40年以上の歴史を持つ老舗業界専門雑誌「グリーン情報」最新号から最新トピックスをご紹介! 今回は、園芸に関する資格や世界のグリーンインフラ事情、人気の園芸・造園店など、業界誌だからこそ発信できる貴重な情報の一部をお見せします。
目次
活躍してます! 園芸資格
園芸に関する資格には、園芸業界で仕事をしている方もそうでない方もチャレンジできるさまざまなものがあります。
特集「活躍してます! 園芸資格」では、資格受験の補助制度や社内検定など、熱心な社員教育を制度化しているユニバーサル園芸社の取り組みと、一般の方も挑戦できるものを含む3つの園芸資格をピックアップしてご紹介しています。
実力を可視化しモチベーションもアップ! ユニバーサル園芸社の社員教育
レンタルグリーン事業をはじめ、園芸店・インテリアグリーン専門店の運営、造園業なども行うユニバーサル園芸社では、社員が国家資格などを取得する際にかかる費用に対して補助制度を設けています。
補助制度の対象となる資格は、小型移動式クレーンの運転免許、造園技能士、造園施工管理技士、グリーンアドバイザー、ガーデンデザイナー、エクステリアデザイナー、樹木医などなど…。中でも同社が特に力を入れているのが、園芸装飾技能士です。社内の有資格者では、一級園芸装飾技能士所持者が最も多く、管理業務など現場に出ない社員でも持っている人がいるほど。
資格を持つことで、お客様から注目していただけたり、安心していただけること、また社員同士でも刺激を与え合えること、一定の実力が評価されて目に見えることで、社員のモチベーションアップにもつながっていることなど、よい影響が出ているそうです。
また、独自の社内検定も設けていて、毎年1回、人によっては2カ月に1回の頻度で行われています。初級のDランクから、超上級のSSSランクまでの7段階があり、Dランクは直径30cm程度の鉢を使った寄せ植え、上にいくほど作品の規模が大きくなり、SSSランクでは大きなディスプレイや庭園とも呼べる規模の作品に挑戦します。SSSランクに上り詰めた社員はまだ2人しかいないとのこと。規模の大きい作品を作る場合は、一般公開もしています。
現場に携わらない人も含め、社員全員が「園芸」に取り組み、学び続ける姿勢づくりが、ユニバーサル園芸社の信頼にもつながっているといえます。
資格紹介1:“園芸の精通者”に授与される「グリーンアドバイザー」
「グリーンアドバイザー」は、園芸の指導者としてふさわしい知識を身につけていることを認める資格です。資格取得者の力を借りて家庭園芸の普及活動をすることを目的に、公益社団法人日本家庭園芸普及協会が1992年に始めました。
資格取得には、専用テキストと動画による講習を受けた後、筆記試験を受け、試験合格後に資格登録手続きを行います。
現在、グリーンアドバイザーは約1万1千人。資格取得者は、園芸講師や園芸相談をはじめ、幅広く活躍しています。記事では、29年前にグリーンアドバイザーの資格を取得した埼玉グリーンアドバイザーの会会長・杉浦啓泰さんの活動内容などもご紹介しています。
〈資格情報〉
試験期間:毎年9月ごろ
資格要件:不問
試験方法:筆記
会場:未定
受講・受験料:一般40,700円他 ※2022年度時点
グリーンアドバイザー紹介ページ:https://www.kateiengei.or.jp/greenadviser/
資格紹介2:制作技術と基礎知識を有することを証明する「ハンギングバスケットマスター」
「ハンギングバスケットマスター」は、一般社団法人日本ハンギングバスケット協会が主催する資格です。ハンギングバスケット、コンテナガーデンなどの制作技術と園芸の基礎知識を有すると認められた人に与えられます。
各地にあるハンギングバスケットマスター支部仲間と、花のまちづくりや子どもたちへの花育、地域の行催事に参加するなど、資格を活用して活動の幅を広げることができます。
記事では、園芸、エクステリア施工店のAnnes garden(愛知県日進市)を営む武島由美子さんに、資格取得に至った経緯や、その後の資格の生かし方などについてうかがっています。
〈資格情報〉
試験期間:年1回
資格要件:園芸実務1年以上、園芸学校卒業など(要確認)
試験方法:筆記、実技
会場:全国4カ所
受験料:20,000円(税込) ※2022年度時点
日本ハンギングバスケット協会公式ウェブサイト:https://www.jhbs.jp/
資格紹介3:観葉植物の知識を有することを証明する「グリーンマスター」
