春になり、暖かい陽気になってきたと思うのも束の間、連休の頃には早くも夏日といわれる日差しの強い日が増えてきます。本格的な暑い夏がやってくる前に、今のうちから日除け対策をしておきましょう。ガーデンの日除け対策の方法として、シェードを使う方法があります。シェードは、いろいろな種類があるので、最適なものを選ぶコツをご紹介します。シェードのメリットや特徴、種類を分かりやすく解説します。

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シェードとは

シェード(英:shade)とは日除けのことを言います。本来は、日の光に遮られてできる「陰」そのものを指しますが、人工的に影を作るための布状の設備を指し「シェード」とも呼びます。シェードは主にベランダやテラス、デッキの天井に取り付けます。影のある場所とない場所とでは、夏場は温度にかなりの差が出ます。真夏日を記録したある日、住宅周りの温度を計測した際には、木陰は34℃、日除けのないテラスではなんと52℃を記録しました。

夏場の強い日差しに晒され続けているデッキやテラスは、このように想像以上の高温になり、素足で歩けなくなってしまったり、置いてある鉢植えの植物を痛めたり、また、デッキ自体の劣化を早めてしまったりします。シェードを取りつけると、こうした弊害を抑えるだけでなく、エアコンの冷房効率をよくし、省エネ効果もあります。

オーニングとのちがいは?

オーニングとのちがいは?
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シェードと同じような機能があるもので、オーニングがあります。

オーニングは住宅の外側に取付ける庇(ひさし)の変わりになるテントです。カフェなどのお店でよく見かけますよね。日除けはもちろん、多少の雨除け効果もあります。テントは出し入れできるよう、手動式や電動式で可動できます。

一方、シェードは室内やデッキ、テラスの日差しをカットし、日陰をつくることのみを目的としています。オーニングのキャンパス(テント生地)に比べ、シェードの布地は薄く編み込みが大きめなので、ある程度は日差しの透過性があります。室内の窓に取り付け、シェードカーテンとして利用される場合もあります。

オーニングやシェードのメリット・効果は?

それでは、オーニングやシェードを取り付けることで、どんな効果があるかを説明します。

オーニングやシェードのメリット・効果とは
https://pic.takasho.jp/portfolio/14778

1. 日差しや紫外線をカット

直射日光が程よくやわらいで、適度な明るさで快適に光を取り入れることができます。

日差しや紫外線を強力にカットし、赤外線をやわらげ、可視光線を優しく取り入れます。それでは、なぜ、紫外線は身体によくないのでしょうか?

紫外線はUltra Violetの略語でUVと言われ、日焼けや皮膚がん、シワやたるみなどの肌の老化を引き起こす原因になります。そのため、夏場はUVカット効果のある日焼け止めや化粧品が多く売り出されたり、メガネ屋さんでもUVカットのサングラスが並びますね。参考までに、赤外線は熱を伝える性質があり、可視光線は目に見える光のことをいいます。

2. 目隠し

室内のインテリアや屋外デッキの鉢植え植物などを、高温や強力な直射日光から守ってくれます。また、目隠し効果でプライバシーも保護します。意外に見落としがちなのがお隣の2階からの視線。シェードを取り付ければ、頭上からの視線もカットし、庭でのティータイムやくつろぎタイムも、より安心して過ごせるようになります。

3. 雨よけ

カフェテリアにあるオーニング
お店のカフェテリアにあるオーニング
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防水加工をしているものであれば、雨除けにもなるので、突然の雨でも洗濯物が干してあっても、濡れることはありません。お店ではカフェテラスにいるお客様も雨に濡れず安心です。

4. 冷房病対策

夏場の室内の冷房過多は、温度差の激しい場所を行き来することで、自律神経がおかしくなり、体温調節ができなくなってしまいます。これが「冷房病(クーラー病)」です。冷房病の症状は、足腰の冷え、だるさ、頭痛、肩こり、神経痛、食欲不振、下痢、不眠など多岐にわたります。

シェードで日陰をつくれば、家周辺の気温を下げることができ、エアコンを控えることができます。

身体に優しいストレスのない生活を送るのにも、シェードは活躍してくれます。

5.見栄えをオシャレに

 

見栄えをオシャレに
https://pic.takasho.jp/portfolio/10816

キャンバスは、赤や青のストライプ柄、三角形や四角形の形状など、さまざまな色やデザインがあり、ご自宅の庭や、お店をオシャレに演出することができます。季節に合わせてキャンバスの張替えをして、イメージチェンジも楽しむことができます。

