築30年を越える純和風の佇まいの建物。古い建物特有の雰囲気は、見方によっては“暗い”“怖い”という印象を与えてしまうかもしれません。純和風の持ち味を活かしつつ、昼でも夜でも洗練されたイメージのエクステリアにできたら素敵ですよね。
今回は、そんな純和風の佇まいの建物と見事に調和し、こだわりと細かい気配りによって、洗練されつつも優しい雰囲気を醸し出したエクステリアの施工事例をご紹介します。

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純和風テイストをより洗練されたイメージへ

写真/タカショー

建物の正面から見て左に設置された塀の上部には、和の雰囲気を邪魔しないよう、御簾垣(みすがき)が使用されています。御簾垣の色は黒にすることで、新緑や紅葉の赤と黄色、季節によってさまざまに変わる自然の色がよく映え、季節感豊かな植栽を楽しめる庭空間ができています。

また、黒は高級感を与える色でもあります。貫禄ある建物に上質感をプラスし、より威厳のあるイメージになりました。

写真/タカショー

右手は、目隠しのために格子のスクリーンが使用されています。そして、玄関前には門柱を設置。こうして、閉鎖的ではないオープンな雰囲気を出しつつ、必要な箇所へは適度に目隠しをする、機能的で洗練されたデザインとなりました。京都の伝統を生かした格子のデザインが、よりいっそう純和風の雰囲気を盛り上げ、空間全体の質が上がっています。

格子のスクリーンの下の植栽は、シンプルな格子の足元の寂しさを補っています。格子に御簾垣と同じく黒を使用しました。そうすることで、統一感が出ています。

電球色で揃えたライティング 夜は落ち着いた大人の和の趣に

写真/タカショー

夜に灯るライトは、しっとりとした大人の和空間を演出してくれます。一つ一つこだわりと気配りが窺える配置の植栽。それらは夜の趣のある明かりの中でしっとりと落ち着き、まるで木々が優しく見守ってくれているような雰囲気さえ感じます。

すべて電球色で統一することで、伝統と風情ある建物に調和し、このような落ち着きをつくり出しています。門柱と玄関先の明るさを軸にすることで、全体的にバランスのとれたライティングになっています。

 

日本人の「粋さ」 細やかな気配りのあるライティング演出

写真/タカショー

今回の施工例は、植栽やエクステリアのデザインのみならず、ライティングにも細やかな気配りと工夫を感じることができます。玄関へ続く石畳部分は、和風ライトを配置。夜はこのライトが足元を優しく照らして玄関までを安全に導いてくれるでしょう。低位置に照明を設置することで、安心感と落ち着いた雰囲気の優しい光が作り出されています。

また、紅葉を照らすアップライトは、できるだけ目立たない色の器具を使用。主役である紅葉の邪魔をせず、自然に引き立たせるような演出になっています。そして、駐車場は車止めを使わずに、壁と駐車位置をライトアップ。壁に当たる光が、駐車する人を優しく出迎え、誘導してくれます。

配線や照明器具はどうしても現代的なイメージに近くなり、やり方によっては和風情緒あふれる空間の雰囲気を損なってしまう場合があります。それを感じさせないさまざまな工夫や細やかな配慮に、日本人の持っている「粋」を感じますね。

 

このように、築年数が長くて風情ある建物でも、雰囲気を壊さずに、より楽しめる空間に変える方法はたくさんあります。

ぜひ皆さんも参考にしてみてください。

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