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大阪府

素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪41 大阪「NOAH(ノア)」
園芸を楽しむすべての人のためにメーカーとの間を橋渡し 入り口に立ててある、木製の小さな看板が目印。 大阪花き園芸地方卸売市場など植物関連の業者が集まるエリアに位置する、ガーデニング資材やナチュラル雑貨の問屋「NOAH(ノア)」。センスのよいものが揃い、園芸やフラワー関係のバイヤー、ガーデンまたはインテリアのコーディネーターなど、さまざまな業界の人たちに頼りにされている問屋です。オープンから20年経った今年、多くの声に応えられるようにと、一般の方々も買えるようになりました。 店舗の造りは倉庫そのもの。約300坪もの広大なフロアに1万点以上ものアイテムが並ぶさまに圧倒されます。 商品はメーカーごとに並んでおり、多様な商品が次から次へと展開されていきます。「取引メーカー数は200社ほどあります。さまざまな要望に応えるために、雰囲気・好みに偏りなくあらゆるテイストのものを置くように、多くの業者から仕入れています」と代表の山野井良夫さん。 以前、ガーデンストーリーでベランダガーデンの演出の記事にご登場くださった奥様のRIKAさんとともに、ガーデニングのショップ『みどりの雑貨屋』を兵庫や大阪、京都に5店舗も展開している山野井さん。 現在のRIKAさんのベランダガーデン。ほとんどの鉢はNOAHで入手できる。 RIKAさんがコーディネートするこの店舗は一般の方向けで、ナチュラルなコーディネートに定評があります。「『みどりの雑貨屋』で扱うアイテムは、当然ながらカラー(雰囲気)が統一されています。それ以外の雰囲気のものが欲しいという方のために、NOAHに一般の方にも買えるようなシステムを設けたんです」と山野井さん。 基本的に各メーカーの担当者が自分の商品をディスプレイしており、ブースごとに雰囲気は異なります。「私たちが行うといつも同じようになってしまうので、可能な限りメーカーさんそれぞれに飾ってもらっています。これならイチオシや旬の商品が分かりやすく陳列され、いつも新鮮な売り場になるからです」。そのほか什器も多様で、パーゴラにカゴを吊したり、ポテトボックスを積んで鉢を並べたりと、飽きがこないよう展示にもこだわっています。 あんなものも、こんなものも!広い店内をフロアごとにご紹介 多数の商品が所狭しと並ぶ店内から、一部のコーナーをピックアップしてご紹介します。一般店舗とは異なる問屋の雰囲気も楽しんで。 【1F】 1Fは、基本的にガラスや陶器など、割れ物の鉢や雑貨、重量感のある大物がメイン。ガーデニングをするのに、あると嬉しいアイテム(土や肥料、ペイント材、リボンなど)も揃っています。 ■寄せ植え向きコンテナ グレイッシュなカラーの鉢が今人気。どんな植物とも相性抜群。 ■素焼き等コンテナ 昔ながらのスタンダードな素焼き鉢もたくさん。 ■大型コンテナ ビックリするほど大きなコンテナも。インテリアにこだわりのある男性に人気。 ■コンテナ(素材いろいろ) 軽くて便利な樹脂製の器。観葉植物や多肉植物にもピッタリ。 ロングヒットのモスポット。什器として使われているポテトボックスとの相性抜群。 ■インテリア用コンテナ(陶器タイプ) どんな空間にも馴染みやすいモノトーンの器は、ショップやレストランなどで人気。 ■ミニコンテナ コーヒーのテイクアウト容器形のミニコンテナ(上)と、動物の顔形の陶器のミニコンテナ(下)。遊び心あふれるアイテムもずらり。 ■インテリア用花器 落ち着きのある色・質感の花器。オーナメントとして飾ることもできるデザイン。 ■ガラス瓶 空間に透明感ときらめきを添えてくれるガラス瓶。見ているだけで楽しい。 ■ガーデニング雑貨 人気のオーナメントやアイアンフェンスなども充実。 ■インテリア雑貨 室内に素敵な彩りを添えてくれるアイテムもいっぱい。 ■カゴ類 籐製に見えるバスケットは、じつはポリプロピレン・ポリエチレン製。寄せ植えの器としても活躍してくれる。 アルファベットパーツ(左)やマクラメ(右)など、空間づくりを楽しくしてくれるアイテムも充実。 ナチュラルな仕上がりが魅力の“ミルクペイント”など、人気の塗料も販売。 【2F】 1Fの半分ほどのスペースの上に、2Fの売り場が設けられています。ここには比較的軽いアイテムとガーデン雑貨類が並べられています。 ■ガーデン雑貨 シーンに味わいを添えてくれる、ブリキなどの雑貨類。庭に挿したり、アーチにかけたりと、使い方いろいろ。 ■軽量コンテナ 軽量で耐久性抜群のグラスファイバーポット。デザインもエレガント。 気持ちがほっこりと和むような、ユニークなデザインのものも。 ■流木 なにかと便利な流木。サイズはいろいろ。 ■アンティーク イギリス・フランスのアンティークアイテムが2F奥のエリアに並ぶ。庭のシーンの雰囲気を高めるのにぴったり。 【SALEコーナーとSDGsコーナー】 NOAHでは地球環境・資源に配慮し、半端もの、型落ち、壊れなどの訳アリ商品をお得な価格で積極的に販売しています。販売タイプは2種類で、「SALEコーナー」は、各メーカーが型落ちや製造終了のものを、各ブースで販売。それに対し「SDGsコーナー」は、主に壊れてしまったもの、古くなったもの、部品が足りないものなどを2Fの一部エリアにまとめて並べています。どちらも掘り出し物が見つかる確率大! 各ブースで行っているセール。赤いSALE・値下げマークが目印。 木の棚に並ぶたくさんのアイテム。動かなかったり欠けたりしていても、庭に飾るだけなら問題なし。屋外でも惜しみなく使える。 園芸関連資材とナチュラルな雑貨の問屋として、プロの仕入れのみならずガーデニングを楽しむすべての人をサポートする「NOAH(ノア)」。1万点もの厳選されたアイテムの中からお気に入りを見つけ出す時間は、まるでプロの気分。当日登録・購入が可能です。ぜひ訪れてみてください。アクセスは阪急宝塚線「服部天神」駅より徒歩20分、阪急バス「上津島バス停」より徒歩5分。車の場合、名神高速道路・豊中IC(池田方面出口)より約5分、阪神高速道路「豊中南IC」より約5分。
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東京都

【参加者募集中!】都立公園を花で彩るコンテスト「第4回 東京パークガーデンアワード 夢の島公園」応募方…
東京パークガーデンアワードとは 写真(上)は、「第1回 東京パークガーデンアワード 代々木公園」のコンテストが開催される以前の様子。オリーブなど既存の樹木はそのままに、芝地が整地されてコンテストの花壇エリア(写真下)が作られました。コンテスト期間中、東京の最新ガーデンが見られるスポットとして多くの人々が訪れました。 2022年にスタートした「東京パークガーデンアワード」は、都内の公園を舞台に、新しい発想を活かした花壇デザインを競うコンテストで、2022年には代々木公園、2023年は神代植物公園で開催。今年は、砧公園を舞台に開催中です。東京都が主催し、12月の作庭から翌年11月のファイナル審査まで約1年かけて行われているガーデンコンテストです。 「第2回 東京パークガーデンアワード 神代植物公園」で開花した多数の宿根草。ロングライフ・ローメンテナンスをテーマに選ばれた植物は、3月から11月の間、バトンタッチをするように花壇を彩りました。なかには3〜4カ月もの期間咲き続けた種類も。 このコンテストの最大の特徴は、宿根草を活用した「持続可能なガーデン」をテーマにしていること。デザインに加え、植物や土壌に関する確かな知識やノウハウが求められる、今までのものとは一線を画すガーデンコンテストとして注目されています。 「第2回 東京パークガーデンアワード 神代植物公園」でグランプリを受賞した「Grasses and Leaves, sometimes Flowers ~草と葉のガーデン〜」季節の変化。 書類審査を通過した5名の入賞者には、抽選によって割り当てられた区画に、それぞれのガーデンを制作いただきます。そして、植物が成長をスタートした4月中旬に「ショーアップ審査(春の見ごろを迎えた鑑賞性を審査)」を、7月中旬には「サステナブル審査(梅雨を経て猛暑に向けた植栽と耐久性を審査)」を、11月上旬には「ファイナル審査(秋の見ごろの鑑賞性と年間の管理状況を審査)」という、3回の審査を経てグランプリが決定します。 第4回コンテスト会場とテーマ コンテストの舞台となる東京都江東区にある夢の島公園は都心から近く、東京湾に浮かぶような立地の都立公園です。 かつてのごみの埋め立て地を緑豊かな海辺の公園へと変貌させた「都市再生のモデル」となる公園でもあります。 園内にはユーカリ、デイゴ、ヤシなど熱帯・亜熱帯植物が生育し、熱帯植物館やスポーツ施設、マリーナ、広大な 芝生広場を備え、訪れる人々に南国リゾートの雰囲気を感じさせてくれます。 今回のテーマは「海辺のサステナブルガーデン」です。 東京パークガーデンアワードが実施されるエリア(熱帯植物館西側の グリーンパークの一画)は、公園のシンボル樹であるユーカリの樹林地に面しています。ユーカリの木々を背景に広がるウェーブガーデン(波をイメージしたダブルボーダーの花壇)に、海辺という環境に適した宿根草を使い、持続可能なガーデンを制作していただきます。 ガーデン制作費として最大180万円支給 「第2回 東京パークガーデンアワード 神代植物公園」2023年12月作庭時の様子。 書類審査を通過した5名の入賞者には、植物代などガーデン制作にかかった材料費として最大180万円が支給されます。今年は花壇面積が約24㎡と、例年に比べ小さく、ご参加いただきやすくなっています。 【審査基準】公園の景観と調和していること/公園利用者の関心を得られる工夫があること/公園利用者が心地よく感じられること/植物が会場の環境に適応していること/造園技術が高いこと/四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること/「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること/メンテナンスがしやすいこと/テーマに即しており、デザイナー独自の提案ができていること/総合評価※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われます。 「第3回東京パークガーデンアワード砧公園」審査の様子。第4回の審査員は、福岡孝則さん(東京農業大学地域環境科学部 教授)、正木覚さん(環境デザイナー・まちなか緑化士養成講座 講師)、吉谷桂子さん(ガーデンデザイナー)、本木 一彦さん(東京都建設局公園緑地部長)、植村敦子さん(公益財団法人東京都公園協会 常務理事) 「第4回 東京パークガーデンアワード 夢の島公園」応募方法 【申込者について】 ・一般市民、企業・団体、学生などを含め、プロ・アマ、国籍を問わず応募できます。・グループでの応募の場合は、必ず代表デザイナー1名を決めてください。・応募は1名(1団体につき)1件までとします。・定められた期間にガーデン制作やメンテナンスを行なっていただきます。 【ガーデン制作について】 ・ガーデン制作エリアは、「グリーンパーク」内です。 ・ユーカリの樹林地を背にしたエリアです。・ 重機の使用はできません。・ 植物代などガーデン制作にかかった材料費について180万円(税込)を上限に支給します。 ・ガーデン制作は2025年12月15日(月)〜12月19日(金)の5日間の中で行っていただきます。 以降、メンテナンスを行う中で補植も可能です。 【応募に必要な書類】 ・申込書・平面設計図・デザイン画(様式不問) 過去のコンテストガーデンをチェック!
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東京都

猛暑に負けない花壇!「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」の『サステナブル審査』を迎えた、5人…
年3回審査を行うガーデンコンテスト「東京パークガーデンアワード」 “グランプリ”、“準グランプリ”、“審査員特別賞”と、最終的な結果が決まるまでに4・7・11月の3回に渡り審査が行われますが、ガーデンの施工から8カ月ほどが経過した今回、2回目となる『サステナブル審査』が行われました(梅雨を経て猛暑に向けた植栽と耐久性を審査します)。審査期間:2025年7月10日~16日。 審査員は以下の5名。福岡孝則(東京農業大学地域環境科学部 教授)、正木覚(環境デザイナー・まちなか緑化士養成講座 講師)、吉谷桂子(ガーデンデザイナー)、本木一彦(東京都建設局公園緑地部⻑)、植村敦子(公益財団法人東京都公園協会 常務理事) 【コンテスト審査基準】丈夫で長生きする宿根草・球根植物(=多年草)を中心に季節ごとの植え替えをせず、季節の花が順繰りに咲かせられること/公園の景観と調和していること/公園利用者の関心が得られる工夫があること/公園利用者が心地よく感じられること/植物が会場の環境に適応していること/造園技術が高いこと/四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること/「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること/メンテナンスがしやすいこと/テーマに即しており、デザイナー独自の提案ができていること/総合評価※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われます。 今回の評価のポイントは主にガーデンの耐久性で、「梅雨を経て、猛暑に向けた植栽がなされ、秋まで庭が維持されるような持続性が考えられているか」。しかし、単に猛暑に耐える庭であることだけが重要ではなく、「植物個々の特性・魅力がしっかり見せられているか」、「葉や花の組み合わせがデザイン的に美しいか」、そして今回のテーマ、「訪れる人々の五感を刺激し、誰もが見ていて楽しいと感じる要素を取り入れた“みんなのガーデン”が表現されているか」などの項目も含めて評価されています。※年によって気象条件が変わるため、開花の時期がずれていても評価に影響しません。※今回行われた審査結果の公表はありません。 7月のショーアップ審査を迎えた5名のガーデンをご紹介 コンテストガーデンAGathering of Bouquet 〜庭の花束〜 【作品のテーマ・制作意図】 皆さんの日常に癒やしや潤いを届けたいという願いを込め、プランツ・ギャザリングの視点で、ガーデンをひとつの大きなブーケに見立ててデザインを構成しました。動物たちが次の訪問者のために心遣いを残していく絵本から着想を得て、あらゆる世代の方が見て触れて、香りなどを楽しめるように、花の形や手触りがおもしろいものを用いた植栽計画をしています。ぜひ手に取って、お気に入りの植物を見つけてください。たくさんの感動や気づきが新たな会話を生み、笑顔になるシーンが増えますように。 【7月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころ マツやケヤキなどが作る日陰などの外的要因によく合わせられた植栽。美しくまとめられた配植のバランスは絵画的。春に引き続き、絶妙な足し算と引き算でまとめられたガーデンからは高い技術力が伺える。 開花期を迎えていた植物 ユーパトリウム‘ベビージョー’、ルドベキア ‘フラメンコ・ブライトオレンジ’、ルドベキア ‘フラメンコ・バニラ’、アガパンサス‘エバーホワイト’、エキナセア・マグナス‘スーペリア’、アジサイ‘アナベル’、アガスターシェ‘モレロ’、ヘリオプリス ‘ブリーディングハーツ’、エキナセア ‘サンシーカーズ レインボー’ など コンテストガーデンBCircle of living things 〜おいでよ、みんなのにわへ〜 【作品のテーマ・制作意図】 季節によってカラーリングが変化する植物や、実をつけて味わい深い風景を作ってくれる植物に集まる多様な生き物たち。