リモートワークにおすすめ! ガーデンファニチャーを生かした身近なアウトドアライフの過ごし方 Vol.1

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在宅勤務が増えている昨今。自宅で仕事をするとなると、仕事と休みの区分が、あいまいになりがちです。リモートワークでは、きちんと仕事時間とプライベートの時間を分け、家族みんなでホッとくつろげる時間をつくることも大事です。庭やベランダといった屋外空間に、ガーデンファニチャーを上手に取り入れれば、簡単にくつろぎ空間をつくることができます。屋外空間を素敵に快適に演出するガーデンファニチャーをご紹介します。
目次
北欧諸国の生活は幸福感に満ちている

2019年版の世界幸福度ランキングでは、1位フィンランド、2位デンマーク、3位ノルウェー、7位スウェーデンと、上位を北欧諸国が占めています。北欧諸国の幸福感の所以(ゆえん)はどこにあるのでしょうか?
ヒュッゲ
その一つが、例えばヒュッゲ(デンマーク・ノルウェー語:Hygge)。ヒュッゲはデンマークの人々が大切にしている言葉で、日本語に訳すと、「ホッとくつろげる穏やかな時間」とか、「そうした時間の使い方によって生まれる充実感や幸福感」というような意味です。
デンマークは基本的に残業がなく、16時くらいに仕事を終えます。仕事が終わった後は自宅に帰り、家族との時間を楽しく過ごします。これは緯度の関係で冬が長く、日の入りが早いことも影響していますが、逆に短い夏の間はかなり夜遅くになっても明るいままなので、家族や友人を呼んでホームパーティーを開きます。アウトドアライフも盛んで、ピクニックやBBQなどをしながら、自然を身近に感じ心身を癒やすライフスタイルが定着しています。ですから、彼らはリラックスして人と共有する時間や空間をとても大切にしています。
フィーカ
一方、スウェーデンには「フィーカ(Fika)」という言葉があります。「甘いものといっしょにコーヒーを飲む」という意味で、簡単にいうと、コーヒーブレイクのこと。スウェーデンの企業では、昼休みとは別に決まった時間に休憩時間があり、仕事の生産性を上げるのに役立っているようです。また、休暇中は仕事の電話も出ない、メールは自動返信と徹底しており、仕事とプライベートを完全に分けています。
このように、仕事と休み・プライベートにメリハリをつけることで生産性を上げ、労働者の幸福感も上げるという両立が図られており、その循環が世界屈指の幸福度に繋がっています。つまり、プライベートの時間や、その時間を快適に過ごすための空間づくりは、それ以外の時間にも影響を及ぼすということです。
プライべートな時間をしっかりくつろぐことができれば、ストレスがなくなり、心身の健康が得られ、より一層仕事もはかどるようになるのではないでしょうか? 庭やベランダなどは、外出自粛が求められるなかでも安心して屋外の開放感や非日常感が得られ、くつろぐのに最適な場所です。
「アウトドアライフ」な過ごし方とは

自宅の庭でできるアウトドアライフな過ごし方とは、どんなことができるのでしょう? 難しく考えることはありません。
例えば、くつろぐ。寝転ぶ。読書する。お茶を飲む。食事をする。ホームパーティーをする…などがあげられます。庭でこのように過ごすためには、ガーデンファニチャーが必要です。
ガーデンファニチャーの目的とは・・・
自宅のウッドデッキやテラスに、どんなガーデンファニチャーを置いて、何をするのか!? 具体例をいくつかあげてみました。
①寝転ぶ


夏のプールサイドに置いてある、白いデッキチェアを思い出しませんか? 風のそよぎを感じながらのお昼寝は、最高に気持ちのよいものです。テラスにデッキチェアを置いてみましょう。背の角度が調節できるリクライニングチェアもあります。もちろん、日差しはシェードやオーニングでカットします。
②くつろぐ・読書する

落ち着いてくつろいだり、読書をするためには、座り心地のよい人工ラタンのファニチャーがおすすめです。密な編み込みで高級感があり、マットやクッションを置けば、よりいっそうの心地よさが得られます。
③お茶を飲む・食事をする

少なくとも、家族人数分の椅子が必要です。4人家族であれば、120×75cm程度のテーブルと4脚の椅子になります。テーブルの天板は木製、足はアルミ製で、さびにくく長持ちします。
④ホームパーティーをする

ホームパーティーは、家族以外に友人や近隣の人を招いて楽しむことも多いので、家族の人数よりも多めの椅子が必要です。6人掛けであれば、180×75cm程度のテーブルが、8人掛けであれば4人掛けテーブルが2台必要になります。普段使わないときは、保管をするのに場所を取らない、スタッキング(積み重ね)チェアが便利です。
アウトドアリビングで過ごす
アウトドアリビングとは、居間などに隣接した屋外のバルコニーやウッドデッキ、テラスなどで、室内の延長上にある生活空間です。室内ではできないBBQパーティーなどができます。今が1階であれば、屋外のウッドデッキと居間の床の高さを同じにすることで、室内と屋外を一体化して活用することができ、高齢者や障がいのある方などの車椅子の移動も楽にできるようになります。
室内に閉じこもるのではなく、自然な環境に身を置くことによって、ストレスのない生活を送ることができるのが「アウトドアリビング」です。
自然の環境共生を味わう

夏は植物の蒸散作用や水の蒸発で涼しい空気の流れをつくり、落葉樹で日差しを遮る。
夏場は、できるだけクーラーに頼らない生活を送りたいものです。樹木や植物の植え方を工夫すれば、涼しい環境をつくることができます。
例えば、図のように、西側に落葉樹を植えます。夏は葉が繁り、暑い西日を遮ります。冬は葉が枯れ落ち、日差しを通し、デッキや室内を暖かくしてくれます。
また、中低木の植物は蒸散作用といって、日を浴びると葉の裏側から水蒸気を出して水分を調整します。それが蒸発して空気を冷やし、風の流れによって、ウッドデッキや室内に涼しい空気を送ります。このような微妙な小さい範囲の気象状況を「微気候」といいます。また、池やプールがあれば、その水が太陽光で蒸発し、空気を冷やします。
このように、自然と共生する庭づくりをすれば、ストレスのない身体に優しい生活を送ることができます。

ご自宅の庭のウッドデッキやテラスで、落ち着いたくつろぎを味わうためには、ガーデンファニチャーが必要です。自分の生活にフィットするガーデンファニチャーを選び、アウトドアライフを楽しみましょう!
次回のVol.2では、ガーデンファニチャーの種類やコーディネートの仕方を解説します。お楽しみに!
Credit

文&イラスト/松下高弘(まつしたたかひろ)
長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、手描きパース・イラスト・CG・模型等のプレゼンテーションや大手ハウスメーカー社員研修、エクステリア業の研修講師およびセミナープロデュースを行う。
著書には、『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』、『住宅エクステリアのパース・スケッチ・プレゼンが上達する本(彰国社)』など。新刊『気持ちをつかむ住宅インテリアパース(彰国社)』、好評につき絶賛発売中!!
画像提供(記載外)/タカショー
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