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素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪36 大阪「L’lsle-sur-la-Ring(リルシュルラリング)」
異空間にワープできる シャビ―で愛らしい空間 湾岸に通じる幹線道路(府道40号)に面した、緑に覆われるフェンス…その中に小さなショップ「リルシュルラリング」があります。店に一歩足を踏み入れると一気に独特な世界観に引き込まれ、外の喧噪を忘れてしまいます。 ショップは、フランス・プロヴァンス地方にある『L'lsle-sur-la-Sorgue(リルシュルラソルグ)』という骨董市で有名な街をイメージしてつくられました。「骨董市では、アンティークから日用品まで、さまざまなものを扱う店が並びます。骨董市に来た時のようなワクワクを感じていただきたいですね」とオーナーの伊丹雅典さん。 2004年にオープンし、18年目を迎える「リルシュルラリング」。ショップは伊丹さんがフランスのことをよく調べた上で自らデザインを起こし、工務店の力を借りながらつくり上げたもの。本格的な資材を使用し 、控えめなカラーで雰囲気を高めながら植物をうまくレイアウトしています。店のこの雰囲気を我が家で再現してほしい! と、庭づくりも依頼されることが多く、火・木曜日は、伊丹さんの庭づくり(デザイン・施工)の日となっています。 建物からせり出す軒下の構造物は、ヨーロッパ風の構造物や庭を手掛けるユメミファクトリー(京都府・亀岡市)と一緒にしつらえたもの。甘さを抑えつつ、どこかメルヘンな感じもある独特な空間です。吊り下げたアイアンのライトが、ほんのりうす暗い空間の雰囲気をぐっと高めています。 ていねいにしつらえられた コーディネートも見応え抜群 花苗売り場はアンティークレンガを多用したナチュラルな雰囲気の空間です。高さに変化をつけたり、視線をあちこちに振るような仕掛けを盛り込んだりして、小さな空間ながらも見せ場がたくさん。 伊丹さん以外、スタッフ5名は全員女性で、コーディネートは繊細でエレガント。買い物カゴは店の雰囲気と調和するバスケットを使用するなど、細やかな配慮が感じられます。 空間に変化を生むため細長いテーブルをあえて斜めに置き、立体的にコーディネート、パーティーを思わせるにぎやかなシーンに。「こまめにマイナーチェンジを重ねていますが、飽きがこないように年2回ほど大きくレイアウトを変えています」。 「L'lsle-sur-la-Ring(リルシュルラリング)」が提案する 寄せ植えアイデア集 店内のあちらこちらで見られる、小花が愛らしい寄せ植えをご紹介します。いずれも軽やかで透明感にあふれる花合わせが魅力的。 【バスケットに】 【ラウンドの鉢に】 【オーバル・長方形など幅広のコンテナに】 【ハンギングタイプ】 温かみあふれる屋内売り場 ぬくもりあふれる建物内は、コンテナや雑貨売り場。「おうちっぽく落ち着いた雰囲気にしています」と伊丹さん。 小さなコンテナや観葉植物、多肉植物、オーナメント、香りのアイテムなど多様な品々が、物語を紡ぐようなディスプレイで提案されています。 木製の階段を上がった2階は大鉢の観葉植物が並び、インテリア的要素の強い空間。さほど広くはありませんが、3つのシーンで構成されています。 グレイッシュに塗られた8畳ほどの小部屋では、シャビーシックなアイテムを集めた新たな異空間を展開。マントルピースやアンティークベンチを使い、フランスの本に出てくるようなシーンをつくっています。 シックなコーナーの反対側はがらりと趣が変わり、白いノーブルなシーンが広がります。ここにはレース小物やカーテンが多数並び、ソフトな雰囲気が漂います。 異なる趣のシーンを狭い空間の中に展開していくコーディネート術はさすが。ここでは、アンティークの階段の手すりを使って、シーンを切り替えています。 伊丹さんのイチオシ ショップオリジナル鉢 ショップでペイントしている素焼き鉢は、どんな植物にもしっくり合うおすすめのアイテムです。カラーやロゴは季節によって変わります。色や文字などは、要望に応じてフレキシブルに対応してくれるそう。 フランスの片田舎を訪れたような趣と愛らしさをぎゅっと詰め込んだショップ「リルシュルラリング」。小旅行をしているような非日常的な時間を楽しませてくれます。ぜひ訪れてみてください。「アクセスは、阪神高速4号湾岸線岸和田北ICより車で約10分。JR阪和線久米田駅より徒歩約15分。 【GARDEN DATA】 L'lsle-sur-la-Ring(リルシュルラリング) 大阪府岸和田市箕土路町2-256-1 TEL: 072-440-2887 営業時間10:00~17:00 定休日:毎週火曜(祝日の場合は営業) https://www.llsle-sur-la-ring.com/ Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』、近著に『簡単で素敵な寄せ植えづくり』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。
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素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪16 大阪「GARDENERʼS TENNOUJI てんしばイーナ店」