そして各所に配置したサークルネストはそんな生き物たちの拠り所に。命の循環というキーワードをもとに植物だけではなく生きとし生けるものたちの集まる「庭」をテーマにデザインしました。人間だけに限らず、あらゆる生き物たち「みんな」にとっても楽しめる「命を感じられるガーデン」は「みんなのにわ」となり、命を循環させてゆきます。 【7月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころ 土壌の栄養がよいのか巨大な葉が見られるなど、整いすぎていないワイルドさが魅力。生物多様性を意識した自然に親しむことができるガーデンは、自然のエネルギーを感じさせ、見ているだけで元気が出てくる。やや日陰を好むアンジェリカ・ギガスがうまいところに植わっていて、形のおもしろさや色彩を際立たせている。 開花期を迎えていた植物 ヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’、エキナセア‘ブラックベリートリュフ’、エキナセア・テネシーエンシス、ムスクマロー‘ホワイトパーフェクション’、ユーパトリウム‘マスク’、アンジェリカ・ギガス、バーベナ‘バンプトン’、バーベナ・ボナリエンシス など コンテストガーデンCLadybugs Table 「てんとう虫たちの食卓」 【作品のテーマ・制作意図】 砧公園で暮らす「小さな住人(虫たち)」がこのガーデンを訪れて住みやすいように生態系を意識した植栽のデザインをしています。植栽は、見る場所や角度によって印象が変わるように、カマキリなどの天敵が身を潜められるような複雑さが出るよう工夫しました。植物は、てんとう虫やカマキリの食料となるアブラムシなどが好む「バンカープランツ」や蝶やミツバチたちの蜜源となる植物を植えています。「小さな住人(虫たち)」の生活をそっとのぞき見ることができる場所を目指しています。ここでの小さな体験が、自分の身近な自然環境を考えるきっかけになってもらえたら嬉しいです。 【7月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころ 高低差やレイヤーで魅せる美しいバランスが印象的。開花させることだけを目的とせず、葉形や幹、茎が全体的にマッチするよう形をうまく生かした配植は、多様な表情を見せ、自然の風景を存分に楽しめる。それぞれの植物の特性に合わせた配置も機能的に考えられている。 開花期を迎えていた植物 ユーパトリウム・マスク、ユーパトリウム‘ベビージョー’、アリウム‘ミレニアム’、アリウム‘サマービューティ’、アリウム‘イザベル’、エキナセア‘メローイエロー’、カノコユリ‘ブラックビューティー’、アンジェリカ‘ビガーズミード’、ペニセタム・カシアン、モリニア‘エデュスダッチェス’、エラグロディス・スペクタビリス など コンテストガーデンDKINUTA “One Health” Garden 【作品のテーマ・制作意図】 ヒトの健康、生きものの健康、環境の保全を包括的な繋がりとして捉えるワンヘルス (One Health)の概念を軸に、それら3つの主体が密接に関わり合う「ワンヘルスガーデン」をつくります。土壌環境を改善し、植物や微生物を豊かに育て、鳥や虫などの地域の生きものを呼び込む。ガーデンの香りや触れ合いを通し、ヒトの健康と安らぎを生み出すガーデンをつくり、いろいろな生きものがやってくる「みんなのガーデン」を実現します。 【7月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころ 土壌のバクテリアを育てるなど、実験的な取り組みがおもしろい。自然を意識した植栽は、藪の中にいるような気分にさせる。昆虫も多く見られ、“生物多様性”の目標に達成していることが伺える。時間の経過でまとまってくると感じられる絶妙なバランス。 開花期を迎えていた植物 アーティチョーク、オミナエシ、ウスベニアオイ、モナルダ(赤)、ルドベキア‘ゴールドストラム’、クナウティア・マケドニカ、アジサイ‘アナベル’、スモークツリー など コンテストガーデンE「みんなのガーデン」から「みんなの地球(ほし)」へ 【作品のテーマ・制作意図】 私は「みんなのガーデン」を、来園者だけでなく、花を訪れる虫、土壌菌類などの分解者、そして庭の先につながるこの生きた星「地球」の環境といった全ての「生あるもの」をつなげる庭と捉えました。温暖化する東京の気候に合った植物を差別なく組み合わせ、虫や菌たちによる循環系の形成、見るだけでなく庭づくりに参加もできる「みんなのガーデン」。「みんな」が共に助け合いながら、末長く幸せに暮らす世界、生命共存の尊さ・美しさを伝えたい。この想いが、この庭から未来へ・社会へ・地球へと広がっていけば、と考えています。 【7月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころ カラフルでダイナミック、ポップでパワフル。植物の種類をたくさん入れることを恐れず、植物の可能性を追及するあくなきチャレンジ精神に拍手。つい写真を撮りたくなる見栄えのするパートがいっぱい。人を長時間滞在させる、飽きの来ないガーデンです。 開花期を迎えていた植物 カンナ‘ベンガルタイガー’、ヘレニウム‘モーハイムビューティー’、ネリウム(キョウチクトウ)‘ペティットサーモン’、エリンジウム・ユッキフォリウム、コレオプシス‘ガーネット’、アガスターシェ‘ブルーフォーチュン’、エリンジウム‘ブルーグリッター’、フロックス‘ハーレクイン’、モナルダ‘ファイアーボール’、バーベナ‘バニティ’、サルビア‘ロッキンディープパープル’、バーベナ‘バンプトン’ など <News> オンラインイベント開催&第4回参加者募集 第3回 東京パークガーデンアワードの入賞者によるオンライン座談会イベント開催 現在、都立砧公園にて開催中の第3回コンテストガーデン入賞者5名によるオンライン座談会を2025年8月1日(金)15:30~17:00に開催します。座談会では、自身の応募書類の紹介、植物の調達から造園、メンテナンスまで、参加したからこそ分かる”ナマ”の声をお伝えします。ご視聴のお申し込み(無料)は、以下のバナーをクリック! 「第4回 東京パークガーデンアワード 夢の島公園」の参加者募集! 2022年にスタートしたガーデンコンテスト「東京パークガーデンアワード」が、代々木公園・神代植物公園・砧公園での開催を経て、2025年、夢の島公園で始まります。第4回のコンテストの舞台は、夢の島公園「グリーンパーク」内(東京都江東区)。コンテストのテーマは、「海辺のサステナブルガーデン」です。応募の締め切りは、2025年8月31日(日)18時必着。応募方法など詳細は、以下のバナーをクリック! コンテストガーデンを見に行こう! Information 都立砧公園「みんなのひろば」前所在地: 東京都世田谷区砧公園1-1電話: 03-3700-0414https://www.tokyo-park.or.jp/park/kinuta/index.html開園時間:常時開園※サービスセンター及び各施設は、年末年始は休業。営業時間等はサービスセンターへお問い合わせください。入園料:無料アクセス:東急田園都市線「用賀」から徒歩20分。または東急コーチバス(美術館行き)「美術館」下車/ 小田急線「千歳船橋」から東急バス(田園調布駅行き)「砧公園緑地入口」下車/小田急線「成城学園前駅」から東急バス(二子玉川駅行き)「区立総合運動場」下車駐車場:有料
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近畿

憧れの【バラに包まれたロマンチックガーデン】大原邸に学ぶ、小さな庭のつくり方
たくさんの人の心に響き渡る奏でるようなバラの庭づくり レンガの住宅を背景に、ロマンチックなバラが咲き誇る大原邸。階段脇でこんもりと咲き群れるバラに玄関の壁を駆け上がるバラ、フェンスに絡むバラなど仕立て方はさまざまで、道行く人たちの目を奪っています。 こんもりと茂るバラが一体となり、ピンクを軸とした美しいグラデーションを描いている大原さんのガーデン。この家を建てたのは約22年前。今ではこんなにもバラに包まれた夢のような庭ですが、当時はあまりバラには興味がなかったという大原さん。玄関のエントランス部分と庭の端に小さな花壇を設けた以外は、コンクリートを打ち、花壇に季節の草花とコニファーを植えて、バラは取りあえず加える程度でした。 大原さんのお気に入りのバラ、ほんのりグレーがかる波打つ花弁の‘カミーユ’と、コロンとしたピンクの中輪咲きの‘アントニオ・ガウディ’が控えめながらも存在感を発揮。フェンスには‘レイニー・ブルー’、レンガのウォールには‘ファイル・フェン・ブラウ’が広がっている。 丸いトピアリー仕立てのツゲ類や、ペチュニア‘アマゾナス’など季節の花を植えたコンテナで、エントランスに彩りをプラス。 「この家を建てた当時は下の子がまだ3歳で、植えたバラの世話が大してできませんでした。けれど、子育てに少し余裕ができ始めた頃からその魅力に取りつかれるようになり、徐々に本数が増えていったんです」 和バラ‘あおい’のこっくりとしたピンクの花が、デルフィニウムの青花とともに、あでやかなシーンを描いている。 とはいえ、植えることができるスペースはほんの一部。地植えできる場所にはバラと草花を植えつつ、それ以外ではコンテナを用いたり、コンクリートの上に土をのせたりして、失敗も繰り返しながら、バラ×草花で彩られる空間づくりにシフトチェンジしていきました。 左/コンクリートの上に土をのせてレンガで土留めした小さな花壇。 右/コンテナ植えと地植えを交えて庭を構成。 こんなにもバラに包まれた空間ですが、2/3以上が鉢植えというから驚きです。コンテナは大きくすると管理も大変なので、10号サイズ程度までにとどめています。「小さい庭に合った程よい大きさに育つほか、移動もしやすく模様替えも容易になります。植え替えは様子を見ながら部分的に行っています」。 北側の玄関と南側のメインガーデンをつなぐ通路からの眺め。突き当たりにアーチを配し、アイストップの効果を生んでいる。 現在、約50種類ものバラが5月上旬から次々に開花。大原邸の最大の見せ場である南側のメインガーデンでは、中央の白いパーゴラにランブラーローズ‘メイ・クイーン’と‘群星’、つるバラの‘玉鬘’が咲き乱れ、柱まわりに添わせたフェンスとともにロマンチックな空間を作り出しています。 パーゴラの下でくつろげるように、小さなテーブルとイスをセッティング。この空間ができたことで、ガーデンの立体感や見栄えがぐっと高まり、過ごす時間が格段に増えたのだそう。この麗しい空間は、いまや大原家のシンボリックな風景になりました。 パーゴラの半分ほどを占めているのは、ピンクのランブラーローズ‘メイ・クイーン’。「花付きのよい枝はしなやかで、下を向いてこぼれるように咲いてくれるので、パーゴラにピッタリなんです」と大原さん。今年は昨年より多めに枝を剪定したので、パーゴラ下の空間が明るくなりました。「枝をたくさん残せば、花は見事だけど庭が暗くなってしまう。この分量が最適だということが分かりました」。 デルフィニウムが美しかった2023年の庭。今年は苗の入手が遅れたため、成長が遅れている。 「結婚当初に訪れた信州で草花に感銘を受けたのが、ガーデニングに目覚めたきっかけです。以前の家では、寄せ植えやハンギングバスケットづくりのほうが好きで、好きが高じて雑誌のコンテストで入選したこともありました。しかし、今では我が家はバラでいっぱいに。ご近所のバラ好きや、お庭をされる方々と情報交換をしたりして、お世話になりながら楽しんでいます」 自宅でピアノを教えている大原さん。バラが見えるリビングでピアノを弾くことは至福の時間で、生徒さんやそのご家族にも好評なのだとか。「音楽も庭づくりも分野は異なりますが、どちらも“どう作り上げるか”が大切です。音楽にはいろいろな音があり、音色や強弱のコントラストなどを意識して演奏します。庭づくりも、たくさんの色彩などが交じり合って流れを作っていく。曲を奏でることと庭をつくることは、同じなんだなと感じています」。 リビングからの眺め。豊かなフリルが美しいカーテンと相まって優雅さにあふれている。「早朝が最もきれいに見えるんですが、1日が終わって夕方に庭に出る時が、一番ほっとする時間です」。 ロマンチックなシーンがそこかしこにある大原さんの庭。バラがひとしきり咲いた後は、アジサイとヤマボウシの花にバトンタッチ。庭はしっとりとした趣に変化していきます。 雑貨のあしらいも控えめながら、アクセントとして効果的に配されている。 バラを美しく咲かせるためには? バラが本格的に増え始めて10年あまり。バラ栽培については、故村田晴夫さんの本をはじめ、さまざまな書籍やインターネット、SNSなどを参考にしながら、自分なりに試行錯誤を繰り返してきました。今現在も庭づくりは進行形で、良いと思えることはいろいろ取り入れていっています。 バラを美しく咲かせるためには、冬に有機肥料+2~3回有機化成肥料を施しています。オールドローズは肥料をやりすぎるとボーリング(つぼみのまま開かない現象)しやすかったり、うどんこ病も出やすくなったりするので、冬だけに限定。害虫はなるべく捕殺にとどめ、どうしても取り切れないときや病気が出たときは、スプレーの殺虫・殺菌剤をまいています。 【フェンス使いのヒント!】 限られた空間を有効に使うには、フェンスやトレリスの導入が欠かせません! 大原さんの秀逸なフェンス使いの数々をご紹介します。 玄関正面にはしっかりしたフェンスを3連使いで見栄えよく。絡んでいるバラは‘レイニー・ブルー’。 隣家との境には、華奢なラインが美しいアイアンフェンスを。色は黒で統一し、バラ×クレマチスを引き立てる。絡むのはバラ‘マダム・アルディ’や‘フィリスバイト’、クレマチス‘マダム・ジュリア・コレボン’など。 南側のメインガーデンで使われているのは、手づくりの白い木製フェンスと数枚を並べたアイアンフェンス。絡んでいるのは、バラ‘ローラ・ダボー’ とクレマチス‘ブルー・ライト’。 メインガーデンの入り口で中を一望できないように目隠ししているのは、バラ‘ロココ’と白いアイアンフェンス。メダルタイプのオーナメントを下げて、ワンポイントをプラス。 はすかいに続く建物の壁を覆うように白いウッドフェンスを設置し、雑貨類を合わせてディスプレイコーナーに。扉付きのミラーが空間を広く見せながら、きらめきを生んでいる。 左/リビングの掃き出し窓の横の壁を、白い小さなフェンスでカバー。台にのせた鉢植えのバラは‘リナルド’。 右/テーブルセットの脇にも華奢な白いフェンスを立てて。ピンクのバラ‘レーヌ・デ・ヴィオレット’とクレマチス‘カシス’を合わせて可憐なワンシーンに。 西側の細い通路もウッドフェンスで隣家から目隠しし、コンテナでバラを楽しんでいる。勝手口前には細いフェンスを配置して、‘ジ・オルブライトン・ランブラー’ を誘引。奥のアーチには‘クープ・デペ’で華やかさを出して。 【スモールガーデンを彩るバラ&クレマチス】 ここでは、庭を彩る美しいバラとクレマチスの品種を一部ご紹介します。 左から/‘オデュッセイア’、‘カーディナル・ド・リシュリュー’、‘シャルル・ド・ミル’、‘ファイルフェンブラウ’ 左から/‘ザ・プリンス ’、‘あおい’、‘フランボワーズ・バニーユ’、‘クープ・テペ’ 左から/‘レイニー・ブルー’、‘ローラ・ダボー’ 、‘メイ・クイーン’ 、‘ファンタン・ラトゥール’ 左から/‘ウイリアム・モリス’ 、‘ スペクタビリス’ 、‘ペッシュ・ボンボン’、‘ロココ’ 左から/‘ジ・オルブライトン・ランブラー’、‘群星’、‘スノー・グース’、‘マダム・アルディ’ 左から/‘ジョセフィーヌ’、‘カシス’、白万重、‘アラベラ’ 2022年フォトコンテストで編集長賞を受賞 受賞時にガーデンストーリーサイトでもご紹介した受賞写真は、パーゴラに優雅にバラが絡み咲く風景でした。 まるで一服の絵画を思わせる写真に心奪われました。パーゴラにつるバラが優雅に絡み、視線の先で隣家を隠すフェンスにも何種かのバラが咲き、手前ではラベンダー色のバラが枝垂れ咲いています。寒さが厳しい冬につるバラのトゲと格闘しながら剪定や整理をされて、この時を待ちわびて訪れたベストシーズン。庭主さんがブルーの椅子に座ってバラの香りに包まれ、至福の時間を過ごされている光景が目に浮かびます。太陽光を受け止めて透ける葉色と影の色、その中に浮かび上がる愛らしい花色。咲かせすぎず、目に心地よい風景づくりに好感を持ち、編集長賞に選ばせていただきました。取材に行くのが楽しみです! 編集長 倉重 ガーデンストーリーでは、今年も、フォトコンテストを開催中です。詳しくは、下記をご覧ください。
