家事がラクに楽しくなる! サービスヤードのガーデンアイデア

Makistock/Shutterstock.com
家事には、食事、洗濯、室内や庭の掃除など、いろいろな仕事があります。夫婦で、掃除に洗濯、ゴミ捨てなど、家事を分担しているご家庭も多いのではないでしょうか。そんな家事をもっとラクで楽しくする、サービスヤードの快適な使い方をご提案しましょう。イラストで分かりやすく解説します。参考にしてくださいね!
目次
サービスヤードとは・・・
サービスヤードとは、勝手口やキッチンの周辺に設けられた屋外空間のことで、洗濯や物干し場、生ゴミなどの一時保管、園芸などの屋外用品の収納場所としても利用されています。敷地の北側などの裏庭に配置されるケースが多く、一般的には幅が1m程度のウナギの寝床のようなごく限られたスペースになることが多いようです。
しかし、この狭い空間もアイデア次第で使い勝手のよい、楽しいエリアにすることができます。
それでは、このサービスヤードのガーデンアイデアを考えてみましょう。
サービスヤードも快適なユーティリティに

勝手口の前は、コンクリートのポーチと2段程度の階段がついているのをよく見かけます。サービスヤードは家事のために必要なスペースです。前述のように、洗濯物を干したり、生ゴミの保管場所など毎日使うところですから、家事が楽しくなるような、快適に使えるスペースにしたいものです。

そこで、壁際にウッドデッキやタイルテラスを設置してはいかがでしょうか? タイルテラスなら、ゴミ置場周辺が汚れてもデッキブラシで簡単に水洗いできます。イスやテーブルなどのガーデンファニチャーを置けば、コーヒーブレイクをしたり、ご近所さんとのちょっとした井戸端スペースにもなります。
狭い場所では、折りたたみのガーデンファニチャーが便利。使用しないときは、住宅の壁際に立てかけておけば、邪魔になりません。また、お隣さんの視線が気になる場合は、目隠しできるフェンスを設置しましょう。ルーバータイプのフェンスなら風通しもよく、ハンギングもかけられるので、華やかな雰囲気になります。
物干し場の工夫
物干し場として利用する際は、キッチンの換気扇の近くにはしないことです。せっかくきれいに洗濯しても、魚や肉、油の臭いがついてしまっては意味がありません。

ガーデンルームを設置するのもよい方法です。ガラスやポリカーボネート製なので、太陽の熱を吸収して室内が暖かくなり、洗濯物が早く乾き、急な雨でも濡れる心配もありません。狭小敷地にも合う、幅が狭くて長いものなど、いろいろなサイズのものがあるので検討して設置しましょう。
D.I.Yでオリジナルゴミ置き場をつくろう!
生ゴミやプラスチックは市区町村の条例により区分され、収集日が決まっています。生ゴミは臭い防止のため、一般にはフタ付きのプラスチック製ゴミ箱に入れて収集日まで保管します。その他、古着などの布やダンボールなどもあります。このような、ゴミをスマートに保管できる場所を考えたいものです。これらのゴミをただ雑然と外に置いたのでは、景観が悪く、臭いがして、近隣に不快な思いをさせることにもなりかねません。

そこで、見栄えのよいゴミ置き場を設けてみてはいかがでしょうか? ホームセンターで購入した木板を使ってD.I.Yで作ってみるのも楽しいものです。イラストのように、ゴミ置き場の扉や裏板はルーバー状の目隠しフェンスを使用します。扉には蝶番と取っ手を付ければ、開け閉めが可能で風通しもよくなり、臭いがこもることはありません。板材はSPF材(米トウヒ、マツ類、モミ類などの針葉樹)が安価で加工も容易です。塗装はキシラデコールがおすすめです。天板の上には、園芸店によくあるパンジーやビオラなどの鉢植えを置いて、明るいイメージにしましょう。
料理をしながらキッチンから手が届くハーブガーデン
香りを楽しみ、料理をおいしくする、ミントやバジルなどのハーブは、キッチンのそばにあると便利です。ご自宅にハーブガーデンがある方は、キッチンから庭に出てハーブを取りに行かれるでしょうが、もっと手間がかからない方法があります。
前出のイラストのように、キッチンの窓を開けるとハーブが手に届くよう、高さのあるプランターをハーブガーデンにすればよいのです。プランターの下部には空間ができるので、収納スペースにして有効活用しましょう。塀際などにハーブの花壇を設けたり、置き場所を変えられるプランターでハーブを育てるのもよい方法です。
家庭菜園やハーブガーデンの配置場所は?
家庭菜園は育てる野菜により、日当たりのよい場所を選ぶ必要があります。できるだけ北側よりも東側で、サイドヤード(側庭)寄りの南からの日差しが入りやすいところを選びましょう。ハーブは育てるのが簡単なことから、設置場所にあまりこだわる必要がないのもメリットです。香りがよいので、家事スペースを気持ちよく、癒される空間にすることができます。
生ゴミ処理は簡単にできるコンポストで!
生ゴミをゴミ収集日に捨てなくても処理ができる方法をご存じでしょうか?
そのためには、コンポストという方法を使います。コンポストとは、有機物を微生物の働きで分解・発酵させて堆肥にする処理方法です。ご家庭では、生ゴミや庭の枯れ葉などを集めて容器に入れ、分解・発酵させて堆肥にします。
それでは堆肥(コンポスト)の作り方をご説明します。米ぬかやピートモス、燻炭(くんたん)を生ゴミを入れた容器に入れておきます。時々かき混ぜるようにすれば、1~2カ月程度で堆肥が出来上がります。燻炭(くんたん)とは、もみ殻を蒸し焼きにして炭化させたもので、多孔性(微細に多数の穴を持つ物質)なので通気性がよく、土壌改良材としても使用します。