ギフトプランナーが提案する 365日笑顔になる店 あべのハルカス、通天閣が隣接する街中に位置する天王寺公園。動物園や美術館、庭園もある都会のオアシスです。その公園内の芝生エリアに、2019年11月、レストランを中心とする新しい憩いのスポット‘てんしばi:na’がグランドオープン。芝生エリアの突き当たりにある動物園の入り口脇に、「GARDENERʼS TENNOUJI」がオープンしました。 ガーデニングを楽しむスペースがなく、日常的に花に触れる習慣がない街中の人たちに「植物に触れるきっかけを提供しよう」という思いでスタートした「GARDENERʼS TENNOUJI」。ここはガーデニング・エクステリアの資材を提供する、ライフスタイルカンパニー「タカショー」が運営する園芸店の一つで、全国3店舗あるうちの一番新しいショップです。 ショップのテーマは、‘大切な方へのプレゼントや頑張った自分へのご褒美のプレゼントが買える店’。「誰かにギフトしたいと思ったときに、365日、いつでも一番最初に思い浮かぶ店を目指しています」と店長の中野誠介さん。植物のある暮らしの提案に加えて、ギフトが見つかる店として力を注いでいます。 ガラス張りの開放感あふれる店内は、植物や雑貨などシーズナルなギフト商品でいっぱい。トーンを落とした温かみのある照明とインドアグリーンのつややかな潤い、そしてブラックで統一した什器で構成された空間は、落ち着いた雰囲気が漂っており、ゆったりとした気分で買い物ができます。 ギフトにぴったりのコンパクトなインドアグリーンが充実。スタッフに頼めば、植え替えもしてくれます。 動物園帰りの子どもたちも多く来店するので、動物アイテムが充実。店内のあちこちで、ぬいぐるみの動物が出迎えてくれます。 日当たりの悪い部屋が多い都会の住居でもグリーンの潤いを楽しめるよう、フェイクグリーンも用意。シックな色味のものも揃い、おしゃれなインテリアづくりに重宝します。 ギフトに最適な、ボックス入りのドライフラワーのアレンジなどもあります。バリエーションが豊富なのでお好みのものを選んで。 植物だけでなく、香りのアイテムや食器などの雑貨類も充実。園芸とは直接的には関係のないものですが、植物に興味のなかった都会の人たちが、ガーデニングに興味をもってくれるきっかけになれば嬉しい、との思いで取り扱っています。「雑貨を用いて、グリーンライフの楽しさを知っていただくきっかけづくりをしています。それには興味を持っていただけるような、ストーリーのあるディスプレイが大切です」と雑貨担当の山中梢さん。 ぬいぐるみだけでなく、動物をモチーフにしたユニークなアイテムがたくさん。写真左は、コウノトリやワニの形をしたカトラリー。右は、コアラやブタ、カメなど、リアルなつくりが人気の貯金箱。 おしゃれなステーショナリーも充実しています。「まずは身のまわりの雑貨類などからこだわって、空間づくりの楽しさに気づいていただきたいですね」と山中さん。 店舗外には、ガーデニングの参考になる コーナーがいっぱい ショップ前に広がるウッド×樹脂製のデッキまわりも見どころが満載です。店舗すぐ前にはガーデニング用品や苗、そしてギフトに最適な寄せ植えなどが並んでおり、ギフトにもなるアイテムが充実。その奥の植栽コーナーでは、ライトのきらめきと共に、中野さんこだわりのロマンティックな風景が広がっています 細長いデッキの手前側の植栽帯には、季節の草花とリスやウサギのオーナメントを合わせたユニークな提案が。三世代が楽しめる、ストーリー性を持たせた演出。 動物たちの生き生きとした姿を表現したのは山中さん。「季節ごとに植え替える花に合わせて、動物たちの置き方も変える予定です。ぜひ四季を通して見に来てくださいね」。 ボリュームを持たせたオージープランツの植栽エリアには、アルパカや家などのピックの飾りをプラス。植物に詳しくない人たちも楽しめるような配慮が施されています。 植栽とライティングによる美しい演出で ガーデンライフの楽しさを提案 動物のオーナメントやオージープランツの奥は、店長の中野さんがセレクトしたというこだわりの樹木による、リーフ合わせの妙を観賞するコーナー。美しい色や形の葉を持つ低~高木がふんだんに盛り込まれています。 併設するガラス張りのカフェにも光が差し込むように、サラサラとした小さい葉の樹木類が用いられています。夕刻ともなると樹木の幹や白い球形のオーナメントにライトが灯り、ロマンティックな風景にチェンジ。 最奥に広がるステップフロアコーナーは、カフェのお客様が緑に囲まれて飲食できるようにと設けられた場所。常緑樹と落葉樹をバランスよく配し、緑の潤いを通年感じられるように設計されています。ここは、カフェだけでなく、庭づくりの相談の場としても活用されています。 ファニチャーはタカショーオリジナルのアイテム。樹脂製のメッシュのソファは、雨が降っても水が抜けやすく乾きやすい優れもの。クッションを置いても◎。 中野店長による、おしゃれな庭づくりにおすすめの樹木ベスト4 左/シャボチカバ:常緑樹なので隠したい場所にぴったり。葉が小さく、重い印象になりません。 右/ツツジ:山採りのツツジなのでヒョロリと丈が高く野趣がありますが、モダンな雰囲気も漂わせています。 