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東京都

【都会の秘境】目黒天空庭園へ! 高速道路の上に広がる驚きの空中庭園
首都高速道路の真上の庭園 黒川の氷川橋付近から見た大橋ジャンクション外観。屋上が天空庭園となっていて、階段を上ると庭園に至るエレベーターがある。右手のクロスエアタワーの9階からもアクセスが可能だ。picture cells/Shutterstock.com 東急田園都市線で、渋谷の次の駅、池尻大橋の近くに要塞のような外観の建物がある。これは、地上~35mの高さにある首都高3号渋谷線と地下約35mにある中央環状線を結ぶ大橋ジャンクション。天空庭園は、このジャンクションの屋上に2013年につくられたもので、約7,000㎡の都市緑地だ。ジャンクションがループ状なので、庭園も外寸175×130mのドーナツ形となっている。植栽は高木・中木・低木を合わせて約4,000本、地被類は73種、約3万株を数えるという。 庭園の案内図、現在地が分かるように何カ所かに設えられている。Henry Saint John/Shutterstock.com 庭園内の高低差は約24m、幅16~24mで、1周は400m。10のゾーンに分かれ、少しずつ趣が異なっている。バリアフリーで、四阿(あずまや)やパーゴラのほか、至る所にベンチが設置されているので、散策に疲れたら座って木々や草花を眺めることもできる。昼食時には、そこかしこでお弁当を広げる人の姿が見られた。 左/空から見た目黒天空庭園の全景。右/ゾーン別に色分けされた見取り図。(写真提供/目黒区) ブドウ棚での収穫祭 管理棟側から見た「西口広場」。 庭園には、4カ所の出入り口が設けられている。池尻大橋駅に近いアクセスを行くと、竹林の見えるアプローチから管理棟のある「西口広場」に至る。ここは低木植栽と花壇が主体の場で、信楽焼のブルーの縁石が印象的だ。 3つのブドウ棚が並ぶ「コミュニティスペース」。 「西口広場」の隣の「コミュニティスペース」では、ブドウ棚に葉が茂り始めていた。栽培されているのは、赤ワインに適した‘マスカット・ベーリーA’という品種で、9月に果実が収穫される。これに、山梨県のワイナリーで採れたブドウを加え、年間300 本のワインが醸造されるという。ブドウ棚は「目黒天空庭園栽培ガーデンクラブ」というボランティア団体のメンバーで管理され、収穫祭なども実施されている。 「コミュニティスペース」の野菜畑 収穫時には子どもたちの歓声が響く、野菜畑。 「コミュニティスペース」にはブドウ棚のほか、暮らしの中で親しまれている花木、そして野菜畑もある。畑には季節ごとにネギやエンドウマメ、ジャガイモなどが植えられ、こちらも前述のボランティア団体の管理区域で、有機栽培を学ぶ場、子どもたちが収穫に訪れる食育の場となっている。 モッコウバラの咲くパーゴラ「くつろぎの広場」 モッコウバラ、スイカズラ、ツキヌキニンドウなどのつる性植物が生い茂るパーゴラ。 散策路を行くと、つる植物に覆われた巨大なパーゴラが目に入る。4月末~5月初旬には、白色モッコウバラのほか、赤とオレンジ色の鮮やかなツキヌキニンドウの花を見ることができる。すっぽりと緑に覆われたパーゴラの下は陽射しの強い日でも快適で、テーブルにお弁当を広げる家族の姿が見られた。 左/パーゴラに咲いていた白色モッコウバラ。中・右/ツキヌキニンドウ。 「くつろぎの広場」の四阿と「あそびの広場」 左/散策路の途中にある四阿。右/紫蘭の咲く道の先に続く「あそびの広場」。 高低差のある庭園だが、木々に囲まれているので、400mを1周するのがそれほど苦にはならない。疲れたら屋根のある四阿でゆっくり休める。その手前ではハナカイドウが開花していた。 四阿(あずまや)脇の紫蘭(シラン)の花の先に広がるのが「あそびの広場」。歩道の左右にある5つの小さな盛り土は「五山の築山」という日本庭園の造園様式だという。撮影の日には松の木の剪定が行われていて、手入れの行き届いた庭園であることが納得させられた。芝生を囲む西洋式庭園と、松やカエデの葉が茂る日本庭園が混在しているのも、この場所ならでは。 庭園では植栽の手入れが丁寧になされている。見事な日本庭園の佇まいだ。 染井吉野とほぼ同じ頃に開花するハナカイドウ。 富士見台から富士を望む 屋上庭園とは思えないほど、濃い緑の木々が茂る「四季の庭」。 「四季の庭」の木々をくぐると「東口広場」に至る。ここは庭園の中で最も高い位置にあり、タワーマンションと目黒区の施設を併せ持つ、クロスエアタワーの9階からもアクセスが可能だ。 「東口広場」の入り口付近。クロスエアタワーのエレベーターで9階をめざすと、屋上とは思えない景色に遭遇する。 エレベーターホールの正面付近に設えられた富士見台からは、晴れた日には富士山を望み、大橋から三軒茶屋方面が一望できる。9階には目黒区立大橋図書館があるので、散策と読書の両方を楽しむ人もあるという。 ここから見える田んぼや池のある空間は、換気所の屋上に作られた「おおはし里の杜」。多様な生き物が生息する緑地で、かつての目黒川周辺の自然を復元したものだという。年に数回、一般公開される。 桜の開花リレー 左から時計回りに、染井吉野、シズカ桜、スルガ桜、オムロ桜、御殿場桜。開花リレーは、ほぼ1カ月続く。 庭園では季節ごとに咲く花が移り変わる。中でも4月の桜の開花リレーは、見ごたえがあるものだ。染井吉野から始まり、シズカ桜、スルガ桜、オムロ桜、御殿場桜(表記は庭園の名札から)と、約1カ月にわたり楽しむことができる。遅咲きのオムロ桜の前で記念撮影するイタリアからの観光客は、桜の季節に間に合ったと、満面の笑みを浮かべていた。 京都の仁和寺の桜として知られる、遅咲きのオムロ桜。半八重の花姿が華麗だ。 染井吉野が咲く頃は、すぐ隣の目黒川沿いの桜も満開なので、中目黒駅から川沿いに20分ほど歩いて、近所の店で買い入れたお花見弁当をここで広げるというのも、おすすめのコース。氷川橋通路からのアクセスが便利だ。 四季を彩る花々 左から時計回りに、信楽焼の大鉢に植えられたオオデマリ、アセビ、ハクサンボク、トサミズキ。 芝生が広がる散策路の両側には、さまざまな木々や花が植栽されていて、人々が木陰のベンチでくつろいでいる。 左/「あそびの広場」に咲く、ハナズオウとオムロ桜。右/「くつろぎの広場」に咲く、源平しだれという名前の2色のハナモモ。 目黒区のホームページや、天空庭園のパンフレットには、季節の花カレンダーが掲載されている。 木々や花には名札が付いているので、散策しながら珍しい植物に出会うことができる。桜、ハナカイドウ、ハナウメなど、4月の開花は見ごたえのあるものだった。初夏の庭園のこれからの開花も楽しみだ。 目黒区のホームページや目黒天空庭園のパンフレットに掲載されている花カレンダー。(写真提供/目黒区) 都市緑化の大きなプロジェクト 国道246号線側出入り口からのアプローチ空間。 高速道路の真上に7,000㎡の緑地を作り出したプロジェクトは、高い評価を得ていて、技術、緑化、デザインの各分野のコンクールで入賞している。周辺地域の環境対策と同時に、誰もが憩える場が提供されたこと、まちづくりの一環として、地域住民の参加がなされていることなど、称賛に値する事業だろう。ビルの屋上での緑化が進んでほしいと願っている身にとって、「天空庭園」散歩は、貴重な体験だった。 管理棟横の小部屋には、天空庭園の航空写真のほか、築庭の過程が分かるパネルが展示されている。
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フランス

年間75万人が訪問するフランス「モネの庭」 なぜ人々は心奪われる? 復元された魔法の庭
ジヴェルニー「モネの庭」の魅力を深掘り 5月になるとバラの香りに包まれるモネの家。 睡蓮の連作などで知られる印象派の画家クロード・モネ(1840-1926年)の庭は、フランス、ノルマンディー地方の入り口、人口500人ほどの小さな村ジヴェルニーにあります。ひっそりとした佇まいを想像したくなりますが、じつは年間75万人もの人々が訪れる、モン・サン=ミシェルに次ぐ、ノルマンディー地方第2の大人気観光スポットです。 家の前には赤とピンクのペラルゴニウムが、かつてのモネの庭と同じように群れ咲いています。 さらには日本にも「モネの庭」が再現されているほどで、庭好きさんはもとより、多くの人々を魅了するこの魅力とは、どんなものなのでしょうか。モネの庭の2025年の様子をお伝えします。 画家の夢の庭 「水の庭」の太鼓橋。4~5月には紫と白のフジの花が咲き継ぐ見どころです。 画家モネが、家族とともにジヴェルニーの家に移り住んだのは1883年、彼が43歳の頃。戸外の自然の風景を描き続けてきたモネにとって、川の流れや林、牧草地に囲まれたこの地の自然は格好の画題となります。そして新たな情熱となったのが、庭づくりでした。方々に写生旅行は続けながらも、園芸雑誌を熟読し、園芸仲間と情報や種苗を交換し合って没頭した庭づくりは、50歳になる頃にはさらに大々的に進められます。 食堂はクロームイエロー、台所はブルーと白など、大胆な色づかいの内装もモネ自身が考えたものだそうで、とても可愛らしい空間になっています。壁を飾る浮世絵を見ると、モネのコレクションの様子が分かります。 ようやく画家として認められて財を成し、借家だった家と土地を買い取れるまでになったのです。庭師を何人も雇い、珍しい種苗を取り寄せて、理想の庭をつくり上げます。かつて農家だった建物とその敷地は、鮮やかな色彩が溢れる夢のような庭となり、亡くなるまでの43年間をここで過ごした画家の終の住処となったのです。 「花の庭」と「水の庭」 「花の庭」5月の中央園路の様子。アーチにはつるバラが咲き、その足元にはアリウムをはじめパープル系の花々が。 モネの庭は、大きく雰囲気の異なる2つの庭で構成されています。まず家の裏に広がるのは「クロ・ノルマン」(クロは囲まれた土地の意味)と呼ばれた「花の庭」。家屋の中央から庭の正面を貫く幅広い中央園路が印象的です。かつては並木道だったそうですが、モネは家の近くにある一対のイチイの大木を残して、すべて取り去ってしまい、モネの庭のシンボル的な存在でもある、バラが絡むアーチが続く明るいトンネルを作りました。 同じ中央園路の4月の様子。まだ閑散とした早春の庭では、チューリップをはじめとする春先の球根花たちが大活躍。 幾何学形の花壇がリズムよく並ぶ全体の構成はポタジェ(菜園)のようですが、これでもか、というほどにぎっしりと、さまざまな草花が植栽された花の園です。 「水の庭」の5月、白花のフジが咲き残る緑色の太鼓橋の上は、いつも人がいっぱいです。 そして道路を挟んだ向こう側のエリアは、後になって土地を買い足し、近くを流れるエプト川支流の流れを変えて、睡蓮の池とフジに縁取られた緑の太鼓橋をポイントにした、日本風の「水の庭」をつくりました。 「花の庭」の5月、枝垂れるスタンダード仕立てのバラと、足元のアイリスなどが満開に。 モネ没後、最後の直系の遺族だった息子の死に際して、残されていた作品や家と庭はフランス芸術アカデミーに遺贈されます。その頃の庭はすでに、手入れもされず元の形は失われかけていたのですが、1970年代から1980年代にかけて最初の復元プロジェクトが始まります。そして、庭を描いた作品や写真、モネの手紙や種苗の注文書などの資料をもとにした復元作業によって、輝くような本来の姿を取り戻しました。元どおりというばかりでなく、世界中から訪れる観光客に配慮して、一年中見どころがあるようにと、復元を超えて季節をくまなくカバーするような植栽計画がなされています。 「花の庭」花々が咲き継ぐ春から秋へ 4月の「花の庭」の様子。注意深く見ると、しっかりと区画分けされた花壇のそれぞれがテーマカラーを持っています。 現在のモネの庭の開園は、毎年4月初めから10月末まで。季節の花々が主役の庭ゆえに、冬季は閉園になります。4月といえばフランスではまだ早春ですが、庭を訪れてみると、スイセンやフリチラリア、色とりどりのチューリップをはじめとする、華やかなスプリングエフェメラルたちの饗宴に、思わず目を奪われます。この時期はまだ花壇の構造もはっきりと見えているので、それぞれの花壇ごとに色調がまとめられているのがよく分かるのですが、全体を眺めようとすると、それはまるでパレットに並べた絵の具の色彩が一度に目の中に飛び込んでくるようで、圧倒されます。 リンゴや洋ナシなどの果樹の花々は、この時期ならではのフランスの田舎らしい早春の風景。 そして5月、ひと月経つか経たないかの間に、すっかり様変わりした庭の、満開に近づくバラの下にアイリスやシャクヤクが咲く花風景は、まさにゴージャス。自然な風景を好んだモネのバラの好みは、白やピンク系のオールドローズ、白モッコウバラや野バラなど。当時から栽培されている品種だけでなく、例えば当時は存在しなかったイングリッシュローズ、デヴィッド・オースティンの‘コンスタンス・スプライ’など雰囲気の合う現代のバラも植栽に加えられています。 バラが咲き出す5月の風景。たった1カ月の違いで、緑も花もどんどん育ってまったく違う様相に。 そして夏から秋にかけては、ダイナミックにダリアやヒマワリが咲き、オレンジのナスタチウムが中央の園路を覆うというように、また違った花風景が展開します。いつの季節も豊かに咲き乱れる花々に囲まれて、うっとりと幸せな気持ちになってしまう、魔法がかかっているかのようです。 庭のそこかしこから、思いがけない花風景が広がって、息をつく暇もないほど。でも気持ちはウキウキ、そしてゆったりと庭を散策。 日本を意識してつくられた「水の庭」 「水の庭」4月の様子。睡蓮は夏になってからが出番なので、まだ姿は見えないけれど、池の周りにも変化に富んだ色彩の華やかな植栽が施されています。 幾何学構成の花壇の花々があふれ、その色彩に埋もれてしまいそうな「花の庭」に比べると、「水の庭」は、常に微妙な変化を見せる水面と空と植物とが織りなす、ぐっと落ち着いた空間です。 モネは浮世絵のコレクターで、家のなかには収集した浮世絵がたくさん飾られていたそうですが、池の外周を囲う竹林や、緑にペイントされた太鼓橋にフジの花や睡蓮の花という、和を感じる植物のチョイスには、当時流行したジャポニスムの影響が見られます。 「水の庭」の4月は、ヤエザクラや早咲きの紫のフジなどの花木が春らしい彩りを添える。 自然風景のなかにある、特に光や色彩、天候や時刻による変化を捉えようとしたモネにとって、睡蓮池の水景は刻々と表情を変える光、水、空気までもを捉えるための、描き飽きることのないモチーフとなりました。晩年には白内障を患い、視力を失いつつあるなかで描き続けた睡蓮の連作は、抽象絵画の先駆けとして現代美術への扉を開くことになります。 5月の池の周りでは、ボルドー色の紅葉の隣に紅のツツジが華やかに咲き、少し進むと白花と紫の爽やかな組み合わせが。 モネの息子から遺贈された作品はマルモッタン美術館に所蔵され、この庭とアトリエで制作された最後の大作はフランス政府に寄贈されて、現在パリのオランジュリー美術館に特別に誂えられた展示室で観ることができます。 池の外周を囲む竹林で一気に雰囲気が変わります。近年ではフランスの庭でも竹を使うところは多いですが、当時はまだ珍しかったそう。また、垣根にも竹垣を用いるなど、和風へのこだわりが感じられます。 画家の庭の魅力 芸術家の庭は、造園家が設計するのとはまた違った自由な着想が魅力であることが多いのですが、モネの庭もその1つ。シンプルな構成のうえに、画家としての色彩感覚と、たっぷりの植物愛をこめて配置された過剰なまでの花々。庭師たちの手間暇惜しまない維持管理が、モネの庭を特別なものにしているのでしょう。また、モネの愛したノルマンディーの絶え間なく変化する空と光と空気感も、この空間を輝かせている重要な要素なのだと思います。 ジヴェルニーの村を散策するのもおすすめ ジヴェルニー印象派美術館のカラフルな庭園。Alex_Mastro/Shutterstock.com 小さな村のなかには、土産物を売る店やら、かつて芸術家たちが集ったレストランなどが幾つかあるほか、モネの家と庭からほど近くには、庭付きのジヴェルニー印象派美術館があります。印象派の歴史やその後の展開を紹介する美術館ですが、地元の星付きシェフがプロデュースする付属のレストランには庭に面したテラス席もあり、人混みを離れて緑のなかで昼食を楽しむにもおすすめです。繁忙期には予約したほうがよいでしょう。また、食事のあとに村を散策する時間があれば、教会やモネのお墓を訪れることもできます。 モネの庭から徒歩15分程度の場所にある、ロマネスク様式のサント=ラデゴンデ教会。モネの墓もここにある。Alex_Mastro/Shutterstock.com ジヴェルニー印象派美術館(英語) https://www.mdig.fr/en/レストラン・オスカーOscar(英語) https://www.mdig.fr/en/plan-your-visit/restaurant/ ジヴェルニーへの行き方 ・公共交通機関利用の場合は、パリのサン=ラザール駅より電車で50分ほど、最寄りのヴェルノン=ジヴェルニー駅下車、のちバス(所要30分ほど)かプチ・トランかタクシーでジヴェルニーの村へ移動。繁忙期には混み合ってすぐにバスに乗れないこともあるので、時間には余裕を持って移動するのがよさそう。 ・車の場合はパリから1時間強。駐車場は村のなかのモネの家と庭の向かい側の他にも、外側に大駐車場があります。 ・入場券は現地でも購入できますが、入口には常に長蛇の列ができているので、個人で見学に行く場合は事前にオンライン予約購入が無難です。オンライン購入済みの場合の入口は団体入口になりますので要注意です。 ・パリからの日帰り観光バスツアーも多く出ているので、そちらを利用することもできます。