堆肥(コンポスト)を作る容器をコンポスターといい、イラストのように、穴を掘ったところに置く鐘の形をしたタイプや、かき混ぜるのが簡単な回転できる密閉タイプなどがあります。生ゴミでも発酵しにくい草や花は入れないようにしましょう。当然ですが、プラスチック類やたばこなどの異物を入れるのも禁物です。
ゴキブリやウジ虫がわくのではないかという心配もありますが、最初に購入したときに虫や卵が入っていないことを確認しておくことや、コンポスターのフタが密閉できるものであればしっかり防ぐことができます。発酵が盛んなときは、40~50℃程度の熱を出すので虫の卵などを殺してくれます。米ぬかや油、発熱促進剤などを入れる方法もあります。冬場はビニールシートなどでおおい、保湿ができるようにすることも大切です。
このコンポスターもいろいろな種類があるので、ホームセンターやガーデンセンターの専門担当者に相談してみましょう。
ガーデンの水やりは無駄のない雨水利用で
鉢や花壇、植栽の水やりは、一般的に水道の蛇口にホースを付けて行いますが、毎日のことですから、少しでも節水を心がけてみませんか?

イラストのように、蛇口を付けた樽に、住宅用の雨樋(縦樋)を取り付けて軒下の壁際に設置します。雨の日には縦樋を通って雨水が樽に流れてたまります。天気のよい日は樽の蛇口をひねって、水をジョウロに入れて水やりに使います。古い樽に季節の花鉢を置けば、より素敵に見えます。樽は酒造メーカーに問い合わせるか、似たようなものであれば、エクステリアメーカーのカタログやホームセンターで見つけることができます。
また、地面の下に貯水タンクを設けて井戸のようにポンプでくみ上げる方法もあります。貯水タンクも雨樋と繋げておきます。くみ上げポンプはエクステリアメーカーのカタログで探してみましょう。これも素敵なオブジェになります。
サービスヤードは、オリジナルのゴミ置き場の設置や、香りでうるおうハーブガーデンをつくって楽しく明るい雰囲気を演出しましょう。ウッドデッキやタイルテラスを設置すれば、家事作業がしやすくなり、コーヒーブレイクや、ちょっとした井戸端スペースにもなります。ご自身で快適なユーティリティ空間をつくってみてはいかがでしょうか?
Credit

文&イラスト/松下高弘(まつしたたかひろ)
長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、手描きパース・イラスト・CG・模型等のプレゼンテーションや大手ハウスメーカー社員研修、エクステリア業の研修講師およびセミナープロデュースを行う。
著書には、『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』、『住宅エクステリアのパース・スケッチ・プレゼンが上達する本(彰国社)』など。新刊『気持ちをつかむ住宅インテリアパース(彰国社)』、大手書店に続々登場!!
新着記事
-
育て方
【バラ苗は秋が買い時】美しいニューフェイス勢揃い&プロが伝授! 秋バラの必須ケア大公開PR
今年2回目の最盛期を迎える秋バラの季節も、もうすぐです。秋のバラは色も濃厚で香りも豊か。でも、そんな秋のバラを咲かせるためには今すぐやらなければならないケアがあります。猛暑の日照りと高温多湿で葉が縮れ…
-
ガーデン&ショップ
【秋の特別イベント】ハロウィン色&秋バラも開花して華やぐ「横浜イングリッシュガーデン…PR
今年のハロウィン(Halloween)は10月31日(金)。秋の深まりとともにカラフルなハロウィン・ディスプレイが楽しい季節です。「横浜イングリッシュガーデン」では、10月31日(金)まで「ハロウィン・ディスプレイ」…
-
ガーデニング
「水切れ対策」に有効な伝統的手法とは!?―女優・黒谷友香の庭づくり時間番外編2
女優の黒谷友香さんが千葉で大切に育んでいる600坪の広さを誇る『友の庭』。BS11の番組『黒谷友香、お庭つくります』を通して、専門家のアドバイスを受けたり、さまざまなガーデンを訪れて学びを深めながら進化を続…