左/ストローブマツ:ゴヨウマツをやさしい雰囲気にしたようなマツ。枝垂れるさまが植栽に動きをもたらしてくれます。 右/暖地サクランボ:枝が横に平たく広がるエスパリエ仕立ての、暖地向きのサクランボ。初夏に赤い実が付きます。 エントランスのデッキのアクセントになっている2×2mほどの植栽桝には、カツラをシンボリックに植栽。株元には葉色が美しいヒューケラやコプロスマ、マートルなどを添え、冬の寂しい時期でも葉色を楽しめるようにデザインされています。 冬の庭で存在感を放つ植物たち 左/斑入りギンバイカ(マートル):こんもりと葉をつける斑入りのギンバイカ。フトモモ科ギンバイカ属の常緑低木で、とてもよい香りを放ち、春にはやさしい白花が咲きます。斑入り葉なので、庭のアクセントにぴったり。 右/ヘレボラス・スノーフィーバー:白い散り斑が入る原種の有茎種。茎ににじむ赤色が、ニュアンスを生んでいます。 左/グレヴィレア‘ピーチ&クリーム’:線の細い葉や茎の先に、やさしい色の花を次々に付けます。寒さにも強い品種です。 右/バンクシア・スピヌロサ(ヘアピンバンクシア):いかにもオージーらしいユニークな花を咲かせます。花穂は長さ20cm以上にもなり、インパクト大。 左/アカシア‘ブルーブッシュ’:ボリュームのあるシルバーリーフが植栽の間を涼やかに埋めてくれます。 右/ライスフラワー:米粒のような小花を咲かせます。つぼみから開花までの観賞期間が長く、花もちもよいのが魅力。 併設するカフェで 緑を眺めながらのんびり過ごして 「すべての方が笑顔になれるカフェ」を目指し、彩りの美しいイタリアの野菜などを使ったメニューが好評。明るい自然光が入るガラス張りの空間は、開放感がたっぷり。気分転換にぴったりの場所です。 彩り豊かな洋食ランチのあとはおしゃれなデザートを、そして夜は、美味しいディナーをお酒とともに楽しんで。おすすめのメニューを一部ご紹介しましょう。 「ぺこのハッシュソースハンバーグ」 ¥1,280 6種類のキノコを使った自慢の濃厚ハッシュソースで、富士の麓で育った氷見牛ハンバーグの甘さをお楽しみください。 「ぺこといただきますプレート」 ¥980 ぺこの旗つきチキンライスと、氷見牛ハンバーグのお子様プレート。デザートに季節のフルーツもついています。 「ぺこのチョコシフォンケーキ」 ¥800 しっとりと焼き上げたオリジナルのチョコシフォンケーキにミックスベリーとピスタチオを添えました。甘さ控えめのクリームと一緒にどうぞ。 「ぺこのスフレパンケーキ」 ¥1,000 宮城県のブランド“竹鶏たまご”を使用したオリジナルパンケーキ。一つひとつ、ふんわり丁寧に焼き上げました。 「GARDENERʼS TENNOUJI」中野店長のイチオシをご紹介! 「ギフト」を最大のテーマとして掲げているショップだけに、ラッピングに力を入れています。まず購入者が喜んでくれるようにと、どんな価格の商品でも無料でラッピングをしてくれる嬉しいサービスも活用しましょう。 大きな花束のようなラッピングの、ポインセチア‘プリンチア・ローザ’のギフト。どんな小さい鉢花でもより見映えがアップするよう、包み紙やリボンを惜しみなく使い、最高の状態でお届けしています。 ショップの思いを表現した楽しい壁。「下に描かれた動物をお客様に見立て、浮かんでいるのは幸せのギフト。‘ここに来られたお客様のもとに、たくさんの幸せが降ってきますように’という願いを込めているんですよ」と山中さん。 「うるおいのある暮らし」を届けるショップ 「お客様を笑顔に」という思いを込めて、徹底的にギフトに力を入れている「GARDENERʼS TENNOUJI」。ガーデニングのプロの視点で「うるおいのある暮らし」を提案する、多様性に富んだショップです。初心者だけでなく、玄人ガーデナーにもきっと新たな発見があるはず。「これから植物の種類や数、ワークショップなど、さまざまなもの・ことを盛り込んでいきますよ」と中野さん。‘期待度大’の、誕生したばかりのショップです。ぜひ訪れてみてください。アクセスは、地下鉄御堂筋線・谷町線、JR「天王寺」駅、近鉄「大阪阿部野橋駅」、阪堺上町線「天王寺駅前駅」、各駅から徒歩約6分。 【GARDEN DATA】 GARDENERʼS TENNOUJI てんしばイーナ店 大阪府大阪市天王寺区茶臼山5番55号 TEL:06-6796-8010 https://gardeners-japan.jp/tennoji/ 営業時間:11:00 〜20:00/カフェ 11:00-22:00 休日:無休(年始を除く) Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。 写真協力:GARDENERʼS TENNOUJI てんしばイーナ店
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花の庭巡りならここ! 体験型イベントが盛りだくさんの温室植物園「咲くやこの花館」