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神奈川県

【見頃到来】バラとアジサイの共演! 横浜イングリッシュガーデンで出会う初夏の限定絶景PR
首都圏屈指の300品種のアジサイが主役になる季節 遅咲きのバラと早咲きのアジサイが一緒に楽しめる2024年5月下旬の横浜イングリッシュガーデン。 2,200品種、2,800株ものバラが4月下旬から咲き継ぎ、2025年も多くの人を魅了してきた横浜イングリッシュガーデン。5月下旬からは、主役が遅咲きのバラから早咲きのアジサイへとバトンタッチして、景色が日々変わっています。 左/ホルトノキに10株のつるバラ‘ローゼンホルム’を絡め、所々にクレマチスやホタルブクロも競演するバラのシーズンのフィナーレを飾る演出。右/8mのオウシュウナラに赤バラ‘ゾマーアーベント’ が咲くダイナミックな風景。5月下旬。 ‘ローゼンホルム’や‘ゾマーアーベント’など最晩生のバラが咲く頃になると、庭のあちこちで存在感が出てくるのがアジサイです。空のように爽やかなブルーや燃えるような真紅、チャーミングなピンク花など、個性溢れる300もの品種が日毎に色づいています。 5月下旬は、遅咲きのバラと咲き始めのアジサイが同時に楽しめる貴重なタイミング。 一度訪れたことがある方は、「あんなにバラが咲いていた、同じガーデンとは思えない!」と驚くほど。日ごとに存在感を増すアジサイは、6月中旬に最盛期を迎えます。 オレンジ色の‘ラ・ドルチェ・ヴィータ’の二番花とクレマチス‘アフロディーテ’がアジサイとコラボする景色(左)や、ライラック・ピンクの‘シスター・エリザベス’の二番花とアジサイがコラボする景色(右)が美しい6月下旬。。 その頃になると、再び花を咲かせるのはバラの二番花です。ひたすらゴージャスだった一番花に比べると少し控えめながら、ガーデンに彩りを添えています。バラからアジサイに主役が移り変わる5月下旬〜6月上旬と、バラの二番花が咲き始める6月中~下旬は、バラとアジサイが一緒に楽しめる贅沢なとき。多くの植物が生き生きと育つ横浜イングリッシュガーデンならではの景色に出会えます。 花の名にも注目したい個性あふれるアジサイの競演 ローズ・トンネルの下に植るアジサイの一つ、‘恋物語’は、白に赤の覆輪が美しい八重手鞠咲き。早咲きで、花付きがよく、育てやすい。完成度の高い品種。 花弁の縁をくっきりと紅に染めるのは‘恋物語’。 花の中に青い十字が浮かび上がる‘水凪鳥(みずなぎどり)’、そして名前のとおり! と言いたくなる花姿の‘ポップコーン’など、どのアジサイも美しく、花名も魅力的。歩を進めるたびに出会う個性あるアジサイの数々をじっくり楽しんでください。 左/花弁(萼片)の縁が丸くカールする‘ポップコーン’。右/花(萼)の中心に青い十字が浮かび上がる‘水凪鳥(みずなぎどり)’。 横浜イングリッシュガーデンに咲くアジサイたち。左上から時計回りに/‘モナリザ’、‘泉鳥’、‘ギャラクシー’、‘てまりてまり’、‘小町’、‘星花火’、‘レッド・エース’、‘メルティ・ラブ’。 夏のガーデンフラワーと咲き競う最高品質のアジサイ 全国各地のアジサイの名所とはひと味違う花景色が評判の横浜イングリッシュガーデン。その理由は、「庭園」という空間でアジサイが咲いているからです。アジサイだけが咲く名所も圧巻ですが、ここでは例えば、6月中旬からデイ・リリー(ヘメロカリス)、ユリ、アカンサスなど、さまざまな花とアジサイの奏でるカラーハーモニーを楽しむことができます。 庭園の権威ある世界大会で優秀庭園賞を受賞している横浜イングリッシュガーデンのガーデナーたちは、アジサイの栽培技術に長け、独自の技術で花を咲かせています。 そのため、ほかでは見られないようなビッグサイズのアジサイが、園内を進むごとに出現。その大きさとともに、圧倒的な花の数にも驚かされます。 映えスポットが出現! 期間限定のアジサイ・ディスプレイ 「アジサイ・フェスティバル」期間中は、毎年“映えフォトスポット”として人気の高いディスプレイがローズトンネルに出現。今年は、虹のようなグラデーションが映えるアンブレラが頭上を彩り、色とりどりのアジサイが園路を飾ります。雨にも色が冴えるアジサイの花風景を、ぜひ園内でご覧ください。 庭散策の後は、冷たい花モチーフのスイーツでクールダウン! 花々の美しさで癒やされたら、併設するカフェ「YEG Original CAFE」でクールダウンがおすすめ。アイスコーヒーやサンドイッチなどのカフェメニューのほか、特に人気なのが、見た目も可愛い「フラワーソフト」。バラとバニラのミックスソフトに、エディブルフラワーをカラフルにトッピングした、ここでしか味わえない美味しさです。パラソルの陰で花々の香りに包まれながら、ガーデン散策の余韻に浸るティータイムを過ごせます。 日が傾く夕方も庭散策におすすめの時間帯です。日陰のベンチに腰掛けて花々に囲まれる贅沢な時間をお過ごしください。左上に雲のようにふわふわの花穂をつけるのは、花木のスモークツリー。 本格的な夏に向けて、アジサイに混じってスモークツリーやヘメロカリス、ユリ、アカンサスが咲き継ぎ、訪れるたびに発見のある名園「横浜イングリッシュガーデン」。庭づくりの参考に、花知識を深めるために、また、大切な人と過ごす癒やしのデートスポットとして、ぜひお出かけください。
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広島県

【今が絶景】7,000本のバラが咲き乱れる!福山市ばら公園がまるで花の海に
福山市とバラの歩み ― 公園に込められたまちの物語 花盛りの福山市「ばら公園」。 現在、「第20回 世界バラ会議福山大会」が開催中(5月24日土曜日まで)の広島県福山市。市内のあらゆる場所が満開のバラで彩られており、中でも「ばら公園」はその見どころのひとつとして、連日多くの来場者でにぎわっています。 「ばら公園」開園当初に植えられていたと思われるバラ‘ヴォーグ’。 福山市とバラの関係には深い歴史があります。第二次世界大戦で大きな被害を受けた福山市では、1950年代半ば「荒廃した街に潤いを与え、人々の心に和らぎを取り戻そう」と、近隣住民がバラ苗、約1,000本を植栽。それが「ばら公園」の始まりです。リニューアルした「ばら公園」にも、開園当初から植えられていたと思われるバラを一部残したコーナーや、平和への願いを込めて名付けられたバラのコーナーがあり、人々の記憶と思いが大切に受け継がれています。 福山城下の福山城公園もバラの盛り。 市民が育て、守り続けたバラは、今や福山市のまちづくりの象徴となり、「100万本のばらのまち」を目指すプロジェクトにも発展しています。そして今回、世界バラ会議の開催を機に、「ばら公園」は次の時代へ向けて大きな一歩を踏み出しました。 “バラのある”美しいガーデンへ。新たな混植デザインが見どころ 19基のつるバラ ‘マニントン・モウブ・ランブラー’のアーチとスタンダード仕立ての白バラ‘アイスバーグ’、紫の宿根草ネペタが織りなす見事な花の大回廊。アーチは王冠をイメージ。 今回のリニューアルにあたり迎えたのは、これまでハウステンボスなど多くのローズガーデンを手がけてきたランドスケープアーキテクトの白砂伸夫さん。アーチなどの構造物やスタンダード仕立てのバラを取り入れることで立体的なバラ空間を生み出しています。周囲を住宅や道路に囲まれた立地にもかかわらず、ひとたび公園に足を踏み入れると、花の世界に没入できるのは白砂マジックとも言えます。そして、「バラ+草花」の混植も今回のリニューアルでの大きな変化の1つ。これまでは主にバラが中心の公園でしたが、宿根草や灌木類など多様な植物と組み合わせることで、季節ごとの彩りや立体感がぐっと増しました。 見事な花付きの‘マニントン・モウブ・ランブラー’。 左/スタンダード仕立ての‘アイスバーグ’の株元をネペタとサルビアがさざ波のように彩る。右/一重咲きの‘キューガーデン’とネペタの組み合わせもロマンチック。 特にネペタやサルビア・ネモローサ、アイリスなどブルーの草花とバラとの共演は見事。バラの美しさがよりいっそう引き立ち、草丈や花形の違いを生かしたデザインは、ガーデナーにとって学びと刺激に満ちています。 真紅のバラ‘ムンステッドウッド’とサルビア・ネモローサがドラマチックなワンシーン。 ゆるやかな傾斜とカーブする小道、アーチなどの構造物によって、歩みを進めるたびに新たな景観がドラマチックに展開し、園内のあちこちで小さな歓声が上がります。犬の散歩をする地元の人に話を聞くと、「バラだけじゃなくいろんなお花が入ったおかげで、どこを見ても最高にきれい。ゆっくり歩きたいから、前よりお散歩の時間が長くなりましたね。この景色は街の誇りです」と話していました。 金メギの明るい葉色やネペタの淡い紫花がバラを引き立てる植栽。 約670品種・7,000本!“歩くバラ図鑑”のような公園へ ‘ヴァイオレット’や‘ギスレーヌ・ドゥ・フェリゴンドゥ’が彩るつるバラの小道。 リニューアルを経て、バラの品種は約670種、本数は約7,000本に拡充。以前の約280品種・5,500本から大幅にスケールアップし、アーチやフェンスに誘引されたつるバラやシュラブローズを生かした立体的な演出により、空間全体が奥行きとリズム感のある構成に。視線が自然に誘導され、どこを切り取っても絵になる風景が広がっています。 一重咲きで花心がビビッドピンクになる‘シー・ユー・イン・ピンク’と‘メアリー・レノックス’のロマンチックな共演。 それぞれのバラが持つ個性的な花形・香り・枝ぶりを実際に見て確認できるのも、この公園の大きな価値。プロや愛好家にとっても、品種選びや庭づくりの参考になる“生きたカタログ”ともいえます。 ‘ルイーズ・オディエ’や‘クーペ・デベ’などオールドローズを集めたコーナー。 福山市のバラのコーナー。左上から時計回りに/‘ウルヴァリンFUKUYAMA’、‘ローズ ふくやま’、‘プリンセス ふくやま’、‘アニバーサリー ふくやま’、‘福山城’、‘ビューティフル ふくやま’ 世界に誇る“ばらのまち”から未来へ バラがあふれる福山の街中。 福山市が開催地となる「世界バラ会議2025」は、世界のバラ研究者や愛好家たちが集う一大国際イベント。開催地に選ばれたことは、バラを通じたまちづくりが世界に認められた証でもあります。 その関連イベント「Rose Expo FUKUYAMA2025」(5月17日〜19日、福山通運ローズアリーナにて開催)は豪華なゲストを迎えるステージもあり、連日大盛況。そのほか、市内各所で多彩な展示や催しが行われており、「ばら公園」も中心スポットとして注目の的に。今しか体験できない特別な景観が、来園者を迎えています。 今こそ「ばらのまち福山」へ 国内外からの来園者でにぎわう「ばら公園」。入場は無料。 バラの美しさを超えて、ガーデンの芸術性・育てる楽しさを体感できる場所へと進化した「ばら公園」。景色を堪能できるのはもちろん、「この品種を庭に植えてみたい」「こんな組み合わせ、マネしてみたい」――そんな気づきと発見のある場所です。 バラが最も輝く季節に合わせて今こそ、この特別なバラのまちを訪れてみてください。 公園内に用意された可愛らしいフォトスポット。 【Information】 ばら公園 住所/福山市花園町1-5 営業時間/常時 利用料/無料 アクセス/JR福山駅北口から中心部循環バス・まわローズ青ルートで「ばら公園前」下車 トイレ設備/多目的トイレあり,おむつ交換台あり
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神奈川県

神奈川の新名所「あやせローズガーデン」150種680本のバラが咲く“世界を旅する”バラ園の見どころ完全ガイド
