「おいしいボタニカル・アート」展が、2023年1月15日までSOMPO美術館で開催されています。「食べられる」植物のボタニカル・アート(植物画)を見ながら、イギリスにどのようにして根付いてきたのかを文化と歴史を通して知ることができます。抽選でご招待券をプレゼント。記事末尾の応募フォームから奮ってご応募ください。
目次
食用植物にフォーカスしたボタニカル・アート展
英国キュー王立植物園の協力のもと、野菜や果物をはじめ、コーヒー、茶、カカオ、ハーブ、スパイスなど、イギリスの食生活に関わる植物を描いたボタニカル・アートの展覧会。ボタニカル・アートを通してイギリスの歴史と文化を辿りながら、さまざまな食材がどのような過程を経て食卓に並ぶようになったのかを紹介しています。
ボタニカル・アートとは
植物学的な絵画(The Art of Botanical Painting)のことで、一般的に植物画といわれています。写真がない時代に図鑑の挿絵として描かれてきた絵画で、植物を細密に描くのが特徴。16世紀頃から、海洋探検家たちが新大陸で採取した植物を記録するため、ボタニカル・アートの需要が高まりました。その後、美術品として注目されるようになり、独自のアートとして発展し、美術館はもちろん世界中のコレクターによって蒐集されています。
ボタニカル・アートからわかる歴史的な背景
イギリスの代表料理といえば、フィッシュ・アンド・チップス。そのチップスには欠かせないジャガイモですが、食べられるようになるまでに時間がかかった理由がボタニカル・アートを通して知ることができます。また、今年96歳で逝去されたエリザベス女王と「くまのパディントン」のお茶会シーンでも登場した、マーマレードジャムのサンドイッチ。今ではイギリスを代表する国民的なジャムが、どのようにして生まれたのかも解説されています。さらに、イギリス文学や映画とも関連の深い食用植物も登場し、英国の食卓にどのように根付いていったのか掘り下げられています。そうした歴史を知った上で改めて小説や映画を見ると、またひと味違った味わい深い景色が見えてくることでしょう。
イギリスのカフェ文化の成り立ち
紅茶の入れ方のゴールデンルールの元になったともいわれるヴィクトリア朝の主婦のバイブル『ビートン夫人の家政読本』をはじめ、食卓を飾るティーポット・セット、グラス、カトラリーとともに古いレシピなど食にまつわる数多くの貴重な資料類が展示され、当時の状況を知ることができます。
お茶(紅茶)やコーヒーがイギリス社会にもたらした影響の大きさには、目を見張るものがあります。17世紀半ばには、ロンドン市内に「コーヒー・ハウス」という、今でいう喫茶店のようなお店が数多く開かれ、お店でコーヒーを飲む習慣が定着。ここで情報交換などをするコミュニティができていきました。
お茶(紅茶)は英国王室内の女性を中心に広がった習慣。当時コーヒー・ハウスには男性しか入れなかったため、男性が外でコーヒーを飲んでいる間に女性は自宅で紅茶を飲むようになり、家庭を中心に喫茶習慣が普及。その後コーヒー・ハウスでも紅茶を出すようになり、男性も紅茶を飲むようになったといわれています。
普段何気なく利用しているカフェですが、展覧会を見た後に飲むお茶は、遠い過去のイギリスに思いを馳せながらの格別なものとなるでしょう。
関連イベント情報
■【夜間貸切イベント】学芸員のギャラリートーク
閉館後の美術館を貸し切り、担当学芸員が展示室をまわりながら展覧会の見どころや作品を解説。
※プログラムは場合により変更もあり。
・日時:①2022年12月9日(金)18:30~19:00(17:30受付開始)
・日時:②2023年 1月6日(金)18:30~19:00(17:30受付開始)
※受付後トーク開始まで、またトーク終了後20:00まで自由鑑賞ができます。
・講師:展覧会担当学芸員
・定員 :25名程度(最小開催人数10名)
・参加費:2,500円(税込)※イベント当日に美術館にて支払い。
