40年以上の歴史を持つ老舗業界専門雑誌『グリーン情報』最新号から最新トピックスをご紹介! 2023年3月号の特集は、「有機・無農薬の家庭菜園」。ほかにも、人気園芸YouTuberによる座談会、話題の園芸店や人物紹介、園芸業界で押さえておきたいトピックスなど、注目のテーマが目白押し。業界誌だからこそ発信できる貴重な情報の一部をお見せします。
目次
特集:「有機・無農薬の家庭菜園」〜健康づくり・エシカル消費に挑戦する人を応援!
今号の特集のテーマは、「有機・無農薬の家庭菜園」。コロナ禍をきっかけに、家庭菜園を始める人が増えてはや3年。今では、レベルアップして有機栽培に挑戦する人も増加しています。
この特集では、9つの資材・種苗メーカーを取り上げ、売りの商品とともに、有機・無農薬の家庭菜園に挑戦したい人に向けた各社の取り組みをご紹介しています。
今回登場するのは、下記の9社。それぞれ、注目商品や開発担当者の想いをご紹介していますので、詳細は本誌を手にとってご覧ください!
花ごころ
「土は、すべてのちから」というキャッチフレーズにもあるように、こだわりの土づくりをしている花ごころ。「腐植」という森の土に含まれる成分を生かした商品を開発しています。
腐植は、植物や動物の死骸などが土の中の微生物によって分解され、発酵することで生まれる有機物質。腐植を使った技術は、自然の循環、ゴミのリサイクルなど、有機にとどまることなく、循環型農業や環境問題への取り組みにもつながっています。
ハイポネックスジャパン
ヨーロッパ・北米を中心に世界中で注目されていて、日本でも認知され始めているバイオスティミュラント資材。植物に対する非生物的ストレスを制御することにより、気候や土壌の環境に起因する植物のダメージを軽減する新分野の資材です。
このバイオスティミュラント資材が日本に上陸した際、いち早く事業化したのがハイポネックスジャパン。2020年春には、一般消費者向けの商品として、肥料成分とミネラルのほか、フルボ酸、アミノ酸、ベタイン、多糖類、ビタミンなどを含み、高温、低温、乾燥、多湿、日照不足などの環境からのストレスを軽減し、植物の生育を促す「ストレスブロック」を発売しました。
アース製薬
2022年の園芸用品市場の売り上げは763億円で、前年比99.6%(アース製薬推計)という中でも、アース製薬は、自社の食品成分生まれの殺虫殺菌剤である「ロハピ」はこれからも伸長する可能性が高いと見込んでいます。
また、今年からは食品成分生まれの除草剤「おうちの草コロリ粒タイプ」が発売されました。これまでの食品成分生まれの除草剤は液体がメインでしたが、こちらは粒タイプでありながら根までしっかり枯らし、3カ月間効果が続きます。従来の食品成分生まれの粒剤は塩を使用していて土壌の塩害を気にする声もありましたが、この商品はフルーツに含まれる成分と天然鉱物の一種を使用しており、残留性も少なく、子どもやペットがいる家庭向きです。
ヤマトコーポレーション
有機100%の「骨粉30%入り油かす」や「花と実のひりょう」など、有機肥料のロングセラー商品が多いヤマトコーポレーション。最近では、少量タイプが人気を集めている園芸肥料の流れを背景に、使い切りサイズの有機100%商品「とことん有機」も登場しました。チャック付きの200gという、ライトユーザー向けの商品です。
パッケージの工夫にも力を入れていて、その肥料を使うとどうなるかが一目で分かる伝わりやすさを心がけています。
さらに2024年に向けて、時代が求める肥料の開発にも取り組んでいます。
金澤バイオ研究所
東京大学などで半世紀もの間、土の微生物研究に心血を注ぐ金澤晋二郎氏の研究から生まれた「土の薬膳」。通常は廃棄される米ぬかや大豆おから、カキ殻、アガリクス菌床、ビール麦芽粕、竹パウダーを原料としていて、2010年に九州大学キャンパス内で大学のグッズとして販売され、その後雑貨店やアパレル、園芸店などで扱われるようになり、全国展開する商品に育っています。
今、金澤バイオ研究所が目指しているのは、「肥料の地産地消」。佐賀県の魚、千葉県のマッシュルームなど、各地の廃棄物を使った土の薬膳を開発中で、地域との連携が大きなテーマとなっています。
トキタ種苗
ベストセラーの定番野菜をはじめ、見た目の形のユニークさ、カラーバリエーションで差別化をしているトキタ種苗。コロナ禍で新たに家庭菜園を始めるビギナーが増えましたが、それを一過性のブームで終わらせないためのキーワードは「成功体験」だといいます。まずは収穫できた! という成功体験を通じて、野菜栽培を継続してもらえるよう、YouTubeチャンネルで育て方のレクチャーなどもしています。
有機栽培についても、育てやすい品種でチャレンジしてもらえるよう、工夫もしています。新商品で主枝つるおろし栽培専用品種きゅうり「筋成りスマート」もそのひとつ。筋ごとに実がつき、受粉も不要、ネットも不要。親づるを伸ばすだけの簡単栽培が可能です。
カネコ種苗
「自分で有機栽培をしてみよう」というビギナーが増えていますが、有機栽培は理想であっても、なかなか難しいのが現実です。
有機肥料は、植物に吸収されやすいチッ素・リン酸・カリのような形に分解されるまで時間がかかるので、速効性がある化成肥料と同じような栽培はできません。有機栽培は、栽培時間が短いほど失敗が起こりやすくなりますので、栽培期間が長い野菜から始めるのがよいといえます。
