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【冬のおしゃれな庭づくり】地植え+鉢植え+花壇+ハンギングで実現! 立体感で魅了する美しい庭
コンテナ、花壇、ハンギング、リースの4重奏の立体ガーデン ここは公道に面したエリアで、道ゆく人の目を楽しませる武島邸のフロントガーデンです。春にはつるバラがフェンスや壁に咲き誇り華やかそのものですが、冬もバラが咲かなくとも彩り豊かで見応えたっぷり。奥行き2mほどの場所ながら、手前から「コンテナ」、「花壇」、「ハンギング」、扉にかけた「リース」というように、さまざまなガーデニング手法を組み合わせ、視線の先を下から上まで花と緑で彩り、冬も華やかなフロントガーデンを実現しています。 冬の庭の素材はパンジー&ビオラなど草丈の低いものが多いため、地植えだけでは視線が下に集中し、庭が平面的な印象になりがち。これらの素材で華やかさを演出するには、いかに「立体感」を出すかがポイントです。武島さんの「コンテナ」、「花壇」、「ハンギング」、「リース」で構成された4重奏の立体ガーデンを詳しく見ていきましょう。 ① 一番手前は石積みの花壇の手前に置いたコンテナ。透明感のある水色のビオラ‘ビビ ヘブンリーブルー’とミニサイズのハボタンを寄せ植えにした奥行き15cmほどの横長のコンテナがズラッと並びます。シンプルな寄せ植えを繰り返し並べることで、花壇の縁がトリムのように彩られ、おしゃれ度アップ。 ② 高さ50cm、奥行き30cmほどの石積みの花壇にはパンジーとシルバーリーフのダスティーミラー、ストックを植栽。ストックは冬の花材の中では草丈が30〜40cmと高く、立体感が出る貴重な植物。甘い香りがするのも魅力です。柔らかなペールトーンでまとめながらも、パンジーに濃い色をプラスしてアクセントに。 ③ ハンギングバスケットの一つは、コンテナの寄せ植えと揃えたビオラ‘ビビ ヘブンリーブルー’の単植。花壇にハンギングスティックを差して飾っています。草丈の低いビオラの花が、目線の高さで堪能できるのがハンギングバスケットの魅力。 もう一つのハンギングバスケットは、アイボリーのガーデンシクラメンやサーモンピンクのパンジー、イエローやシルバーのカラーリーフを用い、ペールトーンでまとめた一鉢。こちらはフェンスにS字フックで引っ掛けています。 ④ 一番目線が高くなる、扉にかけたリースは、ハボタンとワイヤープランツの寄せ植え。リース形の寄せ植えをこのように扉などにかけて垂直に飾る場合は、高低差があまり出ない素材を選んで、ギュッと詰めて植えるのがポイント。隙間があると土がこぼれ落ちてしまいます。 玄関扉の横にはスクエアのコンテナの寄せ植えを。ブルーのパンジー‘シエルブリエ’を囲むようにシルバーや斑入りのリーフをたっぷり使い、冬のイメージを表現した上品な一鉢。コンテナも鉢の高さやプランタースタンドを用いることで、目線を上にコントロールすることができます。 レンガを積んだプランタースタンドにピンクの豪華な寄せ植えを。庭の中のアーチの両側に対になるように設置している。 ガーデンチェアで作る冬の庭のハイライト 庭の中には数カ所にガーデンチェアが置かれており、その背もたれもハンギングバスケットやリースを飾る場所として活用しています。椅子の手前に寄せ植えを、背後にハンギングスティックを使ってハンギングバスケットを配置。ピンク系のパンジー&ビオラでコーディネートし、ここでも下から上まで目線の先を花が彩るように演出しています。 フリル咲きのパンジー、ハボタン、アイビーの3種を使ったリース。 白と黒のコントラストが美しいハンギングバスケットを飾ったチェア。手前に対のハボタンとドドナエアの寄せ植えを置いて。 ハンギングバスケットは地面のない場所でも飾れるのがメリットですが、引っ掛ける場所を必要とします。ガーデンチェアはテラスなどでも手軽にハンギングバスケットが飾れるツールとして活用でき、庭風景にもナチュラルになじむのでおすすめです。 コンテナ+ハンギングの花材を揃えて印象的に バラのアーチの正面は、視線が集まりやすいフォーカルポイントです。武島さんはガーデンシェッドの壁を利用しハンギングバスケットとコンテナをコーディネートし、華やかなシーンを作り出しています。メインの素材となるスキミアとパンジー、ハボタンは両者共通させ、脇役となるリーフ類はスキミアのつぼみの色に合わせつつ、それぞれの鉢の形に合う銅葉を選んでいます。壁を背にして半球状のハンギングバスケットを作る場合は、中央部を高く、コンテナは後方から前方へ草丈を低く作るのがきれいに見えるセオリーです。 コンテナの後方を彩るのはロフォミルタス‘マジックドラゴン’とドドナエア。ハンギングバスケットではヘーベとドドナエアを。 花瓶に飾ったパンジーにも、ハンギングバスケットとコンテナの間をつなぐ効果が。 連続ハンギングバスケット+地植えで作る花咲く小径 細い棒状のハンギングスティックを使い、ハンギングバスケットを連続させた庭の小径。ハンギングスティックは土に差すだけでどこでも手軽にハンギングバスケットが飾れる新しいツールで、細くて目立たず風景の邪魔にならないのも魅力です。ピンクのグラデーションがかわいい大輪のパンジー‘ピーチシェード’を植え、ハンギングも足元の花も揃えて小径を華やかに演出しました。 大輪で華やかなパンジー‘ピーチシェード’。 空中に浮かぶようなハンギングバスケットは、冬枯れの庭で存在感抜群。凝った花の組み合わせにしなくても、花付きのよい種類を選べば1種類でもかわいく仕上がるので、ハンギングバスケット初心者にもおすすめです。 室内から庭を眺める時間も長くなる冬だからこそ、武島さんのようにさまざまな手法を組み合わせて庭を立体的に演出し、冬も美しい庭景色を楽しみたいですね。新しいツールも活用し、まだまだ店頭にたくさん並ぶパンジー&ビオラで新しい冬の庭づくりにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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【画期的!】庭中に浮かぶパンジー&ビオラ?!新ガーデンツールで変わる冬の庭景色
冬はハンギングバスケット作りにベストな季節 濃いパープルに覆輪が入るパンジー‘横浜セレクション フレアブルー’やハボタン、ネメシアなどを組み合わせたシックなハンギングを玄関前に。 「パンジー&ビオラは毎年、目が釘付けになるような魅惑的な花色が登場するので、創作意欲がかきたてられます」と話すのは、武島由美子さん。ハンギングバスケット協会の理事を務め、これまでたくさんの生徒を育成してきたハンギングバスケットの達人です。 クリスマスを演出した庭へ続くレンガの小径。ガーデンシェッドの壁にもハンギングバスケットを。 ハンギングバスケットとは、植物を立体的に楽しむガーデニング手法の1つで、球体や半円状の容器に植物を植え込み、チェーンやフックを使って吊して飾ります。地面を使わず、玄関先やベランダなど狭い空間も華やかに彩ることができるのが魅力。彩りが寂しくなりがちな冬でも、武島さんの庭ではそこここでパンジー&ビオラのハンギングバスケットが華やかです。 パンジー‘シエルブリエ’を使ったハンギングバスケット。雪をイメージさせるシルバーリーフやイベリスとともに。 「冬の花の代表、パンジー&ビオラはユニークで素敵な色合いが豊富ですが、草丈が低いので、庭植えにするとせっかくのかわいい花が目立たなくなってしまいます。でも、ハンギングバスケットなら目線の高さで花の美しさを強調することができるんです」(武島さん) スキミアやパンジー、ハボタンなどを組み合わせたコンテナとハンギングバスケットをコーディネート。 ハンギングバスケットは鉢植えと異なり、目線やそれ以上の高さに飾れるため、まるで絵画を眺めるように花を堪能できるのが魅力。ハンギングバスケットに加えて、寄せ植えのコンテナを組み合わせれば、さらに華やかな演出も楽しめます。ただし、ハンギングバスケットは引っ掛けるための頑丈な場所が必要になるため、これまでは飾れる場所が限られていました。 庭のどこにでもハンギングバスケットが飾れる「ハンギングスティック」 パンジー&ビオラのハンギングバスケットが連続し、バラのスタンダード仕立てのようなフォーマルな雰囲気も新鮮。 「でも、今年からはハンギングスティックという新たなツールの登場で、庭のどこでもハンギングが楽しめるようになりました。ハンギングスティックは支柱のような直径1.5cmほどの細い棒状で、目立たないのでハンギングの花がすごく映えるんです。シンプルな作りなのに、丈夫で重さのあるバスケットもしっかり支えてくれ、とても気に入っています」(武島さん) ハンギングスティックは二股になった下部30cmを土に差し、上部の丸い穴にフックでハンギングバスケットを吊り下げて飾ります。庭はもちろん、深さが30cm以上あるコンテナにも使用可能で、どこでも簡単にハンギングバスケットが楽しめる画期的なツールとして、2024JHBS(日本ハンギングバスケット協会)新器材・装飾アイデアコンテスト金賞を受賞しました。 高さ違いのハンギングスティックでリズミカルに小径を彩って。 まるで花が浮かぶように空中を彩るハンギングバスケット。さまざまな植物を組み合わせるハンギングバスケットは作るのにコツが必要ですが、パンジー&ビオラ1種だけに絞ってもこんなに華やか。ハンギングスティックを使えば複数のハンギング鉢を連続して飾ることもでき、これまでにはなかった見応えのある冬の庭景色が作れます。 「庭のような広い空間に連続して飾るときは、パンジーやビオラ1種類だけのほうが印象的かもしれません。昔からある品種ですが、透明感のあるブルーのビオラ‘ビビ ヘブンリーブルー’は、冬中花上がりが素晴らしくおすすめ。大輪の‘ピーチシェード’も庭のなかでよく目立ちます。どちらも手に入りやすい品種なのもいいですね」(武島さん)。 左/パンジー‘ピーチシェード’。右/ビオラ ‘ビビ ヘブンリーブルー’。 奥行き30cm程度の花壇でもハンギングスティックが活躍。 ハンギングバスケットは、空間を彩り豊かに演出し、季節感や創造性を楽しむガーデニングテクニックです。設置する場所や植物の選び方で個性を発揮でき、手入れをしながら植物の成長を見守る喜びも得られます。ハンギングスティックのような便利なツールも活用し、新しい冬のガーデンづくりを楽しんでみてはいかがでしょうか?
