ここ数年で日本の住まいや暮らしの設計デザインが大きく変化しています。従来、日本では家と庭の機能は異なり、過ごし方も切り離されていましたが、近年では家と庭を一体として考えた設計デザインが多く見られるようになりました。
今回は、外と内をつないで自然を身近に感じ、開放感と安らぎの空間をつくり出すガラスのポーチについて、施工例や使用イメージを示しながら、ご紹介していきたいと思います。
外の景色を背景として取り入れる

日本には、古くから“借景”という造園技法があります。これは庭空間を美しくつくり上げるだけではなく、空間の外の山や林、海など自然の景観を庭園内の風景として取り込むという技法です。
手前に広がる庭園の背景として、遠くの景色を拝借する。庭を広く開放的に演出し、自然がより身近に感じられる空間づくりができます。この技法は、比叡山を取り入れた修学院離宮や円通寺の枯れ山水庭園、東大寺南大門・若草山を借景にした依水園でも用いられています。
ガラスのポーチを庭へ取り入れることで、そんな昔ながらの庭園の楽しみを実現できます。
写真は、そんな周辺の風景を取り入れた庭。
近隣に植えられた華やかな花々を1枚の絵画のように楽しむことのできる空間になっています。自邸の敷地にお花や植栽が少なくても、四季折々の町並みの自然を楽しめます。
風や音から程よく守られつつ開放的な雰囲気をつくる

上の写真は、海が見えるロケーションにガラスのポーチを設置したイメージです。素晴らしい開放感に圧倒されます。
海の近くにある家では、「テラスで心安らぐカフェタイムを過ごそう」と思っていたのに、今日は強風でなんだか落ち着かない、なんてことも珍しくありません。そこへガラスのポーチを設置することで、開放的でありつつも、風を遮り、落ち着いてゆっくり時間を過ごすことができる空間に変えることができます。
一般住宅に外と内をつなぐ小空間として取り入れる

上の写真は、テラスにガラスポーチをつけた施工例です。ガラスのポーチというと、海外の豪邸のような空間でないと実現できない印象ですが、これなら一般の住宅でも十分にホームリゾートを楽しめます。
決して豪邸のような広さではありませんが、ガラスで区切り、屋内の床と高さを合わせることによって、スムーズな動線でテラスに出られます。ちょっと庭を眺めたいときや、庭の手入れが終わった後の休憩スペースとしても利用でき、以前よりさらに外の世界を身近に取り入れることができます。
庭自体が綺麗に整備されていても、実際に外に出るのは億劫になってしまいがちです。せっかく綺麗な庭があるのに楽しむ時間が少ないなんて、もったいない。今回はよりいっそう庭を楽しむためにガラスのポーチでつなぐ中間スペースについてご紹介しました。
皆さんもぜひ参考にしてみてください。
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