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自宅の駐車スペースをオシャレにしたい! ガレージとカーポートの選び方

自宅の駐車スペースをオシャレにしたい! ガレージとカーポートの選び方

https://pic.takasho.jp/portfolio/8458

車好きの方が家を持つ際にこだわりたいところは、やはり駐車スペースでしょう。駐車スペースは多くの場合、囲いなど何もない野外にとめる“平置き”が一般的ですが、「カッコいい外車やスポーツカーをオシャレに見せたい!」「大事な車だから、しっかりとガレージ(車庫)にしまっておきたい!」など、それぞれの要望に合ったステキな車の置き方があります。ここでは、ガレージ(車庫)やカーポートのそれぞれの魅力と、選ぶ際のポイントなどについて解説します。

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ガレージとカーポートの起源にまつわる逸話

ところで、ガレージとカーポートには、こんな逸話があります。

19世紀後半、アメリカでまだ馬や馬車が主な交通手段だった時代に、高級な車の保管場所として使われていた馬小屋が、“ガレージ”の始まりといわれています。実際は倉庫として使われることも多かったようですが。また、カーポートについては、1910年、アメリカ・イリノイ州エルムハーストのW.Bスローン邸に駐車場付き住宅が建設されたことが始まりで、1930年代になると、一般的な家族向けに手ごろな価格のコンパクトな小住宅群が建設されました。これを「ユーソニアン住宅」といいますが、この住宅に駐車場を設置した際、初めて“カーポート”という言葉が使われました。

“カーポート”の名づけ親は、20世紀を代表するあの有名なアメリカの建築家、フランク・ロイド・ライト(1867~1959年)だったなんて、皆さまはご存じでしたか? もちろんこの住宅の設計も、ライトの事務所によるものであったことはいうまでもありません。

さて、余談はこのくらいにして、本題に入っていきましょう。

ガレージとカーポートの違いは?

それでは、ガレージとカーポートの違いについて考えてみましょう。

カーポートは、雨をしのぐ屋根を柱のみで支えたもので、住宅のアプローチまわりによく見受けられます。車の出し入れを容易にしたい方には便利です。ただ、しとしと雨程度であれば車は濡れにくいですが、風が強い雨の日は、車が濡れてしまいます。

一方、ガレージは、三方向が壁で囲まれ、出入り口にシャッターや扉が付いた屋根付きの車庫のことをいいます。雨もしのげ、防犯上も安心で、愛車を大切にしたい方にはオススメです。

ガレージとカーポート、どちらを選んだらよい!?

まずは、ガレージの長所と短所を挙げてみましょう。

ガレージとカーポート、どちらを選んだらよい!?
U.J. Alexander/Shutterstock.com

ガレージは、シャッターを閉めると壁や屋根で全面が覆われるため、車が雨や風にさらされる心配がありません。大きめのガレージであれば、スポーツバイクやオートバイ、自転車なども収納できます。また、車庫としての機能のみでなく、車好きの方はそこを利用して車のメンテナンス作業をしたり、整備のための修理工具やスタッドレス・予備タイヤなどの保管場所としても利用できます。倉庫として、エクステリアやガーデニング用具をしまっておくこともできるでしょう。

ただ、新築時は建ぺい率を超えてガレージを設置した場合に、法規上の問題になることや、基礎の有無などで固定資産税がかかる場合があるので、住宅建築を依頼するハウスメーカーや工務店、建築設計事務所などにきちんと相談したほうがよいでしょう。

一方、カーポートはガレージに比べ、壁やシャッターがないため、あまり広くないスペースでも設置することができます。また、設置費用もガレージより安価になり、工期も大幅に削減できることも大きなポイントです。このような理由からカーポートの普及率は高く、最近は、シンプルなデザインのみでなく、スタイリッシュでカッコいいカーポートも登場しています。

カーポートを設置する際は、エクステリアとのデザイン調和を考え、ステキな空間に仕上げてみましょう
https://pic.takasho.jp/portfolio/7982

カーポートを設置する際は、ぜひ、エクステリアとのデザイン調和を考え、ステキな空間に仕上げてみてはいかがでしょうか?

かしこいカーポートの選び方

続いては、カーポートに焦点を当て、選び方のポイントをご紹介します。

敷地のファサード(正面から見た外観)部分で、最も面積を占めるのが駐車スペース。エクステリア設計においては、駐車スペースはまず最初に、位置や広さを決めなくてはならない重要な要素です。

サイズやタイプを選ぶ

駐車スペースにおいて想定される人の動作としては、ドアを開く、トランクを開ける、ボンネットを開けるなどがあり、駐輪場も兼ねる場合は、さらに自転車を出し入れする…などが加わります。これらの動作に必要な広さは、普通車1台駐車の場合、長さが5~6m、幅は2.5~3m程度ですが、車の台数や車種に合わせてサイズを確認し、適したカーポートを選ぶ必要があります。

また、今後の車種変更も考慮に入れた、将来のライフスタイルも検討しておくことも必要です。

メーカーが販売しているカーポートは、1台用で2本の支柱がある「片側支持タイプ」、2台用で支柱4本の「両側支持タイプ」、両側に4~6本程度の支柱と2~3本の梁で構成された「積雪対応タイプ」など、商品のバリエーションが豊富で、さまざまな敷地やデザインの条件に対応できるようになっています。

