左手は門まわり、右手は駐車場を配置したデザインで動線を 分けたデザイン
平面図:
玄関を中心に左手は門まわり、右手は駐車場を配置したデザインで動線を分けたデザイン。
パース:レンガ色をベースに白ボーダーで清潔感を
パース:
レンガ色をベースに白ボーダーで清潔感を。

①門まわりは門柱と鋳物門扉でシンボリックに

家の顔になる門まわりは、塀よりも高い門柱と青銅色のアルミ鋳物門扉で、シンボリックに演出しました。右手の門柱は左手の門柱よりも幅を広く取り、宅配ボックス付きにしました。ポストは前入れ後ろ出しにして、道路に出なくても郵便物が取り出せます。

また、門扉を開けて入ったところにウェルカムベンチを設置すれば、ベンチが緑を背景にオブジェにもなり、ステキな空間になります。

●アルミ鋳物と型材のちがい

門扉やフェンスの製品には大きく「鋳物」と「型材」の二つに分かれます。

アルミ鋳物とは、鋳型(いがた・門扉やフェンスの形をした型)にアルミニウムを流し固めたもので、曲線などの複雑な形状のものをつくることができます。型材は、くりぬいた金型の中に液状のアルミを通すように押し出してつくったもので、直線などの単調な形状をつくります。鋳物は重量が大きく生産時間がかかるので、コストがかかりますが、高級感のあるものができます。型材は大量生産が可能なため、鋳物に比べはるかに安価で手に入れることができます。

 ②道路際はレンガ花壇で見栄えよく

道路際はレンガタイルの塀のみでは圧迫感があるので、塀の手前に同素材で花壇を設け、ツツジ類などの低木を植えてみましょう。ツツジ類は一般によくあるドウダンツツジもよいのですが、白花のリュウキュウツツジなら爽やかな感じに、また淡紅色に赤い斑入りのヒラドツツジで多少レンガになじませることで、単調なレンガ塀に変化が生まれ、来訪者の目も楽しませてくれます。

左:リュウキュウツツジ(Skyprayer2005/Shutterstock.com)/右:ヒラドツツジ(kkb3/Shutterstock.com)
左:リュウキュウツツジ(Skyprayer2005/Shutterstock.com)/右:ヒラドツツジ(kkb3/Shutterstock.com)

③駐車スペースはゲート付きで

駐車スペースの出入口はコの字型のゲートにします。上部の梁の部分の中にはシャッターのロールが入っているので、シャッターの開け閉めができます。手動式や電動式がありますが、後者は高価になります。また、ゲートの後ろにカーポートを設置する場合は、カーポートの屋根の傾きを隠すことができるので、玄関庇や塀などの水平方向をきれいに保つことができます。

それから、床も土間コンクリートだけでなく、部分的にタイルを張ると、見栄えがよくなりますす。

④玄関やホール脇は緑で見栄えよく

駐車スペースは殺風景にならないように、周囲に植栽をします。外壁や塀の足元は地中にコンクリートの基礎があるので、根が張っても大丈夫なグラウンドカバーや低木程度の背の低いものにしておきましょう。

⑤住宅の外壁と門柱・塀は統一感を

住宅の外壁や塀はレンガタイルで全体の統一感を出すことができます。レンガベースにベージュ色のボーダーを横方向に入れることで、重厚感の中に変化と清潔感がプラスされます。

まとめ

クラッシックなファサードデザイン
Paul Maguire/Shutterstock.com

クラッシックなファサードデザインは、茶系や赤茶系色の馬目地レンガタイルをベースにすると重厚なイメージになります。

住宅と塀や門柱などに同じ素材を使うと統一感が生まれ、高級なイメージを演出できます。

道路際に花壇を設ければ、街並みにもステキな景観を提供できます。室内からもこうした緑を眺められるよう、玄関ホールに窓を設けると、ガラス越しに緑が見え、室内と屋外の一体感が生まれます。

Credit

松下高弘先生

文&イラスト/松下高弘(まつしたたかひろ)

長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、大手ハウスメーカーやエクステリア業のセミナー企画、講師を行う。
2007年出版の『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』の改訂版として、新刊『住宅+エクステリア&ガーデンの色とデザイン』が大好評販売中! 色の知識、住宅デザイン様式に合わせたエクステリア&ガーデンデザインとカラーコーディネート、プレゼンシートのレイアウト案など、多岐に渡る充実の内容! 書籍詳細はグリーン情報ホームページから。

著書
『住宅エクステリアのパース・スケッチ・イラストが上達する本』彰国社
『気持ちをつかむ住宅インテリアパース・スケッチ力でプレゼンに差をつける』彰国社
『住宅+エクステリア&ガーデンの色とデザイン』グリーン情報 など他多数

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