「おいしいボタニカル・アート」展が、2023年1月15日までSOMPO美術館で開催されています。「食べられる」植物のボタニカル・アート(植物画)を見ながら、イギリスにどのようにして根付いてきたのかを文化と歴史を通して知ることができます。抽選で、ご招待券をプレゼント。記事末の応募フォームから奮ってご応募ください。

Print Friendly, PDF & Email

食用植物にフォーカスしたボタニカル・アート展

食用植物にフォーカスしたボタニカル・アート展
作者不明《イチゴ 「ストロベリー・オブ・ヴェルサイユ」 》1788年 Photo Brain Trust Inc.
聖母マリアが好んだとされ、白い花や頭を垂れる実から「純潔」や「恭順」といったイメージがあり、イギリス貴族の紋章にも多く見られます。

英国キュー王立植物園の協力のもと、野菜や果物をはじめ、コーヒー、茶、カカオ、ハーブ、スパイスなど、イギリスの食生活に関わる植物を描いたボタニカル・アートの展覧会。ボタニカル・アートを通してイギリスの歴史と文化を辿りながら、さまざまな食材がどのような過程を経て食卓に並ぶようになったのかを紹介しています。

ボタニカル・アートとは

植物学的な絵画(The Art of Botanical Painting)のことで、一般的に植物画といわれています。写真が無い時代に図鑑の挿絵として描かれてきた絵画で、植物を細密に描くのが特徴。16世紀頃から、海洋探検家たちが新大陸で採取した植物を記録するため、ボタニカル・アートの需要が高まりました。その後、美術品として注目されるようになり、独自のアートとして発展し、美術館はもちろん世界中のコレクターによって蒐集されています。

ボタニカル・アートからわかる歴史的な背景

ボタニカル・アートからわかる歴史的な背景
ピエール・アントワーヌ・ポワトー《ビター・オレンジ》1807-1835年 Photo Michael Whiteway
寒冷なイギリスでは専用の温室「オランジュリ(Orangerie)」で栽培。

イギリスの代表料理といえば、フィッシュ・アンド・チップス。そのチップスには欠かせないジャガイモですが、食べられるようになるまでに時間がかかった理由がボタニカル・アートを通して知ることができます。また、今年96歳で逝去されたエリザベス女王と「くまのパディントン」のお茶会シーンでも登場した、マーマレードジャムのサンドイッチ。今ではイギリスを代表する国民的なジャムが、どのようにして生まれたのかも解説されています。さらに、イギリス文学や映画とも関連の深い食用植物も登場し、英国の食卓にどのように根付いていったのか掘り下げられています。そうした歴史を知った上で改めて小説や映画を見ると、またひと味違った味わい深い景色が見えてくることでしょう。

 

ボタニカル・アートからわかる歴史的な背景
ウィリアム・フッカー《ブドウ 「レザン・ド・カルム」 》1818年 Photo Michael Whiteway 
ボルドー産の赤ワインはイギリスでは「クラレット(Claret)」と呼ばれ、イギリスの探偵小説「シャーロック・ホームズ」やスパイ映画「007」にも登場しています。
ボタニカル・アートからわかる歴史的な背景
フレデリック・ポリドール・ノッダー《ジャガイモ 》1794年 Photo Brain Trust Inc. 
18世紀末に描かれたノッダーの作品では肝心の芋は描かれておらず、花や茎の部分が描かれています。これがジャガイモ普及に時間がかかった理由のヒント。

イギリスのカフェ文化の成り立ち

イギリスのカフェ文化の成り立ち
ロバート・ヘンネル社《ティーポット・セット(シルバー)》1861年 Photo Michael Whiteway 
ボタニカルアートと一緒にアフタヌーンティーのお茶道具も展示されている。

紅茶の入れ方のゴールデンルールの元になったともいわれるヴィクトリア朝の主婦のバイブル『ビートン夫人の家政読本』をはじめ、食卓を飾るティーポット・セット、グラス、カトラリーとともに古いレシピなど食にまつわる数多くの貴重な資料類が展示され、当時の状況を知ることができます。

イギリスのカフェ文化の成り立ち
ロイヤル・ウースター社《コーヒーカップ&ソーサー》1879年頃 Photo Michael Whiteway 
「イギリス=紅茶」のイメージがありますが、コーヒーはお茶よりも早い17世紀の半ば頃から街中の「コーヒー・ハウス」で提供されていました。