一般社団法人日本インドア・グリーン協会が主催する「グリーンマスター」は、観葉植物の名前や特性、管理の知識を有する人に与えられる資格。観葉植物レンタルなどを展開する企業や、園芸店・花屋のスタッフ、園芸学校の学生など園芸業界関係者はもちろん、一般の人も受けられる、園芸の入門としておすすめの資格です。
試験は、園芸関係者を中心に一般の人も含め、毎年約100人が受験。シンプルに植物の名前、特性、管理など、植物を扱ううえで必須の知識が問われます。
記事では、屋内緑化と庭のメンテナンスなどの事業を展開する追分農園(静岡市清水区)代表・持舘幸弘さんに、資格の業務への役立て方などを伺っています。
〈資格情報〉
試験期間:年1回 秋
資格要件:不問
試験方法:筆記
会場:全国14カ所
受験料:10,000円(税込)他 ※2022年度時点
グリーンマスター認定試験公式ウェブサイト:https://greenmaster.jp/
ルポルタージュ店舗〜ラブリーガーデン〜
全国の園芸店をご紹介する連載「ルポルタージュ店舗」。今回は、ガーデンストーリーでもおなじみ、鳥取県米子市の『ラブリーガーデン』をピックアップしています。
“バラと宿根草と園芸雑貨”をメインにラインアップしている同店。イングリッシュガーデンの中に店舗があるような癒やし空間には、ベテランの園芸愛好家が多く訪れます。
代表の安酸友昭(やすかたともあき)さんは、店舗運営のほか、造園・メンテナンス業も請け負っています。専門学校で学んだ後、地元の造園業者のもとでの修行を経て、さらなる技術を習得するためイギリスへ渡ったという安酸さん。2000年に帰国後、ガーデナーとして個人で仕事を始めた頃、植物調達に訪れていた園芸店で現店長の関聡子さんと出会い、「庭がある園芸店をつくりたい」と意気投合。2006年にラブリーガーデンをオープンしました。
安酸さんが造園を手がける庭の中でも最も有名なのが、同じ米子市にあり、ガーデンストーリーでも幾度となく取り上げている「面谷内科・循環器内科クリニック」の庭。ガーデンセラピーを意識して作られ、バラの季節にはクリニックの前一面にバラが咲き誇ります。
この記事では、センスあふれるクリニックの庭を事例としてご紹介しながら、安酸さん、関さんお二人の園芸店への想い、悩みなど、園芸店を運営する側の視点からお話を伺っています。
世界のグリーンインフラについて各国の事情を解説
今号の第一特集は、「世界のグリーンインフラ」と題し、日本、アメリカ、シンガポール、中国、韓国、ヨーロッパのグリーンインフラ事情に詳しい方々からの寄稿を掲載しています。
グリーンインフラ(GI)は、「社会資本整備や土地利用等のハード・ソフト両面において、自然環境が有する多様な機能を活用し、持続可能で魅力ある国土・都市・地域づくりを進める取組」と国土交通省によって定義されています。近年の例でいうと、東京都杉並区を流れる善福寺川沿いの和田堀公園に1983年に整備された調整池や、新横浜スタジアムが建つ鶴見川多目的遊水地が2019年の台風19号上陸の際に治水機能を発揮したことなどが、グリーンインフラと同等の取り組みとして挙げられますが、昨今、改めて「グリーンインフラ推進」が注目されています。
記事では、以下の国々の事例をご紹介しています。
- アメリカにおける、水辺の自然と人をつなぐ「リバーリング・プロジェクト」
- シンガポールにおける住宅地内に完成した近自然型河川を含む都市公園「ビシャン・アンモキパーク」の事例
- 中国における最前線の緑化事例
- 韓国・ソウルにおける「ガーデニング支援センター」等グリーンインフラへの取り組み
- ヨーロッパのグリーンインフラの源流となるエストニアの事例
専門的な内容ではありますが、グリーンインフラを実現した各国の事例写真は、見ているだけで植物と共存することの意義やパワーを感じられ、一見の価値ありです。
今号は全国の園芸店掲載の別冊付き!
このほか、『グリーン情報』11月号では、欧州の老舗園芸用品ブランド『ガルデナ』の紹介や、エクステリアガーデンの現場で働く人たちからの最新情報、生産者紹介、業界最新ニュース、学べるクイズコーナーなど、園芸・ガーデニング業界の幅広く深い情報が満載。また創刊500号を記念して、全国の園芸店名簿付きの別冊「創刊500号記念誌」もついています。ぜひお手にとってご覧ください。
『グリーン情報』はガーデンストーリーウェブショップからご購入いただけます↓↓
ショップページはこちら。
https://www.gardenstory.shop/shopbrand/ct8/
Credit
ガーデンストーリー編集部
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