地域の環境に対応できる素材を選ぶ

カーポートに使われる屋根材は、ポリカーボネートという紫外線や衝撃に強い素材で、耐候性にも優れています。また、骨組みや支柱はアルミ製で非常にさびにくいことから、海に近い場所でも丈夫で長もちします。

最近は、冬の積雪量や夏の台風による強風や降雨量が増え、“天災”が多くなりました。こうしたことからも、大雪や台風、強風などの自然の脅威に備えることも必要です。

エクステリアの設計施工店の専門家と相談して、地域の気候条件や環境に合ったカーポートを選びましょう。

エクステリアと調和させる

住宅外観やエクステリアデザインと調和するよう、デザインや色彩の合ったカーポートを選択して、センスのある空間にしましょう。また、カーポートの屋根には、雨水などが流れやすいように勾配があります。この傾き具合によっては、住宅の屋根や窓のラインとのバランスがおかしく見える場合があるので、設置する向きもよく検討しましょう。

駐車スペースは家の顔……おしゃれなカーポート事情

最近のおしゃれなカーポート事情について、実際の施工事例をご紹介します。家の外観やエクステリアとのバランスを考慮したタイプや、実用性の高さを重視したタイプなど、いろいろありますので、ぜひ参考にしてみてください。

住まいと調和させ、トータルエクステリアに

人工木材(エバーアートウッド・フェンス部分)に合う木目調の板(エバーアートボード・天井部分)で構成された魅力的なデザインのカーポート
http://pic.takasho.jp/portfolio/4382

人工木材(エバーアートウッド・フェンス部分)に合う木目調の板(エバーアートボード・天井部分)で構成された魅力的なデザインのカーポート事例です。縦格子とのバランスもよく、やわらかい木の温もりを感じられるフォルムが住宅と調和して、全体的に純和風の印象です。

夜間になると、玄関のライトアップとカーポートの温かみのあるライトで、昼間とは異なる和の趣を感じさせてくれるデザインです。

実際はアルミ素材を使用しているため、本物の木材のように腐る心配がなく、色の経年変化もしにくくなっています。

木目調カーポートと石の乱貼り舗装でナチュラルテイストに

住宅とエクステリアをナチュラルテイストで統一したアプローチまわり
http://pic.takasho.jp/portfolio/646

住宅とエクステリアをナチュラルテイストで統一したアプローチまわりです。カーポートの支柱や梁が木目調なので、自然なイメージでまとまっています。

しっかりした支柱と梁で、安定感のある「両側支持タイプ」のカーポートです。

モノトーンで構成されたスタイリッシュなカーポート

住宅のファサードをシックモダンなイメージに仕上げた事例
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住宅のファサードをシックモダンなイメージに仕上げた事例です。黒1色のフレームの構成と住宅外壁のグレーカラーのコントラストで、スタイリッシュなエクステリアを演出しています。カーポートの天井も黒で統一したことで、重厚感が生まれました。

透光性のある天井からやわらかい光を取り込むカーポート

住宅外観の明るいグレーに映えるダークなブラウンのカーポート
http://pic.takasho.jp/portfolio/4401

住宅外観の明るいグレーに映えるダークなブラウンのカーポートです。天井の半分にクリアマットの透光性のあるポリカーボネートを使用することで、駐車スペースを明るくしています。衝撃強度にも優れたプラスチック製の天井です。

高級感のある重厚なデザイン

明るい木目調カラーの天井と駐車スペースの広がりで、車のショールームのようなゴージャスなイメージに
http://pic.takasho.jp/portfolio/914

明るい木目調カラーの天井と駐車スペースの広がりで、車のショールームのようなゴージャスなイメージになっています。

夜間には、天井の照明効果で駐車スペースが明るくなり、より一層高級感のあるおしゃれなカーポートを演出できます。

積雪や強風に負けない頑丈なカーポート

積雪最大150cmまで耐えうる強度を持った「積雪対応タイプ」のカーポート
http://pic.takasho.jp/portfolio/8449

シンプルなデザインですが、積雪最大150cmまで耐えうる強度を持った「積雪対応タイプ」のカーポートです。頑丈さが売りのタイプながら、透光性のある天井で、見た目はすっきり。柱と梁はダークなカラーにして、落ち着きのあるイメージに仕上げています。

これらの事例のように、色やデザイン、素材の選び方と組み合わせ方しだいで、機能性とデザイン性の両方を併せ持ったカーポートづくりが可能です。

 

カーポートやガレージは、それぞれに持ち前の機能や法規上の制約もあるため、よく検討してから設置しましょう。予算や工期だけではなく、優先したいこと、将来のライフスタイル、敷地の形状や家とのバランスも考慮することをオススメします。

頑丈さを重視しながらも、デザイン性の優れた商品が多くなってきました。おしゃれでスタイリッシュ、かつ目的に合ったカーポートやガレージを設置し、玄関まわりをステキに演出しましょう。

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Credit

文:松下高弘

文/松下高弘(まつしたたかひろ)

長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、手描きパース・イラスト・CG・模型等のプレゼンテーションや大手ハウスメーカー社員研修、エクステリア業の研修講師およびセミナープロデュースを行う。

著書には、『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』、『住宅エクステリアのパース・スケッチ・プレゼンが上達する本(彰国社)』など。新刊『気持ちをつかむ住宅インテリアパース(彰国社)』2月末出版! 大手書店に続々登場予定!

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