地球上のさまざまな気候帯に根づく多様な植物をコレクション 1990年にオープンした「咲くやこの花館」は、建築面積約4,750㎡、延床面積約6,890㎡で、じっくり展示を眺めて歩くと1時間以上かかる広さ。大阪市で開催された「国際花と緑の博覧会」のメインパビリオンとして建設された植物園です。園内には、5,500種、1万5,000株がコレクションされ、そのうち常に300〜400種が開花するように栽培されています。 館内は「熱帯雨林植物室」「熱帯花木室」「乾燥地植物室」「高山植物室」にゾーニングされ、地球上のさまざまな気候帯に生息する植物を見学することができます。ヒマラヤの青いケシ(メコノプシス)、フニーバオバブなど、数々の珍しい植物が揃う点も見どころです。バックヤードで温度調整、開花調整を行って、一年を通じてさまざまな花が見られる工夫がなされ、なんと夜に咲く月下美人を日中に開花させる技術も披露しています。 また、屋外に外部庭園も整備されているので、こちらにも足を運んでみたいもの。熱帯の水辺を模したロータスガーデン、熱帯植物の中でも耐寒性のあるものを集めたトロピカルガーデン、ジャカランダがシンボルツリーのブロッサムガーデン、地中海式気候で息づく植物を集めたメディタレニアンガーデン、英国様式の見本庭園プチイングリッシュガーデン、乾燥地気候に根差す植物を集めたデザートガーデン、山野草の栽培に好適な、岩を組み合わせて作ったロックガーデンなど、多様な庭園スタイルを見学できます。 「咲くやこの花館」では、一年を通してさまざまな企画展やイベントを行っているのも魅力の一つです。「咲くや塾」と題し、植物など生物に関する大切な話や、企画展のテーマに合わせた話をしたり、他にも寄せ植えやドライフラワー、プリザーブドフラワー制作の講習会、収穫体験会、クラフト体験会など幅広く展開しています。 館内にはレストランがあるので、ランチを楽しむのもいいですね。営業時間は11:00〜15:30(ラストオーダー15:00)、定休日は月曜です。メニューはお弁当、カレー、麺類など軽食がメインで、価格は500円〜。また、吹き抜けのフラワーホールではカフェ(不定期)もオープンしています。館内への飲食物の持ち込みも可能で、限られたエリア内で飲食できます。 また、ミュージアムショップも大人気。植物に関する雑貨や「咲くやこの花館」ならではのオリジナルグッズ、書籍、食品、植物、花苗などが多様に揃い、お土産や記念品などのショッピングも満喫できます。年間約23万人が訪れるという「咲くやこの花館」は、一度は観ておきたい、充実の植物園です。 ガラス張りを通して燦々と光が差す温室では自生地で見るような自然な姿に植栽 「熱帯花木室」では、熱帯の果樹類やヤシ類、美しい花の咲く熱帯性の花木などをメインに植栽しています。トロピカルフルーツは、スターフルーツ、バナナ、マンゴー、パパイヤ、ライチ、レンブ、ジャボチカバ、ドラゴンフルーツ、アセロラ、パイナップルなど多彩。日本では自生するのが難しいものばかりなので、どんな樹姿で、どのように実をつけるかを子どもと一緒に観察すると、食育の場にもなりそうです。 「熱帯雨林植物室」では、熱帯雨林のジャングルをイメージして植栽されています。ジャングルに自生する植物に着生して育つ多種多様なラン類も自然に近い姿で再現。また、沖縄や東南アジアに自生する植物として有名なサガリバナや、世界一横に大きな葉で有名なオオオニバス、色とりどりの熱帯スイレンなども見られます。基本的に、同じ仲間の植物を近い場所に配置しており、同属内での形や色の変化などを視覚的に分かりやすくした展示も特徴的です。 「咲くやこの花館」では、毎日フラワーツアーを開催しています。個人での参加の場合は当日受け付けOK(団体の場合は要予約)。参加費は無料で、約30分かけて館内の植物の見どころやイベントの紹介などのガイドを受けられます。館内案内所で申し込みができ、受け付け開始は10:30〜、12:30〜、14:30〜。出発時間は11:00、13:00、15:00で、先着20名まで。 季節を通してさまざまな企画展を開催体験型のワークショップにもぜひ参加を 「咲くやこの花館」では、季節に合わせてさまざまな企画展を行っており、これがリピーターが多い理由の一つです。毎年3月頃に開催されるのは、約200品種が展示される春の洋蘭展。1階フラワーホール中央のステージを中心に、「大阪愛蘭会」の会員のみなさんが手塩にかけて育てた、数々の洋蘭が見られます。この企画に合わせ、育て方の講習会や展示解説が行われるほか、約2,000株の洋蘭が販売されます。 ゴールデンウィークに合わせて開催されるのは「熱帯フルーツ展」です。約20種の熱帯フルーツや、実際に木になっている様子を展示。写真のように色とりどりのタイの傘を吊してステージショーを開催するなど、会場全体が熱帯地域の雰囲気で包まれます。 7〜9月頃に開催されるのは、食虫植物を約50品種集めて展示する「虫を食べる植物展」。特に子どもに人気の高い企画展で、毎年テーマが変わります。食虫植物が虫を食べる様子を、実演を交えつつ行うライブ解説や、食虫植物の育て方講習会、食虫植物グッズを作るワークショップなど、多彩なイベントを実施しています。 クリスマスを盛り上げる飾り付けが素敵!毎年開催する音楽コンサートも大人気 クリスマスのシーズンには、毎年テーマを変えた飾り付けが行われます。世界各地のツリーの展示のほか、色とりどりのポインセチアやクリスマスツリー、リース、イルミネーションなど、華やかなディスプレイが見どころ。フォトスポットも登場するので、訪れた記念に、ぜひSNS映えする写真を撮りましょう! 毎年、大温室では地元の中・高校吹奏楽部によるクリスマスコンサートも開催、定番のクリスマスソングや世代を超えて楽しめる音楽が披露されます。2019年のスケジュールは以下の通りです。 