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【秘密の花園】森を背に彩られるバラと宿根草とアジサイの庭
奥行き30cmにも満たないつるバラと草花の花壇 愛知県日進市の住宅街、遠くから見てもすぐにその家だということが分かるほど、通りに面して花々が美しく競演する武島邸。奥行き30cmもない石積みの花壇に、 ‘レイニー・ブルー’や‘コンテスト・ドゥ・セギュール’、‘たまかずら’など数種類のつるバラが植栽され、そのやさしい色合いのバラの間に、窓辺のアジサイが心地よいリズムで鮮やかな彩りを添えます。 (左)房咲きの花をたわわにつけるつるバラ‘たまかずら’や‘コンテスト・ドゥ・セギュール’。(右)ブルーのロベリア‘カリブウォーター’や優しいイエローのペチュニア‘ステファニー’、ガザニア‘ビーストシルバーフォックス’が筒バラの花色を引き立てつつ株元をふんわり覆う。 バラの株元と花壇の手前に置かれたコンテナには、ブルーとイエローの小花がふんわりと咲いています。花々があふれんばかりの華やかさながら、色を絞った色彩計画のもとにデザインされた壁際の花壇は、一幅の絵画を見るような美しさです。しかし、この表の庭は武島さんの庭のほんの一部に過ぎません。 淡い紫色のつるバラ‘レイニー・ブルー’にブルーとイエローの小花がよく似合う。 森を背に華やかに彩られるメルヘンチックなバラと宿根草の庭 知る人ぞ知る秘密の花園は、玄関脇の小道を進んだその奥、森の緑を背にして広がっています。広さ約200㎡の庭は、森に向かって少し高くなるように傾斜がつけられており、緩やかにカーブするレンガの小道は、その先の景色を見え隠れさせながら歩みを誘います。頭上から甘い香りが降り注ぐバラのアーチ、背丈を超えて林立する何百本ものジギタリスとデルフィニウム、白花がレースのように咲き集うホワイトガーデン。小道の先に開ける景色には常に新鮮な驚きがあり、ひと巡りする頃には感嘆のため息を使い果たしてしまいそうです。 竹の抜根から始まった苦労の庭づくり バラとジギタリスの群落が競演。 「ここは、もともと竹林だったんですよ」と話すのは、庭主の武島由美子さん。ガーデン設計施工の「アンズガーデン」のデザイナーとして活躍しながら、ハンギングバスケット協会の理事も務め、講師として全国を飛び回るかたわら庭の手入れをしています。 花々の優雅な競演を前に、にわかに想像し難い竹林の風景ですが、実際に今でも花の間から竹がひょっこり生えてくると言います。 「竹って地下茎でつながっていて、地中に縦横無尽に根が張り巡らされているんですよ。それを取り除かないと花が植えられないので、最初は竹との格闘の日々。それはもう庭づくりっていうか、『開拓』でしたね(笑)」 庭主で「アンズガーデン」の代表を務める武島由美子さん。ハンギングバスケット協会の講師として九州から北海道まで全国を回る忙しい日々を送りながら、庭の手入れを行っている。 草花の素朴なガーデンに新たに加わった初夏の女王、バラ そんな苦労をしてでも武島さんを庭づくりへと駆り立てたものは、花が好きというシンプルな思いです。文字どおり竹林を拓いて得た土地を耕し、道をつくってガーデンの骨格を整え、花を植え、庭づくりを続けてきました。 「最初の頃は、素朴な宿根草とか一年草だけの庭だったんですが、いつからかそういう素朴な草花にも似合うオールドローズとかイングリッシュローズが登場して一気に魅了され、バラも育て始めたんです」。しかし、なかなか上手に咲かすことができずに、往復500kmの距離もいとわずコマツガーデンの講座に通い、バラ栽培を勉強したといいます。 (左)茎が細く華奢な雰囲気で咲く‘フランソワ・ジュランヴィル’。ガーデンには草花との相性がよい小輪〜中輪のバラが選ばれている。(右)宿根リナリアやジギタリスと咲く淡いピンクのバラ。 「バラと宿根草では土壌づくりが違うんですよね。土壌を豊かにしようと思って堆肥を庭にまいたら、バラの枝がグングン伸びて葉っぱばかり茂ってしまったことがあって。堆肥はチッ素分が多いことが原因なんですが、バラにはバラに適した肥料があるということを学びました」 ガーデンシェッドやベンチなど、ガーデンファニチャーと植物がコーディネートされたフォトジェニックなコーナーが庭のそこここに。雑草対策として、見えないように草花の間には段ボールが敷かれている。 そうした失敗も経験しながら、草花中心だった庭にはだんだんバラが増え、手入れの仕方もバラ中心に変わっていきました。年が明けると、1月末までにバラの剪定と誘引を1週間かけて行い、バラの芽出しの頃とその2週間後には病害虫予防として2回ほど薬を散布。5月になると400本以上のバラが次々に咲き出し、開花を待って2週間に渡り開催されるオープンガーデンには、全国からたくさんのファンが来訪します。それが終わるとバラにお礼肥えをたっぷりやり、宿根草は切り戻してさっぱりさせます。 「この庭は草花が多いので、バラの株元がすっかり覆われてしまわないように、雑草の除去はもちろん、宿根草も結構短く切り戻しておきます。そうでないと、カミキリムシの被害サインのオガクズに気づきにくくなってしまいますからね」 バラと交代でシェードガーデンを彩るアジサイたち (左)日陰になりやすい部分には、ライムイエローのヒューケラやタイツリソウ‘ゴールドハート’などのカラーリーフを下草にして、空間を明るく演出。(右)ピンクの絞り咲きアジサイ‘衣純千織(イズミチオリ)’をヒューケラやペチュニアと寄せ植えにして花台へ。 バラと交代に庭を彩るのは、アジサイ。森に隣接したシェードエリアには、アジサイやギボウシ、ヒューケラ、アスチルベなど半日陰を好む植物がふんだんに植栽され、暗くなりがちなエリアが華やさを増してきます。ハンギングバスケット協会の理事も務める武島さんの庭では、地植えだけでなく鉢植えやハンギングバスケットでもアジサイが活躍。鬱々とした梅雨の時期に、鮮やかな花色で庭を彩ります。 (左)斑入りのギボウシやツワブキとともに日陰を彩るアジサイ‘ラグランジア’。(右)鉢植えにした銅葉のアジサイ‘ブラックダイヤモンド’がシェードエリアのフォーカルポイントに。 アジサイのハンギングをガーデンチェアの背に飾ったコーナー。 「7、8年ほど前からアジサイのハンギングを作っていますが、当初は植生の違いから、アジサイのハンギングは認められませんでしたが今ではコンテストにも並んでいます。アジサイはよく目立ちますし、ハンギングは目線より上に花を持ってくることができるので、庭づくりでも重宝しますよ」 秋の庭の楽しみと、もう1つの楽しみ 庭のバラは四季咲きが多く、秋にもまた見頃を迎えます。 「秋はバラの花数は少なくなりますが、フジバカマなどの宿根草がたくさん咲いて、春とはまた違った雰囲気になります。いつからかフジバカマに、渡りをする蝶として知られるアサギマダラが毎年くるようになって、その美しい蝶と再会するのも庭の楽しみの1つなんです」 そしてもう1つ、最近になってうれしい出来事があったと武島さん。 「昔、私が庭に置いた植木鉢が原因で、主人が大怪我をしてしまったことがあって、以来、花なんか見たくないというくらい花嫌いになっちゃったんです。だから、これまで庭に見向きもしなかったのに、ある日『うちのバラはきれいだなぁ』ってポツリと。それを聞いて本当にびっくり! 私的にはまだ会心の出来でバラを咲かせられたことはないのだけど、その一言に心の中でガッツポーズ(笑)」 今ではご主人のサポートもあり、庭にはご主人お気に入りのシーンもたくさんあります。それをiPad(アイパッド)で撮るのが会社へ行く前の日課になっているとか。そのiPadの中に、庭のアルバムのページが増えていくのが、武島さんの庭づくりの大きな楽しみに加わりました。
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宿根草が風に優しくそよぐ愛知・牧さんの庭