150種680本のバラが咲く最新のバラ園が神奈川県綾瀬市に誕生 神奈川県のほぼ中央に位置し、都心から40km圏にある綾瀬市は、GREEN×EXPO 2027(2027国際園芸博覧会)が開催される横浜市瀬谷区に隣接し、「ばらとのつながりで輝くまちあやせ」をスローガンに掲げています。このまちで40年以上、市のシンボル公園として愛されてきた「光綾公園」が構想から4年を経て、2025年5月1日にリニューアルオープンしました。 綾瀬市のオリジナルのバラ「ル・デパール・ド・アヤセ」の解説をする河合伸志さん。 約7,700㎡の敷地に広がる「あやせローズガーデン」の総合監修は、植物専門家でバラ育種家として活躍する河合伸志さん。同県内にある横浜イングリッシュガーデンのスーパーバイザーも務める河合さんが、全国各地のバラ園のデザインやアドバイスなどに関わってきた経験を生かして手がけた最新のバラ園が「あやせローズガーデン」です。 このガーデンは11のエリアに分かれており、1つずつ巡ると、まるで世界を旅しているように風景が次々と変わります。それぞれのエリアのコンセプトに合わせてバラが選ばれているほか、宿根草や一年草、花木などさまざまな植物もたくさん植栽されています。これは、バラの花期がおおむね3週間程度と短いため、ほかの時期にも花が楽しめるよう、脇役の植物が庭全体を彩るように設計されているからで、一年を通して彩りがある公園となるように工夫が凝らされています。 あやせローズガーデンに選ばれたのは丈夫で育てやすいバラ 5月1日に満開を迎えた「フラワー・ヒル」に咲く‘リージャン・ロード・クライマー’。 世界旅行をイメージした11のエリアには、約150品種、680本のバラが植わっています。「あやせローズガーデン」は、幅広い年代の方々が花咲く風景を楽しめる場所ですが、単に花の美しさや彩りを追求しているだけではありません。 背景のハナビシソウとコラボする一重のバラは、デンマークの人が1966年に発表した黄色の中輪のバラ‘Aïcha(アイシャ)’。「フラワー・ヒル」にて。 バラは日本の高温多湿な環境では病気になりやすく、通常は週に1回程度の薬剤散布が必要とされるほど栽培が難しい植物です。ここでは、綾瀬市の気候条件や昨今の猛暑に耐え、月1回の薬剤散布で健全な状態を維持できるような、比較的強健な品種が厳選されています。このように、さまざまな条件が考慮されて植物が選ばれている点も注目すべきポイントです。 暑さで傷みやすいものは入れない方針ですが、デザイン上の理由から、強健ではない品種も若干含まれています。写真は、強健な品種の1つ‘つる ノックアウト’。「ウェルカム・ガーデン」にて。 「フラワー・ヒル」に咲く‘ピンクノイバラ’。 比較的強健なバラを厳選していることには、もう1つの理由があります。それは、この場所を訪れて、気に入ったバラを自宅で育ててみたいと思った方が、うまく育てられるようにという河合さんの配慮です。庭の散策を楽しむだけでなく、この庭自体がバラ栽培の参考書になるような設計を目指しています。 バラ園とともにデビューした最新品種「ル・デパール・ド・アヤセ」 5月1日のお披露目の時、園内の中央に位置する「ピースフル・ガーデン」で数輪すでに咲き始めていたのが、綾瀬市のオリジナルのバラである「ル・デパール・ド・アヤセ」。河合さんが作出した最新品種で、門出を祝うという意味が込められています。 * オレンジがかるピンクの半八重花は花径10cmほどの大輪で、バラの季節に先駆けて花開く早咲きの品種です。また非常に強健で、綾瀬市の名を冠したこのバラを育ててみたいと思った人が栽培に失敗しないようにと選ばれました。 「ル・デパール・ド・アヤセ」は、バラの香りの中でも比較的拡散性が高い「スパイシーな香り」の系統で、蜂にも好まれるバラです。多数の株が植わる「ピースフル・ガーデン」で、実際の香りをぜひ確かめて。 世界を旅するように風景が変わる11のエリア 多くの人がバラの花色としてイメージする赤花が訪問者を最初に迎える「ウェルカム・ガーデン」。この場所からは、他のガーデンは見えない仕掛けに。 「あやせローズガーデン」のエントランスを入ると、まず目に飛び込んでくるのは、印象的な赤い花が集められた「ウェルカム・ガーデン」です。11の庭はそれぞれ区切られていて、先に進むとまた違った色合いや景色が待っているという、奥に向かって期待が膨らむガーデンデザイン。では、11の庭を順に辿っていきましょう。 「ウェルカム・ガーデン」から進むと現れるのは、園内の中央に位置する「ピースフル・ガーデン」です。 ここは、綾瀬市が基地と共存する町であることから、平和の象徴であるオリーブが中央に配置された庭です。水盤のような池を備えたパーゴラがあり、バラが咲くとその水鏡も彩られます。パーゴラは額縁のような役割を果たし、インスタ映えも意識したフォトスポットです。園内で一番眺望が開けており、ベンチに腰掛けて、隣り合う宿根草とともに咲く綾瀬市のオリジナル品種「ル・デパール・ド・アヤセ」 をじっくり眺めていたくなる場所です。 平和の象徴としてオリーブの大木が育つ「ピースフル・ガーデン」。 バラが絡むガゼボが2カ所あり、座って記念写真を撮りたくなる「シークレット・ガーデン」は、パステルカラーのバラで構成。 その隣には、イギリスのバラの庭をイメージしつつ、「秘密の花園」の登場人物に由来する名前のバラを取り入れた「シークレット・ガーデン」があります。ここにはガゼボが設けられており、やがてバラが絡まれば、花々に囲まれた写真撮影も楽しめるでしょう。その隣は、白い花のみで構成された「ホワイト・ガーデン」。さらにその先は、目が覚めるような赤、黄、オレンジ、ショッキングピンクなどの原色のバラを中心に、エネルギッシュな熱帯風を演出した「トロピカル・ガーデン」へと、次々と景色が変わります。 左/「ホワイト・ガーデン」では、白バラが絡むベンチのあるガゼボや、ドイツトウヒに絡めた白バラの開花期には、まるで雪が積もったような針葉樹の森の風景が見られます。右/原色のバラが彩る「トロピカル・ガーデン」では、耐寒性があり、この地域でも問題なく育つバナナの仲間であるバショウ(ジャパニーズバナナ)やヤシがバラとコラボ。 「メドウ・ガーデン」と「トロピカル・ガーデン」をつなぐトンネル。季節にはピンクのバラが絡んで日陰をつくる心地よい空間に。 ラグラスやアグロステンマ、ジャーマン・カモミールなどが咲く5月1日の「メドウ・ガーデン」。 バラのトンネルを抜けると、優しい色合いの植物が選ばれている「メドウ・ガーデン」です。流木を使った柵にもバラが絡み、安らぎ感のある風景が広がる、河合さんもお気に入りのエリア。 左/木道を渡りながら水面の輝きも楽しめる「ウォーター・ガーデン」。右/素朴なバラが丘を覆うように咲く「フラワー・ヒル」。 敷地の一番奥には、スイレンや水の景色も楽しめる「ウォーター・ガーデン」です。手前は華やかな景色、奥は自然な緑と紅葉する樹木で構成されています。木道を渡ると丘のふもとのような場所に到着。見上げると斜面を流れ落ちるようにつるバラが覆い尽くし、その香りが風に運ばれてきます。 「フラワー・ヒル」は、小ぶりなバラや、他の植物に馴染みやすいバラを選んで穏やかな景色に。斜面に沿って植えられたバラがまるで流れ落ちるように咲く様子もお見逃しなく。左下/ワイルドローズとムギ、フロックスが咲く斜面。* 右下/スピノシッシマ・サブスピノーサとハナビシソウが寄り添い咲く。* 「ここに来るまで7つのエリアを見てきましたが、さまざまな色合いのバラを見て、少しお腹いっぱいになっていませんか? このあたりで休憩できるような、ホッとする景色としてデザインしたのがフラワー・ヒルです」と河合さん。 「フラワー・ヒル」は、頂上にベンチと日時計があり、周囲のガーデンが一望できる場所。その先には、また一風変わった「オセアニア・ガーデン」「ドライ・ガーデン」と続き、日本ではあまり見かけない姿の植物とバラのコラボがユニークです。 左/‘アイズ・フォー・ユー’とアリウムがコラボする「オセアニア・ガーデン」。* 右/‘スターリー・ヘブンズ’の背景に、ユッカ・ロストラータや赤花ウチワサボテンの組み合わせが楽しめる「ドライ・ガーデン」。* 11のエリアの最後にご紹介するのは、 日本庭園のイメージでつくられた「古都の庭」です。白い塗り壁に引き立つように余白を生かして植物が配置され、花札に出てくる日本の植物が多数コレクションされています。藤棚を思わせる中央の棚には赤いバラが誘引されていて、見頃の頃には枝垂れ咲く雅な景色が楽しめます。 11のエリアでお気に入りのバラとインスタ映えの景色を見つけよう! バラを主役にしたさまざまな風景を楽しんだり、バラを背景に写真撮影ができる映えスポットもたくさん用意されている「あやせローズガーデン」。市民の憩いと安らぎの場として、また市外から訪れる多くの方にも愛される公園となるようにと願いを込めて誕生しました。150種680本の色鮮やかなバラが次々と咲く華やかな季節はもうすぐ。見頃は5月中旬です。 デザインから植物選び、植栽など総合監修をする河合伸志さん(中央)、日々植物の手入れを担当する「あやせローズガーデン」のヘッドガーデナー、入谷伸一郎さんと石原久美子さん。
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東京都

春爛漫! 「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」の『ショーアップ審査』を迎えた5人の庭と審査の様…
年3回審査を行うガーデンコンテスト「東京パークガーデンアワード」 5人のガーデナーが、東と西に対になった2つの花壇を手掛けている今回のコンテスト。昨年、神代植物公園で開催された第2回アワードと同様、個性が際立つにぎやかなガーデンの誕生に、多くの人が関心を寄せています。 審査が行われるのは、4・7・11月の計3回。ガーデンの施工から約5カ月が経過した今回、第1回目となる『ショーアップ審査』が行われました(春の見ごろを迎えたガーデンの観賞性を審査します)。審査期間:2025年4月10日~16日。 審査員は以下の5名。福岡孝則(東京農業大学地域環境科学部 教授)、正木覚(環境デザイナー・まちなか緑化士養成講座講師)、吉谷桂子(ガーデンデザイナー)、本木一彦(東京都建設局公園緑地部長)、植村敦子(公益財団法人東京都公園協会 常務理事) 【コンテスト審査基準】公園の景観と調和していること/公園利用者の関心が得られる工夫があること/公園利用者が心地よく感じられること/植物が会場の環境に適応していること/造園技術が高いこと/四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること/「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること/メンテナンスがしやすいこと/テーマに即しており、デザイナー独自の提案ができていること/総合評価※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われます。 今回の評価のポイントは主に、植栽の春の美しさがしっかりと表現されているか=ガーデンの観賞性が重要。単に華やかであることだけが重要ではなく、「植物個々の特性・魅力がしっかり見せられているか」、「葉や花の組み合わせがデザイン的に美しいか」が求められます。※年によって気象条件が変わるため、開花の時期がずれていても評価に影響しません。※今回行われた審査結果の公表はありません。 4月のショーアップ審査を迎えた5名のガーデンをご紹介 コンテストガーデンAGathering of Bouquet 〜庭の花束〜 【作品のテーマ・制作意図】 皆さんの日常に癒やしや潤いを届けたいという願いを込め、プランツ・ギャザリングの視点で、ガーデンをひとつの大きなブーケに見立ててデザインを構成しました。動物たちが次の訪問者のために心遣いを残していく絵本から着想を得て、あらゆる世代の方が見て触れて、香りなどを楽しめるように、花の形や手触りがおもしろいものを用いた植栽計画をしています。ぜひ手に取って、お気に入りの植物を見つけてください。たくさんの感動や気づきが新たな会話を生み、笑顔になるシーンが増えますように。 【4月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころ ナチュラリスティックな中にある、華やかさ。子どもの目線で見た時に、目の前に見上げるように迫るチューリップは圧巻。中央に据えられたバイオネストの造形美も見る人を楽しませる。 開花期を迎えていた植物 チューリップ‘フレーミングピューリシマ’、チューリップ‘パープルエレガンス’、チューリップ‘ガボタ’、スイセン‘タリア’、フロックス・ディバリカタ‘メイブリーズ’ オルラヤ、ナズナ(タラスピ・オファリム)、アイリス・モシナンテ、シラー・ヒアシンソイデス(イングリッシュブルーベル)、クナウティア・アルベンシス など。 コンテストガーデンBCircle of living things 〜おいでよ、みんなのにわへ〜 【作品のテーマ・制作意図】 季節によってカラーリングが変化する植物や、実をつけて味わい深い風景を作ってくれる植物に集まる多様な生き物たち。そして各所に配置したサークルネストはそんな生き物たちの拠り所に。命の循環というキーワードをもとに植物だけではなく生きとし生けるものたちの集まる「庭」をテーマにデザインしました。人間だけに限らず、あらゆる生き物たち「みんな」にとっても楽しめる「命を感じられるガーデン」は「みんなのにわ」となり、命を循環させてゆきます。 【4月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころ 自分の庭にも取り入れてみたくなる工夫があちこちに。ブルーベリーやイチゴ、ダークカラーのレタスといった食べられる植栽は、身近感があり、見ているうちに「おいしそう!」な雰囲気に。子どもと一緒に楽しめそうな、家族の物語が見えてきそうな花壇。 開花期を迎えていた植物 チューリップ‘バレリーナ’、チューリップ‘フレーミングピューリシマ’、チューリップ・ヒルデ、スイセン‘フォーチューン’、チューリップ‘エデュアルトペルガー’、ムスカリ・ラティフォリウム、アジュガ‘ディキシーチップ’、ブルーベリー など。 コンテストガーデンCLadybugs Table 「てんとう虫たちの食卓」 【作品のテーマ・制作意図】 砧公園で暮らす「小さな住人(虫たち)」がこのガーデンを訪れて住みやすいように生態系を意識した植栽のデザインをしています。植栽は、見る場所や角度によって印象が変わるように、カマキリなどの天敵が身を潜められるような複雑さが出るよう工夫しました。植物は、てんとう虫やカマキリの食料となるアブラムシなどが好む「バンカープランツ」や蝶やミツバチたちの蜜源となる植物を植えています。「小さな住人(虫たち)」の生活をそっとのぞき見ることができる場所を目指しています。ここでの小さな体験が、自分の身近な自然環境を考えるきっかけになってもらえたら嬉しいです。 【4月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころ 原種チューリップで魅せる、自然で美しい風景。決して盛り過ぎず、今の時期に相応しい優しく楽しい色彩が穏やかな空間を創り出します。それと同時に、テントウムシなどの小さな生きものたちの暮らしにもこだわる作家らしさが垣間見えます。 開花期を迎えていた植物 チューリップ‘ペパーミントスティック’、チューリップ・ヒルデ、スイセン・ジョンキル系、カマッシア・ライトヒトリニ‘カエルレア’、アリウム‘カメレオン’、ビオラ、ビオラ・ラブラドリカ、プルモナリア‘ダイアナクレア’、ゲウム・リバレ、ゲラニウム・ツベロサム、エピディウム など。 コンテストガーデンDKINUTA “One Health” Garden 【作品のテーマ・制作意図】 ヒトの健康、生きものの健康、環境の保全を包括的な繋がりとして捉えるワンヘルス (One Health)の概念を軸に、それら3つの主体が密接に関わり合う「ワンヘルスガーデン」をつくります。土壌環境を改善し、植物や微生物を豊かに育て、鳥や虫などの地域の生きものを呼び込む。ガーデンの香りや触れ合いを通し、ヒトの健康と安らぎを生み出すガーデンをつくり、いろいろな生きものがやってくる「みんなのガーデン」を実現します。 【4月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころ イキイキとした植物の間からひょっこり顔を出すキノコは、ツヤツヤでまるでアート作品のよう。そこに人々が集まって、じっくり見る仕掛けとなっています。植物たちが植わる地表にも命の循環が感じられる庭。 開花期を迎えていた植物 ハナニラ、フォサギラ‘ブルーシャトー’、ローズマリー、クナウティア・アルベンシス、ビルベリー、ベニバナミツマタ、チューリップ‘メンフィス’、チューリップ‘雪うさぎ’、チューリップ‘ブラックパーロット’ など。 コンテストガーデンE「みんなのガーデン」から「みんなの地球(ほし)」へ 【作品のテーマ・制作意図】 私は「みんなのガーデン」を、来園者だけでなく、花を訪れる虫、土壌菌類などの分解者、そして庭の先につながるこの生きた星「地球」の環境といった全ての「生あるもの」をつなげる庭と捉えました。温暖化する東京の気候に合った植物を差別なく組み合わせ、虫や菌たちによる循環系の形成、見るだけでなく庭づくりに参加もできる「みんなのガーデン」。「みんな」が共に助け合いながら、末長く幸せに暮らす世界、生命共存の尊さ・美しさを伝えたい。この想いが、この庭から未来へ・社会へ・地球へと広がっていけば、と考えています。 【4月中旬(審査当日)の様子】 審査時の見どころ 植物すべての個性が際立って見えるのは、高低のある植物がバランスよく配置され、ボリューム感をうまく引き出しているから。石をマルチングに入れたことで植物の色が一層引き立ち、色彩の設計に唸らされる。 開花期を迎えていた植物 チューリップ‘ラ・ベルエポック’、チューリップ‘ジャイアントオレンジサンライズ’、チューリップ‘ハッピーフィート’、チューリップ‘ホワイトバレイ、チューリップ‘バーニングフレイム’、ロロペタルム’黒雲’、ベロニカ‘ジョージアンブルー’、エスコルチア‘ピンク’、フリチラリア・ペルシカ、ラナンキュラス‘ラックス’ など。 5月25日(日)開催!「入賞者イベント」のお知らせ 第3回東京パークガーデンアワードの入賞ガーデナー5組によるガーデンイベントを5月25日(日)に開催します。入賞ガーデナーが案内する「ガーデンツアー」や「たねダンゴづくり」、「微生物観察ワークショップ」など、子どもから大人まで楽しめるガーデンイベントがいっぱい。ぜひご来園ください(雨天中止)。 ■日 時:2025年5月25日(日)10:00~15:10(雨天中止)■会 場:都立砧公園(東京都世田谷区砧)コンテストガーデンエリア(みんなのひろば前)■参加費用:無料■中止連絡:雨天中止の場合は、イベント前日までに都立砧公園の公式X(旧Twitter)にてお知らせします。 コンテストガーデンを見に行こう! Information 都立砧公園「みんなのひろば」前所在地: 東京都世田谷区砧公園1-1電話: 03-3700-0414https://www.tokyo-park.or.jp/park/kinuta/index.html開園時間:常時開園※サービスセンター及び各施設は、年末年始は休業。営業時間等はサービスセンターへお問い合わせください。入園料:無料アクセス:東急田園都市線「用賀」から徒歩20分。または東急コーチバス(美術館行き)「美術館」下車/ 小田急線「千歳船橋」から東急バス(田園調布駅行き)「砧公園緑地入口」下車/小田急線「成城学園前駅」から東急バス(二子玉川駅行き)「区立総合運動場」下車駐車場:有料
