夜間、ライトアップされたエントランスや庭は、とてもおしゃれですね。最近は、ライトアップする住宅が増えてきています。周りの住宅と差をつけたライトアップをしたいときにオススメなのが、ラインライト。直線的なライン状の光の演出をすることで、一気にスタイリッシュな空間に変えてくれます。今回は、美しく印象的な空間づくりに役立つラインライトのテクニックや使い方のコツを実例写真とともにご紹介します。
目次
ラインライトとは…その効果とメリット
ラインライトとは、線状に光を配することができる照明器具の一つです。奥行きと高さは数センチという薄い形状ながら長さがあるため、省スペースで広い範囲を照らすことができるのが特徴です。地面や壁面、階段の蹴込みなどに埋め込んで設置できるため、構造物と照明器具とを一体化させて空間をシンプルに仕上げながら、直線的な光でスタイリッシュな夜の風景を印象づけることができます。
ラインライトをおしゃれに使ったライトアップ
エントランスをラインライトで演出
写真のようなフレームにラインライトを組み合わせると、アプローチを光のゲートのように特別な雰囲気で演出できます。もちろん、足元を均一に明るくして安全性を確保するという実用的な効果もあります。頭上に光があるので空間全体が明るくなり、周りの植栽なども一緒にライトアップできます。
ライトの色使いでも雰囲気はガラリと変わります。この実例では、2つ連なった青いラインライトが、後ろの電球色を際立たせています。青色の補色であるオレンジが上手に取り入れられ、お互いの色味を華やかに引き立たせています。
このように、同じようなフレームでも配置の仕方で印象が変わって見えます。
アプローチの長さや向きに合わせたり、光が欲しい位置に合わせたり、自宅に合った使い方をしてみるといいですね。
カーポートとラインライトを組み合わせると、夜間に車を駐車する時や乗り降りの際の明るさの確保につながります。このように光のラインを並べたライトアップは、すっきりとしつつ、かなり印象的なカーポートになります。
車にラインの光が反射するのも、おしゃれですね!
床から壁面にかけて直角に埋め込んだラインライトは、スタイリッシュながら、足元をしっかりと明るく照らし、夜間も安全に導いてくれます。場所を取らない埋め込み式なので、狭いアプローチにも使え、誘導の光の役割も果たしてくれます。
門袖のスリットとラインライトを組み合わせると、省スペースながら辺りをかなり明るくしてくれるので、近くの植栽も一緒にライトアップされて、昼と夜のエントランスの印象を大きく変えることができます。
このように壁面や床に埋め込んで、ラインの光をデザインとして魅せた使い方もできます。
タイルの目地に合わせてラインライトを埋め込むと、シンプルなアプローチがおしゃれに変身します。
アプローチに使う場合、1タイルごとに埋め込むと華やかに、間隔をあけて埋め込むと誘導の光としても使えます。
ガーデンやテラスをラインライトで演出
ラインライトを水と組み合わせると、水面にラインの光が反射しドラマチックな空間を演出することができます。天井面まで走らせたラインライトは、夜の空間の主役になっています。
水面が揺れないよう静かな状態を作ってあげると、光のラインが際立ちます。
ラインライトは、モダンな空間と相性がとてもよい照明器具です。大きな屋根や広く開いた建物の開口部のデザイン、高さの異なる壁や幾何学的なフェンスなど、直線的なラインが印象的な外観を活かすには、光もラインライトで演出すると空間に馴染みます。
上記と同じ空間を内側から見た風景です。間接光しか使われていない空間にラインライトを入れると、アクセントになります。
1本のラインライトが、外観のデザインと調和しつつ、内側ではアクセントとしての効果を発揮し、空間を上手に引き締めた施工児事例です。
テラスに用いた例です。頭上にライン状の光があることで目線が上にも向き、限られた都市空間でありながら、より解放感を感じさせることができます。
スリットを上手に活かしてライトを取り込んでいるので、省スペースながら夜になっても暗がりができずに、全体的に明るくすることができます。
同じ幅と色のラインライトを上面と下面に入れると、その間に一枚の透明なガラスがあるような錯覚が生じる不思議な空間になります。
青いライトは、近未来的な印象をもたらしてくれます。
スポットライトでライン状の光を演出するライトアップ
ラインライトを使わなくても、スポットライトを使ってライン状に光の演出をすることも可能です。光を絞った狭角配光のスポットライトを、シンプルな白い壁面の下方から上方に向けて照らすと、直線的でシャープな細い光が浮かび上がり、壁面をアート空間のようにスタイリッシュに演出できます。
2つの照明を細くクロスさせることでスタイリッシュに見えます。細長い窓からもれる明かりとも調和し、夜の外観がとてもおしゃれです。
スポットライトでライン状に光を作りたいときには、まっすぐ上に光を伸ばしますが、光量によって光の長さを変えたり、向きを変えたり、自由にデザインすることができるのが、スポットライトを使うメリットです。上の写真の通り、壁の色合いによっても光の見え方は異なります。
白い壁面のほうが反射率が高く、黒い壁面は反射率が低いので、はっきりとしたシャープなライトアップをしたいときには白い壁面を、落ち着いたライトアップには黒い壁面にするとよいでしょう。
門袖にアクセントとしてアートのような光のラインを使うのもおしゃれですね。
これはスポットライトで床にライン状の光を描いた例です。このように壁面だけでなく、ちょっと寂しい駐車場やアプローチの床にアートのようなラインを入れるのもインパクトがあります。
挿すだけで使用できるスポットライトを使えば、その日の気分で好きな角度にし、光によるオリジナルのデザインを自在に楽しめます。
門の両脇にスポットライトを配置し、床にクロスを描くように配光した例です。シャープな光の線が足元を導いて、帰宅する家族を温かく出迎えてくれます。
門壁が間接光でライトアップされているので、より床面の光のラインが際立って見えます。
以上のように、ラインライトやライン状のライトアップは、床や壁面、門袖、スリットなどでいろいろな使い方ができます。設置の自由度が高く、省スペースで効果的に光の演出ができ、空間をスタイリッシュな印象に変えてくれます。
ぜひご自宅にも取り入れてみてはいかがでしょうか?
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