庭がなくても大丈夫! 一日一杯から始める「ガーデンセラピー」
植物のある暮らしを通じてストレスを減らし、健康寿命を延ばそう! という取り組みを、「ガーデンセラピー」と呼びます。ガーデンセラピーの主役は“植物”ですが、中でもオススメなのがハーブ。今回は、ハーブを体内に取り入れることで得られる作用や、おいしく飲めるブレンドハーブティーレシピをご紹介します。庭がなくても大丈夫! 一日一杯から手軽にガーデンセラピーを始めましょう。
目次
ガーデンセラピーってなに?
植物を育てることに楽しみを感じたり、ハーブの香りに癒されたり…植物を育てて活用する暮らしは、ストレスを減らし、心身のバランスを保つサポートをしてくれます。野菜や植物を育てる園芸療法や、植物から採取した精油を使って香りからアプローチする芳香療法(アロマテラピー)、木々に触れ癒される森林療法など、植物をそれぞれの角度から活用したセラピーは以前からありましたが、近年は、これらの植物でできる自然療法をまとめて「ガーデンセラピー」と呼んでいます。
また、セラピーというと、なんとなく海外で流行っているものというイメージがありますが、冬至にはゆず湯に入ったり、ドクダミを乾燥させてお茶にするなど、日本人も、植物と密接に関わりながら、共に歩んできた歴史があります。ガーデンセラピーという言葉は最近できたものですが、行為そのものは、自然療法として昔からあるもの。IT社会となった現代、人との関係も希薄になり、ストレスもたまる一方の今の時代だからこそ、植物との関わり方を見直し、生活に取り入れ、これからの健康の在り方を考えよう、というのがガーデンセラピーの本質です。
植物の作用は科学的に証明されている
「緑が多い場所にいると癒される」「ハーブの香りをかぐとリフレッシュできる」…こう思っている人は実に多いのですが、以前は、これらは単なるイメージや感覚で捉えるものでしかありませんでした。ですが、研究が進められ、現在は、植物が持っている作用が人間にどのような効果を与えるか、科学的なデータで証明することができます。
分かりやすいのが“ハーブ”。それぞれのハーブが持つ成分から、血圧を下げる作用がある、抗菌作用がある、気持ちを落ち着かせる作用があるなど、裏付けがされています。「なんとなく…」という感覚ではなく、データに基づいた植物の活用ができるのです。
ハーブを摂ることでもたらされる作用・効果は?
人間は生まれながらにして、ケガや病気を治す力を持っています。これは神秘的なものでもなんでもなく、生物に備わっている力で、“自然治癒力”とも呼ばれます。誰でも一度は経験するであろう、転んですりむいた時にかさぶたができて、自然に治る…というのも、自己治癒力のおかげ。病気やケガをしても、体が元の状態にもどる働きをしてくれるのです。
ここで、風邪を例に挙げてみましょう。風邪をひきやすい人と、風邪はめったにひかないという人の差は、どこにあるかというと、この自己治癒力が関係してきます。
人は、体内に入ってきた風邪やウイルスなどの異物から体を守ろうとする防御システムを持っています。これが“免疫”と呼ばれるものです。免疫は自己治癒力の一つで、免疫力が高い人は、風邪やウイルスが体に入ってきても、はねのけることができたり、風邪をひいても症状が軽く済む、回復が早い、といった体の状態を保つことができるのです。多くのハーブには免疫力を上げる作用があるため、ハーブを摂ることは、自己治癒力を高め、病気にかかりにくい身体づくりに役立つというわけです。
症状がつらい時には薬にも頼りますが、薬はその症状を抑えるだけで、根本の解決にはなりません。日ごろから、ハーブで自分の本来持っている力をパワーアップさせておくことが大切ですね。
免疫力アップにオススメ! ブレンドハーブティーレシピ
一日一杯のハーブティーからガーデンセラピーを始めませんか? 毎日飲んでいる飲み物をハーブティーにチェンジする。これなら、庭がなくても、忙しくても、実践できそうですよね。自己治癒力を高めるためには、まずは1カ月、続けてみてください。
免疫力を上げるブレンドハーブティーレシピ
○ エキナセア 10g
○ レモングラス 10g
○ エルダーフラワー 5g
ハーブは不思議なことに、たくさんの種類を混ぜるほうがおいしくなるのです。相乗効果で、単品よりも飲みやすくなりますので、できたら3種類ほどブレンドしてみるのがオススメです。上記3種類のハーブはインターネットやハーブ専門店で購入できます。
ハーブを準備したら、ボウルなどに入れてよく混ぜ、密閉容器に移し替えて完成です。
私は、忙しくてお茶をゆっくり入れている時間がない時のために、お茶袋に小分けにしたものを用意しています。お湯を注いだマグカップに、ポンと1袋入れて、3分蒸らせば、簡単にハーブティーが楽しめますよ。
ハーブティーのおいしい入れ方は、「おいしいハーブティーの入れ方をマスターしよう!」を参考になさってください。
<注意点>
自然の恵みが詰まったハーブですが、妊娠中・授乳中の方、治療中の病気がある方、体質等の心配がある方は、使用できない種類もあります。使用する前に、かかりつけの医師にご相談ください。また、ハーブは薬ではありません。健康状態が気になる方も医師にご相談ください。
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Credit
写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)
花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/
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