庭を会場にした写真講座を開催 僕がはじめて牧さんにお会いしたのは2012年12月、名古屋在住の友人の紹介で牧さんのお宅で写真講座をさせていただいた時になります。 その当時は、写真講座をよくやっていましたが、ほとんどの開催が東京中心。たまに大阪で開催したこともありましたが、名古屋周辺での写真講座は初めてでした。 名古屋周辺はコッツウォルドストーンやテラコッタなどガーデン資材を輸入してお庭をつくっている職人さんもたくさんいらっしゃるし、岐阜の「花フェスタ記念公園」も近隣にあるので、ガーデニング熱の高い地域だということは聞いていました。 写真講座の当日もガーデニング関係の仕事をされている方や、フェイスブックのお友達など多くの方が来てくださり、賑やかな写真講座となりました。開催日は12月でしたから、翌年のオープンガーデンに改めてお邪魔することを牧さんに約束し、その日は帰りました。 庭の最盛期に初訪問 翌年のオープンガーデンに伺って、バラ咲く牧さんの素晴らしい庭を拝見して以降、この地域周辺に来た際には必ずお邪魔させていただくようになりました。 そして、2016年の5月末、花フェスタ記念公園でいつものようにバラの撮影をしていて、日も暮れてきたから、そろそろホテルに帰ろうかと思っていた時のこと。偶然、産経メディックス『New Roses』編集長の玉置一裕さんと「花ごころ」の村田高広さんにお会いして、夕食に誘っていただきました。 可見市のイタリアンレストランでの食事中の話題は、もちろんバラです。最新のバラの話に盛り上がっているなかで、玉置さんに「今度『New Roses』でお庭の実例紹介のページはいかがですか?」と聞いてみたところ、それは面白いと気に入っていただき、翌年の春に撮影をして秋号で掲載という約束をいただきました。 撮影したいのは、ニューローズの咲く庭 『New Roses』での仕事は、これが初めてになりますから、気合を入れて取材に伺うお庭を考えてみるものの……。僕の得意なバラはオールドローズですから、オールドローズが咲く美しい庭ならすぐに頭に浮かぶのですが、玉置さんからの条件はただ一つ「ニューローズの咲くお庭でお願いします」だったのです。 『New Roses』を開きながら「これらのバラが咲いているお庭は?」と考えてみてもすぐには思いつきません。自分で考えても分からないなら誰かに聞くしかありません。ニューローズというと「バラの家」の木村卓功さんの「ロサオリエンティス」、「河本バラ園」、花ごころのフレンチローズの「デルバール」が咲くような庭を探せばいいかなと思い至って、早速フェイスブックで繋がっている友達に連絡をとってみることにしました。 予想通り「ロサオリエンティス」が咲く庭は千葉にあり、河本純子さんのバラが咲いているというのは以前Garden Storyにも登場していただいた内田美佐江さんの庭、そして「デルバール」のバラが咲くであろう庭は、名古屋で2軒がすぐ浮上し、そのうちの1軒が牧さんのお庭でした。 バラの最盛期に合わせて訪問 名古屋周辺のバラの撮影は、例年ですと5月20日前後です。この年も、2週間前から牧さんにバラの開花状況を確認しながら、2017年5月24日の午後3時にお庭に到着。天候は晴れ。以前は納屋だったという外壁が黒く塗られた可愛い小屋を一面に覆い咲く「小松バラ園」作出の‘芽衣’と「デルバール」の‘ビアンヴニュ’、そして、大小のピンクのバラが目に飛び込んできました。 小屋の手前にはグラスが風になびき、宿根草がさまざまに咲いていますから、僕はただこの絵になる小屋の真正面に立って、夕方の優しい光になるのを待てばよいだけでした。5時過ぎ、斜めからの優しい光が差し込んできてピンクのバラが輝き出したので、三脚にカメラをセットして撮影を開始。ゆっくり光の変化を確認しながら30分後には撮影を終了しました。その後、敷地の奥にある、以前は家族の畑だったというエリアをナチュラルな宿根草の庭に変える計画話をうかがって、その庭が完成したらまた撮影させてくださいねと約束して帰りました。 新エリアのナチュラルガーデンの成長 2019年5月17日には、約束の出来立てのナチュラルガーデンを撮影してGARDEN STORYにいち早く載せようと思ったものの、牧さんのお庭が何と同年に開催されたGARDEN STORYのバラのフォトコンテストで編集長賞を受賞したことから掲載時期の調整に続けてコロナ渦が重なったため、今年2021年の5月8日に改めて撮影に伺うことができました。 2019年の庭はまだ初々しい宿根草の庭でしたが、今年は、よりナチュラルな植栽に変わって、おしゃれ度も増した素敵なお庭になっていました。撮影時期が延期されましたが、改めて撮影に行くことができよかったと、つくづく思いました。 牧さんの庭のご紹介動画もぜひご覧ください。
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素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪19 愛知「garage NAGOYA」
名古屋駅・南エリアの複合施設『グローバルゲート』内にあるガーデンショップ リニア中央新幹線開通に向けて開発が進む、名古屋駅・南エリアのささしまライブ地区。その中心部に2017年秋開業した複合施設『グローバルゲート』内に、「garage NAGOYA」が同時オープンしました。 人気店の第2号店として 新たな展開でオープン ガーデニングとインテリアを融合させた暮らしを提案し、感度の高い人たちの人気を博している愛知県・豊橋にある園芸店「garage」。「garage NAGOYA」は豊橋で得たノウハウを生かしつつ、さらに都会の人々のライフスタイルに進化させたショップです。 売り場は上下2フロアを使い、2つの異なるテーマで構成。「アーバンなhome」をテーマとした下の階では、植物のある暮らし周りに合わせたい雑貨や家具が揃い、「ラフなyard」がテーマの上階では、植物を求める人のためのインドアグリーンやガーデンツールなどが並んでいます。 つややかな空間で 植物の魅力をたっぷり感じて 植物好きな方は、まずはエスカレーターで「ラフなyard」のフロアに上がって。ここには、マンション暮らしにおすすめのコンパクトなものから、オフィスなどにも向く大型のものまで、多様な空間に対応する多彩な植物や鉢が揃い、さまざまな人々が癒やしを求めて訪れています。 ジャングルのように緑にあふれた店内は、「計算され尽くした、ラフ」な、さりげないディスプレイが施されています。これは、ガーデニングショウで人気のオーナーである二村昌彦さんと、彼のセンスに憧れて集まったインテリア&グリーンが好きなスタッフによるもの。そこかしこに「心地よいラフさ」を演出するための技が盛り込まれています。 実家が種苗会社だったことで、幼い頃から植物に親しんできたという二村さん。大学卒業後はホームセンターに勤め、店長やバイヤーとしてさまざまなことを学びました。けれど、そこでは「植物は育てるもの」という感覚がなく、モノとして扱われていることに違和感が募り、9年後に退社。以前からインリアなどにも興味があったことから、見聞を広めるために渡欧し、しばらくはオランダを拠点として精力的にあらゆるものを吸収していきました。 ホームセンターに勤務中から考えていた「植物を育てること」と「植物のある空間づくり」の併存を、すでに実践していたオランダの人々の生活。普段から花を飾り、古い家具や農具を大切に使いながら、シーンづくりにも生かしている……そんな、おしゃれでありながらつつましい暮らしがとても新鮮に感じられ、そんな刺激を受けているうちに、自身のやりたかったことが明確になり、帰国して提案型の店をオープンさせたのです。 センスアップの参考にしたい ディスプレイの連続 モダンでクールなアイテムと古びたアイテムを絶妙なバランスで組み合わせるコーディネートは、子どもの頃からインテリアに興味があったという二村さんならではのもの。店内には眺めているだけで楽しい丁寧なシーンづくりが、随所に施されています。 ジャングルのような緑滴る空間には、緑を引き立てながら味わいを添えている、渋いアイテムがたくさん。さりげないあしらいが参考になります。 おすすめのガーデンツールが並ぶコーナー。二村さんやスタッフの「良い!」というお墨付きのものばかり。 外から来たお客様がワクワクするように、ガラスにも遊び心を加えておしゃれに演出。どんな小さな場所も手を抜かず、見せ場をたくさん作っています。 植物と合わせたい暮らしまわりの アイテムが充実するフロア 下の階はナチュラルな雰囲気とインテリアの「home」がテーマ。上の階とはがらりと趣が変わり、ぬくもりあふれる空間です。ここでのメインは「植物」ではなく、「植物と合わせたい暮らしのアイテム」。植物を日常の暮らしに取り入れたい園芸初心者のためのきっかけづくりの場としての役割も担っています。 季節の切り花も扱っており、この日はたくさんのユーカリが入荷。すっとした香りがあたりに漂っていました。ドライフフラーとしても楽しめる花がメインで、「気軽に一輪からでも買うことができ、切り花で楽しんだ後はドライにして、より長く飾って楽しむことができます。さまざまな形で植物と親しんでもらいたいですね」と生花スタッフの渡邉亜希子さん。花束、リース、スワッグなどの注文も受けています。 「garage」と古くから縁のある遠州織物‘HUIS’の衣類も販売。デザインはもちろん、軽くて動きやすいのが特徴で、スタッフたちも愛用しているとか。 豊橋店から始まり、さらに広げたものが「ギャラリー」です。「garage」と感性の合う作家さんを招いて、植物とアートの空間を発信しています。 屋外スペースでは 苗ものも販売 庭づくり・店舗ディスプレイなどのデザイン・施工も受けている「garage」。ショップおすすめの個性的な植物を、外のデッキエリアで販売しています。ここ数年人気のオージープランツや、それに合わせやすい低木や草花がメイン。屋上庭園のような心地よい空間を作りながら、植物を販売しています。 「クラフトラボ」で受けられるDIYレッスン 「garage」ではDIYの技と楽しみ方を伝えようと、月に3回、木製のアイテムを作るワークショップを開催しています。