オーニングとシェードの選び方

取り付けたい場所に適したものになっているか。どんな形や色がいいか。など「どんなオーニングやシェードがよいのか?」と悩む方に、選び方のコツを解説します。

1. まず設置場所の確認

シェードやオーニングは取り付ける前に、取り付け可能な場所なのかを下調べする必要があります。支柱を立てるときの足元や地盤がしっかりしているか? 電動式であれば、電源が周辺にあるか? などを検討する必要があります。

 ●オーニングタイプ

外壁に取り付けるタイプ 
外壁に取り付けるタイプ
Hadrian/Shutterstock.com

庇(ひさし)のような形のオーニングタイプは、一般に塀や外壁に取りつける壁付けタイプ、2本の支柱で立てる独立タイプがあります。前者は、住宅の構造によって、壁に柱や梁などの部材が通っているところに取り付けないと、固定できないものもあります。後者は2本脚なので地面がしっかりしていれば固定できるもの、ツッパリ棒のよう地面と2階バルコニーの上裏(あげうら)や軒下部分を支えに固定するものがあります。

●シェードタイプ

シェードタイプ
1枚生地のシェードタイプ  https://pic.takasho.jp/portfolio/1973

1枚生地のシェードタイプは、4本の支柱と梁で構成された、フレームに付けるタイプや、住宅外壁2か所から地面、または2本の支柱にフックを付け、シェードを固定するタイプがあります。

簡単にDIYで設置できるものでは、三角の生地で、高木やバルコニーの手すり、フェンスなどの3か所に金具を付けて取り付けるタイプ。四角い1枚生地で、窓枠の上部2か所と地盤やフェンスなどの2か所に固定するスクリーンタイプなど、さまざまなタイプがあります。また、2階バルコニーの手すりの内側に固定できるタイプも手軽に取り付けることができます。

2. 適した価格か

価格は何を基準にして決めたらよいのでしょうか?屋外に設置するものなので、日光や雨によって劣化し、交換が必要になることを考えると、コストは抑えたいものです。タイプや形状によって価格は異なりますが、庇(ひさし)のような形のオーニングよりも、1枚生地のシェードタイプの方が、安価で手に入ります。ホームセンターなどでいろいろな形のシェードと価格を検討してみましょう。

3. 必要な機能があるか

オーニングやシェードには、いろいろな機能があります。どんな機能があり、どの機能を重視するかを検討してみましょう。

●断熱性

断熱性とは、屋外の高い熱が室内に伝わりにくくする性質のことを言います。

窓越しから入る日差しは、室内の温度が高くなります。夏場は特に室温が上昇するので、断熱性の高いものを選びましょう。

●UV(紫外線)カット率

前述の「日差しや紫外線カット」で説明したように、UVは紫外線のことを言います。UVカット率は90%以上であれば、肌や目を守ることができ、室内の家具やテラス、ウッドデッキに置いてあるプラスチック製の鉢や収納ボックスなどの劣化を防ぐことができます。

●遮光性

遮光性とは、光を遮る性質のことを言います。遮光性の高いものほど、夏の強い直射日光から守ってくれます。遮光性は80~90%の高いものを選ぶとよいでしょう。わかりやすいものでは、室内のカーテンがあります。一般的に「シェードカーテン」と言われています。布地のカーテンより、レースのカーテンの方が光の透過率が高いので、遮光性は低くなります。

屋外のテラスやウッドデッキに植物が置いてある場合は、植物への日光量も考慮する必要があります。植物によって日当たりの好む量はまちまちなため、ホームセンターの園芸植物部門などに出向き、必要に応じて専門家に相談してからシェードを選ぶとよいでしょう。

●防水性

オーニングやシェードの生地には、防水性があるものがあります。防水性のあるものを取り付ければ、天気の良し悪しに関係なく、洗濯物を干したままお出かけもできて安心です。継ぎ目のあるシェードは、継ぎ目から雨がしみこむ場合もあるので注意して選びましょう。

以上の機能をチェックして、納得のいくオーニングやシェードを選びましょう。

4. デザイン性

赤と青色の三角シェード
赤と青色の三角シェード
画像提供:タカショー
赤と黄色のストライプのオーニング
赤と黄色のストライプのオーニング
Istvan-Balogh/Shutterstock.com

オーニングのカラーやシェードの形状は、さまざまなデザインがあります。庭の中では、けっこう目立つ部分になるので、機能性だけでなく、デザイン性も重視してみましょう。一般的に、赤、青、緑などの色があり、シェードは無地のものがほとんどですが、オーニングにはストライプ柄も多数あります。一方、白やベージュの生地を使ったシンプルなデザインもあるので、住宅外壁や塀、フェンスなどの取り付ける周辺の色に合わせて選んでみましょう。