日程と出演:12月15日(日)大阪信愛学院中・高等学校12月21日(土)大阪国際滝井高等学校12月22日(日)大阪府立四條畷高等学校 演奏時間:15:00〜16:15 会場:1Fフラワーホール 参加費:無料(別途入館料) ※イベント内容・展示は変更となる場合があります。 年明けからもイベント目白押し冬の「咲くやこの花館」を満喫しよう! 1月5日(日)~26(日)は、「POPなきのこ展」を開催。前回の初開催では、14日間で1万3,000人を超える来場者があり、大反響でした。きのこの標本に、虫から出てくるきのこ「冬虫夏草」標本。そして、きのことコケの融合「きのこリウム」の展示は、おそらく日本初⁉︎ SNSで話題になった、きのこリウムの世界に入ったようなフォトスポットも再び登場します。きのこにまつわるさまざまなワークショップが行われ、ここでしか手に入らないきのこグッズも販売。ポルチーニアイスの試食も予定(土・日曜・祝祭日限定)。1月25日(土)には、きのこ博士の講座に、さまざまなきのこ分野で活躍する方々のトークショーを開催。最終日に予定されている、きのこお洒落が集うきのこのファッションショー「きのこコレクション2020」も大注目です。 2月1日(土)~3月1日(日)は、若い世代に大人気の「カカオとコーヒー展」を開催。実際に実がついているカカオやコーヒーノキを目の前で観察できます。 そして、「カカオとコーヒーのなるほど!ライブ解説」(1日3回無料)では、人とカカオやコーヒーの歴史、関わりを紹介。チョコレートの原料となるカカオニブスの試食も体験できます。 行列ができる人気ロースターやバリスタチャンピオンによるセミナー、グルメに関するワークショップが実施されるほか、3月1日にはミニ・ライブも開催。ワールドトラベルカフェ(期間中毎日開店)では、世界13カ国のアレンジコーヒーやカカオティーを楽しめます。 冬の「咲くやこの花館」は、「おいしい、あったか、いい香り」。 植物が生い茂る温室で、ほっこりしませんか? ※イベント内容・展示は変更となる場合があります。 Information 咲くやこの花館 所在地:大阪府大阪市鶴見区緑地公園2-163TEL:06-6912-0055 大阪の植物園-咲くやこの花館 アクセス:Osaka Metro長堀鶴見緑地線「鶴見緑地」駅より徒歩約10分 オープン期間:1月5日~12月27日 休園日:月曜(祝祭日の場合は翌平日) 営業時間:10:00~17:00(入館は16:30まで) 料金:大人500円※中学生以下、障がい者手帳等をお持ちの方(介護者1名を含む)、大阪市内在住の65歳以上の方は無料【要証明(生徒手帳、健康手帳、敬老優待乗車証等の原本)】※団体割引あり 駐車場:有(中央第2駐車場 大型車8台 普通車200台)
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素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪4 大阪「Kanekyu金久」
寄せ植え好きにはたまらないショップ「Kanekyu金久」 店頭にずらりと並ぶたくさんの花々が、広い通りで目を引くショップ「Kanekyu金久」。春には外壁を覆うつるバラ‘ポールズ・ヒマラヤン・ムスク’の美しい花が、華やかに出迎えてくれます。この店の開店時間は、園芸店には早い午前9時。オープンと同時に次々とお客様が訪れています。 お客様を飽きさせない 工夫を凝らしたショップづくり 「Kanekyu金久」は、かつて主に盆栽や山野草を扱う店でしたが、オーナーである父から経営を任された神藤直行さんが、草花や雑貨まで幅広く扱うガーデニングショップとして、今から20年ほど前にリニューアル。以前からあった売り場にショップの建物を加え、それをぐるりと囲むように回遊式の売り場を設けました。 何台もある花苗台の中央には、オススメの草花を植えた大鉢や寄せ植えをディスプレイ。その下にはポット苗がきれいに並んでいます。また、ハンギングバスケットや雑貨類を飾ったアーチやウォールで空間を区切り、小部屋が次々に現れるような構成に。決して広くはないスペースですが、パーゴラやアーチ、花台を巧みに使った立体感のある演出が、ショップ奥への見通しを阻み、新たに広がる売り場への期待感をいっそう高めています。そのめくるめく展開は、まるでアミューズメントパークのようです。 最近人気のさまざまなビカクシダやカラーリーフに囲まれたコーナーは、植物園の温室にいるような気分になります。 常に植物にとってベストな場所を選んでディスプレイ。パーゴラの桟にかけたスパニッシュモスが、奥のエリアを隠すスクリーンの役目を担っています。 苗の状態はピカいち! スタッフ全員で行う徹底した管理 売り場に所狭しと並ぶ花苗は、どれも非常に状態がよい印象。「植物は元気なものをもちろん仕入れていますが、入荷後の管理も徹底しています」とオーナーの神藤さん。蒸れやすい植物は、トレイにひとマスずつ飛ばして並べて風通しを確保するほか、少しでも状態が悪くなれば店の奥で養生するなど、常に苗の状態に目を光らせて、こまめなチェックを行っています。また、販売後にお客様のところで100点満点になるよう、生産者と出荷のタイミングを図ったり、鉢やポットに土増しや施肥をして苗のクオリティを上げる努力も。