「カフェのような心地よい空間・クラフトラボで、楽しいレッスンを受けられる」と評判を呼び、大人気。参加は予約制なので、スケジュールをホームページでチェックして。 garageのイチオシアイテム コンパクトで機能性・実用性に優れたワンランク上のホースリール。スタイリッシュなフォルムとカラーも魅力で、出しっぱなしでも絵になるアイテムです。 【コンパクトガーデンリール(garage特別カラーBlack)】 ・ホース10m(写真左):¥9,000+tax ・ホース30m(写真右):¥15,000+tax 植物と暮らしの関わり方を模索し、抜群のセンスと丁寧さが支持されている「garage」。庭づくりや店舗づくり、ウェディングディスプレイなども手掛け、さまざまな人との関わりで得られる新たな感覚を取り込みながら、店舗を進化させています。暮らし丸ごとセンスアップさせたい人が集まるショップ、「garage NAGOYA」。ぜひ訪れてみてください。アクセスは、名古屋駅から徒歩で約15分。名古屋臨海高速鉄道・あおなみ線「ささしまライブ駅」下車・徒歩約3分。 【GARDEN DATA】 garage NAGOYA 名古屋市中村区平池4-60-12 グローバルゲート3F/4F TEL:052-485-7241 11:00~20:00 第三木曜日(3,4,5月は定休日なし) http://www.garage-garden.com/docs/nagoya.html *愛知県以外の初の店舗「garage YOKOHAMA」は、緊急事態宣言を受け、現在オープン時期を見送っております。正式なオープン日は、ホームページでご確認ください。 garage YOKOHAMA 神奈川県横浜市金沢区白帆5-2 三井アウトレットパーク横浜ベイサイドCブロック2F TEL:045-370-8793 10:00~20:00 年中無休 Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。
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花の庭巡りならここ! フルーツの魅力を発信する「東谷山フルーツパーク」
熱帯果樹のコレクションも充実!フルーツを学んで味わうテーマパーク 1980年4月26日にオープンした「東谷山フルーツパーク」。市民が集うレジャースポットで、釣り池も含めると敷地は12万4,600㎡にも及びます。今回は果樹園や温室などにスポットを当ててご紹介しますが、これらを見学するには、ゆっくり歩いて1〜2時間くらいかかる規模です。 名古屋で一番高い東谷山を望む「東谷山フルーツパーク」は、借景の素晴らしい自然豊かな環境で、都市にありながら自然とふれあえる場として整備された公園です。季節の草花や花木を楽しめますが、特に果樹栽培に軸足を置き、農業公園として特色のある展示を行っています。 園内には17種の果樹園があり、それぞれ花が咲き、実を付けている姿を観賞できます。果樹の開花は2月にウメ、3月中旬にアンズ、モモ、スモモ、3月末にナシ、4月中旬にリンゴ、5月にブルーベリーやミカン、レモンと続き、見事な開花リレーも見どころの一つです。また、古墳をモチーフにして作られた大小2つの温室もあり、多様な熱帯植物をコレクション。写真のパラミツやマンゴーなど、熱帯果樹の展示も充実しています。 年間を通じて果樹の育て方の講習会も開催されており、剪定のコツや収穫量を増やすための工夫などを学べます。参加費は無料〜200円で約2時間、座学と果樹園での実技が行われます。また、収穫シーズンには、ブルーベリーやモモなどを使った、ジャム作り体験を開催することもあります。 園内には、旬のフルーツや土産物のショッピングができる「フルーツパークマルシェ」や、食事を楽しめる「フルーツパークテラス」などもあります。こちらを目当てに訪れる人々も多く、年間40〜50万人の来場者で賑わう、大人気の農業公園です。2020年は40周年を迎えるアニバーサリーイヤーで、4月26日(日)には記念イベントも予定されているので、ぜひ足を運んではいかがでしょうか。 春からの果樹の開花リレーも見どころ!実りのシーズンには収穫体験を実施 園内に2棟建つドーム型温室内の広さは1,300㎡で、天井の一番高い所は15mにも達します。ゆっくり見学すると1時間ほどかかる規模で、熱帯・亜熱帯の植物35科108種、約300株の植物が元気に育っています。土・日・祝日には、ガイドボランティアに温室内を案内してもらえます。予約は不要で、詳しい解説を聞きながらの見学は、より知識が深まり、さまざまな発見があって楽しいものです。 温室内では、マンゴー、パラミツ、ドラゴンフルーツ、パイナップル、パパイヤなどの熱帯果樹も植栽されています。日本で露地栽培できないフルーツは、どんな花を咲かせるのか、どんな風に果実をつけるのか、子どもと一緒に訪れれば、食育の場になりそうですね。写真のバナナは7種30本が植栽されています。 屋外の果樹園では、2,300㎡の敷地に、リンゴ、ウメ、モモ、ナシ、ブドウ、カリン、ミカン、レモン、キウイ、ブルーベリー、スモモ、アンズ、カキ、ビワ、イチジク、クリ、ポポー、全17種の果樹が栽培されています。春、ウメから始まって、次々と花を咲かせる様子は、とても見事です。普段は果樹園内には入れませんが、ウメ、ブルーベリー、ナシ、リンゴ、ミカン、カキが実るシーズンには、量り売りによる収穫体験を実施。ご家族やお友達と収穫を楽しんでみてはいかがですか。 「東谷山フルーツパーク」は、シダレザクラの名所でもあります。ソメイヨシノの1週間後くらいが見頃で、4月初旬には「しだれざくらまつり」が開催されます。この時期はお花見を目的に訪れる人々が多く、さまざまなフードスタンドが出店するほか、フルーツの即売会なども行われます。 7月中旬〜8月の夏休み期間に実施される、ブルーベリーの収穫体験は、特に人気のイベントです。参加者は、好みのカップ、サイズ大(500g)・中(300g)・小(100g)を選んで、いっぱいになるまで好きなだけ収穫してOK(参加費は気候や着果状況などによって変わります。参考価格として、2019年は小カップで300〜400円)。予約は不要で、開催日程等については、公式HPやTwitterでご確認ください。触るとポロリと取れるまで完熟したブルーベリーは、格別の味わいです! 旬のフルーツが揃う「フルーツパークマルシェ」と季節のパフェが美味しい「フルーツパークテラス」 「東谷山フルーツパーク」では、2019年2月に売店とレストハウスがリニューアルされました。写真は「フルーツパークマルシェ」の様子。旬のフルーツや野菜がずらりと並ぶほか、ジャムなどの加工品、土産物や雑貨も揃っています。中でも、園内で収穫された果物は新鮮そのもので、店頭に並んだ瞬間に売り切れてしまうほど大人気! 気軽にテイクアウトできるフルーツバーもあり、カットフルーツ300円、フルーツパフェ300円、手作りジェラート250円、フルーツかき氷(夏季限定)300円などがおすすめです。土・日・祝日には朝市も催され、大変賑わいます。 こちらもリニューアルされた「フルーツパークテラス」の様子。営業時間は9:30〜16:30(ラストオーダー16:00)、80席あります。日替わりランチ(火〜金のみ)800円、フルーツカレーライス800円、みそひれかつ定食980円など、ランチメニューが充実していますが、やはりおすすめは、旬のフルーツを使ったメニューですね。パインボード(季節のフルーツの盛り合わせ)850円、フルーツパフェ600〜1000円(フルーツは季節によって変わります)、フルーツサンド600円、お手頃サイズのカップフルーツは350円です。 三大イベント時の即売会やステージイベントも大人気 春の「シダレザクラまつり」、ゴールデンウィークの「トロピカルフルーツフェア」、収穫の秋に開催される「秋のフルーツフェア」という「東谷山フルーツパーク」の三大イベント時には、フルーツ即売会が実施されます。写真は「ミカン詰め放題」イベントの様子。とてもお買い得なので、ぜひお立ち寄りを! 「トロピカルフルーツフェア」や「秋のフルーツフェア」の際には、ステージイベントも開催。地元の方たちのジャズ、フラダンス、ベリーダンスなど、クラブ活動の成果をお披露目する発表会として、交流の場にもなっています。 Information 東谷山フルーツパーク 所在地:愛知県名古屋市守山区大字上志段味字東谷2110TEL:052-736-3344 http://www.fruitpark.org/ アクセス:電車/JR中央本線・愛知環状鉄道「高蔵寺」駅下車、南口より南へ徒歩25分バス/ゆとりーとライン「大曽根」発「高蔵寺」行き「東谷橋(とうごくばし)」バス停下車徒歩15分市バス地下鉄藤が丘駅「藤が丘」発「東谷山フルーツパーク」行き終点下車徒歩13分市バス名鉄小幡駅「小幡」発「(志段味巡回)東谷山フルーツパーク(「JR高蔵寺」駅経由)」行き終点下車徒歩13分 オープン期間:通年 休園日:月曜(祝祭日の時はその直後の平日)、12月29日〜1月3日 営業時間: 9:00~16:30 料金:無料(世界の熱帯果樹温室のみ有料。入場料 大人 300円 中学生以下無料、名古屋市内在住 65歳以上の方 100円、30名以上の団体は2割引、年間パスポート 900円) 駐車場/普通車約 840台、無料※ただし、イベント期間中のみ有料。(普通自動車 1回シダレザクラまつり 650円、トロピカルフルーツフェア・秋のフルーツフェア 350円、大型自動車 1回 1200円、自動2輪・原付 1回 150円)
