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景観を損なわないよう配慮されたナチュラルマテリアルなエクステリア

景観を損なわないよう配慮されたナチュラルマテリアルなエクステリア

写真提供/タカショー

住んでいる地域の地区計画や周辺環境を配慮しつつ、美しいデザインの住宅を持つ。そのバランスを調整するのは、なかなか難しいものですよね。今回は、その地区の「まちづくり」を意識し、景観に馴染ませながら、お客様のご要望を見事に叶えた、そんな施工例をご紹介します。

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住宅の外観を損なわないスマートな和のエクステリア

写真/タカショー

岐阜県可児市にある住宅。この地域では、地区の特性にふさわしい「まちづくり」を誘導するための地区計画が、自治体によってしっかりとなされていました。緑化率から、門や塀の高さと圧迫感、建物の外観などの色や仕上げまで細かい規則が定められています。

そんな中でのお客様のご要望は、「家屋の雰囲気に調和した純和風のエクステリア」と「メンテナンスのことも考え、できるだけ植栽を最小限に抑えたい」とのことでした。

門袖のある入り口のゲートからカーポートまでを一体化し、柱などで建物の外観や動線を損なわないよう機能に配慮しました。また、部材のテクスチャーを全て木目調にし、格子のフェンスを設けることで和風空間を見事につくり上げ、制限であった透過率をクリアしました。

自然石の石積みに調和させた門塀、敷石から石階段を登るアプローチには、自然な風合いの建築材料を使用。建築材料のみで空間をつくると、なんとなく寂しい景観になりがちです。そこで、イロハモミジをアクセントとして植え、寂しい印象を軽減しました。お客様の「植栽は少なくしたい」というご要望もあり、最小限の植栽に抑えています。

日本庭園で活躍してきた植栽は、和の趣には欠かせないポイント。1種でも、季節により表情を変えて目を楽しませる植栽があることで、季節の移ろいに心を躍らせる日本独特の侘び寂びを感じることができる空間になりました。

機能性を持ち、和の雰囲気も楽しめる園路

写真/タカショー

メインのアプローチの対面に位置する駐車場の奥には、玄関までの園路が設けられました。住宅の和室前にあたるこの園路は、鉄平石の延段に砂苔とライトを設置して、きちんと動線を確保。車から降りて荷物を運ぶ時など、いつでも安心して使用できる園路になりました。温かな色味のほのかな明かりで道を照らし出し、心やすらぐ「粋」な空間を演出しています。

夜も安全に過ごせるライティング

写真/タカショー

夜になると辺りは非常に暗いため、ポイントになる箇所にしっかりと照明を設置しています。カーポートのライトは車をカッコよく照らし出すだけでなく、夜の帰宅時には手元を照らして乗り降りをスムーズにしてくれます。駐車場の奥にある階段でも、この明かりが玄関まで安全に導いてくれます。

そして、両脇に照明を設置した、まるで旅館のような雰囲気の玄関。格子とそこから漏れ出す光が、全てを見せない日本の侘び寂びを感じる上質な空間をつくり上げています。

写真/タカショー

また、今回は玄関前のグランドラインが高いため、特に安全性に配慮したライティングが施されています。きちんと段差を認識できるよう階段石に照明を設置したことで、足元への不安が軽減されました。階段の上部にあるゲートにもライトが埋め込まれ、安全性を確保。さらに演出として、イロハモミジを下から照らし出しています。ガラスの表札はライティングして玄関口が夜間でもわかりやすいよう配慮。

気遣いのポイントと演出するポイントを押さえたライティングで、訪問者にストレスを感じさせない素敵な門まわりとなっています。

 

いかがでしたか。

今回は地域の景観を壊さずに自然な風合いを取り入れた純和風住宅の外構とライティングについてご紹介しました。

皆さんもぜひ参考にしてみてください。

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