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ペットと共に暮らす1〜犬と暮らすマンションのバルコニーリフォームアイデア

ペットと共に暮らす1〜犬と暮らすマンションのバルコニーリフォームアイデア

a katz/Shutterstock.com

近年は都会でも毎朝、遊歩道や公園でジョギングやウォーキングをされている方々に交じって、犬と散歩をしている方を多く見かけるようになりました。マンションなど屋内で飼われている犬にとって、屋外へ出ることはそれだけでストレス解消やウエルネスケアにつながります。そこで、犬と共に生活されている方やこれから犬と暮らしてみようと思われている方必見の、犬も快適に過ごせるマンションのバルコニーアイデアをイラスト入りで解説します。

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犬も子どもと同じ大切な家族

ワンコも子どもと同じ大切な生きもの
bbernard/Shutterstock.com

犬は産まれてから2~3カ月程度たつとペットショップなどを通じて飼い主と出会います。子犬は約1年で成犬になり、犬の種類や性格にもよりますが、年齢とともに飼い主の言葉を理解し対応するようになります。

犬と人との信頼関係は変わりませんが、犬を飼う環境は社会システムを含めて変化してきています。10年前と今とで変わったことは、マイクロチップがペットに埋め込まれていて、迷子になってもマイクロチップの15桁の数字から名前や住所など、連絡先が分かるようになったことです。マイクロチップの読み取り専用リーダーは、動物病院や保健所などに設置されており、飼い主がすぐに分かるようになっています。

また、ペット保険も充実してきており、突然の病気や手術による、予期せぬ多額の出費をおさえられるようになりました。

最近では、事情があって飼い主に見放された犬を引き取り、生活を共にする飼い主さんも多くなりました。愛情を注いで育てれば、犬も理解してくれます。

ペットと共に生活をされている方はもちろんご存じのことと思いますが、これからペットと共に生活される方は、子育て同様、楽しく大切に育てましょう!

ペットと暮らすためのモラルは大事

ペットと暮らすためのモラルは大事
4 PM production/Shutterstock.com

ペットの住環境にも変化があり、以前は戸建てが多かったのが、ここ10年ほど前からは、小型犬のみでなく、大型犬も住めるマンションも多くなってきました。マンションは多くの人が住む集合住宅で、動物嫌いやアレルギーのある方などもいますから、ペットの管理には十分に気をつけるようにしましょう。管理規約を確認しておくことも大切です。

バルコニーのリフォーム前に知っておくべきこと

マンションには管理規約があります。管理組合や管理会社に、どこまでバルコニーのリフォームが可能なのかを確認する必要がありますが、一般的な注意事項は以下の通りです。

*マンションでは、玄関ドアや通路となる廊下は「共用部分」になるのでリフォームすることはできません。一方、バルコニーや1階のベランダや庭部分は各住戸の居住者のみが自由に使うことができる「専用使用部分」になり、決められた範囲内でリフォームが可能です。

*ただし、「専用使用部分」のバルコニーでも、避難通路、避難ハッチの利用などに使われるため、避難するために支障となる物を置くことは禁止されています。

*また、バルコニーの手すりや壁、床も共用部分になるので、塗り替えたりすることはできません。

*排水口や溝のお掃除は居住者が定期的にするようにしましょう。

バルコニーで犬と共に楽しむガーデンアイデア

それでは、バルコニーでできるガーデニングのアイデアをご提案します。イラストを見ながら参考にしてみてくださいね。

バルコニーでワンコと共に楽しむガーデンアイデア

床材を敷いてナチュラルに

一般にバルコニーの床はコンクリートで、グレー系の色が多いですよね。そのままだと少し無機質な感じがしますし、温度が上がりすぎて、ワンコのみならず人にも過酷な環境になってしまうので、床材を敷きましょう。

床材は、人工芝や天然木、樹脂木、石調・テラコッタ調のパネル、デッキなどがあります。

*パネルは1枚が30cm角になっていて、広さに応じて必要枚数を並べるだけで施工することができます。

*デッキは幅が15〜30cm、長さは1~2m程度のさまざまなサイズがあります。天然木は質感がよく、樹脂木は比較的、防水性や耐水性が高いという特徴があります。

*パネルやデッキよりも安価で手に入るものでは、人工芝があります。水はけや通気性もよく、派手な緑色のものだけでなく、落ち着いたオリーブグリーンなどの色もあります。

*犬は自分の居心地のよい場所として、ラグが大好きです。アウトドア(屋外用)ラグもあるので、人工芝も併せてホームセンターなどで検討してみましょう。

目隠しフェンスに植栽を

お隣のマンションからの視線をカットする目隠しフェンスがあれば、バルコニーでくつろぐ時間がつくれます。ルーバー状や隙間のある横板張りのフェンスを使えば、風通しがよく快適です。ラティスタイプのフェンスにつる植物を絡ませると、華やかで、種類によっては香りも楽しむことができます。