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花の庭巡りならここ! 日本のデンマークが誇るガーデン「安城産業文化公園デンパーク」
絶対に写真を撮りたくなるキュートなトピアリーに大注目! 1997年にオープンした「安城産業文化公園デンパーク」は、愛知県安城市が誇る花と緑の公園。13万1,000㎡の敷地を持ち、大人の足でゆっくり巡って、約1時間半かかる広さです。市民に愛される観光ガーデンで、年間約63万人(2018年実績)もの人々が憩いを求めて訪れています。 「デンパーク」の名は、かつて稲作、畑作、果樹、畜産などの多角型農業を進めた安城市が農業先進国のデンマークに例えられ、「日本のデンマーク」と呼ばれたことに由来。全国の農業経営のモデルとなってきた安城市の歴史をもとに、自然と親しみ、花のある暮らしを提案する公園として設立されました。園内に時折、ブタやウシ、ヒツジなどの可愛いトピアリーが登場するのも、その一環です。 園内は、大小20以上のガーデンが点在し、植物は約3,300種、約30万株を誇る規模。展示方式も、整形式庭園やイングリッシュガーデン、一定の植物を集めたコレクションガーデン、アトリウム内ショーガーデンなどさまざまで、エリアごとに異なる景色を楽しめます。 ガーデニングコンテストや寄せ植え講座、フラワーアレンジメント講座など、年間を通してイベントが開催されているので、お目当てのイベントに合わせて出かけるのもいいですね。子ども向けの遊具も充実しているので、ファミリー層にもおすすめ。人気の観光ガーデンだけに、土産物店やレストランも魅力満点で、一日かけてのレジャーにぴったりです。 約3,300種、約30万株の植物が息づく大小22のガーデンを満喫しよう! 写真は「ヨーロッパ風お花畑」の5月後半〜6月上旬の風景。ヨーロッパの花の公園などで好んで使われる、典型的な一年草花壇のスタイルをとっているため、この名前がつけられました。写真中央の孔雀のトピアリーは全長9mあり、4月下旬〜5月下旬に登場。4月、6月、9月、11月の年4回植え替えが行われ、一年中カラフルな花壇を楽しめます。 これは「秘密の花園」のエリア。色彩をテーマに、イングリッシュガーデンの一つ、アウトドアルームのスタイルでつくられたガーデンです。イギリスから輸入したアンティークレンガと生け垣により5つの小部屋に分かれ、それぞれ東側から順に黄色、ピンク、ブルー、赤、白でカラーコーディネートして植栽。写真は5月頃で、宿根草と一年草がバランスよく組み合わされています。 「不思議の森」エリアは、安城ヶ原の雑木林をそのまま生かした森です。ところどころに北欧の妖精トロールをかたどった鏡などがあり、不思議な世界へと誘います。6月にはアジサイが見頃になり、約7,500株が彩り豊かに咲き誇るので、ぜひお見逃しなく。池側にあふれるように植えられているため、風のない日には湖面に花々が映りこんで、いっそうの華やぎを演出します。 園内の「水生植物の池」では、水生植物のほか、水鳥や魚の姿もたくさん見られます。7月には、ハスが見頃に。‘黄陽’など4品種が池を覆うように茂って、凛として咲く姿を見せてくれます。ハスは早朝から咲き始め、夕方には閉じる性質があるため、毎年7月中旬の3連休は、特別に朝6時から開園。涼しい時間帯にタイミングを合わせて、出かけましょう! 写真はアンティーク風の花時計を中心に、アンデルセンの童話の世界をイメージした「ファンタジーガーデン」のエリアで、10月頃の景色です。花時計はガーデンのどこから眺めても美しく見えるよう、傾斜を生かして配されています。敷地の起伏と曲線的なラインを多用した、一年草が主役の整形式花壇で、年5回の植え替えを実施。植栽デザインは4月、6月、11月に変更されるので、季節によってガラリと雰囲気が変わります。少し高い場所にある休憩所からは、全体を一望できますよ! こちらは「グラスウォーク」のエリアで、25〜30種のグラス類が100株以上植栽されています。グラスとは、葉の細いススキのような姿をしたイネ科の植物の総称。みずみずしい芽吹きから秋の出穂、冬枯れまで、四季の移り変わりを表現します。一番の見頃は、グラスの穂が出揃う秋。わずかな風にもそよぐ穂が美しく、光を受けて輝く姿は見応えがあります。 トピアリーやショーガーデンでインスタ映え!パークトレインでの楽々観覧もおすすめ 「安城産業文化公園デンパーク」のトピアリーコーナーにも注目を! 春・夏・秋のイベント時に期間限定で登場します。左の牛を象ったトピアリーは、赤と白のベゴニア・センパフローレンスを植え込んでキュートに。右の羊を象ったトピアリーは、ヘリクリサム・スクリュースターを使って、もふもふ感を演出しています。酪農が盛んな土地柄、開園当初よりブタやヒツジのほか、ニワトリ&ヒヨコやウシのトピアリーが展示されていましたが、今やカエル&オタマジャクシ、ドラゴン、イルカ、大カボチャなども登場! ぜひインスタ映えする記念写真を撮りましょう。 花の大温室「フローラルプレイス」は、面積3,600㎡のアトリウムの中に、デンマークの街並みを再現したショーガーデンスペース。「フィールド」と呼ばれる大空間と、企画展示を行う「ガーデンルーム」の2つに分かれています。「フィールド」では年5回、「ガーデンルーム」では年8回の植物総入れ替えを行っているので、いつ訪れても季節感あふれる景色を楽しめますよ! 写真は4月頃で、青、赤、ピンク、黄色のカラースキームで展開した様子です。 広い園内では、「パークトレイン メルヘン号」が運行。約1.5㎞を約15分かけて一周します。毎時00分、20分、40分発で、料金は大人200円、小中学生他100円、幼児無料。親子連れや年配のご夫婦など、年齢を問わず幅広く利用されています。最初に乗って、見たい場所を絞り込むのもいいですね。 地元の特産が多数並ぶ土産物店は必見!レストランでは旬の味覚を楽しんで 「安城産業文化公園デンパーク」には、広くて品揃え充実のマーケットがあるので、ぜひパトロールを! 主に安城市、三河地方の特産品を使用したお土産や雑貨が勢揃い。イチジクを使用したレアチーズケーキや季節のジェラート、焼きたてパンの販売が大人気。特に手作りソーセージやハム(1パック410円〜)、クラフトビール600円がおすすめです。 「安城産業文化公園デンパーク」には、食事どころが4店舗あり、地ビールが楽しめるレストランや和食のお店、カジュアルなポテトフライ専門店などがあります。写真は「農場レストラン 花車」です。地元の旬の食材を使った料理が並び、バイキングで80分食べ放題。ビュッフェコースは大人1,706円、小学生1,058円、幼児810円です。ランチタイムは11:00〜16:30(受け付けは15:00終了)。 こちらは「和食処 ふるさと館」の人気メニュー「安城の箱寿司」、1,280円。箱寿司や郷土料理のほか、海鮮丼やうどんなどの和食が楽しめます。ランチは11:00〜14:15(LO13:45)で、喫茶は9:30〜16:00。みたらし団子や五平餅、白玉ぜんざいのほか、季節限定の和スイーツメニューも充実していますよ! ※なお、2019年10月以降は消費増税により、食事の値段が変わりますのでご了承ください。 Information 安城産業文化公園デンパーク 所在地:愛知県安城市赤松町梶1番地TEL:0566-92-7111http://www.denpark.jp アクセス:JR「安城駅」、名鉄「桜井駅」または「南桜井駅」から市内循環バス「あんくるバス」にて「デンパーク」下車 オープン期間 通年 休園日:火曜休園(祝日の場合は翌平日)、年末年始など 営業時間:9:30~17:00 ※季節、イベントなどにより変動あり 料金:大人600円、小中学生300円 ※団体、シニアなど各種割引あり駐車場:1,000台(無料)
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花の庭巡りならここ! 花々に彩られたテーマパーク「ラグーナテンボス ラグナシア フラワーラグーンエリア…
