プランターやハンギングでステキに植物を飾ろう! デザインや方法をご紹介

日本全国でフラワーショーやガーデンパークのイベントなどが開催され、ガーデニングは大人気ですね! ガーデニングで、花々をより美しく演出してくれるアイテムが、プランターやハンギング。広い庭がなくてもガーデニングを楽しむことができるアイテムでもあります。ここでは、プランターやハンギングを使って住宅を素敵に見せるデザインアイデアをご紹介します。
目次
花々でステキなハウステンボス

テーマパークではこんな逸話があります。
あの有名な長崎のハウステンボスは、実は10年ほど前は赤字だったのですが、H.I.S会長の澤田秀雄氏が社長に就任し、大変な支金繰りを経て黒字に転換しました。その黒字転換の立役者の一つとなったのがガーデン。季節ごとに花や緑で圧倒的に美しい景色を作り出し、ガーデンに関するさまざまなイベントを開催することで、今ではお出かけスポット検索数ランキング4位(集計期間:2019年6月8日~2019年7月7日)にまで人気を回復しました。
今年も春の「100万本の大チューリップ祭」に始まり、「桜祭」「バラ祭」「あじさい祭」「ゆり祭」などが開催され、四季折々の花々を飾って魅力的な会場が登場しました。さらに、夜もイルミネーションによって街全体が美しく演出され、神秘的な世界を体感できるようになっています。

「クレマチス」は一番人気

さて、人気の花は「みんなの趣味の園芸・NHK出版」によると、春から初夏に咲く花では1位がクレマチス、2位はラベンダー、3位はチューリップです。クレマチスは四季咲き品種の他に、冬咲き、春咲きもあり、上手に組み合わせると一年を通して花を楽しむことができます。ラベンダーは、紫色の花と香りで心地よいくつろぎを感じられる代表的なハーブ。世界中で愛されているチューリップはさまざまな色と形を楽しめます。
参考までに、以下10位までの花もあげておきます。
4位シャクヤク、5位アマリリス、6位ペラルゴニウム、7位デルフィニウム、8位フランネルフラワー、9位ネモフィラ、10位ナデシコ(ダイアンサス)。
このような花々を、よりいっそう、魅力的に見せるためのプランターやハンギングのデザインを考えてみましょう。
植物を楽しく飾るファサードデザインを考えよう!
街を散歩している際、植栽のない門構えを見ると、無機質で寂しささえ感じます。土の地面がなく舗装された敷地だから植栽できないという場合にも、ポットやプランターを使えば、うるおいのあるファサードに変えることが可能です。朝晩の水やりをしていると、植物の生長や変化の様子がつぶさに観察でき、楽しくなってきます。
それでは、より楽しくなる植物を飾ったファサードのデザインをご提案します。
門柱や門袖をオシャレに飾る
●枕木の種類と設置の仕方
住宅街を歩いていると、よく見かけるのがアルミの門柱ですが、ほかに枕木の門柱もあります。枕木は国産材、輸入材やコンクリート製もあります。門柱に、表札、インターホン、ポストを取りつける場合は、70cm程度を埋め込むことになるため、長さ2m×幅20cm×厚14cm程度のサイズが必要です。金額もまちまちですが、1本6,000~8,000円程度です。送料の有無もあるので、ネット検索やホームセンターなどで調べてみましょう。
また、枕木門柱設置をDIYでするには、次の手順を参考にしてください。
1. 穴を掘ります。
安全のため、門柱の高さが1m以内の場合は枕木を1/4程度、1mを超える場合は1/3以上を目安に地面の下に埋めるようにします。
2. 3~5cmの路盤材(砕石)を敷き、たたいて固めます。
3. 枕木を入れ、すき間にも土を入れ込み、固定します。
4. 水をかけて土をなじませます。
5. 土がへこんだら、更に土を入れて固めます。
さて、いよいよデザインアイデアです。イラストを見ながら参考にしてみてください。
●枕木

枕木2本を使い、枕木上部とインターホンの下に鉢を置き、その脇にはハンギングを飾って植物でいっぱいにした門柱です。
2本の枕木は鎹(かすがい)やボルトなどでしっかり固定し、ずれないようにしましょう。表札はアイアン文字、ポストは銅板製のブロンズ色で構成すれば、ナチュラルな印象になります。

木の板材で作った宅配ボックス付き門柱もデザインしてみました。表札は銅板の抜き文字で裏面に乳白色のプレートを貼ります。夜間は内照式の照明で文字が光ります。
板材は、SPF材(米トウヒ、マツ類、モミ類などの針葉樹の総称)が安価で加工しやすいでしょう。環境に優しいACQ(腐薬剤)を注入加工したものを使用すれば、耐久性で長持ちします。
また、門柱背面には支となる柱枕木をつけますが、足元は地面下に埋め、しっかりと土を入れて固め、倒れないようにします。枕木だけでは寂しいので、枕木の左右に棚を設け、花鉢を並べることで、どこから見ても緑と花々を楽しめるようにしました。
●ワイヤーメッシュとツルもの