仕入れ数も徹底管理し、最良の状態の植物を提供することに力を注いでいるのです。 日本中の生産者を回って仕入れた こだわりの植物がずらりと並ぶ 注目している植物が旬を迎える少し前になると、全国どこでも生産者の所に直接足を運び、市場からはもちろんのこと、育種家や生産者からも苗を仕入れている神藤さん。ほかでは見られないような花も並びます。展示会などにも頻繁に顔を出すよう努め、信頼関係を築いていることで、生産者が特別自信を持って勧める希少な株を入手できるのです。 特に神藤さんが力を入れている植物の一つがクリスマスローズ。年内から全国を駆け回り、国内で屈指の育種家に良質な株を注文。1~2月には店中、クリスマスローズでいっぱいになります。売り場は育種家ごとに分けて株を陳列。花や葉の個性は育種家によって少しずつ異なるので、見比べながら自分の好みを見つけられます。期間中は、この店特有の「ドラフト会議」というくじ引き大会のイベントが開かれ、大いに盛り上がるのだそう。また、旬の育種家によるトークイベントなども毎年開催されています。 植物だけじゃない! 店の最大の‘売り’は寄せ植え提案 「良質で豊富な品揃え」に加えて力を入れているのは、寄せ植えづくりの提案です。‘Kanekyu金久スタイル’と称するこの店の寄せ植えのメソッドは、いろいろな種類を盛り込みすぎずにシンプルに仕上げ、ワンシーズンずっと楽しめることを大切にしたアレンジづくり。美しいデザインであることはもちろん、健やかな状態を維持できる組み合わせであることにも重点を置いています。「花だけでなくカラーリーフを積極的に使うと、きれいが長もちするだけでなく、表情がぐっと深まりますよ」と、スタッフで寄せ植え担当の植田英子さん。 多肉植物コーナーに瑞々しい彩りを添えている寄せ植え。アレンジの提案だけでなく、売り場の盛り上げ役としても。 寄せ植えにオススメのカラーリーフも充実。花よりもリーフを多めに盛り込むのが‘Kanekyu金久スタイル’。 大小さまざまなコンテナもたくさん取り揃えています。グリーンが頭上を覆う売り場の中でのショッピングもなかなかオツなもの。 Kanekyu金久スタイルの寄せ植え かわいらしい・華やか・シックなど、さまざまな雰囲気の寄せ植えが揃っています。どれもシンプルで育てやすいものばかり。ぜひ参考にしてみて。 ◆あでやかでいてナチュラルな寄せ植え 【使った花】 ペンタス、クレロデンドロム、ヒポエステス(白斑)、のミスカンサス、ワイヤープランツなど ◆カップ型の鉢でフォーマルな寄せ植え 【使った花】 左/コルディリネ‘ピンクパッション’、斑入りサザンクロス‘フィオリーナクイーン’、ペルネッティア、ヒューケラ 右/コルディリネ‘ピンクパッション、’ヘミジギア‘ピンクサファイア’、ハツユキカズラ ◆色味を抑えたシックな寄せ植え 【使った花】 ビオラ、コクリュウ、エリカ‘バレリーグリフィス’、プリムローズジャスミン ◆繊細で淡雪のような寄せ植え 【使った花】 左/エリカ‘エアリーホワイト’、コロキア、ヒサカキ‘ミスティホワイト’ 右/カルーナ、ヒサカキ‘ミスティホワイト’ ◆カラーリーフのみのしっとりとした寄せ植え 【使った花】 左/ヒューケラ、アスパラ、コクリュウ、ヘミグラフィス 右/ヒューケラ、シダ、アイビー インドアグリーンも充実 ギフトにも最適 建物の中は、インドアグリーン売り場です。毎年、沖縄に仕入れに行き、定番品種から変わった種類まで豊富なバリエーション。どれもおしゃれなコンテナに丁寧に植え込みがされているので、ギフトにも最適です。希望があれば植え替えや取り寄せも可能なので、ぜひ相談してみて。 神藤さんイチオシの植物はコレ! 砂糖菓子のように愛らしいミニシクラメン 冬に注目なのが、最近変わった種類が多く出回っているミニシクラメン。「お気に入りの鉢に、ひと株ポンと入れるだけで、シーンがぐっとおしゃれになりますよ」と神藤さん。一般的なシクラメンより丈夫で育てやすく、冬は霜や寒風の当たらない明るい場所で、夏は水を切りながら涼しい場所で管理すれば、翌年また楽しめます。 【フリルがかるシクラメン】 【コロンと咲くシクラメン】 【つぼみがユニークなシクラメン】 【ツートンカラーの品種】 【葉が変わっている品種】 【そのほかの愛らしいシクラメン】 育種家がこだわって生み出した植物を求めて日本各地を回り、自分の目で確かめながら入荷するスタイルにこだわり続ける店「Kanekyu金久」。植物の管理にも一切妥協をしないといった姿勢が生み出した、信頼と珠玉の逸品が詰まったショップです。ぜひ訪れてみてください。アクセスは、JR阪和線日根野駅から徒歩15分。 阪神高速4号湾岸線「泉佐野南」IC、または 阪和自動車道「泉佐野・上之郷IC」から約10分。 【GARDEN SHOP DATA】 Kanekyu金久 〒598-0021 大阪府泉佐野市日根野2545 TEL: 072-467-2413 URL: http://kanekyu.sblo.jp/ 営業時間:9:00~18:00 定休日:無休(正月を除く) 併せて読みたい ・素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪3 神奈川「苔丸」 ・まだまだ買い時! パンジー・ビオラでつくる バスケットの花かごとリースの寄せ植え ・ガーデンデザイナーが教える「寄せ植え上手」のコツ Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。