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フランス

フランスの園芸愛好家たちに愛されるガーデニングフェア「サン=ジャン=ド=ボールギャール城」をレポート
愛され続ける老舗ガーデニングフェア 白いテントやパラソルの内外に植物の苗がわんさかと並べられています。 パリから南西に30kmほどの田園地帯に位置する17世紀の城館サン=ジャン=ド=ボールギャールのガーデニングフェアは、2024年の春に創立40周年という節目の年を迎えました。歴史的ポタジェで知られる個人所有のお城の庭園内で行われるという場所の魅力に加え、毎回フランス内外から200以上の種苗業者やガーデニング関連の出展者が一堂に集まる場となっており、各地の生産者と交流しながら新種や希少種を発見したり、幅広い品揃えを実際に自分の目で確かめて、質のよいこだわりの苗を購入できるなど、魅力がぎゅっと詰まっています。 植物の性質などを細やかに記した手書きのプレートがついていたり、植物選びを助ける配慮がいろいろあるのが嬉しい。 今回のフェアの注目テーマにも謳われていたのがグラウンドカバー植物ですが、日陰の庭の強い味方のシダ類はいつも人気。 ベルギーから来ているダリアなどの春植え球根も毎年人気のスタンドです。 私自身、毎年このフェアに行くのを楽しみにしているのですが、周りのガーデニング愛好家の方々も同様で、約束せずとも現地で何人も友人知人に出会ってしまうのも面白いところです。この日たまたま出会った友人夫婦は、冬の間ダメになってしまったテラスの植栽の植え替えのために、シュウメイギクやエリゲロンなどの花苗を買い込んでいて、帰ったらすぐ植え替えると言っていました。ちなみに、選ぶのは奥様、植え替え作業は旦那様担当だそうで、なんとなくフランスっぽい役割分担です。 買った苗は、会場内ではカートで運んだり、持参のエコバッグで持ち運ぶ姿が多く見られます。 樹木などは、スタンドから駐車場まで専用車で直接配送もありと、苗木類を購入持ち帰りするためのサービスも至れり尽くせり。 ガーデニングのトレンドをキャッチ 毎年必ず見かける定番の樹木や多年草のほかに、目新しい植物に出会えるのがガーデニングフェアの大きな魅力。さまざまな視点から選出される受賞植物のセレクションにも注目です。 今年の受賞プランツの一部。アガベは大きすぎてプレゼンテーション台に乗らなかったようで、パレットの上に置かれたまま。逆に存在感が出ています。 ヤナギのトピアリーに注目 フランスのポタジェ(菜園)ではレイズドベッドの仕切りなどに、ヤナギの枝を編んだものが使われているのをよく見かけます。昔ながらの手法で、ナチュラルでリュステックな雰囲気が素敵ですが、作り込むのはなかなか大変そう。アール・ド・ヴィーヴル(生活芸術)賞に選出され、フェアで注目を集めていたのが、“ヤナギのトピアリー”と呼んだらよさそうな仕立てもの。 発根能力が高く、しなやかな枝をもつヤナギの性質を生かした鉢植えで、このまま1つ、または幾つかをテラスにアクセントとして飾る、あるいは並べて仕切りにするなど、いろいろ活用できそう。実際にこの鉢を抱えて帰路についている人もたくさん見かけました。どんな風に使うのかしら。 充実のガーデニングツール スチール製の大きなガゼボ。足元には同素材のコンテナーが付属しており、庭にもテラスにも同じように設置できるようになっています。 フェアの楽しみとしては、植物苗ばかりでなく、庭仕事を支えるガーデニングツールや、庭デザインのポイントにもなるアウトドアファニチャーにも注目したいところ。ファニチャーに関しては、木材などの自然素材を生かしたナチュラル感の高いものと、スチール素材のエレガント系が主流です。 木製の柵やバードハウス各種。ガーデンチェアはスタンダードな形をポップな色合いにしてみたり、遊び心を感じる製品もたくさん。 こちらはシンプルながら愛嬌を感じる、スチール板の動物たち。庭に置いたら楽しそう。 実用的な支柱なども、シンプルかつエレガントに使える素材と形が揃っています。 そして、今回特に気になったのが、オーストリアの企業が作っている銅やブロンズ(銅合金)製のガーデニングツールです。 ブロンズの輝きが美しいスコップなどのガーデンツール。土壌や植物を守る効果もあり、環境保護の面からも理想的な伝統の道具でもあります。 これらは昔ながらの風合いの金属色が美しいばかりでなく、じつは鉄と異なり、酸化して錆びることがないので、土に鉄サビを残さず土壌のバランスを崩しません。そのうえ静電気をほとんど帯びないのでシャベルからの土離れがよく、根の周りを丁寧に扱うのにも向いています。また微量ながら銅には天然の抗菌作用があり、病原菌やカビの繁殖を抑えるなど、いくつもの利点があるそうです。さらには、叩き直して修復することもできるので一生ものになる、かなりお高くはあるのですが、世代を超えて使い続けられるとなれば、お値段以上に値打ちのある投資になるかもしれない、永遠の定番です。 HAWSのジョウロなども定番人気の商品です。写真の中には皆さんにも見覚えのあるものが見つかるのでは。 さて、ブロンズの手作り伝統ガーデンツールはオーストリア製ですが、ガーデニング用品のスタンドを覗いてみると、イギリス製のガーデングッズも安定的な人気の様子。日本の皆さんがご存じのグッズも写真の中に見えているのではないでしょうか。 気になるランチタイムは 左端でちょっとボケて写っているのが、手に持ったマカロン。昔風のアーモンド・マカロンです。しっかり甘いけれど美味しかった! ところで、ガーデニングショーでもフード事情は気になりますよね。広い敷地を歩き続ければお腹も空いてきます。ということで、すでに朝のおやつタイムに、こちらのフードスタンド名物の昔風のマカロンをいただいてみました。 通常のマカロンの2倍くらいはありそうなサイズ。アーモンド感がたっぷりでかなり甘くて、昔風といえば納得の、素朴に美味しいマカロン。毎年これを必ず買って帰るというファンもいるそうです。ほかにもヌガー、カヌレやパン・デピスと呼ばれるハチミツ風味のお菓子など、どちらかといえば伝統的なお菓子が揃っています。 左/丸焼き豚プレートは、丸い木のランチボックスにて提供されます。明るい光も何よりのご馳走。右/ちなみにランチをいただく場所から見えるお城のメインの館には、現在も城主のご家族がお住まいなのだそう。 肝心のランチは、サンドイッチなどの軽食を売るフードトラックで調達して、ポタジェの草地やベンチでいただくか、あるいは、大テントとテラス席を備えた期間限定レストランでいただくか。いずれにしてもカジュアルな2択となるのですが、天気さえよければ、どちらも気持ちがよくておすすめです。今回は早めに着いたので、無事レストランのテラス席をゲットして、比較的優雅な外ランチを楽しむことができました。私が選んだのは、丸焼き豚ローストにポテトの付け合わせ、グリーンサラダとシードル、ついでにエクレアも。どれもシンプルに美味しくて、お腹いっぱい、大満足です。 リンゴの花咲く早春のポタジェへ 17世紀からの歴史的庭園でもある整形式のポタジェ(菜園)は、リンゴや洋ナシが花ざかりの早春の風景。 ランチの後はゆるりとお城のポタジェを散策し、名残惜しいスタンドをもう一度確認し、まだスイセンの群生が美しい草地を通って、帰路へ。パリからは車で1時間弱の距離ながら、林に囲まれたお城の敷地に入れば、御伽話の世界に迷いこんだ感じすらしてきます。フランスではお城の敷地を利用してガーデニングショーが行われることが多いですが、それぞれフランスらしさに溢れる自然と歴史文化がミックスされた環境の使い方がじつに上手だなあと、いつも感心しています。 スイセンがそこかしこで咲き続け、シャクヤクはまだ葉っぱが出てきたばかりといった感じ。 定番の植物たちや出展者のブースには安心感がありながら、新たな出会いもあり、毎年期待を裏切りません。今回は、早春の爽やかな花風景も一緒にお伝えしながらのフランスからのガーデニングフェア報告でした! 皆さんも、春からのガーデニングをご一緒に楽しみましょう。 お城の敷地に入るとこんな様子で、ナチュラル感いっぱいの花と緑の風景が広がります。
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ローズトンネルも見頃! 特別な時間を過ごせるバラ園「横浜イングリッシュガーデン」 ロー…PR
横浜イングリッシュガーデンが「一年で最も美しい季節」到来 入口からおよそ50mにわたりバラを這わせた大型アーチが連なる「ローズ・トンネル」。淡いピンクの‘マニントン・マウブ・ランブラー’やサーモンピンクの‘フランソワ・ジュランヴィル’、紫の‘アイヴァンホー’などが頭上を埋め尽くします。写真は、昨年5月上旬の様子。現在の庭の様子やバラの開花状況は、InstagramやHPでご確認ください。 日々花開くバラが増えている「横浜イングリッシュガーデン」に、一年で最も美しい季節がやってきました! 園内に一歩足を踏み入れれば、目の前には無数のバラが大アーチを縁取る、夢のようなローズトンネルが皆さまをお出迎えします。そして右に進めば、ワインレッドやパープル、ダークレッドのバラとクレマチスが混ざり咲き、足元にはブロンズリーフの植物がコラボするシックな印象の「ローズ&クレマチスガーデン」です。 2025年横浜イングリッシュガーデン バラの開花予想 4月上旬にカナリーバードやモッコウバラなどの早咲きのバラが続々と咲き、園内はバラに彩られるエリアばかり。今年のバラの開花は、例年並みのペースとなる見込み通り、5月のゴールデンウィーク後半~明け頃より見頃のピークを迎えています。*現在の庭の様子やバラの開花状況は、InstagramやHPでご確認ください。 「ローズ&クレマチスガーデン」に植栽されている多くのバラは、素晴らしいダマスク香を放ちます。 ‘ラプソディー・イン・ブルー’や‘ベルベティ・トワイライト’、‘真夜’……。ぜひ香りを確かめて。 圧倒的な花に包まれて時間を忘れる癒やしの庭 枝垂れるように仕立てられた‘プレッツァ’やアーチ仕立ての‘マリー・キュリー IYC2011’をはじめ、‘パーパ・ジョン・ポールⅡ’、‘プリンセス・オブ・ウェールズ’、‘アイズバーグ’、‘グラミス・キャッスル’など多数の白バラを主役に、白色の宿根草、白斑入りの植物を組み合わせた「ローズ&ペレニアルガーデン」。白花に囲まれるホワイトガーデンが時を忘れさせてくれます。 さらに先へ進み、アーチを抜けると、白バラが眩しく輝く別世界に迷い込んだり……。どこも見渡す限りバラが咲き、贅沢な時間が過ごせるガーデンです。 この季節は、バラだけでなく株元に茂る宿根草などの草花も美しい花々を咲かせています。バラに寄り添うように咲くオルレア、思わず触りたくなるふわふわなラグラスの穂、風に揺れるたおやかなアグロステンマ、お互いを引き立て合うクレマチスの花々……。バラの開花とぴったり合う草花が選ばれており、庭づくりのヒントもいっぱい見つかります。 世界最高水準の管理下で育つバラたち 「横浜イングリッシュガーデン」に咲くバラは、約2,200品種 2,800株に上り、国内外でも屈指のコレクション数を誇ります。今では希少な古い品種をはじめ、よそでは見ることができない国産品種、さらには最新の品種まで多彩なセレクション。これら多くのバラたちを最高のパフォーマンスで咲かせるには、管理のテクニックが必要です。 スーパーバイザーの河合伸志さん率いる「横浜イングリッシュガーデン」のガーデナーたちによるバラの管理水準の高さは、世界的にもトップクラスと評され、海外の専門家が見ても驚くようなレベル。最高品質のバラが、それぞれの品種本来の特性を発揮し、景色として楽しめるだけでなく、一つひとつの品種をじっくり観賞できるのも、この庭の大きな特徴です。 情熱的な赤いバラが主役のエリア「ときめきガーデン」。 通常閉じられている「ときめきガーデン」がバラの時期限定でオープン。ときめく縁結びのガーデンになればと願いを込めてつくられた、情熱的な赤いバラが主役のエリアです。‘恋心’や‘ラスティング・ラブ’など、恋愛にまつわるバラが多数植えられています。思い出に残るデートスポットとしておすすめです。 バラの時期限定「早朝プレミアム開園」のお楽しみも! 例年好評の「早朝プレミアム開園」も開催します。時に露をまとい、シャキッとした新鮮な朝のバラは、ひと際美しい表情を見せます。また品種によっては、朝と日中では異なる印象の香りを放つ花があります。じっくりとバラの聞香をするのも通の楽しみ方。 朝の光は日中の光に比べると写真撮影に適していて、混み合わない早朝プレミアム開園タイムのみ三脚の使用も可能です。美しい写真をカメラに収めたい方には見逃せない期間、ぜひ早起きをして出かけましょう。 「早朝プレミアム開園」の開催は、4/26(土)~5/18(日)の期間限定で、通常の開園時間より2時間早く入園いただけます。朝8:00開園~9:30受付終了(10:00より通常開園)。料金は、大人2,300円/小中学生1,200円(通常入園料+「早朝プレミアム開園」イベント料金(大人800円/小中学生400円)年間会員は無料。 ※10時より通常開園となります(9:30~10:00の時間帯にはご入園いただけません)。「早朝プレミアム開園」にご入園された方は、そのまま通常営業時間帯もご滞在いただけます。 ●「早朝プレミアム開園」のチケット販売は、事前予約のみとなります。当園窓口での当日入園券の販売はございません。電子チケット(楽天・アソビュー)のみ販売です。コチラから購入いただけます。 <特別展示>Imperial Roses 〜皇室ゆかりのバラ展示〜 4/19より開花期間中、ガーデン出口付近「ヨコハマくらし館」入り口横に展示いたします。2022年の展示の様子。 例年人気の企画、皇室に由来するバラ「エンペラーズ・ローズ」が、本年も期間限定で展示します。美智子上皇后のバラ‘プリンセス・ミチコ’と‘エンプレス・ミチコ’、‘プリンセス・アイコ’など、全12品種の展示を今年は、ガーデン出口付近「ヨコハマくらし館」入り口横に展示。豪華な花々を一堂に観賞できる貴重なこの機会をお見逃しなく。 上段左から/‘ハイネス・雅’、‘ハイネス・愛’、‘プリンセス・アイコ’、‘プリンセス・ヒサコ’ 中段左から/‘プリンセス・サヤコ’、‘プリンセス・チチブ、‘プリンセス・ミチコ’、’プリンセス・ミカサ’ 下段左から/’プリンセス・ナガコ’、‘エンプレス・ミチコ’、‘プリンセス・ハナコ’、‘プリンセス・タカマツ’。ガーデン出口を出て右手奥「ヨコハマくらし館」入り口付近に開花期間中展示されます。 園内でお気に入りの香りを探そう! 豊潤な香りはバラの醍醐味 芝生エリアに植るブルガリアンローズ。昨年の開花は4月下旬頃。顔を近づけて芳醇な香りを確かめよう! 2023年に駐日ブルガリア共和国大使館より譲り受けた「ブルガリアンローズ」は、香りのバラの代表ともいうべき存在であり、最も上質な香りのバラの一つです。