複合型リゾート施設の最新コンテンツ 季節の花々に彩られた楽園へ出かけよう 複合型リゾート施設「ラグーナテンボス」内にオープンしたのが、「ガーデン」をテーマにあふれんばかりの花々で彩られる「ラグーナテンボス ラグナシア フラワーラグーンエリア」です。園内の面積は9,000㎡で、「フラワーフォール」「フラワーバレー」「フラワービーチ」「フラワーアーチ」「フラワースカイ」「フラワーオーバル」の6つのエリアにゾーニングされ、1時間ほどで巡ることができます。 コンセプトは「花と水とアートが融合したエンターテインメントガーデン」で、見せ方にこだわった芸術的な花々の競演には、舌を巻くばかり。「草花にはこれほどの演出力があったのか」と、想像を超えたエンターテインメントあふれる空間に圧倒されます。空中散歩ができる花の園路など、テーマパークならではの展示構成を、ぜひ楽しみましょう。 季節によって、ミニバラ詰め放題やサシェづくり体験、オリジナルハーバリウム体験、チューリップの球根詰め放題など、さまざまなイベントも開催されているので、要チェックです! 手入れの行き届いたフラワーテーマパーク 一面を彩る花々からパワーをもらえそう ゲートから一歩入ると、まず目に飛び込んでくるのが「フラワーフォール」。インパクト大の高さ4mの壁が30mに渡って続き、花々で鮮やかに彩られています。この壁と足元のフラワーベッドとをつなぐ、大型の寄せ植えコンテナも見どころです。せせらぎの音が心地よい小さな滝も流れ、自然に奥へと歩みが導かれます。 まるで花畑の上を空中散歩している気分になれる「フラワーバレー」の一角。小道が谷となり、両脇にはなだらかな丘が設けられ、芸術的な花々の植栽には拍手を送りたくなるほどです。丘によって周囲への視界を遮ることで、「小道のカーブの先には、どんな景色が広がるのかしら?」と、より期待感が高まります。 「フラワーバレー」で空中散歩をしている気分になれる理由が、これ。歩道はガラス張りで整備されており、その下にも季節の花々があふれんばかりに咲いているのです! ガラスを透かして見るので、発色のいい草花を選び、上向きに咲く花を厳選しています。上から足元の花を覗き込む体験なんてなかなかありませんから、空中散歩の贅沢を存分に楽しみましょう。 高さ4mの花の壁が圧巻の「フラワーオーバル」。楕円形のプールを中心に360°すべてを花の壁で筒形に囲っています。色のコーディネート・デザインは季節によって変えているので、何度でも訪れてみたいものです。プールの水面には周囲の花々が映り込んで、いっそう華やぎをもたらします。ベンチが設けられているので、座ってゆっくり眺めるのもいいですね。訪れる人々からは「写真映えしました」「孫とまた一緒に来たいです」「流れてくる音楽ともマッチしていて癒されました」といった声が聞かれます。 最後に視界がパッと開けた先に登場するのは、「フラワービーチ」。真っ青なビーチの上に浮かぶ花の島をイメージしています。夏は南国らしい花が植栽され、雰囲気を盛り上げます。季節に応じたフォトブースが設けられているので、ぜひ記念にインスタ映えする写真を撮影しましょう。夜のライトアップの際には、水中イルミネーションが光り輝き、色が幾度も変化して花々の魅力を引き出します。 「フラワービーチ」横、「フラワーアーチ」のエリア。季節の花で埋め尽くされた、ダイナミックなアーチが10基つながるコーナーです。季節によって植栽を変えて色合わせを考慮し、アートとして表現。色とりどりの花のアーチをくぐって、先へと続く散策路を進みましょう。 ナイトタイムのライトアップは幻想的! 冬期はイルミネーション「ジュエルガーデン」を開催 「ラグーナテンボス ラグナシア フラワーラグーンエリア」はラグナシア閉園まで楽しめます。日没後はライトアップされ、夜ならではの花と光のコラボレーションを演出。昼間とは違った幻想的な空間を楽しみましょう。冬のイルミネーション期間は、まるで宝石をちりばめたような「ジュエルガーデン」が披露されます。 絵本の中から飛び出してきたかのような キュートなカフェレストランでひと休み 「ラグーナテンボス ラグナシア フラワーラグーンエリア」敷地奥に登場する、カフェレストラン「ラグーナの森」。まるで絵本から飛び出したかのようなメルヘンチックな外観が目印です。客席は店内が36席、テラス席が18席あり、花景色を眺めながら、ゆったりくつろげます。 インテリアも可愛らしい「ラグーナの森」は、フレンチスタイルのカフェレストラン。ランチの価格帯は1,000〜1,600円で、ここでしか味わえないオリジナルメニューが揃い、お皿の中に花を散らすなど、目でも楽しませてくれます。人気メニューは炙りサーモンアボカド丼1,500円、ストウブ鍋1,600円など。 大人気メニューのローストビーフ丼1,600円。ジューシーなビーフのトップには、卵黄が載っていますよ! 西洋わさびソースとの相性も抜群、感動の一皿です。 デザートメニューも充実しています。モンブランやベイクドチーズケーキなど、各種ケーキにジェラートが添えられた一皿が680円。写真の「森のチョコレートパフェ」は1,250円です。 Information ラグーナテンボス ラグナシア フラワーラグーンエリア 所在地:愛知県蒲郡市海陽町2-3 TEL:0570-097117 https://www.lagunatenbosch.co.jp/event/rg/flower/ アクセス:公共交通機関/JR東海道線・名鉄蒲郡線「蒲郡駅」より無料シャトルバス15分 車/東名高速道路「音羽蒲郡IC」よりオレンジロード経由で20分 オープン期間:通年 ※不定休 休園日:なし 営業時間:10:00~21:00 ※期間・日によって異なる 料金:大人2,250円 小学生1,300円 幼児800円 駐車場:1,000台 800円(1日)※期間・日によって変動あり 併せて読みたい ・花好きさんの旅案内 シンガポール「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」 ・オージーガーデニングのすすめ「オーストラリアの木生羊歯」 ・花の庭巡りならここ! 22のガーデンスタイルが楽しめる「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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花の庭巡りならここ! 22のガーデンスタイルが楽しめる「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネッ…
丘一面に広がるワイルドフラワーが魅力 「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」は中部電力創立50周年の節目に、新名古屋火力発電所の緑地の一部を地域共生施設として提供するために整備され、2002年にオープンしました。 広さは約2万2000㎡で、ゆっくり歩いて1時間程度で園内を散策できます。敷地の外周は緑地で周囲の環境との遮断を図っているため、名古屋港の海と植物のみに囲まれた園内は、都会の喧騒から離れた癒しの空間。自然風庭園がコンセプトで、趣向を凝らした22のガーデンを楽しめます。中でも世界で活躍するトップガーデナーが手がけたモデルガーデンが見どころ。ジョン・ブルックス氏の「クール・ブリタニア」、ダレル・モリソン氏の「日本・テキサス友好の庭」、ロビン・ウィリアムズ氏の「ファミリーガーデン」は必見です。 趣向を凝らした22のガーデンスタイルに 心ときめき、歩みを進めるのが楽しい! この庭園の愛称、「ブルーボネット」は、ルピナスの一種、「テキサス・ブルーボネット」から名づけられました。1980年代、広大な土地の緑化に「ワイルドフラワー緑化手法」の先鞭をつけたアメリカ・テキサス州の州花です。小さな花の一つひとつが、アメリカ西部開拓時代に女性がかぶっていた日よけの帽子「ボネット」に似ていることから、この名がついたとされています。この「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」のシンボルフラワーは、4〜5月頃に園内各所で開花します。 写真は4月上旬頃の「花の谷」のエリア。チューリップ、ブルーボネット、 リナリア、クリサンセマム・ムルチコーレなどが、まるで自然の中で咲いているように規則性を配して植栽されています。ここは「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」の中央に位置し、一年を通して見せ場となるエリアです。花色はビビッドカラーをあまり使わず、優しい雰囲気のパステルカラーで統一されています。 写真は「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」の名前の由来となっている「ワイルドフラワーの里」で、1,820㎡という園内で一番広いエリア。「ワイルドフラワー」とは、野生の草花のこと。自然のままに草花が咲き乱れているようにつくられた庭園を「ワイルドフラワーガーデン」といい、ここでは冬と夏にそれぞれ20種以上のタネをブレンドして播き、春と秋に見頃を迎えます。写真は4月頃に咲くブルーのネモフィラ‘メンジェシー’と黄色のラステニアのミックス。小高い丘の上のガゼボから一望すると、ワイルドフラワーが織りなす壮大な景色を楽しめます。 写真はエントランス近くに位置し、ウェルカムガーデンの役割を果たす5月頃の「サンクンガーデン」。サンクンガーデンとは、地表面より掘り下げて造成した庭や花壇、テラスのことで、「沈床式庭園」とも呼ばれています。