※事前購入券・無料観覧券・割引等は適用なし。
・申し込み方法: ①は、2022年12月2日(金)申し込み締め切り。こちらからお申し込みください。
②は、2022年12月23日(金)申し込み締め切り。こちらからお申し込みください。
※①・②ともに先着順。定員に達し次第、申し込み終了。
■ギャラリー★で★トーク・アート
美術館の休館日を利用して、ボランティアガイドスタッフと絵を見ながら展示室をまわる「鑑賞の会」。詳細はこちらをご覧ください。
※プログラムは場合により変更もあり。
※休館日のため、ミュージアムショップは利用不可。
・日時:2022年12月12日(月・休館日)14:00~16:00
※対話による鑑賞と自由鑑賞で各1時間程度。
・定員:30名程度(最小開催人数10名)。対象は大人からお子さままで。
※小学生以下の方は、保護者の参加が必要。
・参加費:1,600円(税込)、高校生以下無料。イベント当日に美術館にて支払い。
※事前購入券・無料観覧券・割引等の適用なし。
申し込み方法:2022年11月29日(火)申し込み締め切り。こちらからお申し込みください。
※先着順。定員に達し次第、申し込み終了。
「おいしいボタニカル・アート」展のご招待券を抽選でプレゼント! ※応募を締め切りました
ガーデンストーリー読者の皆さまへ、「おいしいボタニカル・アート」展のご招待券を抽選で5組10名様へプレゼントいたします!ご応募は下記の応募フォームから。皆さまからのたくさんのご応募、お待ちしております。
▼応募フォームはこちら
https://forms.gle/4aq38jE4xg4XUN8ZA
※応募締切:2022年11月25日(金)17:00
※当選者の発表はご招待券の発送をもってかえさせていただきます。ご招待券発送は11月30日頃までを予定しております。
「おいしいボタニカル・アートー食を彩る植物のものがたり」展の概要
■会期:2022年11月5日(土)~2023年1月15日(日)
■会場:SOMPO美術館
■住所:東京都新宿区西新宿1-26-1
■電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
■開館時間:午前10時~午後6時(最終入館は午後5時30分まで)
■観覧料:一般1,600円、大学生1,100円、高校生以下無料
■休館日:月曜日(ただし1月9日は開館)、年末年始(12月29日~1月4日)
■アクセス:JR新宿駅西口、東京メトロ新宿駅から徒歩5分
■URL:https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2021/botanical-art/
Credit
文/ガーデンストーリー 編集部
写真提供/SOMPO美術館
新着記事
-
ガーデン&ショップ
都立公園を新たな花の魅力で彩る「第2回 東京パークガーデンアワード 神代植物公園」1年の取り組み
新しい発想を生かした花壇デザインを競うコンテスト「東京パークガーデンアワード」。第2回のコンテストは、都立神代植物公園(調布市深大寺)が舞台となり、2023年12月からコンテストガーデンが一般公開され、日…
-
園芸用品
【冬のうちに庭の悩みを一挙解決】生育、花つき、実つきを変える土壌資材とは⁈PR
庭づくりで最も多い「花が咲かない」、「実がつかない」といった生育不良。花であふれる景色や収穫を夢見て、時間をかけ、愛情もかけて手入れをしているのに、それが叶わないときは本当にガッカリするもの。でも大…
-
イベント・ニュース
コモレ四谷に麻布台ヒルズ…「大手ディベロッパーの取り組む都市の緑とオープンスペース」など 園芸・ガー…
40年以上の歴史を持つ老舗業界専門雑誌『グリーン情報』最新号から最新トピックスをご紹介! 2024年11月号の特集は、「大手ディベロッパーの取り組む都市の緑とオープンスペース」。ほかにも、新たな時代に向けた“…