その香りは、華やかでいわゆるバラらしい香り。花に顔を近づけて香りを深く吸い込めば、体全体がバラに包まれたかのよう。人々を幸福にするバラの香りに見せられて、バラの虜になる人も多くいます。横浜イングリッシュガーデンに咲くバラのなかにも、香りがよい品種が数々あり、咲き立ての香りを自由に味わえます。ぜひ、お気に入りのバラの香りを見つけてください。 スーパーバイザー河合伸志が選ぶ「横浜イングリッシュガーデン」に咲く香りのバラ5選 芳純(ほうじゅん) モダン・ローズで最もよい香りのバラの一つとされ、その名の通り豊潤なローズの香りがあり、同時に爽やかさも奥底に感じられる。化粧品会社によってこの香りをイメージした商品が誕生している。 アンブリッジ・ローズ 柔らかな色彩に豊満な印象のカップ咲きの花には、強いアニス(ハーブの一種)のような香りがある。やや薬臭い印象の個性的な香りのため、好き嫌いがはっきりと分かれる。 シルバー・シャドウズ グレーの陰影を感じる薄紫の花には、甘さと爽やかさを兼ね備えた香りがある。目を瞑りその香りを深く吸い込むと、新緑の森の中にたたずんでいるかのように思えてくる。 アンヌ=マリ・ドゥ・モランヴィル パールのような小さな花には不思議な香りがある。香りの研究者いわく「カメムシの香り」とのこと。怖い物見たさで、ぜひ嗅いでみるのも一興。まさかバラにこんな香りがあるとはと驚くかもしれない。 ドゥフトボルケ ボリュームのある大きな花には、熱帯の果実を思わすような濃厚な香りがあり、その強さに思わず頭がくらくらしそうになる。古くより香りの名花として知られる品種で、品種名は「香りの雲」の意味。 何度も訪れたくなるバラの開花リレー 淡いピンクやモーヴカラーのバラを主役に、ピンク、青、紫などのハーブ類、ライムリーフの植物などを組み合わせた明るい色相の「ローズ&ハーブガーデン」。 2025年の横浜イングリッシュガーデンでは、4月上旬に極早生のバラが咲き始めています。今年のバラの開花は例年並みのペースとなる見込みで、5月のゴールデンウィーク後半~明け頃より見頃のピークを迎える予想です。ゴールデンウィーク前後は気温がまださほど高くないため、花色がしっかりと発色し、また最も力のある房の中央のつぼみが開く時期。一輪の花をじっくり眺めたり、クローズアップして写真を撮るのに最適なタイミングです。 毎年、新しいバラが追加植栽され、進化した景色が楽しめます。左は、ホルトノキに10株のつるバラ‘ローゼンホルム’を絡め、所々にクレマチスやホタルブクロも競演するバラのシーズンのフィナーレを飾る演出♪ 右は、ローズトンネルの最後のバラと‘ローゼンホルム’の壁、アジサイディスプレイが同時に楽しめました(2024年5月下旬撮影)。 5月下旬になると最晩生のバラが咲き始めます。この頃にはローズトンネルの突き当たりにピンクのバラの壁が現れ、池の脇には赤いバラの柱が出現。8mの高木に絡むバラや白花がふわりと咲くアーチなど、訪れる度に景色が変化し、見どころが絶えません。そして同時期に、庭の主役の座はそっとアジサイたちに引き継がれ、季節は巡ります。バラとアジサイが一緒に楽しめる貴重な時期もお見逃しなく。 バラ満開の園内で優雅な時間を過ごそう 約2,200品種 2,800株のバラが咲く「横浜イングリッシュガーデン」に一歩入れば、そこは非日常の癒やしの空間。咲き立てのバラの香りを嗅いだり、日に照らされて輝く花々に出会った感動を写真に撮ったり、木陰のベンチで家族や友人、恋人と語らったり……。一年で最も美しいガーデンで、ぜひ今年一番の素敵な思い出を作ってください。 日が傾く夕方も庭散策におすすめの時間帯です。ベンチに腰掛け、バラ咲く風景を存分に眺める贅沢な時間をお過ごしください。 ‘バラの国’ブルガリアの魅力を知る2日間!「ブリガリア・フェア」※会期は終了しました 横浜イングリッシュガーデンに植樹されたのは、香料を取るためにブルガリアで古くより栽培されている本家本元のブルガリアン・ローズ(写真は昨年開花の様子)。駐日ブルガリア共和国大使館マリエタ・アラバジエヴァ大使を通し、ブルガリア国立バラ研究所から寄贈された貴重な1株です。貴重な株の今年の開花もご期待ください。 2023年、駐日ブルガリア大使館より寄贈された「ブルガリアン・ローズ(ロサ・ダマスケナ、トリギンティペタラ、カザンラク)」の株が植樹されて3年目を迎える今年は、4/28(月)・29(火祝)に「ブルガリア・フェア」を開催! 駐日ブルガリア共和国大使館の後援により、見て・聞いて・食べて・買って、ブルガリアを満喫できる貴重な2日間です。ぜひ横浜イングリッシュガーデンで、ブルガリアを旅する気分で体験してください。 ブルガリアン・ローズが植る芝生のエリアでは、ブルガリアの民族衣装をまとったダンサーが「ブルガリア・フォークダンス」を披露するほか、ブルガリアの魅力を紹介する講演会、伝統的なブルガリア刺繍のワークショップなど、‘バラの国’ブルガリアの魅力を堪能するイベントです。併設のカフェでは、ブルガリアンローズのジャムが味わえるメニューも登場。ショップでは、ブルガリアンローズを用いたジャムやローズハニー、ローズウォーターなどを販売するほか、ブルガリア産ワインやブルガリア伝統陶器の出張販売、ブルガリア料理のキッチンカーもやって来ます! 2023年に初開催となった「ブルガリア・フェア」イベント報告記事はこちら『至高のバラ「ブルガリアン・ローズ」が横浜イングリッシュガーデンに登場』 民族衣装をまとったダンサーが「ブルガリア・フォークダンス」を披露 園内「ローズ&シュラブガーデン」芝生エリアにて、色鮮やかな民族衣装をまとったダンサーが軽快なリズムと華麗なステップの「ブルガリア・フォークダンス」を披露します。日時:4/28(月) 11:00、13:00、14:00、15:00頃予定 4/29(火祝) 13:00、14:00、15:00頃予定 「ブルガリア」の魅力を知る2つの講演会開催 4/28(月)14:00〜 「日本とブルガリア 〜アントニオ・アンゲロフ氏が語る両国の魅力」 日本とブルガリア両国の魅力について、駐日ブルガリア共和国大使館 公認翻訳者 アントニオ・アンゲロフ氏が講演する貴重な機会。 4/29(火祝)14:00〜 「バラの国ブルガリア 観光と歴史を巡る」 ブルガリアの観光と歴史を巡る旅の魅力を、駐日ブルガリア共和国大使館 一等書記官 ペタル・ニコラエフ氏がお話しします。 *2つの講演会ともに参加費無料。ヨコハマくらし館イベントスペースにて座席数20席ほどで行います。 ブルガリア刺繍のワークショップ 美しい色と伝統的な模様のブルガリア刺繍を体験していただけるワークショップを開催します。参加費無料。講師:山美イレン氏(エンブロダリスタジオ羅美那)日時:4/28(月)・29(火祝)各日2回 11:00〜12:00/13:00〜14:30 *各回参加ご希望の方は、10時半より会場にて配布する整理券をお受け取りください。場所:ヨコハマくらし館イベントスペース *ヨコハマくらし館イベントスペースでは、ブルガリアの歴史や文化を紹介する展示パネルやブルガリアの民族衣装の展示もお見逃しなく。
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「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」ガーデナー5名の2月の“庭づくり”をレポート
本格的な春到来前に行なわれた2月のメンテナンス作業 作庭日の2月下旬は、例年ほどの寒い日はなかったものの、吹きさらしの砧公園では最低気温がマイナスになることもありました。どのガーデンも万全の策で無事に冬を乗り越えていましたが、自然が相手では思いもよらぬことが起きるもの。いくつかのガーデンで球根類が掘り起こされた跡が発見されました。そのイタズラは、周囲の大木に棲みつく都会のカラスたちによるものと判明。代々木・神代ではなかった事態です。 そこでガーデナーたちは、カラス対策として水糸や麻糸を植栽の上に張り巡らすなどの策を講じることになりました。それでも隙間から入り込むつわものも。植物が根を張るまでの辛抱です。 鳥よけが施されたガーデン。これも自然との共存のためのひと手間。 「第3回 東京パークガーデンアワード」【2月】第2回作庭 2回目となるコンテストガーデンの作庭は、12月の第1回作庭時に多くの作業を済ませたこともあり、半日~1日でほぼ作業が終わりました。順調に進んだそれぞれのガーデンの作庭の様子をご紹介します。 コンテストガーデンAGathering of Bouquet 〜庭の花束〜 ◆今回の作業◆ ①プランツタグをつける カラスが紙のタグを引っこ抜いてしまう前に、金属製の黒いプランツタグを設置する。 ②グラス類の切り戻し、枯れた葉の除去 グラス類の地上部をカット。取り除いた枯れ葉とグラス類は細かく切って、花壇の中央に設けたバイオネストに入れる。 ③新しい苗の追加植栽とバークの追加 カラスの被害を受けた苗は交換しながら、ポイントでフロックスを補植。マルチングが流出した箇所には、寒の戻りの対策としてマルチバークを追加する。 ④バイオネストの補強と中を攪拌 しなやかな細い枝を編み込みながらバイオネストを補強しつつ、細かく刻んだ発生材はおがくずと一緒に土としっかり攪拌する。 ◆作業完了時のガーデンの様子◆ 草花を通じて、訪れる人々の優しい気持ちが連鎖するようにとの願いを込め、ラウンド形のブーケを模した配植計画と色彩計画で構成されています。子どもたちの目線の高さを意識して計画されているため、レイズドベッドの縁近くにはスイセンやシラーなどのコンパクトな球根類が咲き、多くの世代の目線からも楽しめるように工夫されています。また、花壇中央に設けたバイオネストへと続く管理動線には小枝を用いており、里山の小路を連想させるような、どこか懐かしさを覚える風景が広がっています。 コンテストガーデンBCircle of living things 〜おいでよ、みんなのにわへ〜 ◆今回の作業◆ ①新しく苗を追加植栽、マルチングの調整 前回手に入らなかった植物を新たに植える。バークに埋まってしまっている小さな植物によく日が当たるように、多すぎるバークを取り除く。 ②枯れたグラス類の上部をカット 枯れたグラスの葉を取り除き、溝に入れる。まだ寒くなることも考えられるので、汚くなった枝葉除去は、次回以降のメンテナンスに回す。 ③プランツタグを設置 植物名を刻印した木製のオリジナルプランツタグを各所に挿す。 ◆作業完了時のガーデンの様子◆ 命の循環というキーワードをもとに、植物だけではなく、生きとし生けるものたちの集まる「庭」をテーマにデザインされています。また、レタスなどの野菜類も加え、いままで携わっていたコミュニティー菜園をこの花壇に再現。宿根草の庭に収穫の要素が追加され、誰もが心浮き立つ風景が作られました。これからの時期、子どもたちが楽しめるオジギソウやニンジンのタネが、ガーデンの手前側に播かれる予定。新しい発想が盛り込まれています。 コンテストガーデンCLadybugs Table 「てんとう虫たちの食卓」 ◆今回の作業◆ ①花がら摘み、球根の植え直し 美観のためと花期をのばす目的で、ビオラの花がらをしっかりと摘み取る。また、カラスに掘り返された球根を植え直す。 ②苗の追加 前回手に入らなかったクジャクアスターやベニチガヤなどの苗を新たに補植する。 輸入苗のエピメディウム(イカリソウ)。株が大きいので分割して植える。 ③バークチップを足す マルチングが減ってしまった場所に、バークチップを加える。 ◆作業完了時のガーデンの様子◆ 砧公園で暮らす「小さな住人(虫たち)」がこのガーデンを訪れて棲みつきやすいように生態系を意識した植栽デザイン。見る場所や角度によって印象が変わるように、植栽にも工夫が施されています。花壇内の地面には高低差が設けられているので、これからさらにどのような立体感が生まれてくるのか楽しみ。カラスよけに用いられた紫とオレンジ色の麻ヒモは、英国のナッツシーン社のもの。色彩の少ない時期のガーデンに取り入れた色づかいが、心憎いこだわりを感じさせています。 コンテストガーデンDKINUTA “One Health” Garden ◆今回の作業◆ ①雑草取り ところどころに生えている雑草を抜いて袋に集め、花壇内に設けたバイオネストに投入。 ②新たなステップを配す オオヒラダケの菌床を固めて作ったステップを新たに数カ所配置。12月に配したものは、すでに朽ち始めていた。 ③切り戻し(グラス、低木など) ノコンギク(ホキヤマ)、ススキなどの枯れた不要な部分を地際から切り戻し、バイオネストに投入。 ④バイオネストの中を整える 当日発生したものも入れた状態。この後、米ヌカが手に入り次第、加えて混ぜ込む予定。 ◆作業完了時のガーデンの様子◆ ヒトの健康、生きものの健康、環境の保全を包括的な繋がりとして捉えるワンヘルス (One Health)の概念を軸に、土壌環境を改善し、植物や微生物を豊かに育て、鳥や虫など地域の生きものを呼び込むガーデンです。植物は植えた当時からそれほど大きな成長は見られませんが、手触りや香りを楽しめる植物たちの“人の心に安らぎをもたらす”ための準備はすでに整えられており、土中の菌糸たちも旺盛に広がっています。 コンテストガーデンE「みんなのガーデン」から「みんなの地球(ほし)」へ ◆今回の作業◆ ①除草、枯葉整理、切り戻し 冬季落葉で枯れた部分をすべて取り除き、春に向けての美観整理を行う。発生した切り枝葉は、通路の土に混ぜ込んでリサイクル。 ②球根の植え直し、新たな苗の補植 カラスに掘り出された球根を植え戻し、春植え品種を追加。景観のボリューム・バランスを整えるための新たな苗と球根の補植を行う。 ③寒さよけを一度取り外す 冬の植え付けだったため、不織布をかけて初年度の寒さから保護養生していたマンガべ ‘マッチョモカ’。不織布を一度取り外し、傷んだ外葉を整理する。本種は寒い冬には外葉が枯れて半落葉状態になることがあるが、温暖期の新葉で株が更新される。秋までによく根を張らせることで本来の耐寒性が発揮でき、2年目以降は防寒の必要はない。 ④通路に客土して地形を調整 土砂の流失を和らげるため、一度入れた土を取り除き、培養土と米ぬか酵素、砕いたトウガラシを混ぜ込んで戻す。こうして底上げを行い、花壇内の高低差を減らす。 ⑤剪定 花壇中央でアクセントになっているコルヌスは春の鮮やかなカラーリーフの芽吹きを促進させるため、半数の枝を低い位置でカット。一部の枝は春先のボリューム維持のため、今回は長いまま残している。 ◆作業完了時のガーデンの様子◆ 人だけでなく虫や鳥、土壌菌類などの分解者、そして庭の先につながるこの生きた星「地球」の環境といった全ての「生あるもの」。みんなが共に助け合いながら、末長く幸せに暮らす世界、生命共存の尊さ・美しさを伝えたい――。そんな想いを、個性豊かな植物で独創的に表現。芽吹き前で植物の地上部は少ないですが、既にそれぞれが強く主張し合っています。ボランティアで集まったチームの知識と想いの共有と共感、そして連携が、このガーデンの隠れたコンセプトとなり、今回の課題(テーマ)につながっています。 コンテストガーデンを見に行こう! Information 都立砧公園「みんなのひろば」前所在地: 東京都世田谷区砧公園1-1電話: 03-3700-0414https://www.tokyo-park.or.jp/park/kinuta/index.html開園時間:常時開園※サービスセンター及び各施設は、年末年始は休業。営業時間等はサービスセンターへお問い合わせ下さい。入園料:無料アクセス:東急田園都市線「用賀」から徒歩20分。または東急コーチバス(美術館行き)「美術館」下車/ 小田急線「千歳船橋」から東急バス(田園調布駅行き)「砧公園緑地入口」下車/小田急線「成城学園前駅」から東急バス(二子玉川駅行き)「区立総合運動場」下車駐車場:有料
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「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」 ガーデナー5名の“庭づくり”をレポート!