フェンスはシュロ縄やフェンスと同色の針金で手すりなどに固定します。足元がプランターになっている、置くだけで簡単に設置できるタイプもあります。

その他、すだれやシェードも日除け兼目隠しとして使えるので検討してみましょう。

狭いバルコニーも2段式のプランターで華やかに

狭いバルコニーも2段式のプランターで華やかに
http://aoyama-garden.com/shop/g/g56611200/

プランターは基本的に犬の前足が届きにくい高さのものを選びましょう。2段式のものなら、限られた空間でも多くの植物を育てることができ、彩り豊かな空間をつくることができます。2段式プランターの低いほうは椅子に座ったままで、高いほうは立ったままで、腰を曲げずに作業できます。ハーブ系の植物は高いほうにして鼻が敏感なワンコから遠ざけるとよいでしょう。ラベンダーなどは蚊が嫌うので、人間にも犬にも嬉しい植物です。

野菜の栽培は犬の手が届かないレイズドベッドのプランターで

野菜の栽培はワンコの手が届かないレイズドベッドのプランターで
http://aoyama-garden.com/shop/g/g56637200/

家庭菜園は、比較的育てやすいミニトマトやナスが、初心者にはピッタリです。「ナスは水で育つ」といわれるように朝晩マメに水やりし、実のなる植物には肥料を施します。また、病害虫に注意しましょう。犬が野菜を勝手に食べたりしないように、野菜栽培のプランターも床から高さのあるレイズドベッド式がよいでしょう。組み立て式の市販品もありますし、自分で作ることも可能です。

木材はホームセンターで購入すれば、サイズを指定し、1カット10円程度で切ってもらえます。条件によっては10カット無料の店舗もありますので、店員さんに聞いてみてください。

また、D.I.Yで作る場合、完成したプランターはキシラデコールなどの木材保護塗料を塗り、プラスチック製のプランターを中に置いて使用すれば、長持ちします。下部は、園芸グッズの収納に使うと便利です。犬によっては園芸グッズをいたずらされないように、扉をつけるなど、工夫をしましょう。

最後の仕上げに、お茶をする、寝転ぶなど、くつろぎ用のファニチャーを配置します。目的に合った自分流バルコニー空間づくりに挑戦してみましょう。

室内もペットの臭い・汚れ対策のためのリフォームを

参考までに、ペットに優しい室内リフォームの提案です。ペットと暮らすにあたって、臭いや汚れ対策に役に立つことをいくつかあげてみましょう。

室内もペットの臭い汚れ対策のためのリフォームを

珪藻土の塗り壁で臭いを吸収

犬のウンチもそれなりの臭さがありますが、猫は、もっと臭いがきついですね。ペット好きな方は臭いに慣れはありますが、ペットは、それなりの体臭もあります。

その臭い消しに最も効果的なのが、壁を珪藻土にすることです。珪藻土は、珪藻(けいそう)の遺骸(いがい)が積み重なってできた白、灰白色、黄色の土のことです。珪藻とは植物性のプランクトンで、珪酸(けいさん)を含む細胞膜を持った藻のことをいいます。中学生の理科の生物の授業でアオミドロなどと共に出てきた植物ですが、覚えていませんか?

この珪藻土を水でよく練って、乾かないうちにコテなどを使って塗ります。ダマにならないようによく混ぜ、ビニールをかぶせて水分が全体にいきわたるまで3分ほど寝かせてから塗るのがポイントです。

お掃除の楽なタイルの床

フローリングの床は、シミや汚れがつくとなかなか取れないものです。そこで、リフォームをするなら、タイルを貼ってしまうとお掃除が楽になります。D.I.Yの場合は、樹脂系のタイル模様のシートを貼りましょう。お部屋の広さに合わせ、シートのサイズを選びましょう。

花台にもなる犬のくつろぎスペース

普段の生活で、犬が落ち着く場所が必要です。背の低い丸テーブルを花台にして上部を花で飾り、下部の周辺を囲って犬の落ち着く居場所にします(イラスト左奥)。手作りで金属板を加工するのも面白そうですね。

犬の様子が目に届くレストルーム

バルコニーとつながる掃き出し窓のある部屋を、ペットとともに過ごすレストルームにしてみてはいかがでしょう。テーブルやイスを置いて、家族のくつろぎスペースもつくりましょう。犬の行動にも目が届くので便利です。タイル調シートを貼れば、コーヒーなどをこぼしても安心です。

 

マンションでペットと共に快適に暮らすためのアイデアはいかがでしたか? 他にもペットと生活するうちに、いろいろなアイデアが浮かんでくるものです。ペットと共に楽しいひとときを送りましょう。

次回は、「ペットと共に暮らす2:犬と共に楽しむ戸建住宅ガーデンアイデア」をお届けします。

お楽しみに!

Credit

文:松下高弘

文・イメージイラスト制作/松下高弘(まつしたたかひろ)

長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、手描きパース・イラスト・CG・模型等のプレゼンテーションや大手ハウスメーカー社員研修、エクステリア業の研修講師およびセミナープロデュースを行う。

著書には、『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』、『住宅エクステリアのパース・スケッチ・プレゼンが上達する本(彰国社)』など。新刊『気持ちをつかむ住宅インテリアパース(彰国社)』、大手書店に続々登場!!

資料提供/株式会社EST Produce 菊池信一

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