「庭の植栽を照らしたいけれど、どんなふうに照らしたら良いのか分からない…」という方も少なくないと思います。そんな方にここでは、さまざまな樹木タイプに合わせたライティングの方法をご紹介します。ご自宅の庭にある植栽と重ねながら読み進めてみてください。
目次
高木のライトアップ
ここでは、樹高が1.5m以上の樹木を高木と定義し、葉の密度が薄い樹木、密度の濃い樹木、季節感を演出する樹木のライトアップ方法をご紹介します。
1. 葉の密度が薄い樹木
※この他にも、コハウチワカエデ、ソヨゴ、ナツハゼなどがあります。
■オススメのライトアップ方法
葉の密度の薄い樹木は、光が枝葉の間から抜けやすいので、下から見上げるように照らす『アップライティング』がオススメです。このライトアップは樹木だけでなく、空間全体を明るく美しくしてくれます。
また、壁面が近くにあれば、壁面に樹木の影を投影し、アーティスティックな空間を作り出す『シャドウライティング』や、樹木の影を地面に落とし、まるで木陰のような演出ができる『ムーンライティング』などもオススメです。
2. 葉の密度が濃い樹木
※この他にも、イヌマキ、フェイジョア、エレガンテシマなどがあります。
■オススメのライトアップ方法
葉の密度の濃い樹木は、片方からだけでなく両サイドから照らす『クロスライティング』がオススメです。このライトアップは、どの方向から見ても均一に照らされているように見せるテクニックで、葉の密度が濃いからこそ明るくなりすぎず、美しく緑を活かせるのです。
光量の多いライトであれば前述の『アップライティング』でも美しく照らすことができます。
3. 季節を演出する樹木
■オススメのライトアップ方法
◯ヤシの木
ヤシの木や、ヤシの木に似たソテツ、シュロは南国のイメージを庭に醸し出してくれる樹木です。これらは葉の形や幹の質感が特徴的なので、それを活かしたライトアップがオススメです。例えば、真下から照らし、幹の質感と葉を最大限に活かす『アップライティング』。また、特徴的な葉を壁面に投影し、まるで動く絵画のように演出する『シャドウライティング』もオススメです。
◯桜
桜を照らすには、どこから見ても美しく照らすことができる『クロスライティング』がオススメです。白色の光を使うと、淡いピンク色の花びらがより美しく闇に浮かび上がり、昼間とは違う風情で桜を堪能することができます。家で夜桜のお花見なんて、最高なひと時が過ごせそうですね!
◯紅葉
秋の風物詩、紅葉。カエデなどの葉の密度が薄いものは、光がパッと抜ける『アップライティング』がオススメです。この時、赤っぽい光で照らすとより紅葉の色味を活かせるので、光の色に着目して照らしてみるのも夜の庭づくりを楽しむ一つの方法かもしれませんね。
低木のライトアップ
ここでは30cm~1.5m未満の樹木を低木とし、ツツジや、バラ、アジサイなどに合ったライトアップをご紹介します。
■オススメのライトアップ方法
◯ツツジ、アジサイなどの奥行きがある低木を照らす方法
低木を照らす際は、ポールライトやアップライトの灯部を少し出して設置する『あかりだまり』がオススメです。光が低木から溢れ出ているように見え、優しく落ち着いた印象を与えることができます。照らし方によっては、低木の側面を照らし、小道も一緒に明るく照らす『パスライティング』もできるので、ぜひお試しください。
◯バラ
バラなどのつる性の植物で、高さはあるが、奥行きがないものを照らす際は『アップライティング』で照らすのがオススメです。
美しいバラが、さらに色鮮やかなものとなり、夜の庭を最大限に楽しむことができますね♪
ただし、照らしすぎにはご注意ください。植物の光合成や生育などへ影響を及ぼす可能性もあるため、就寝時や不要な時間帯はライトを消しておきましょう!
◯ニューサイラン
ニューサイランなどシルエットが特徴的な植物は、影を楽しむライトアップをしましょう。ニューサイラン特有の尖った葉が美しく壁面に投影されれば、目を引くお庭になること間違いありません。このようなライトアップを『シャドウライティング』といい、他にも、葉のシルエットを美しく見せる『シルエットライティング』があります。このライトアップはシンプルですが、明暗による光の演出が非常に美しい空間を作り出してくれます。
小さな植栽のライトアップ
小さなお花や、グラウンドカバーがお庭にある方必見のライトアップ方法をいくつかご紹介。30cm未満であればこの方法でライトアップできます!
小さなお花を照らす
『スプレッドライティング』は、草丈の低い花壇の植物を照らすのに使われるライトアップテクニックです。花壇の中にライトを設置し、まるでスポットライトのように植栽をピンポイントに照らします。装飾的なライトを使用すると夜だけでなく、昼間も庭のアクセントとして楽しめます。
この他にも、『あかりだまり』を植栽の中に作ると、光が溢れ出しそうな演出ができ、空間に優しさやぬくもり、落ち着きを与えることができます。
また、壁面にライトを取り付け、植栽を真上から照らし出す『ダウンライティング』は、植栽全体を広く照らすことができ、空間もパッと明るくなります。
グラウンドカバーを照らす
グラウンドカバーを照らすには、パススタンドライトを使用し、地面に光を落とす『フットライティング』という照明テクニックがオススメです。グラウンドカバーの緑色が光に反射し美しく見えるのはもちろん、足元に光が入るので安全面も向上します。
最後に…
いかがでしたか? 自分のお家の樹木や植栽にあったライトアップはありましたか?
もし、気になるライトアップテクニックがございましたら、次回以降に更新される続編をご確認ください♪ ライトの設置位置や、照射角度、光の色味など、ライティングのポイントを詳しくご紹介いたします。
●9月…高木のライトアップ~施工方法解説!~
●10月…低木のライトアップ~施工方法解説!~
●11月…小さな植栽のライトアップ~施工方法解説!~
Credit
DIGISPOT
「光の演出で人の心を彩る」ことを目指すタカショーデジテックがお届けするWebマガジン。外構で使われている『屋外照明』や、店舗の看板などに用いられている『LEDサイン』、街を華やかに彩る『イルミネーション』など、「光の今」がわかる情報を発信している。普段は聞くことができない商品に込められた開発者の想いやものづくりの裏側や光の上手な取り入れ方など、ここでしか知ることができない情報が盛りだくさん!
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