第3回コンテスト会場の全貌 2022年からスタートし、画期的な試みとして注目を浴びている「東京パークガーデンアワード」。3回目となる今回は、多くの区民が訪れる都立砧公園。コンテスト会場は園内の子どもが遊べる‘みんなのひろば’前に設けられました。 サクラやケヤキなど落葉樹に囲まれた芝生エリアに設けられたコンテストガーデン。 コンテストガーデンの区画には、あらかじめ事務局にて「高さ40cmの木枠のレイズドベッドに客土された状態」の2対1組の花壇が5つ用意されました。ガーデナーは自身が表現したい植栽が健全に育つように、ガーデン制作時に土壌改良・施肥などをすることが可能です。 作庭が完了した12月下旬の様子。 ガーデン制作にあたり、デザイナーが踏まえておくこと デザイン・植物について ・ コンテストのテーマは「みんなのガーデン」とし、多年生植物をメインとしたガーデンを制作すること。 ・ 国内市場で流通している植物のみ使用可能(採取した植物は不可)。・ 公園内で爆発的に繁殖するおそれがある植物は使用不可。・ 主たる植物は多年生植物を使用すること。容易に制御が可能な草本類に近い木本類は使用可能(全ての植物は高さ2m以内に限る)。・ 構造物やガーデンオーナメント等の設置は不可。植物のみで構成すること。・ 発生材処理のためのバイオネストの設置は可能。来園者の安全を考慮した仕様とすること。 作庭の様子。 メンテナンスについて ・ 展示期間中(2024年12月~2025年12月末)は入賞者がメンテナンスをし、それ以降は事務局が管理。・ 補植は可能。・ 最低限植物の状態を保つ週1回程度の潅水は事務局が行う。・ 薬剤の散布は不可。自然素材の忌避剤の使用についても不可。・ ごみ(発生材含む)は持ち帰り、または自身のガーデン内のバイオネストで処理をすること。・ メンテナンスの計画を提出すること。 区画・土壌について ・ 会場の基礎土壌には、事務局にて準備した土を使用。・ ガーデン制作時に施肥など土壌改良が可能。 【審査基準】公園の景観と調和していること/公園利用者の関心が得られる工夫があること/公園利用者が心地よく感じられること/植物が会場の環境に適応していること/造園技術が高いこと/四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること/「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること/メンテナンスがしやすいこと/テーマに即しており、デザイナー独自の提案ができていること/総合評価※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われます。 「第3回 東京パークガーデンアワード」【12月】第1回作庭 気鋭の5人がつくるガーデンは、さまざまな工夫が凝らされています。各ガーデナーの植え込みの様子をチェック。ガーデナーの経験値が頼りになる土壌づくりにも注目を! コンテストガーデンAGathering of Bouquet 〜庭の花束〜 保坂悠平さん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:混合土穣(多孔質人工軽量土壌(エコロベース):バーク堆肥=7:3)マルチング:樹皮発酵堆肥(くつきバーク)その他:複合微生物資材(カルスNC)、トウガラシを粉砕したもの ◆土壌を整える◆ モグラ除けのために、トウガラシを砕いたものを花壇全体にまく。保水・排水がよい混合土穣(多孔質人工軽量土壌(エコロベース):バーク堆肥=7:3)を均等に撒き、耕運機でよく混ぜながら耕す。 デザインに基づいて溝や起伏を作り、溝に管理動線用途としてのステップ用丸太を埋め込む。 ◆造作物等を設置する◆ 直径1mほどのバイオネストをつくる。剪定した雑木の80cmほどの太い枝数本を、深さ約30cmまで埋まるように土に挿し込む。その後、柔らかくしなるカツラの細い枝などで編むように丸く囲んでいく。バイオネストには発酵を促進させるための複合微生物資材(カルスNC)を混入する。 ◆植え付け◆ 水糸を張ってグリッドを作り、デザインに基づいてゾーンを分けるラインをチョークの粉で引く。 宿根草の苗を一度配置してから植え付ける。 宿根草を植え付けた後、その間に球根を植え付ける。 ◆マルチング&その他仕上げ◆ 左/溝に埋めた丸太のまわりに、水や土が流れ込まないよう土壌を突き固める。右/表土を樹皮発酵堆肥(くつきバーク)でマルチングする。 左/丸太を埋めた溝の側面に沿って細い枝を埋め込み、見映えを兼ねた土留めを設ける。 右/黒いアルミ製のネームプレートに白色で植物名を書き込んだ札を設置。 【12月の作庭完了】 東側 西側 【メンテナンス時の発生材について】 バイオネストを設置することで、発生した植物発生材を運搬・処理する手間を省くことができます。作業したその場で、剪定枝などの発生材を組み合わせて土台にし、落ち葉や刈草などを投入することで継続的に堆肥にできる簡便さに優れています。一般的な堆肥づくりで行う切り返しなどは必要なく、気温や降雨の水分、昆虫や土壌動物、自然界の菌糸の活動により、ゆっくりと分解が進みます。 コンテストガーデンBCircle of living things 〜おいでよ、みんなのにわへ〜 世田谷bajicoポットラックガーデン 代表デザイナー 石野夕華さん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:多孔質人口土壌(ビバソイル)、腐葉土、もみ殻くん炭、牛糞堆肥(お馬の堆肥)など排水確保材:竹炭、汚泥発酵肥料(タテヤマユーキ1号)、剪定枝葉(ササ、ケヤキ、オリーブ、マサキなど)マルチング:樹皮完発酵堆肥(くつきバーク)、杉皮マルチバーク(スリーダイヤ2号) ◆土壌を整える◆ 保水性や排水性を持たせるため多孔質人口土壌(ビバソイル)を混ぜ込んだ後、有機質が豊富な腐葉土、もみ殻くん炭、牛糞堆肥(お馬の堆肥)を載せてよく耕す。 溝を作り、竹炭、汚泥発酵肥料(タテヤマユーキ1号)を入れた後、剪定枝葉(ササ、ケヤキ、オリーブ、マサキなど)を横たわるように入れていく。 ところどころに通気孔を掘り、底に竹炭を入れる。その後、土が入り込まないようにするため、太い枝で外側を囲み、その内側には細い枝を渦巻き状に入れていく。 ◆植え付け◆ 中央に低木やニューサイランなどの大株を植えたあと、宿根草を植え込んでいく。 宿根草の苗を植え付けた後、球根を植え込む。 ◆マルチング&その他仕上げ◆ 左/最後に樹皮完発酵堆肥(くつきバーク)と杉皮マルチバーク(スリーダイヤ2号)で表土をマルチングする。さらに、溝部分に落ち葉を軽く化粧的に載せる。 【12月の作庭完了】 東側 西側 【メンテナンス時の発生材について】 高地と低地を区分けするように作ったS字型の窪み、「風のとおり道」には枝が漉き込んであり、水はけや植物の発根を促す効果に加え、ガーデン発生材を処理し、バイオネストのように堆肥を作るという機能も持ち合わせています。また、各所に配置した鳥の巣状の「サークルネスト」と名付けたものには、微生物や虫などの住処や餌場となる役目があります。 コンテストガーデンCLadybugs Table 「てんとう虫たちの食卓」 小野雄大さん率いる作庭メンバーの皆さん。 【使用資材】 土壌改良材:真砂土、バーク堆肥(炭入りコンパ)、腐葉土、ゼオライト、もみ殻燻炭排水確保材:竹炭、剪定枝葉(サクラ、ケヤキ、クスなど)マルチング:樹皮ウッドチップ元肥:マグアンプ、微生物系肥料(タキアーゼS)その他:トウガラシ ◆土壌を整える◆ 左/全体に真砂土載せた後、溝を掘りながら、ざっくりとした起伏をつける。その後、モグラ除けのために粉砕したトウガラシを撒き、よく混ぜ込む。右/多孔質のゼオライトや有機質を補いつつ団粒構造を維持するバーク堆肥(炭入りコンパ)や腐葉土、もみ殻燻炭、肥料分のマグアンプと微生物系肥料(タキアーゼS)を加え、よく耕して最終的な地形をつくる。 溝には竹炭を入れたあと、ケヤキやサクラ、クスの剪定枝を敷く。 溝のところどころに通気孔を開け、砧公園内で発生したマサキの剪定枝を入れ込む。 ◆植え付け◆ まずは、低木やキンカンなどの樹木を植栽して骨格を形作る。 宿根草の苗を植えた後、球根を植え付けていく。 ◆マルチング&その他仕上げ◆ 植栽前に樹皮ウッドチップを溝以外に敷く。植栽後にも同様に植物の周りに撒く。 溝に沿って入れた枝をカバーするために、苗を植え付けた際にカットしたグラス類の穂を載せて見栄えをよくする。 【12月の作庭完了】 東側 西側 【メンテナンス時の発生材について】 作業通路とバイオネストを設置。作業通路は他の場所より一段低い地形で、水が流れ込みやすい場所で、湿度があるため菌糸類や微生物が繁殖しやすい環境です。手入れのたびに発生する抜いた草や間引いたものをそれらに入れ込みます。落ち葉や木の枝などの層が、昆虫などに住居や食料を提供。枝葉の堆積物は水や空気を土の中に取り入れたり蓄えたりするのにも役立ち、植物たちに必要な養分にもなります。 コンテストガーデンDKINUTA “One Health” Garden 合同会社百暮 代表デザイナー 高橋祐眞さん率いる作庭メンバーの皆さん。 【使用資材】 土壌改良材:多孔質資材を複数配合したオリジナルソイル、菌糸および菌床マルチング:多摩川梨の剪定枝のチップ(地元川崎の植木農家及び果樹農家から発生する農業副産物)肥料:発酵鶏糞 ◆土壌を整える◆ 左/土中の微生物多様性を高めるために、ガーデン全体に多孔質資材等を複数配合したオリジナルソイルを入れ、発酵鶏糞と共によく耕す。右/オオヒラタケのブロック状の菌床を崩して表土に軽く混ぜ込む。オオヒラタケは菌糸が広がるのが早いので、土壌病原菌の抑制や根の成長を促す効果が期待できる。 ◆造作物等を設置する◆ バイオネストをつくる。直径約50cm、深さ約40cmの穴を開け、その内側に沿って焼杉丸太を打ち込み、多孔質資材を底に敷く。その後、丸太の間をシラカシ等の剪定枝で編み込んで囲みをつくる。 ◆植え付け◆ 低木類から植えて骨格を固め、そのまわりに宿根草の苗を植え込んでいく。 ◆マルチング&その他仕上げ◆ 宿根草の植栽前に、多摩川梨の剪定枝を利用したウッドチップを撒いて表土をマルチングする。ナシの枝はやや硬めで、程よい粒の大きさを保っているため、見た目がよいだけでなく、水の浸透がよく水はねや風による飛散が少ないことが期待できる。 左/バイオネストにシルバーリーフの剪定枝をあしらい、より植栽になじませる。 右/オオヒラタケの菌床でつくったステップを、作業の足場用として設置。数カ月後には朽ちて、土壌改良としても機能する。 【12月の作庭完了】 東側 西側 【メンテナンス時の発生材について】 バイオネストを設置し、メンテナンスで発生する剪定枝や落ち葉などの堆肥化を促進します。また、バイオネストの地中を掘り下げて焼き杭を打ち、多孔質な改良材を入れ込んで土中の微生物多様性を高めることで分解速度を高めつつ、土壌改良効果も狙う「生態系のぬか床」の構築を目指します。 コンテストガーデンE「みんなのガーデン」から「みんなの地球(ほし)」へ 太田敦雄さん率いる作庭メンバーの皆さん。 ◆使用資材◆ 土壌改良材:軽石、もみ殻燻炭、土の活力素(バイオマイスター)、シマミミズ入り堆肥マルチング:バイオマイスター(下地)、軽石、鹿沼土(仕上げ)元肥:発酵米糠肥料、海藻元肥、バットグアノその他:EFポリマー、トウガラシ ◆土壌を整える◆ 全体的に軽石を混ぜて耕した後に、もみ殻燻炭、土の活力素(バイオマイスター)を混ぜる。 左/モグラやコガネムシの幼虫を除ける目的で用いる砕いたトウガラシ、有機質を補う有機リン酸肥料(バットグアノ)、ミネラル分を補う海藻元肥を混ぜてよく耕し、溝をつくって起伏を作る。右/部分的にミミズ入り堆肥を投入(この部分にトウガラシは入れない)。 ◆植え付け◆ 左/水糸を張り、グリッドをつくる。 右/デザインに基づいて、白線を引いてゾーンを明確にする。 中央のニューサイランを軸に大株から植栽。ポット苗や球根の下には、保水効果がある生分解ポリマーを少量敷いて、成長するまでの冬場の根の乾燥を防ぐ。 宿根草の間に球根を植え込んでいく。 ◆マルチング&その他仕上げ◆ 株のまわりに土の活力素(バイオマイスター)を撒き、夏の蒸れ予防とコガネムシ忌避のために軽石と鹿沼土で仕上げのマルチングをする。 植栽作業完了後、カラスなどのいたずら防止のため、花壇の上に細い紐を張り巡らせて完了。 【12月の作庭完了】 東側 西側 【メンテナンス時の発生材について】 メンテナンスの作業性や植栽内の日照確保、風通し向上のために、エリアを分割する曲線通路を設けました。これは単なる通路ではなく、剪定で出た枝葉のゴミを細かく切って通路の土に埋め込み、それがまた土に還って植物の栄養として供給される「新たなゴミを極力出さない“リサイクル循環Path”」としても活用します。埋める剪定ゴミは分解菌豊富な肥料の働きによって堆肥化が促進され、より速やかな循環サイクルが形成されます。 コンテストガーデンを見に行こう! Information 都立砧公園「みんなのひろば」前所在地: 東京都世田谷区砧公園1-1電話: 03-3700-0414https://www.tokyo-park.or.jp/park/kinuta/index.html開園時間:常時開園※サービスセンター及び各施設は、年末年始は休業。営業時間等はサービスセンターへお問い合わせ下さい。入園料:無料アクセス:東急田園都市線「用賀」から徒歩20分。または東急コーチバス(美術館行き)「美術館」下車/ 小田急線「千歳船橋」から東急バス(田園調布駅行き)「砧公園緑地入口」下車/小田急線「成城学園前駅」から東急バス(二子玉川駅行き)「区立総合運動場」下車駐車場:有料
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愛知県

【冬のおしゃれな庭づくり】地植え+鉢植え+花壇+ハンギングで実現! 立体感で魅了する美しい庭
コンテナ、花壇、ハンギング、リースの4重奏の立体ガーデン ここは公道に面したエリアで、道ゆく人の目を楽しませる武島邸のフロントガーデンです。春にはつるバラがフェンスや壁に咲き誇り華やかそのものですが、バラが姿を消す冬も彩り豊かで見応えたっぷり。奥行き2mほどの場所ながら、手前から「コンテナ」「花壇」「ハンギング」、扉にかけた「リース」というように、さまざまなガーデニング手法を組み合わせ、視線の先を下から上まで花と緑で彩り、華やかなフロントガーデンを実現しています。 冬の庭の素材はパンジー&ビオラなど草丈の低いものが多いため、地植えだけでは視線が下に集中し、庭が平面的な印象になりがち。これらの素材で華やかさを演出するには、いかに「立体感」を出すかがポイントです。武島さんの「コンテナ」「花壇」「ハンギング」「リース」で構成された4重奏の立体ガーデンを詳しく見ていきましょう。 ① 一番手前は、石積みの花壇の下に置いたコンテナ。透明感のある水色のビオラ‘ビビ ヘブンリーブルー’とミニサイズのハボタンを寄せ植えにした奥行き15cmほどの横長のコンテナがズラッと並びます。シンプルな寄せ植えを繰り返し並べることで、花壇の縁がトリムのように彩られ、おしゃれ度アップ。 ② 高さ50cm、奥行き30cmほどの石積みの花壇には、パンジーとシルバーリーフのダスティーミラー、ストックを植栽。ストックは冬の花材の中では草丈が30〜40cmと高く、立体感が出る貴重な植物。甘い香りがするのも魅力です。柔らかなペールトーンでまとめながらも、パンジーに濃い色をプラスしてアクセントに。 ③ ハンギングバスケットの1つは、コンテナの寄せ植えと揃えたビオラ‘ビビ ヘブンリーブルー’の単植。花壇にハンギングスティックを挿して飾っています。草丈の低いビオラの花を目線の高さで堪能できるのが、ハンギングバスケットの魅力。 もう1つのハンギングバスケットは、アイボリーのガーデンシクラメンやサーモンピンクのパンジー、イエローやシルバーのカラーリーフを用い、ペールトーンでまとめたもの。こちらは、フェンスにS字フックで引っ掛けています。 ④ 一番目線が高くなる、扉にかけたリースは、ハボタンとワイヤープランツの寄せ植え。リース形の寄せ植えを、このように扉などに垂直に飾る場合は、高低差があまり出ない素材を選んで、ギュッと詰めて植えるのがポイント。隙間があると土がこぼれ落ちてしまいます。 玄関扉の横には、スクエアのコンテナの寄せ植えを。ブルーのパンジー‘シエルブリエ’を囲むようにシルバーや斑入りのリーフをたっぷり使い、冬のイメージを表現した上品な1鉢。コンテナも高さのあるものやプランタースタンドを用いることで、目線を上にコントロールすることができます。 レンガを積んだプランタースタンドにピンクの豪華な寄せ植えを。庭のアーチの両側に、対になるように設置している。 ガーデンチェアで作る冬の庭のハイライト 庭の中には数カ所にガーデンチェアが置かれており、その背もたれもハンギングバスケットやリースを飾る場所として活用しています。椅子の両脇に置いた寄せ植えとハンギングスティックに吊した背後のバスケットは、ピンク系のパンジー&ビオラでコーディネート。ここでも下から上まで目線の先を花が彩るように演出しています。 フリル咲きのパンジー、ハボタン、アイビーの3種を使ったリース。 白と黒のコントラストが美しいハンギングバスケットを飾ったチェア。手前に対のハボタンとドドナエアの寄せ植えを置いて。 ハンギングバスケットは地面のない場所でも飾れるのがメリットですが、引っ掛ける場所を必要とします。ガーデンチェアはテラスなどでも手軽にハンギングバスケットが飾れるツールとして活用でき、庭風景にもナチュラルになじむのでおすすめです。 コンテナ+ハンギングの花材を揃えて印象的に バラのアーチの正面は、視線が集まりやすいフォーカルポイントです。武島さんはガーデンシェッドの壁面を利用してハンギングバスケットとコンテナをコーディネートし、華やかなシーンを作り出しています。メインの素材となるスキミアとパンジー、ハボタンは両者共通させ、脇役となるリーフ類はスキミアのつぼみの色に合わせつつ、それぞれの鉢の形に合う銅葉を選んでいます。壁を背にして半球状のハンギングバスケットを作る場合は、中央部を高く、コンテナは後方から前方へ草丈を低く作るのがきれいに見えるセオリーです。 コンテナの後方を彩るのはロフォミルタス‘マジックドラゴン’とドドナエア。ハンギングバスケットではヘーベとドドナエアを。 花瓶に飾ったパンジーにも、ハンギングバスケットとコンテナの間をつなぐ効果が。 連続ハンギングバスケット+地植えで作る花咲く小径 細い棒状のハンギングスティックを使い、ハンギングバスケットを連続させた庭の小径。ハンギングスティックは土に差すだけで、どこでも手軽に花を吊して飾れる新しいツールで、細くて目立たず風景の邪魔にならないのも魅力です。ピンクのグラデーションがかわいい大輪のパンジー‘ピーチシェード’を植え、ハンギングも足元の花も揃えて小径を華やかに演出しました。 大輪で華やかなパンジー‘ピーチシェード’。 空中に浮かぶようなハンギングバスケットは、冬枯れの庭で存在感抜群。凝った花の組み合わせにしなくても、花付きのよい種類を選べば1種類でもかわいく仕上がるので、ハンギングバスケット初心者にもおすすめです。 室内から庭を眺める時間も長くなる冬だからこそ、武島さんのようにさまざまな手法を組み合わせて庭を立体的に演出し、美しい庭景色を楽しみたいですね。新しいツールも活用し、まだまだ店頭にたくさん並ぶパンジー&ビオラで新しい冬の庭づくりにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。



















