家と庭は別々に考えがちです。しかし、家を建てる時に庭をつくって有効活用できれば、そこは自然溢れる「5番目の部屋」になります。今回は、「家と庭の関係性と5番目の部屋」について、専門家からきいたこぼれ話をみなさんにも少しだけお話しましょう。

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「家庭」での思い出や時間をつくる「庭」

「家庭」とは、家族が生活を共にする場所であり、その字のごとく「家」と「庭」とで成り立っています。この2つは、家族の生活にとって切り離すことができない大切な要素。家をつくるということは同時に、庭をつくるということでもあり、リフォームを含む「住まいづくり」のすべてにおいていえることです。

庭は屋内も快適にしてくれる

写真/asharkyu /Shutterstock.com

例えば、庭に植えた木は、暑い夏の日差しを遮り、葉が散った冬には太陽の暖かい光を室内に取り込みます。植栽だけではありません。ギラギラとした夏の日差しを遮る「緑のカーテン」。ツル性の植物として、ゴーヤやヘチマなどが代表的ですね。またリビングから繋がる窓辺のデッキ。日本ではタイルや石張り以外によく木製のフローリングタイプが用いられますが、これも毎日を快適に過ごすための住まいづくりの工夫。日差しの照り返しを最小限に抑えます。

文化や個性を楽しみながら自然と遊べる豊かな生活へ

写真/Lee Yiu Tung /Shutterstock.com

「機能」としての快適さを生み出す役割に加え、暮らしを豊かにする「デザイン」もまた庭の役割。日本家屋では、庭先に玉砂利を敷き詰め、水はけなどを考えつつ空間美も追求。庭と一体化した住まいづくりの知恵が、脈々と受け継がれてきました。それはもちろん、世界でも一緒。ヨーロッパやオーストラリアでは、道路に面するフロントヤードは比較的地味な住宅や建物が多いのですが、一歩中庭に入ると、見事なリビングスタイルの庭に出合うことができます。

庭には、それぞれの国の文化や住む人の個性が表れるものです。まるで異国を思わす「リゾートガーデンスタイル」や、草花であふれ自然の中にいるような雰囲気を醸す「ボタニカルガーデン」、子どもたちと一緒に成長し変化する「リビングガーデンスタイル」のほか、近年では、日本特有の技法で自然美を象徴的に描く「日本庭園」がブーム。

いずれも生活のステージを室内から屋外へと延長し、暮らしの中に癒しと感動を求めて、庭をつくり上げています。緑に囲まれて風を感じ、自然の光に満ちあふれる空間。時には水の流れや音、水面の揺らぎを楽しみ、夜にはライティングでロマンチックな空間を演出。庭は室内ではできない「暮らしの豊かさ」を楽しむ場所でもあるのです。

「5番目の部屋」として庭をつくろう

室内の主要となるリビング、ダイニング、キッチン、ベッドルームの4種の部屋から延長された「庭」という空間。これは住まいの「5番目の部屋」になります。毎日の生活を「LIVING IN THE ROOM」だけで終わらせるのではなく、新たに「LIVING IN THE GARDEN」を加えて、もっと心豊かに、庭のある暮らしを楽しんでみませんか。

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