カネコ種苗が有機栽培におすすめするのは、山形県天童市のねぎびとカンパニーと共同開発したネギのプラグ苗「極苗」や、アスパラガス、サツマイモなどのイモ類やタマネギなどの根菜。また、耐病性・耐候性が強い品種として、キュウリの「うどんこつよし®」や今年新発売の「ジャンボスィートトマトNEO」が挙げられます。
グリーンフィールドプロジェクト
家庭菜園で有機栽培を目指す人におすすめしたいのが「有機種子」。グリーンフィールドプロジェクト(GFP)は、現在250品種以上の有機種子と有機栽培関連の資材を扱っています。
GFPの有機種子は、
①化学農薬・化学肥料を使用しない
②採取後のタネに化学消毒しない
③遺伝子組み換えでない種子
で有機にこだわりを持つ人たちの支持を広げています。
特に、手軽に挑戦できるスプラウトと発芽豆の有機種子、栽培キットが注目を集めています。スプラウトでは、ブロッコリー、ラディッシュ、アルファルファのほか、赤い彩りがサラダなどのアクセントになるアマランサス、発芽豆では、青えんどう豆、オーツ麦、キヌア、ひよこ豆、レンズ豆などのラインナップを揃えています。
サカタのタネ
サカタのタネの「おうち野菜」は、初心者や子どもも親しみを持てるようなデザインに加えサービスを強化するなど、進化を続けています。これまで苗でしか買えなかったところを、タネ絵袋も4アイテムを販売開始しました。
また、業界の先駆けとして「お客様相談室」を設置した同社。電話・メールによる人的な園芸相談サービスに加え、自己解決用として2022年3月よりオンライン検索システム「花と野菜のよくある質問FAQ」サービスを開始。幅広い顧客のニーズに応えられるようになりました。
コラム:「エシカル消費」に対する消費者の意識
特集の最後は、「エシカル消費」に関するコラム。「エシカル消費」とは直訳すると「倫理的な消費」。消費者庁では、「地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動のこと」と定義しています。
ここでは、LINE株式会社がSNSアプリLINEのユーザーを対象に2022年5月に実施したWeb調査の結果をもとに、消費者の意識や、エシカル消費への意欲の度合いなどを分析しています。
ピックアップ:園芸YouTuber座談会
コロナ禍をきっかけに増加した園芸のYouTuberの人気も、いまや定着しつつあります。今号では、園芸YouTuber3名と、彼らとさまざまなコラボをしている株式会社ハクサンの取締役企画部長・藤原雅志さんを招いての座談会の様子をご紹介しています。
今回、座談会に参加したYouTuberは、「yamakana farm やまかなふぁーむ」のやまかなさん、「ゲキハナ」の古屋悟司さん、「趣味の園芸 やっちゃんねる」のやっちゃんさんの3名。それぞれがYouTubeを始めたきっかけの紹介に始まり、チャンネルのコンセプト、ターゲット、動画を作るうえでの工夫、また、視聴者に近い視点で発信をしている中で、動画やイベントを通して考えられる消費者ニーズなどについて語り合っています。
人気YouTuberがそれぞれの活動に込めた想いや、今後の夢など、6ページにわたる盛りだくさんの内容、ぜひお読みください。
ルポタージュ店舗:garage TOKYO
全国の園芸店などをご紹介する連載、ルポタージュ店舗。今号で取り上げているのは、2022年12月14日に東京駅前の丸の内ビルディング4階にオープンした「garage TOKYO」。東京駅に直結していて、ガラス窓からは東京駅の赤レンガ駅舎が見えるという、アクセスと眺望のよい場所です。
garageは、愛知県豊橋市の本店に続き、名古屋、横浜、立川に店舗を展開しています。その中でもブランドが異なり、
・植物のある暮らしをトータルで提案する園芸店で、ギャラリーやワークショップにも力を入れている「garage」
・より商品を厳選した“大人の園芸店”である「Rust」
・ドライフラワーや雑貨などを中心にした「noni」
の3つに分かれます。
中でも東京店は、原点であるgarageブランドを冠し、ハイクラスなビルに合わせた店づくりを目指しています。
売り場がL字形になっており、角を境に、雑貨・ドライフラワーコーナーと、植物・園芸グッズコーナーに分かれています。
什器には、オランダのリンゴ農家が使っていた収穫用の木箱や木製の脚立など、ヨーロッパから仕入れたブロカント(古道具)を使い、素朴で上品な大人の雰囲気に。厳選された商品と、洗練された店舗イメージを持つ東京店には、アンテナショップとしての役割もあるといいます。
記事では、お洒落な店内の様子を写真で伝えるとともに、「植物×インテリア」「植物×アパレル」など、「植物×◯◯」で広がるgarageのユニークな取り組みをご紹介しています。ぜひチェックを!
業界の最新情報が盛りだくさんの『グリーン情報』
このほか、『グリーン情報』3月号では、2022年10月にエストニアで開催された第46回技能五輪国際大会で銀メダルを受賞した22歳コンビ、浦辻知菜莉さん・中野太一さんのインタビューや、エクステリアガーデンの現場で働く専門家によるハウツー・事例紹介、生産者紹介、業界最新ニュース、学べるクイズコーナーなど、園芸・ガーデニング業界の幅広く深い情報が満載。ぜひお手にとってご覧ください。
『グリーン情報』はガーデンストーリーウェブショップからご購入いただけます↓↓
ショップページはこちら。
https://www.gardenstory.shop/shopbrand/ct8/
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