掘り下げて一段低くすることで、立体感を出すとともに、視界を遮らず敷地を広く見せる効果があります。また遠くからでは全体が分からないため、近寄って花壇を見つけた時には驚きがあり、近づくにつれ姿を現す美しい花々に惹きつけられるという、人を誘導する効果のあるガーデンです。この花壇ではコクチナシやラベンダー、ローズマリーなど香りのよい植物と四季折々の草花を植栽し、きっちり区分けした幾何学模様のデザインで対比調和させています。年に7回の植え替えを行っているので、出かけるたびに違った景色を楽しめます。 写真の「フラワーリング」は開けた海の景色を背景に、華やかな写真を撮影できるフォトスポット。中央にしつらえてある鐘を鳴らして、幸せを呼んでみましょう! 「フラワーリング」の植え替えも、年に7回行われているので、どの季節に訪れても旬の花が出迎えてくれます。テーマカラーは赤が多く、遠くからでも目を引く植栽にしています。 「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」は日本植物園協会にも加盟しており、一年を通して約600種5万株もの植物が見られます。 写真は「花の谷」の秋の景色。約3,000株のコスモス‘イエローキャンパス’は10月中旬〜11月上旬に見頃になります。この時期はキバナコスモス、レモンマリーゴールド、シュウメイギク、コバノランタナなどが咲き、園内をオータムカラーで染め上げます。 「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」の22のガーデンは、それぞれにコンセプトが与えられ、野趣あふれるエリアがあれば、つくり込まれたモデルガーデンもあり、場所ごとにメリハリのきいた多様な庭のスタイルを楽しめます。自庭のヒントになりそうなアイデアが満載なので、アーチやパーゴラ、トレリスの使い方、ハンギングバスケットやコンテナの見せ方などをチェックしておきたいですね。 写真は、有名ガーデンデザイナーのダレル・モリソン氏が手がけた「日本・テキサス友好の庭」です。後ろの建物は「アラモの砦」をイメージしたもので、これを背景にテキサス州の景色を表現。季節は秋で、日本のススキに似たパンパスグラスやパープルファウンテングラスを植栽して、友好を表しています。 年間を通して魅力的なイベントが目白押し! 「花文化館」では多様なガーデニング情報を得よう 毎年10月は、ハロウィンの楽しいイベントを開催。写真は春と秋にしつらえられるインスタ映えするフォトスポットで、秋はジャック・オ・ランタンなどハロウィン一色の飾りつけをバックに記念撮影ができます。園内の各所にハロウィンのディスプレイが見られ、園内に流れるBGMもハロウィンらしいメロディで雰囲気をアップ。イベント期間中に仮装して入園すると、オリジナル缶バッジがプレゼントされますよ。プレゼントが当たる園内クイズラリーも開催されるので、この時期ならではのイベントを楽しみましょう! ハロウィン期間に限らず、ガーデンコンサートやガーデンガイドツアー、ガーデニング講座、クラフト教室など、年間を通してイベントが開催されているので、公式ホームページをのぞいてチェックをしてから出かけるのもオススメです。 「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」には、クラシックなビクトリア調の建物があり、ここで入園券を購入します。1Fにはオシャレなレストランとガーデンショップがあるので、ぜひお立ち寄りを。2Fは「花文化館」で、庭づくりのシミュレーションコーナーやオープンシアターなどがあり、パソコンや映像を使ってガーデンや草花に関する情報発信をしています。不定期でボタニカルアートなどの展示会も開催。 充実の品揃えにワクワクするガーデンショップと 多彩なメニューが嬉しいレストランも楽しんで 「センターハウス」1Fのガーデンショップ「ボネット」には、季節の花苗やガーデニング用品、ハンドメイドのイギリス製「ウィッチフォード」の鉢、雑貨類などが並びます。センスのいいガーデングッズが充実しているので、ガーデナーなら、ついお財布の紐がゆるんでしまうかも。お菓子などのお土産品やオリジナルグッズも揃っていますよ。 ここでしか買えないオリジナル商品のオススメは、無添加ジャム(ストロベリー、ブルーベリー、ラズベリー)各564円、100%天然ハチミツ漬けのローズハニー564円、ハニーナッツ1,000円、キッチンソルト(サラダソルト、ハーブソルト)各361円、「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」内で咲くワイルドフラワーの種をミックスした種袋430円(いずれも税抜き)など。 「名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット”」の有料エリアへの飲食の持ち込みは不可となっています。おなかがすいたら「センターハウス」1Fのレストラン「アウラ」で休憩を。テラスで花の景色を愛でながら、ゆったりとしたひとときを過ごせます。 営業時間は9:00〜17:00(ラストオーダー16:30)。ミックスフライセットや、カレー、パスタ、ピザなどの洋風メニュー、海鮮丼やみそカツ、きしめんなどの和風メニュー、フライドチキンなどのサイドメニュー、ケーキやアイスクリームなどのデザートが揃う、充実のラインナップです。ランチの価格帯は750〜1,600円。特に人気があるのは、焼きたて自家製アップルパイ(バニラアイス添え)単品700円、ドリンクセット1,000円(いずれも税込み)。 Information 名古屋港ワイルドフラワーガーデン“ブルーボネット” 所在地:愛知県名古屋市港区潮見町42番地 TEL:052-613-1187 http://www.wfg-bluebonnet.com/ アクセス:公共交通機関/市バス新瑞橋発14系統、金山発19系統、神宮東門発19系統「ワイルドフラワーガーデン」行き 車/国道1号線「星崎1」交差点を西進、潮見橋を越えて最初の信号を左折 伊勢湾岸自動車道「名港潮見」ICを降りて約5分、名古屋高速4号東海線、船見ICを降りて約5分 オープン期間:3月1日~12月25日 休園日:月曜(祝日の場合は翌日)、名古屋みなと祭開催日、12月24日、冬季(12月26日~翌2月末日) 営業時間:9:30~17:00(3月1日~11月30日)、9:30~16:00(12月1日~12月25日) 料金:大人300円、65歳以上200円、小中学生150円、6歳未満無料、障がい者・付添人(1人)200円、小中学生障がい者100円 駐車場:有り、200台(無料) 併せて読みたい ・カメラマンが訪ねた感動の花の庭。芝とハーブとバラがコラボする庭 愛知・寺田邸 ・天野麻里絵さんの「やってみよう!初めてのガーデニング」小さな花壇で育てる冬~春の花5選 ・花の庭巡りならここ! インスタ映えする景色の宝庫「淡路島国営明石海峡公園」 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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花き生産高1位の地域に生まれた、旬の花と野菜が並ぶショップ「Marché&Cafe hana・yasai はなやさ…
2018年5月でオープン2周年を迎える、愛知県豊橋市にある「Marché&Cafe hana・yasai はなやさい」。車でのアクセスが便利な商業地帯にあり、お買い物のついでにも立ち寄りやすい立地です。エントランスには、ガーデニングの本場英国の自然石、コッツウォルドストーンを積み上げた大きなアーチが出迎えます。 お店に一歩入ると、カラフルに咲き誇る季節の花苗が目に飛び込んできて、花好きやガーデニングを楽しんでいるお客さんは、カゴを片手に、一瞬で苗選びのスイッチが入ります。植えどきの花苗やカラーリーフなど、ずらりと並ぶ植物は、その8割が地元で生産されているというのですから驚きです。 店内は、高い天井から自然光が差し込み、大きな木が葉を広げ、まるで外にいるかのような開放的な空間です。この大木は、5月になると幹に甘酸っぱい黒い実をつけるフトモモ科の熱帯果樹「ジャボチカバ」。オープン時からこの場所で成長し、お客さんを迎えています。 店内のワクワク感をさらに盛り上げるのは、ドライフラワーやガーデン雑貨がディスプレイされている2つの小屋。海外のポップアップストアを思わせる石張りの建物は、庭の中にミニチュアハウスなどをモルタル造形でつくることで話題のPiece of Mindが手がけました。 コッツウォルドストーンの石積みアーティストやモルタル造形のPiece of Mindなど、ガーデニング業界で話題の人々がお店づくりに関わり、新しい試みを実践する「Marché&Cafe hana・yasai はなやさい」。なぜ、この地域に新スタイルのお店が誕生したのか、店長の金澤光広さんにお話を伺いました。 