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大阪府
花の庭巡りならここ! 大阪「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」
大阪・泉南市にある「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」は、バラのナーセリー、デビッド・オースチン・ロージズ社が作出したバラ、「イングリッシュローズ」の品種群で構成され、世界最大級のイングリッシュローズ・コレクションを誇る庭園です。約7,500㎡の敷地に約120種、およそ3,000本のイングリッシュローズが植栽され、バラの季節には芳しい香りとともに、素晴らしい景色が広がります。開花の見頃は5月中旬〜下旬ですから、今からカレンダーにマークをつけて、お出かけの予定に入れておくことをオススメします! 大人気のバラ、イングリッシュローズとは? 「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」の母体は、イギリスのナーセリー「デビッド・オースチン・ロージズ」です。このナーセリーを起こしたデビッド・C.H・オースチンさんは、世界から高く評価されているバラの育種家。彼が「イングリッシュローズ」と名づけて作出したバラの品種群は、日本でも1990年代に大ブームとなり、一気に広まりました。イングリッシュローズの魅力は、多数の花弁からなるカップやロゼット型の麗しい花姿と芳醇な香り、そして四季咲きで年に何度も開花する上、病気にも強いことにあります。その人気は今も衰えることなく、毎年数種の新品種が発表されるたびに注目を集めている人気のナーセリーです。 そのイングリッシュローズの品種群を集めたガーデンが、「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」。花の大きさ、香り、枝の伸び方、花姿など、品種それぞれの特性を観察できる、見本園としての役割も持っています。 上写真左/左から孫のリチャード・オースチンさん、デビッド・C.H.オースチンさん、息子のデビッド・J.C.オースチンさん。現在3世代でナーセリーを運営しています。 右/オールドローズの美しさと香り、モダンローズの豊富な花色と四季咲き性を併せ持つイングリッシュローズ。ピンクの発色が美しい手前のバラは、‘プリンセス・アレキサンドラ・オブ・ケント’。 イングリッシュローズの魅力を存分に発揮させたガーデン 手前のピンクは‘プリンセス・アン’、奥の赤は‘ムンステッド・ウッド’、オベリスクに這わせたパステルピンクは‘ストロベリー・ヒル’。 「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」をデザインしたマイケル・マリオットさん。 「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」の全景。 「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」のデザインは、マイケル・マリオットさんが手がけました。大きく9つのエリアに区切り、それぞれにテーマを持たせ、整形式を取り入れたフォーマルなガーデン、水路とバラを組み合わせたエリア、宿根草と組み合わせたカジュアルなガーデン、広い芝生を植えた周りにバラを植栽したガーデンなどで構成。歩を進めるごとに、フォーマルからカジュアルまで、どんなシーンにも違和感なく映えるイングリッシュローズの多様性に驚かされることでしょう。大人がゆっくり歩いて30分ほどで回ることができますが、1時間以上たっぷり時間をとって、バラに囲まれる幸せを堪能する愛好家の姿がよく見られるそうです。 写真は、斜面につくられた水路の両脇に、イングリッシュローズが植栽されたエリア。 ‘モーティマー・サックラー’を這わせたアーチ。庭園内には、現在40以上のアーチがあります。 「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」では、イングリッシュローズと相性のいい宿根草や配色のバランスなど、参考にしたい植栽テクニックが満載。また、アーチやオベリスクへの仕立て方も注目すべきポイントです。つるをどの程度伸ばせるのか、シュートはどのくらい出てくるのか、花茎が出る位置はどこか、上を向いて咲くのか、うつむき気味に咲くのか、それぞれの品種の特性を確認できます。「花が咲いていない冬に訪れると、剪定や誘引の仕方が参考になる」と冬に訪れる愛好家も多いとか。イングリッシュローズの見本園としての役割を持っているため、配布されるガーデンマップが充実しており、気になった品種の名前がすぐに分かるように整理されているのも嬉しいところです。 上写真は、アーチやオベリスクを効果的に使った、フォーマルなガーデンの一角。 ガーデンを巡ったあとは、ショッピングを楽しもう! 「デビッド・オースチン・ロージズ」直営のガーデンだからこそ、苗のお買い物も楽しめます。つるバラ仕立てや大鉢植えも揃い、配送も可能です。「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」で見かけて一目惚れした品種を、すぐに手に入れられます。