Vol.2ではイメージキーワード「ナチュラル」のイメージと素材、ナチュラルカラーの特徴と実際のファサードエクステリアのデザインを提案しました。Vol.3では同じく「ナチュラル」をキーワードに、メインガーデンのデザインとカラーコーディネートを提案します。まずは「ナチュラル」というイメージキーワードの具現化をおさらいしましょう。

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「ナチュラル」のイメージと素材

ナチュラルのイメージは「自然素材を使った暖かみのある柔らかい雰囲気」です。

「なじみやすい」「暖かみのある」「くつろいだ」「柔らかい」などがイメージするキーワードです。そこから想像する素材は、木、石、植物のように、自然になじむ素材。また、風により落葉樹の葉がそよぐ。太陽の光が水に映って光る輝き。などの雰囲気が思い浮かびます。ナチュラルイメージの庭は、仕事などのストレスを解消し、くつろいだひとときを送る場所になってくれるでしょう。

ナチュラルなカラーイメージ

暖色系のカラーを使うと、まとめやすく効果的です。特に①黄グループ、②黄橙グループ、③橙グループの3種類のカラーがおすすめ。木やタイルなどの自然素材や吹付などに使いましょう。

⑫黄緑グループは①黄グループや②黄橙グループと類似色同士で相性がよいので、落葉樹の葉の色と合わせると自然なイメージでまとまります。石はサビ御影が低木やグラウンドカバーの緑とフィットしソフトになじみます。

色相環
色相環
*詳細は「ステキなお庭にするためのカラーコーディネートを考えるVol.1~簡単な色の知識とイメージキーワード」を参照してください。

ナチュラルやナチュラルモダンに合う素材と植栽の組合せ、カラーコーディネートを提案します。ご自身の好みに合う素材や色をイメージしながら、参考にしてみてください。

ナチュラルなエクステリア~メインガーデン~

南側の庭デザイン例を解説します。

枕木と芝生の築山の庭
枕木と芝生の築山の庭

枕木を斜めに貼る

芝生をベースに敷地の南東のコーナーから斜め45度方向に枕木を並べました。枕木と枕木の間には数cmの隙間を空け、タマリュウやメキシコマンネングサなどのセダム類を植えると、よりナチュラルなイメージになります。クローバーの種をまき、生長する過程を眺めるのも楽しいものです。

ガーデングッズ収納ファニチャー

コーナーにはガーデン用具が収納できるファニチャーを設置しました。市販品の木製製品はもちろん、D.I.Y.でオリジナルなファニチャーをつくってみるのもよいでしょう。D.I.Y.にチャレンジするなら、単なる物置きというだけでなく、庭デザインの一つとして見栄えのよいオブジェにもなるようデザインしてみましょう。

枕木テラスで変化を

コーナーから、45度方向に貼った枕木を延長して貼り、枕木テラスにしてみました。

枕木は住宅外壁の方向より斜め45度に貼っているので、変化があって面白いテラスになることでしょう。

塗り壁仕上げの塀 

塀は植栽が引き立つように、塗り壁にしました。ジョリパットや珪藻土けいそうどをコテで塗ると、ナチュラル感が増すことでしょう。

芝生の築山、芝生の庭

南西方向には単調にならないように、芝生の築山を設けててみました。塀の足元を隠すことで変化を出し、塀と敷地の入隅(いりずみ)が曖昧になり、庭が広く感じられるデザインテクニックです。築山の上部には落葉樹の高木を植えて、シンボリックなイメージにしました。枕木以外の部分には芝生を敷いて、緑豊かな庭にします。コウライシバは冬枯れしますが、洋芝は冬枯れしないので、ホームセンターやガーデンセンターの専門家に相談してみましょう。

植栽の高さ具合で自然風に

植栽は、収納ファニチャーの左手には常緑高木、その周辺には寂しくならないように中低木を植えます。南西角の築山には高木の落葉樹を植えているので、左右のバランスが取れてステキです。築山の高木を高くしてアシンメトリーにすることで、自然な庭のイメージになります。

ナチュラルモダンなエクステリア~メインガーデン

次に、ナチュラルモダンなイメージの庭づくりをみてみましょう。ナチュラルモダンは自然素材を使いながらも、直線を強調することがポイントです。

ピンコロ(10cm角のさび御影石)と横板張りの塀の庭
ピンコロ(10cm角のさび御影石)と横板張りの塀の庭

方形張り自然石テラス

テラスは自然石の方形貼りといって正方形の自然石を貼り、整然としたイメージにします。白、グレーのモノトーンやベージュや淡い茶色系の暖色系にします。

芝生やグラウンドカバーの法面で整然と

それ以外の敷地は芝生にします。南側には芝生の法面をつくることで、室内のダイニングやリビングから見た景色が整然とした感じに仕上げることができます。また、高・中木の代わりに、球や三角柱などの形状に刈込んだトピアリーにしてもモダンなイメージになります。

△球や三角柱のトピアリー Sergey-V-Kalyakin/Shutterstock.com
△球や三角柱のトピアリー
Sergey-V-Kalyakin/Shutterstock.com

花壇でシンメトリー感覚を

方形貼りテラスと芝生法面の間には、それぞれ左右に正方形の花壇を設置しました。室内から見ると庭のセンターにあるので、シンメトリーが強調されます。

花壇の植物は、芝生法面がキレイに見えるように低めに植えました。

余談ですが、キレイな色で華やかな花を咲かせる植物はステキですが、植物の名前を覚えるのは苦手な読者もいらっしゃるのではないでしょうか? イラストのように、植物を植えた後、プランツタグをつくり、植物名を書き込んで立てておくと覚えやすくなります。

また、オベリスクを設置して、ツルバラやクレマチスなどのつるを絡ませて、シンボリックに見せるのもステキです。

参考までに、オベリスク(obelisk)とは、三角錐や円錐などの先がとがったタワー状のものに、ツル植物を絡ませたものをいいます。語源はギリシャ語の串を意味し、古代エジプト時代に製作された、当時の神殿の入り口などに立てられた記念碑のことをいいました。

塀の上部は横板張りフェンスでシャープに

塀はシンプルな吹付仕上げですが、その上部は横ラインを強調した横板張りフェンスでシャープなイメージにしました。横板張りフェンスは木質系のものを選び、生地に近い明るい色が柔和で溶け込んだ感じになります。また、横板と横板には隙間があるので、風通しもよくなります。その手前の高中木が引き立ってオシャレに見えることでしょう。

まとめ

ナチュラルイメージのメインガーデンデザインはいかがでしたか? ポイントは素材と色の選び方、線の使い方です。

次回はカジュアルなファサードデザインとカラーコーディネートを解説します。お楽しみに!

Credit

文:松下高弘

文&イラスト/松下高弘(まつしたたかひろ)

長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、手描きパース・イラスト・CG・模型等のプレゼンテーションや大手ハウスメーカー社員研修、エクステリア業の研修講師およびセミナープロデュースを行う。

著書には2007年出版の『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』、『住宅エクステリアのパース・スケッチ・プレゼンが上達する本(彰国社)』、『気持ちをつかむ住宅インテリアパース(彰国社)』など多数。また、『住宅+エクステリア&ガーデンの色とデザイン(グリーン情報)』を2022年3月出版予定。2007年版の改訂版で、7割以上がグリーン情報やガーデンストーリーの人気記事、企業セミナーテキストから抜粋と、新規書下ろし。ただ今執筆中!

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