植物マニアに人気の展示即売イベント「BORDER BREAK!!」(ボーダーブレイク)が2019年12月に開催されました。回を重ねるごとに来場者が増える人気イベントの会場の様子を詳しくご紹介します!
目次
「BORDER BREAK!!」って何?
「BORDER BREAK!!」は今回で7年目を迎える植物の展示即売イベント。多彩な植物が集まるイベントとして、多くの植物好きに支持されています。
大阪での開催ですが、レアな植物がずらりと並ぶとあって、日本全国から来場者が訪れるほどの人気を誇ります。
会場には植物を置く20のブースが並び、それぞれのジャンルのマニアを唸らせるものを取り揃えています。並ぶのは人気の多肉植物や、一部で熱狂的なマニアが生まれている雨林植物、ランやブロメリア、食虫植物など多種多彩。
もともと「BORDER BREAK!!」というイベントの名前も、ジャンルやカテゴリーといったくくり=ボーダーを超えて植物を楽しもうという願いを込めてつけられたもの。会場を訪れると多種多様な植物と出合えるイベントなのです。
東京では五反田で開かれるサボテン、多肉植物の即売イベントが「サボテン・多肉植物ビッグバザール(CACTUS AND SUCCULENT BIG BAZAAR IN TOKYO)」の頭文字を取ってBBと呼ばれていますが、「BORDER BREAK!!」は大阪のBBとして愛されています。
※以下、記事中のBBは「BORDER BREAK!!」を指します。
●2019年6月開催(天下一植物界)の模様はこちら。
BB名物、入場待機列!
BBで販売されるのは、一般的な市場流通がなく、園芸店などでは店頭販売されない植物がほとんど。それだけに、目当ての植物がある人にとっては見逃せない購入の機会です。
そんな中でも特にレアなのは、海外の自生地で採集された株。
ほとんど国内に導入されていない植物や、中にはこれまで見つかったことがない新種の植物も並ぶことがあります。ほかではまず入手はおろか、見ることもできない植物が並ぶので、それを目当てのマニアが、開場前から行列を作って待機します。
また、熱いマニアがいるアグラオネマ・ピクタムを目当てに来場する人も少なくありません。
今回は、およそ200人の行列ができたそうです。
BBに行くなら一度は引いてみたい!? ファストパス
BBは基本的に入場料無料なのですが、ファストパスでの入場のみ有料というシステムになっています。
ファストパスは、一般入場の前に会場に入ることができるというもの。ただし、先に会場に入ってもその場で植物を購入することはできません。ファストパスで入場する際には、通し番号が振られたタグをもらい、それを欲しい株の鉢に挿し、一般入場開始後に購入することになります。
ファストパスは、一般入場開始前にその鉢を会場前で行われる抽選を経て手に入れます。
レアな植物だと購入希望者が複数いたりするので、番号が一つ違うだけでも入手できるか否かが分かれてしまいます。会場前には待機の列ができますが、ファストパスでの入場の場合、列に並んだ順番は関係ありません。このファストパスの抽選もBB名物の一つですが、はるばる遠方からやってきて列に並ぶ人にとっては、シビアなくじ引きです。
やっぱり気になる雨林植物
BBならではといえば、やはり雨林植物。
ブースには東南アジアや南アメリカなどで採集されたシダやベゴニアなどのレアが目白押し。こうした植物はコレクションとして買っていく人もいれば、テラリウムやパルダリウムに入れて楽しむ人もいるそう。
また、カエルなどを飼う水槽に植え付けて、植物と生き物を一緒に育てたりすることもあります。
中でも人気はやはりアグラオネマ・ピクタム
アグラオネマといえば、観葉植物としてポピュラーな植物。
映画『レオン』で主人公が育てていた植物といえば、ピンとくる人もいるのでは?(『レオン』に登場したのはアグラオネマ・カーティシー)
ピクタムも同じアグラオネマの仲間ですが、やや丁寧に育てたほうがよい種類です。
同じピクタムであっても、採集された場所や個体によって葉模様が異なり、特徴のある葉模様が出る個体は非常に人気があります。
出店者は、実際に東南アジアや南米などの自生地に赴き、自らの手で採集してきていることもあるので、現地の様子などを聞きながら育て方のアドバイスを受けることもできます。遠い熱帯雨林で植物や動物がどうやって生きているのか、そんな話を聞くだけでも楽しいもの。自生地ではどんな地形のどんな植生の中に生きているのかは、植物栽培のヒントにもなります。
食虫植物も多彩にラインナップ!