上のイラストのように、ワイヤーメッシュで枕木をくるんで門柱を作ります。室内用ワイヤーメッシュを屋外で使用する場合は、スプレータイプのもので塗装しましょう。室内用はエポキシ系塗装が施されているので、シンナー系のさび止め剤は表面が溶けてしまうため使わないようにします。ワイヤーメッシュにツル植物が絡み、緑の門柱が出来上がります。
表札やインターホンなどが緑で隠れないように、一般にツル植物は、花が咲いた後に間引き剪定をするようにしましょう。
●プランツフレーム(額縁)

四角いフレームの中に鉢植えにした植物を入れ、フレームを額縁に、植物を生きた絵に見立てて絵画のように植栽を観賞するアイデアです。フレームは垂直に吊るすか、立てかけて置きます。
ホームセンターで必要サイズの木の板材を購入して作ります。額縁の色を白く塗ると植物がきれいに見えます。門柱や門袖、デッキの手すりに掛けてもステキです。額縁の大きさによって鉢のサイズが決まります。小さい鉢には、手入れが楽な多肉植物やセダム類もよいでしょう。
住宅の高い基礎をステキに見せる

住宅の高い基礎の立ち上がりは、駐車場の床と一体となってコンクリート色で寂しいものです。こんな時は一般に、基礎の足元にプランターやポットを置いているのをよく見かけますが、アイアンでオシャレに飾り、ツル植物を絡ませたり、木で作った横格子にハンギングで花々を飾ってもうるおいが生まれます。
設置には支柱を使います。地面がコンクリートか土かによって、それぞれ適した固定金物がありますので、ホームセンターに出向き研究してみましょう。無機質で寂しかった駐車場もオシャレに変身します。
いろいろなオリジナルプランター
プランターも工夫ひとつでステキなガーデンになります。いろいろな材料を使って、DIYでできるデザインアイデアを見てみましょう。
●ピンコロ

ここで使用したサイズは、10cm角や10×10×20cm、10×10×30cmなどですが、ばらつきがあるので注意しましょう。白ミカゲや黄土色のような錆びミカゲなど、色にもバリエーションがあり、高さを変えて並べることで単調さがなくなります。長いピンコロは程よく地面に埋めて立てます。
●レンガ

日本のレンガのサイズは、幅10cm、長さ21cm、厚み6cmです。赤茶から黄土色までさまざまな色があります。並べたり、積み上げるだけでもオシャレな「花台つきプランター」になります。
●コンクリートブロック

グレーだけでなく赤茶や緑色などもあります。リブ付きのものが定番人気ですが、今では、円柱やかまぼこ型のガーデン用ブロックでおしゃれなプランターが作れます。直線のみでなく曲線のプランターも作れます。
植物で楽しく飾るデザインをイラストで解説!

緑とステキな花々をメインにしたファサードのデザインをご提案します。植物の好きな方にとっては楽しく、DIYで作れるアイテムもあるので参考にしてみてくださいね。
たっぷり花が飾れる階段状の花台門袖
アーチの右手の門袖は階段状になっていて、レンガの笠木を花台にして花々を飾れるようになっています。コテ仕上げした塗り壁にアイアン文字の表札をつけました。市販の素焼き鉢にモザイクタイルを貼れば、オリジナルポットも楽しめます。
レンガのオリジナルプランター
門袖の足元の植栽はプランターの立ち上がりがなくても柔らかい自然なイメージでよいのですが、イラスト一番右手のプランターのように、レンガを縦に2つずつ並べるなど、置き方しだいで、変化のあるプランター作りを楽しむことができます。
ツル植物アーチ
住宅の顔になる門まわりは、ソフトに優しいツル植物アーチです。つるバラは植えてから花が咲くようになるまで数年かかりますが、四季咲きといって1年に何回も花が咲くものもあり、根気よく育てればステキな門まわりになります。
門まわりは間口が広い1.5mのアーチがおすすめです。

スタンドポストやオベリスク
ツル植物アーチの左手にはスタンドポストを設置します。レンガ笠木のプランターを足元につくり、花台門袖とのバランスを見栄えよくとっています。また、左手の駐車場と玄関の間やアプローチと右手の庭の間などにオベリスクを置くと、全体が自然になじみ優しいイメージになります。
参考までに、オベリスク(仏:obelisque、英:obelisk)とは、古代エジプト期に神殿に立てられた記念碑(モニュメント)の一種です。ガーデニングでは三角錐や円錐などの先端をとがらせたタワー状のもので、ツル植物を絡ませたモニュメントになります。
ファサードを植物でステキに飾るには、レンガやピンコロ、タイルなどを並べてオリジナルのプランターをつくりましょう。鉢やハンギングも手軽に取りつけられる便利なアイテムです。鉢は市販のアイテムをそのまま使わず、モザイクタイルを貼るなど、自分で一味加えれば、緑や花々もいっそう華やかになります。「自分流ガーデン」をつくり、楽しんでみませんか?
Credit

文&イラスト/松下高弘(まつしたたかひろ)
長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、手描きパース・イラスト・CG・模型等のプレゼンテーションや大手ハウスメーカー社員研修、エクステリア業の研修講師およびセミナープロデュースを行う。
著書には、『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』、『住宅エクステリアのパース・スケッチ・プレゼンが上達する本(彰国社)』など。新刊『気持ちをつかむ住宅インテリアパース(彰国社)』、大手書店に続々登場!!
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