お茶(紅茶)やコーヒーがイギリス社会にもたらした影響の大きさには、目を見張るものがあります。17世紀半ばには、ロンドン市内に「コーヒー・ハウス」という、今でいう喫茶店のようなお店が数多く開かれ、お店でコーヒーを飲む習慣が定着。ここで情報交換などをするコミュニティができていきました。

イギリスのカフェ文化の成り立ち
作者不明《チャの木》1800年 Photo Brain Trust
薬として飲まれていたお茶を「飲み物」として広めたのは、チャールズ2世妃キャサリン・オブ・ブラガンザといわれています。

お茶(紅茶)は英国王室内の女性を中心に広がった習慣。当時コーヒー・ハウスには男性しか入れなかったため、男性が外でコーヒーを飲んでいる間に女性は自宅で紅茶を飲むようになり、家庭を中心に喫茶習慣が普及。その後コーヒー・ハウスでも紅茶をだすようになり、男性も紅茶を飲むようになったといわれています。

普段何気なく利用しているカフェですが、展覧会を見た後に飲むお茶は、遠い過去のイギリスに思いを馳せながら格別なものとなるでしょう。

関連イベント情報

■【夜間貸切イベント】学芸員のギャラリートーク

閉館後の美術館を貸し切り、担当学芸員が展示室をまわりながら展覧会の見どころや作品を解説。
※プログラムは場合により変更もあり。

・日時:①2022年12月9日(金)18:30~19:00(17:30受付開始)
・日時:②2023年 1月6日(金)18:30~19:00(17:30受付開始)
※受付後トーク開始まで、またトーク終了後20:00まで自由鑑賞ができます。
・講師:展覧会担当学芸員
・定員  :25名程度(最小開催人数10名)
・参加費:2,500円(税込)※イベント当日に美術館にて支払い。
※事前購入券・無料観覧券・割引等は適用なし。
・申し込み方法: ①は、2022年12月2日(金)申し込み締め切り。こちらからお申し込みください。

②は、2022年12月23日(金)申し込み締め切り。こちらからお申し込みください。

※①・②ともに先着順。定員に達し次第、申し込み終了。

■ギャラリー★で★トーク・アート

美術館の休館日を利用して、ボランティアガイドスタッフと絵を見ながら展示室をまわる「鑑賞の会」。詳細はこちらをご覧ください。

※プログラムは場合により変更もあり。
※休館日のため、ミュージアムショップは利用不可。

・日時:2022年12月12日(月・休館日)14:00~16:00
※対話による鑑賞と自由鑑賞で各1時間程度。
・定員:30名程度(最小開催人数10名)。対象は大人からお子さままで。
※小学生以下の方は、保護者の参加が必要。
・参加費:1,600円(税込)、高校生以下無料。イベント当日に美術館にて支払い。
※事前購入券・無料観覧券・割引等の適用なし。

申し込み方法:2022年11月29日(火)申し込み締め切り。こちらからお申し込みください。

※先着順。定員に達し次第、申し込み終了。

「おいしいボタニカル・アート」展のご招待券を抽選でプレゼント! ※応募を締め切りました

「おいしいボタニカル・アート」展のご招待券を抽選でプレゼント!

ガーデンストーリー読者の皆さまへ、「おいしいボタニカル・アート」展のご招待券を抽選で5組10名様へプレゼントいたします!ご応募は下記の応募フォームから。皆さまからのたくさんのご応募、お待ちしております。

▼応募フォームはこちら

https://forms.gle/4aq38jE4xg4XUN8ZA

※応募締切:2022年11月25日(金)17:00
※当選者の発表はご招待券の発送をもってかえさせていただきます。ご招待券発送は11月30日頃までを予定しております。

「おいしいボタニカル・アートー食を彩る植物のものがたり」展の概要

■会期:2022年11月5日(土)~2023年1月15日(日)
■会場:SOMPO美術館
■住所:東京都新宿区西新宿1-26-1
■電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
■開館時間:午前10時~午後6時(最終入館は午後5時30分まで)
■観覧料:一般1,600円、大学生1,100円、高校生以下無料
■休館日:月曜日(ただし1月9日は開館)、年末年始(12月29日~1月4日)
■アクセス:JR新宿駅西口、東京メトロ新宿駅から徒歩5分
■URL:https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2021/botanical-art/

Credit

文/ガーデンストーリー 編集部

写真提供/SOMPO美術館

Print Friendly, PDF & Email