最近、熱いファンが急増中の食虫植物を扱うお店ももちろん参加。
ネペンテス(ウツボカズラ)やサラセニア、ハエトリソウ、ムシトリスミレなど、食虫植物が幅広く並びます。マニアックな希少種もありますが、手軽に育て始められるものもあります。栽培経験豊富なスタッフに聞けば、環境づくりや育て方なども丁寧に教えてもらえます。
花が楽しめるランも見逃せない!
熱帯植物の中でもひときわ目を引く多彩な花を咲かせるランにも出合えます。ランの多くは、木や岩の表面にくっついて育つ着生植物。そのため、鉢に植えるだけではなく、コルク板などに着生させて育てることができます。
そんな習性の植物だけに、花がないときでも鉢植えとは一味違った株姿を楽しむことができます。花も形、色彩など多種多様。ティランジアやビカクシダなどと同じ場所に自生しているものもあり、手入れや栽培環境は似ています。なので、そうした植物をすでに育てているならば、一緒に管理することもできます。
BBは、一般的な園芸店やホームセンターなどではなかなかお目にかかることができないランに出合うチャンスです。
人気の多肉植物も!
雨林植物と呼ばれる、比較的高い湿度を好む植物が多く並ぶBBですが、そこはあらゆる垣根を超えて植物を楽しむことを提唱するイベント。乾燥を好む多肉植物を扱うブースもしっかりあり、こちらも開場と同時に人だかりができる盛況っぷりです。
人気のコーデックスやアガベ、サボテンなどがずらりと並びます。中には、出店者自らが交配し、タネから育てたハオルチアなどもあります。雨林植物を扱う店が多く並ぶイベントですが、多肉植物目当てで来場する人も少なくありません。
つい立ち止まって見てしまう、木の実
BBに登場する植物は、基本的に根がついた、生きているものばかりで、切り花などは扱っていません。
そんな中で、ちょっと変わっているのが、木の実を扱うブース。
パッと見て正体がなんとなく分かりやすいドングリや松ぼっくりなどから、名前を聞いてもどんな植物なの分からないようなエキゾチックな植物のタネや木の実まで、ぎっしりと並ぶさまは壮観。
造形の面白さや、驚くほど大きな種子など、つい足を止めてしまう来場者が少なくありません。中には、高いところから落とすとヒラヒラとグライダーのように飛んでいくアルソミトラ・マクロカルパや、プロペラのようにクルクル回りながら落ちていくフタバガキなどもあり、自分でも遊んでみたくなってしまいます。
オークションに参加してみよう!
BBでは、2日目の午後にオークションが開催されるのが恒例となっています。
オークションに出品される商品の多くは、出店者が提供する植物。園芸店などの店頭にはもちろん、ネット通販などにもめったに出回らないレアな植物が登場することもあり、目が離せません。また、普通だと高額でしか出回らない植物が、驚くほど安く手に入ることもあります。
参加するには、オークションの時間に中央フロアのオークション会場に行けばOK。オークションがスタートしたら、手を上げて、より高い値段を言えばセリに参加することができます。
オークションに出品される商品は、事前にオークション会場に陳列されるので、どんな植物なのか、状態はどうなのかなどを確認することもできます。
2020年も6月と12月に開催予定!
毎年6月と12月に開催されてきたBBですが、今年ももちろん開催が決まっています。
6月には規模を拡大した「天下一植物界BORDER BREAK Beyond」が、12月には今回同様の「BORDER BREAK!!」が開催されます。
具体的な開催概要や、入場のルールなどについては、実行委員会HPやSNSなどでご確認ください。
Information
天下一植物界
開催日時 : 2020年6月13、14日
会場 : 京セラドーム大阪 スカイホールB・Cブロック
「BORDER BREAK!!」HP http://borderbreak121415.blogspot.com/
「BORDER BREAK!!」公式Twitter
天下一植物界HP http://no1plantae.com/
天下一植物界公式Twitter
Credit
写真&文/土屋 悟(つちや さとる)
フリーライター。
インドアグリーンの最新事情に強い、園芸・ガーデニング関連のライターとして活動中。自宅でも、水槽、透明ケースなどを使って試行錯誤しながらランなどの植物を栽培。ときおり実家の庭の手入れも行い、家の中、外での園芸ノウハウを蓄積。
https://twitter.com/tutti0514
https://www.instagram.com/satorutsuchiya_/
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