常時70〜80品種を販売しており、「あの子も、この子も連れて帰りたい!!」とテンションが上がること間違いなし! イベント期間中には、バラに詳しい専門家がレクチャーやデモンストレーションなどを行っています。 「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」では、土産物用のショップも充実。ガーデニング用品のほか、ギフトに最適な雑貨、デビッド・オースチンオリジナルのバッグ、ノート、食器などを取り扱っています。シーズンごとに品揃えが変わるので目新しさがあるうえ、今後はオリジナル商品のラインナップを増やしていく予定だそうです。 Information 「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」 所在地:大阪府泉南市幡代2001番地 花咲きファーム イングリッシュローズガーデン TEL:072-480-0031(デビッド・オースチン・ロージズ株式会社) TEL:072-483-0878(プランツセンター:ガーデン併設ショップ) https://www.davidaustinroses.co.jp/ アクセス: 阪和自動車道の泉南IC (19番)より約1.2km JR阪和線の和泉砂川駅よりタクシーで10分、南海本線樽井駅よりタクシーで15分 Open:10:00〜16:00(1~3月)、9:00〜:00 (4~6月) 平日9:00~17:00、土・日曜10:00~16:00(7~10月)、9:00~17:00 (11月)、10:00~16:00 (12月) 季節によって変動あり 入園料:無料 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/ 写真/デビッド・オースチン・ロージズ株式会社
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花の庭巡りならここ!府民に愛される遊園地・大阪「ひらかたパーク」
大阪府民に愛されている遊園地「ひらかたパーク」内には、見応えのあるバラ園が併設されています。1955年に本格的なバラ園として開設され、まだ一般的ではなかった珍しいバラを数々植栽。「東洋一の大バラ園」とうたわれ、国内のバラ園の先駆けとなりました。 2000年には「ローズガーデン」として大幅にリニューアルされ、現在は600品種4,000株のバラが見られます。観覧車やジェットコースターなど遊園地内らしい借景もあいまって、楽しいレジャー気分を満喫できます。 「ひらかたパーク」内の「ローズガーデン」は、4つのエリアから構成されています。品種改良が進み、現在最も多く栽培されているバラを集めた「モダンローズガーデン」、品種改良の進む前からヨーロッパの王侯貴族の間で親しまれていたバラを集めた「オールドローズガーデン」、イングリッシュローズと季節の草花や宿根草を混植した「イングリッシュローズガーデン」、半つる性のバラを中心に野趣あふれる風景が見られる「シュラブローズガーデン」です。 特に「モダンローズガーデン」には、話題になったバラ、日本の皇族や海外の王族の名前がつけられたバラ、さまざまな香りが間近で楽しめるバラなどのエリアがあり、訪れる人の興味を引く植栽が見られます。また、2017年には日本のバラ育種家たちが作出したバラを集めたコーナーが新設されました。近年は、日本人ならではの感性で作出されたバラの人気が高まっており、品種のトレンドがうかがえる植栽の工夫も見どころです。 写真は、バラのトンネルをくぐった先の、愛のキューピッドが立つ「愛の神殿」。「ローズガーデン」内にはフォトジェニックなスポットがいくつも用意されています。 「ローズガーデン」の見頃は5月中旬〜6月上旬と10月中旬〜11月下旬です。特に4月末〜6月上旬には、毎年「ローズフェスティバル」が開催され、バラにまつわるイベントを多数行っています。2017年には、バラが最も美しい早朝に観賞できる「ローズガーデン早朝散策デー」を初開催し、100名限定で開場。多数のバラ愛好家が訪れ、ゆっくりと香りや花姿を楽しんでいました。訪れた人からは「バラの樹高が抑えられているので、きれいな花がよく見える」との声が聞かれました。(2018年以降の早朝散策デーは開催未定のため、お問い合わせを) 遊園地ならではの演出も魅力の一つ。写真左の「ノームトレイン」は、車掌が周辺のアトラクションやローズガーデンについて説明しながら回る汽車(列車)で、1周を約5分で巡ります。写真右の「ファンタジークルーズ」は可愛いボートで水路をゆっくりと回遊。いずれも15歳以上の保護者と同伴の場合、0歳から乗車できます。また、イルミネーションイベント時は、走路や水路などがイルミネーションで輝きます。 写真左のように、メリーゴーラウンドを背景に、遊園地ならではのメルヘンチックな写真が撮れるのも魅力。ローズガーデンでは、アーチやオベリスクを配した立体的な演出が、そこかしこに見られます。オベリスクに仕立てているのは‘羽衣’で、手前のピンクのバラは‘ディオルサン’。右の写真の可憐なバラは‘コンテス ドゥ セギュール’。四季咲きなので年中よく咲いています。 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/