植栽選定から使用する素材、デザインまで、日本の古くからの伝統を基調にモダンに仕上げられた空間は、家の前を通りすぎる人々、訪れる人、庭を眺める人、それぞれに風情を感じさせ、懐かしい気持ちや優しい気持ちにさせてくれます。今回は、そんな和モダンなエクステリアとガーデンについて、ご紹介します。

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純和風な中にモダンな要素を取り入れたエクステリア

写真/タカショー

滋賀県にあるこちらの住宅は、和風建築に合わせた美しいエクステリアと庭が特徴的です。全て仕切らないオープンスタイルのモダンな門まわり。そして日本情緒あふれる庭園。純和風建築に合わせた門まわり。左手の塀は杉皮をイメージしたボードと人工竹を使用し、美観を損なわず敷地を囲い込み、住宅の和の雰囲気をいっそう盛り上げています。

この塀に接している門塀は白と黒の積み石をイメージした風格のある印象。右奥には、立てられた延石とピンクの花を咲かせているサルスベリ。これらは住宅の大きな掃き出し窓の目隠しとして効果を発揮しています。延石と砂利の色味、サルスベリの葉色と薄いピンクの花。淡い色味でしたことで全体的な重厚感を軽減し爽やかな印象がプラスされた空間になっています。

前後に間隔を開けて配置された門塀と延石のバランスによって、遠近感を出しています。また、アプローチは玄関前から門塀の手前、敷地ギリギリまで続いていることで、いっそう奥行き感のある広々とした印象を与えます。

爽やかな印象の和モダン庭園

写真/タカショー

アプローチを進み、並び立つ延石を過ぎると、右手に爽やかな和風庭園が広がります。縁側からつながるこの空間は、室内・室外、どちらからも眺めて楽しめる憩いの場です。杉皮と竹の塀を背景に使用した、日本情緒豊かな空間に仕上がっています。植栽と景石のバランスを考えた自然な配置は、見ているだけで落ち着いた気持ちになる癒しの庭です。

和風の植栽選定と景石

写真/タカショー

この庭は、和の雰囲気を重んじて植栽が選定されています。左手前の高木はモチノキ、そして奥に堂々とそびえ立つのはクロマツです。この2つの樹種は、日本で古くから庭木として親しまれてきました。

また、写真の右奥に見える丸く剪定された低木。これはヒラドツツジという種類のツツジです。このツツジは江戸時代に長野県の平戸市で品種改良されたことから、この名前が付いているそうです。現在では景観緑化材として広く用いられている、こちらも古くから馴染み深い植物です。

日本の町並みや庭園で昔から親しまれている植栽を選定したことにより、どこか懐かしい風情を感じる和風庭園になっています。

夜間の外観は威風堂々

写真/タカショー

夜になると、門まわりと庭は共にライトアップされ、通りでもひときわ目を引く威厳ある佇まいを見せます。積み石風の門塀を下からライトアップし、壁面の凹凸を浮き立たせる、グレージングというライティングテクニックが使われ、幻想的な印象を与えています。

電球色を用いることで、和モダンなデザインにも調和し、威厳のある雰囲気の中に温かみを感じる印象的な門まわりです。

仄かに明るい幻想的な和庭の照明

写真/タカショー

邸内の照明も電球色でまとめられ、温かみのあるライティングになっています。照明の配置は植栽の下、アプローチ脇、縁側の前など。動線を照らし安全面へ配慮しています。また。見せる部分と動線の部分にポイントを絞り、最小限にライティングしていることで、明るすぎず落ち着いた印象の空間になるという効果も出ています。

昔ながらの日本の町並みや住宅がもつ、落ち着きのある明るさや、自然を美しく見せる庭景。それらを日々感じることができる素敵な和風庭園です。

 

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