高低差のある敷地を生かし、緑豊かな景観を生み出すアイデアをご紹介します。段差や法面(のりめん)は、いろいろな素材と植物を工夫してデザインすると、素敵なガーデンになります。写真やイラストで分かりやすく解説します。

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いろいろと役立つ植物を使って!

敷地に高低差がある場合、そこに高い擁壁がそびえ立っていると圧迫感があるものです。その圧迫感を和らげる方法として、最適なのは植物。Vol.1でご紹介したように、コンクリートの擁壁が緑で覆われていると印象はずいぶんやさしくなります。

植物でソフトなイメージの駐車場

塀や擁壁の前に植栽を
塀や擁壁の前に植栽を。
地面から上部に向かって明るい緑から暗い緑のグラデーション 以下写真のデザイン:株式会社草樹舎 須長一繁氏
地面から上部に向かって明るい緑から暗い緑のグラデーション。
植栽デザイン:株式会社草樹舎 須長一繁氏

駐車場の擁壁や深基礎部分はコンクリートで囲まれて、無機質になりがちです。こんなとき、床部分は薄い葉の色で、擁壁へ向かい高くなるにつれてだんだん濃い色の葉の植物を植栽し、緑色のグラデーションつくると、入隅の直角でシャープなイメージが、ソフトなイメージに変わり、敷地が広く見えます。

擁壁や立ち上がりをツル植物で圧迫感をなくす

擁壁や立ち上がりをツル植物で圧迫感をなくす
植栽デザイン:株式会社草樹舎 須長一繁氏

高い擁壁や立ち上がりは、上手にツル植物で飾れば圧迫感をなくすこともできます。ツル植物は垂れ下がったり、はい上がるものがあるので、その特徴を生かして植栽しましょう。

芝生の法面で広い敷地に見せる

前述のように、地面と擁壁に接した部分は植物を植えるとソフトなイメージになりますが、その部分を法面にすると敷地がゆったりとして広く感じられるという効果もプラスされます。法面とは土を盛ったり、削ったりして人工的に作った斜面です。法面の面積は段差をつけた際の敷地面積よりも実際に広がり、見た目も広くなります。

敷地と道路に高低差がある場合は、その部分を法面にして植栽するのも、街並みに緑を提供し、優しい景観配慮になります。

庭では芝生の法面でスッキリさせてもよいし、好みのグラウンドカバーを植えるのもステキですね。

枕木やレンガを工夫した花壇

枕木で階段状の花壇をつくる
枕木で階段状の花壇をつくる。

法面の数か所に枕木を土留めのように置いて、その間に植物を飾ると高低差が和らぎます。レンガを並べても、葉の色とレンガの色で楽しい雰囲気が味わえます。

ガーデン風なポーチに

ガーデン風なポーチに

室内から庭に降りる場所は、単純な階段状になりがちです。こんな場所も、不整形な石貼りで段差をつけ、周辺に植栽すれば、オシャレなポーチガーデンに変身します。

植物の高さを変えて見栄えよく

高低差を緩和するためによく使われる手法が2段植栽です。レンガや石貼りで、手前が低く奥が高い花壇をつくると豪華な仕上がりになります。または、花壇をつくらず法面の芝生にし、奥に低木を植えると、柔らかいナチュラルなイメージが演出できます。

高低差のある敷地をデザインする!

それでは、道路からエントランスまでをアプローチ階段で繋げた、ナチュラルモダンなオープンスタイルをご提案します。オープンスタイルとは、敷地の道路際を塀で囲わず、門扉がないスタイルです。箇条書きで解説します。

道路際は芝生の法面、駐車場脇は2段植栽で高低差を和らげる
道路際は芝生の法面、駐車場脇は2段植栽で高低差を和らげる。

アプローチ、階段まわりの段差は植栽で

道路からエントランスまでの高低差が激しい敷地では、階段を直線で繋げず、階段の板をランダムに積んで並べるようなデザインにすると、高さを感じない自然なイメージになります。階段の両脇は植栽で隠すとより雰囲気が和らぎます。

また、夜間は防犯配慮や家族の帰宅時の歩行をしやすいように、ポール照明などを設置することも大切です。

道路際は芝生の法面で柔らかく

道路際は花壇の立ち上がりを設けず、芝生の法面にして柔らかいイメージにします。法面の上部は低木を植えて季節の花々を楽しみましょう。

駐車場側は2段植栽の花壇で

駐車場と庭の段差は花壇を設置して、低木を植えます。上段は垂れ下がるツル植物で、擁壁の立ち上がりの圧迫感をなくしましょう。駐車場の床と花壇の立ち上がりの入隅部分は、タマリュウなどのグラウンドカバーを植えるとアクセントカラーになり効果的です。

スノコ状の門袖で花々をハンギング

門袖は木製の板貼りで、既製品らしくないナチュラルなイメージにまとめました。濃いめの茶色系の横板貼りにして、門まわりのシンボリックさを出し、板の隙間には植物をハンギングできるようにしました。

駐車場床版の門まわり部分はタイルで

門まわりの駐車場の床は、コンクリート打ち放しのみではさみしくなります。アプローチ階段部分だけでも階段と同様のタイルを貼って、門まわりを象徴的にしましょう。門まわりから離れるにつれて少なくなっていくように貼ると、少ない枚数のタイルでもオシャレにまとまります。

まとめ

高低差のある部分を緩和するには花壇を2段にする方法や、法面をつくって枕木やレンガで花壇をつくるのも自然でステキです。また、法面に石を積んでロックガーデンにするのも面白そうです。ただ、石を並べたり積んだりするのでなく、シダ類などを植栽するのもオシャレになります。

次回は、そのロックガーデンでステキに演出するアイデアをご紹介します。乞うご期待‼︎

Credit

文:松下高弘

文&イラスト/松下高弘(まつしたたかひろ)

長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、手描きパース・イラスト・CG・模型等のプレゼンテーションや大手ハウスメーカー社員研修、エクステリア業の研修講師およびセミナープロデュースを行う。

著書には、『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』、『住宅エクステリアのパース・スケッチ・プレゼンが上達する本(彰国社)』など。新刊『気持ちをつかむ住宅インテリアパース(彰国社)』、好評につき絶賛発売中!!

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