前回までは「ナチュラル・ナチュラルモダン」のデザインとカラーコーディネートについてご紹介をしました。庭デザインをロジカルに理解すると、だんだんと面白くなってくるのではないでしょうか。さて、今回からは2回に分けて「カジュアル」をテーマに、ファサード(門まわり)と庭のデザイン、カラーイメージについてご紹介していきます。

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「カジュアル」のイメージと素材

カジュアルを形容詞で表すと「楽しい」「華やかな」「活動的な」「鮮やかな」「軽快な」「リズミカルな」「子どもっぽい」など。明るく楽しく快活なイメージがカジュアルです。

例えば、公園の遊具を思い浮かべてみてください。鉄棒やジャングルジムなどが赤、青、黄色などでカラフルに塗られ、楽しいイメージですね。おもちゃ箱をひっくり返したような、子どもが楽しいと思うイメージを庭の中に取り入れると、楽しく面白いデザインになります。

ステキな庭にするためのカラーコーディネートを考えるVol.4 ~カジュアルなファサードのエクステリア~
遊園地の遊具は黄、緑、青でカラフルなカラー。

エクステリアの素材としては、赤や黄色の手すりやフェンス、レンガタイルなどが扱いやすいでしょう。正方形のタイル舗装では、2色で市松模様にすることで、軽快でリズミカルなイメージを演出できます。

カジュアルカラーのイメージ

基本的なカラーの組み合せは「3色の純色」といわれる黄、赤、青色ですが、3色を一つの素材に組み合わせると、ビビットになりすぎてしまうので、白やアイボリー色をベースにして、黄、赤、青色のどれかをワンポイントとして扱うのが無難にまとめやすいでしょう。

また、⑤赤⇔⑪緑のように補色同士の組み合せもカジュアルカラー。例えば、塀や壁をベースカラーとして薄い緑色にし、手すりなどをワンポイントとして赤色にします。

花やカラーリーフも立派なカジュアルカラーの素材になります。いろいろと工夫してみましょう。

色相環
色相環
*詳細は「ステキなお庭にするためのカラーコーディネートを考えるVol.1~簡単な色の知識とイメージキーワード」を参照してください。

カジュアルなファサードのエクステリアデザイン

カジュアルなイメージに合うファサードのデザインプランをご提案します。

今回は、東側が全面道路(東入り)・オープンスタイルのファサード(門まわり)デザインです。

西入り・オープンスタイルのファサードデザイン平面図
東入り・オープンスタイルのファサードデザイン平面図。

来訪者は左手のゲートから入り、右手の玄関ポーチに向かいます。右手の駐車場からでも短い動線で玄関に向かえます。

また、ゲートを入った左わきに自転車置き場を設けました。全面道路の歩行者からも自転車上部のハンドルやサドルが見えるので、真っ赤なシティーサイクルを飾ってもステキに見えそうですね。スタンドポストと自転車の色をおそろいにするとよりオシャレです。

アイボリー(象牙色)の住宅外壁をバックに、ゲートがシンボリックに見えるように、フレームをオリーブグリーンにしました。

カラーコーディネートは⑨青グループと⑪緑グループの類似色同士と、その補色となる④赤橙グループの二等辺三角形の構組合せです。

ハンギングのフレームと玄関前の両開きガラリ戸のセルリアンブルーと、ゲートのオリーブグリーンは類似色同士、赤橙のレンガタイルはその補色に当たります。

自然の緑と混ざって可愛らしいカラーコーディネートです。

カラーチャート

それではデザインとカラーコーディネートの解説をします。

カジュアルなファサードパース
カジュアルなファサードパース。

・ゲートとハンギングのフレームやガラリ扉で楽しいイメージ

・ゲートを入ると額縁ガーデン

ハンギングの額縁ガーデン
ハンギングの額縁ガーデン。

住宅の外壁に白い「額縁ガーデン」を設置しました。季節の花や多肉、ツル植物などを飾って楽しめるスペースです。額縁は飾った植物が引き立つように白にしています。

・玄関前の目隠しはガラリの扉で

玄関前には全面道路の歩行者からの視線をカットするよう、可愛らしいセルリアンブルーのガラリ扉をつけました。開閉式で開ければ風通しがよく、玄関ポーチ側からも花壇に水やりができます。

・アールの花壇でリズミカルに

花壇はレンガや赤橙色のタイルにして緑が引き立つようにしました。曲線の形状の花壇を2つ並べてリズミカルな雰囲気を出しています。足元は濃い緑のグラウンドカバーにすると、曲線が目立ちます。

DIYで曲線形状の花壇がつくれる商材
DIYで曲線形状の花壇がつくれる商材。

イラストのような円柱やかまぼこ型の形状で、DIYで曲線の花壇がつくれる商材も販売されています。ホームセンターやガーデンセンターで選んでみましょう。

・ゲートとハンギングのフレームで楽しいイメージ

門まわりのオリーブグリーンのゲートや、左手のハンギングのセルリアンブルーのフレームで楽しいイメージにしました。また、ゲートの脇にはアクセントカラーになる赤のスタンドポストを設置して、それぞれの高さの違いを出してカジュアルなイメージを強調するようにしました。

・オープンスタイルをセミオープンスタイルに

デザイン例はオープンスタイルですが、ゲートに両開きの門扉と駐車場の前にカーゲートや伸縮門扉をつければ、セミオープンスタイルにもなります。リフォームをするときなど、好みに合わせたスタイルに変えることができます。

まとめ

カジュアルなファサードエクステリア&ガーデンは、いかがでしたか? カジュアルなデザインは、鮮やかな色を何色か組み合わせて、楽しい軽快なイメージをつくります。ゲートなどのフレームに取り入れるとコーディネートしやすくなります。また、花壇などのフォルムは曲線を使うと楽しいデザインになります。植栽の緑と上手に組み合わせてデザインしてみましょう。

Credit

松下高弘先生

文&イラスト/松下高弘(まつしたたかひろ)

長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、大手ハウスメーカーやエクステリア業のセミナー企画、講師を行う。
2007年出版の『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』の改訂版として、新刊『住宅+エクステリア&ガーデンの色とデザイン』が大好評販売中! 色の知識、住宅デザイン様式に合わせたエクステリア&ガーデンデザインとカラーコーディネート、プレゼンシートのレイアウト案など、多岐に渡る充実の内容! 書籍詳細はグリーン情報ホームページから。

著書
『住宅エクステリアのパース・スケッチ・イラストが上達する本』彰国社
『気持ちをつかむ住宅インテリアパース・スケッチ力でプレゼンに差をつける』彰国社
『住宅+エクステリア&ガーデンの色とデザイン』グリーン情報 など他多数

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