5. メンテナンスのしやすさ

メンテナンスのしやすさも考えてみましょう。夏場でも日焼けしにくいものや、洗濯できるものもあります。また、フッ素樹脂コートが施されていて、雨やホースの水で流す程度で、汚れが落ちやすいものもあります。寿命は開閉式の機能など条件によって異なり一概に言えませんが、経年劣化は出てくるものの、丈夫なものは8~10年間もつものもあります。商品によって大きく異なるので、専門店に相談してみましょう。

オーニングとシェードの種類

 オーニングとシェードには、いろいろな種類があります。それぞれの特徴と内容を説明します。

1. ロールスクリーン

室内用ロールスクリーン
室内用ロールスクリーン
kunmom/Shutterstock.com

ロールスクリーンは、1枚の生地を窓の外側に取り付けるタイプです。使わないときはロール状に巻き取りができるので、見た目もスッキリしたデザインです。サッシや外壁にビス止めでき、室内用が一般的ですが、屋外用もあります。屋外用は、直射日光が窓ガラスから室内に通る前に、シェードでカットするので、室内用よりも断熱性が高く、エアコンの省エネ効果があります。

2. 壁付け型(開閉式)

壁付け型(開閉式)
https://pic.takasho.jp/portfolio/1311

ウッドデッキやテラスのある掃き出し窓の上部の外壁に取り付けるタイプです。お店のカフェテラスなどで見かけるオーニングです。開閉可能な手動式や電動式があります。取り付は難しいので、専門業者に依頼するのがよいでしょう。

3. 葦簀(よしず)

葦簀:ススキに似た植物を糸で編んだもの
葦簀:ススキに似た植物を糸で編んだもの
Alexandra-Osina/Shutterstock.com

葦簀は、葦(よし)と呼ばれるススキに似たイネ科の植物を、縦方向にそろえて糸で編んだものです。掃き出し窓などに立てかけて固定するだけです。通気性に富んでいるので、風を通しやすいのがメリットです。今では葦の国内生産が減少しており、輸入品の葦も使用されています。

4. 簾(すだれ)

簾 細く割った竹を並べて糸で編んだもの 
簾:細く割った竹を並べて糸で編んだもの
JessicaGirvan1/Shutterstock.com

簾は、日本では古くから伝わる伝統工芸のひとつで、細く割った竹を何本も横方向に並べ、糸で編んだものです。室内の間仕切りや、窓にも取り付けて使用されています。葦簀同様、通気性に優れています。

余談ですが、簾は、平安時代の貴族が使っていました。簾の言葉は万葉集の中にも出てきます。当時は御簾(みす)と呼ばれていました。

平安時代では「御簾(みす)」と呼ばれた簾
平安時代では「御簾(みす)」と呼ばれた簾
Wingedbull/Shutterstock.com

5. グリーンカーテン

部屋から見たゴーヤのグリーンカーテン
部屋から見たゴーヤのグリーンカーテン
ykokamoto/Shutterstock.com

グリーンカーテンとは、ゴーヤ、朝顔、つるのあるインゲンなどの「つる性植物」を、窓外に張ったネットにはわせて、カーテンの様に覆ったものです。蒸散作用と言って、植物は根から吸った水分が、葉の裏側から水滴となって発生し、それが蒸発し周囲の熱を下げます。その水蒸気を含んでいる空気を涼風として取り込むことで、その周辺や室内が涼しくなる天然なシステムです。夏場のエアコンに頼らない方法です。自然の力はスゴイですね。

シェードで自宅をオシャレに変身

シェードで自宅をオシャレに変身
4本の支柱と梁に取り付けたシェード(右側)
資料提供:サイン・彫刻・公園施設の施工 株式会社アムス 代表取締役 今村和雄氏

シェードは、断熱性やUVカットなどに効果のある、夏場の直射日光を遮る欠かせないアイテムです。いろいろな種類や機能があるので、目的に合ったシェードを選ぶことが大切です。生地の種類、カラーや柄も多彩にあります。

オシャレに選択して庭をステキに演出し、快適な生活を楽しみましょう。

Credit

文:松下高弘

文&イラスト/松下高弘(まつしたたかひろ)

長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、手描きパース・イラスト・CG・模型等のプレゼンテーションや大手ハウスメーカー社員研修、エクステリア業の研修講師およびセミナープロデュースを行う。

著書には、『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』、『住宅エクステリアのパース・スケッチ・プレゼンが上達する本(彰国社)』など。新刊『気持ちをつかむ住宅インテリアパース(彰国社)』、好評につき絶賛発売中!!

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