「1909年に創業した地元の農業関連企業、イノチオグループの代表が、これからの時代にフィットしたガーデニング関連の新しい店をつくろうと、2015年に企画が浮上しました。そこで、アドバイザーとして迎えたのが、多数のガーデンイベントに関わっているガーデナーで造園家の竹谷仁志さんです。竹谷さんは、これまで園芸店の運営もしていた経験から、既存のスタイルを超えた新しい試みを取り入れていかなくてはいけないと、現在も店づくりを盛り上げてくれています。まずはじめに、竹谷さんは何度も通いたくなるような居心地のよい場所をつくろうと、天井が高い店舗デザインと、希望を叶える建築家を紹介してくれました。また、地元の花と野菜を最大限に生かすため、各所の生産者を訪ね回りました」。 そうして、この店の主役となるのは旬の花苗と地元の美味しい野菜や果物だと決まり、店づくりは着々と進んでいきました。 「定番品を置かず、旬のものが次々と入れ替わる店にする。そうすると、足を運ぶたびに新しい花が並んでいることに気がつき、よく見たら地元の花で、いっそう親しみと興味が湧く。そうすることで、地元の生産者や農家の刺激にもなると竹谷さんと意気投合しました。地元の生産者には、他の地域には珍しいこだわりのナーセリーや代替わりした若い生産者も増えています。彼らが生産する優秀な植物がこの地域に集まっていることや、世界に誇る技術をもった日本の花づくりをPRするアンテナショップでありたいと考えています」。 花きの一大産地「愛知・渥美半島」の 旬がいち早く届く店 渥美半島は日本のほぼ中央にあたる愛知県の東南端部に位置し、年間平均気温が16℃と温暖で、四季を通じて晴天の日が多く、日照時間が長いことから農業全般が盛んな地域です。主な生産品は、アジサイやカーネーション、シクラメン、ポインセチアなどの鉢物をはじめ、花壇苗や観葉植物、洋ラン、切り花の菊など、品目が多いうえ全国へ周年出荷できる物流のよさも強みです。そんな花きの生産額全国1位である愛知県の中でも、約4割(約224億円)の花が生産されている渥美半島の入り口付近に位置するのが「Marché&Cafe hana・yasai はなやさい」。この地の利を生かして、地元産にこだわった店が誕生しました。 地元産の旬の野菜と果実を たっぷり味わえるカフェメニュー カフェのメインメニューの一つが、具材たっぷりのサンドイッチ。写真は、季節の果実を使ったイチゴ大福サンドや、渥美半島キャベツ&みそカツ、豊橋大葉ゴマチキンなど。野菜や果実の旬の移り変わりに合わせ、定期的に新サンドが登場します。切り口が鮮やかでボリュームがあるサンドイッチは、インスタ映えすると女性たちにも人気。 カフェではスイーツも充実。2〜3月の旬はイチゴ。写真左から、イチゴ大福サンド350円、イチゴのバニララテ500円、イチゴワッフルボール650円。ほかにも、イチゴチーズケーキ、イチゴやミニトマトなどをいただく豆乳チョコフォンデュなど、オリジナルメニューが充実。家族や友人とおしゃべりも弾むカフェタイムが楽しめます。 生産者、農家、お客さんが交流する 季節のイベントを多数開催中 2月は冬のインドアグリーンとしても近年人気が高いオーストラリアの植物を集めたコーナーが登場。オーストラリア原産のカンガルーポーやエレモフィラニベア、プロテアなど、切り花で見かけることが多かった植物が根つきの大鉢で並び、お客さんを喜ばせました。こちらも地元にあるこだわりのナーセリーの一つ「渡会園芸」の苗です。 花と緑に親しむ イベントも充実 花と緑に親しんでもらうには、実体験が大切! というお店のコンセプトから、毎月催されるイベントは多岐に渡ります。例えば、園芸初心者さんを対象にした「はじめのいっぽ」から、先生を招いて行われる「寄せ植え教室」、地元の名物生産者による「農家ライブ」など、つくり手や栽培のプロとお客さんが直接つながる時間を設けて、植物の魅力を伝えています。また、消費者の生の声が聞けるとあって、農家や生産者の刺激にもなり、いい相互作用が生まれているとか。イベントは園芸関連に限らず「親子DEサンドウィッチをつくろう!!」や「朝の美と健康講座『はちみつ』」、「折り紙カフェ」、地元の食材をたっぷり使った「美腸ランチ会」などもあり、イベントに参加した人が意図せずに旬の花に触れる機会にもなっています。 店内には、花苗や観葉植物、ガーデングッズのほか、地元産の魅力的な食材も並び、ギフト用のフラワーアレンジをオーダーできるコーナーまで併設。カフェのついでに花を買ったり、プレゼント用の花に添えて美味しいお土産も購入できたりと、いろんな“ついで”が叶うのも嬉しいお店です。 Information Marché&Cafe hana・yasai 〜花と野菜といいくらし〜 はなやさい 所在地:愛知県豊橋市曙町測点157-2 TEL:0532-46-6509 http://www.hana-yasai.com/ 営業時間:8:00〜18:00 定休日:毎週水曜日 及び年始 Credit 写真&取材/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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カメラマンが訪ねた感動の花の庭。絵を描くように植栽する愛知・黒田邸
カメラマンの視点でバラの庭をご案内 愛知県豊橋市の黒田和重さんがつくる庭は、数々のガーデン雑誌でも紹介されてきた花好きの人たちにとっては有名な場所です。これまで10年もの間、その成熟していく様子を毎年見続けてきた、僕にとっても思い入れのある庭の一つです。 初めて黒田さんの庭を訪ねたのは、2007年2月の終わりのこと。とてもお世話になっていた豊橋にある花屋さんに「今井さん好みの最高に素敵なお庭があるから」と紹介されたのがきっかけでした。店での取材を終えて、さっそく車で10分ほどの場所にあるその庭を訪ねてみました。すると、庭主の黒田さんともお会いすることができ、聞くところによるとイギリスのコテージガーデンが好きで庭づくりを始めたといいます。いくつかのエリアに区切られた回遊式の、まるでイギリスの庭を移築してきたかと錯覚させられるほど素敵なデザインでした。 イギリスのガーデン雑誌をお手本に庭づくり 当時は大のバラブームで、つるバラの庭や、流行のイングリッシュローズをコレクションした庭などはたくさん見てきましたが、訪れた黒田さんの庭はほかとは違う魅力がありました。まるで、以前イギリスに行った時に巡った庭を思わせるような、しっかりとデザインされた庭でした。 きっと何度もイギリスに行かれたのだろうと思いながら、施主の黒田さんに僕のイギリスでの庭巡りについて話していたのですが、「私は一度もイギリスには行ったことがないんですよ。ひたすらイギリスのガーデン雑誌を見て勉強しました」と言うんですから、本当に驚きました。 初訪問は寒風が吹く2月でしたので、バラが咲き乱れる5月の庭を想像しながら初対面とは思えない黒田さんとの楽しい庭談義の時間を過ごして、5月に撮影に来る約束をして帰りました。 バラの最盛期に訪れた輝く庭 そして同じ年の5月中旬。期待に胸を膨らませて訪れた黒田さんの庭は、まさに想像以上! ちょっと大げさに言うと、本当にここが日本なの? と思わせるほど見事な景色でした。きれいに刈り込まれたツゲのヘッジ、庭を取り囲む塀にはさまざまなバラとクレマチスが咲き乱れています。 当時いろいろな園芸雑誌の企画で、バラとクレマチスの組み合わせが注目されていましたが、実際にはなかなか成功させている庭がなくて取材に苦労していた頃です。そんななか、この庭ではごく当たり前に、しかもとてもセンスよくバラとクレマチス、ジギタリスやデルフィニウムまでが美しく調和して咲き誇っていました。黒田さんのセンスと植物をちゃんと育てられる力には本当に脱帽です。夢中で時間も忘れてシャッターを切り続けた幸せな時間を、今も思い出します。 よりよいバラの庭を目指して年々グレードアップ それから毎年5月になると、一番気になるのが黒田さんの庭です。黒田さんはいつも「自分の庭がどうしたらもっとよくなるか」ばかり考えている方です。お会いした時はいつも「よいバラがあったら教えて」とか「新しいバラでうちに入れたらよいバラは何か?」とか、庭の話題が尽きません。 2013年に伺った時も、バラのコンディションやボリュームともに完璧。ボーダー花壇にいたっては、イキシア・ビリディフローラという翡翠色の球根まで入っていて、これ以上ない完璧な庭になっていました。さすがに黒田さんの庭も完成だなと思っていたら、翌年には美しかったボーダー花壇をつくり直し、生け垣だった場所は、神谷造園さんのコッツウォルドストーンの塀につくり替えられていました。黒田さんの庭に完成という言葉はないようです。 バラが咲き乱れる感動の光景の数々 2017年も5月22日、朝5時少し前に駐車場に車を止めると、もう掃除をすませた黒田さんがいつもの笑顔で出迎えてくれました。まだ5時前のボーッとした光の中、挨拶もそこそこに黒田さんの後ろについて庭の入り口に行ってみると、今年もまた一段と素晴らしい光景が目の前に広がりました。‘ランブリング・レクター’の花綱はまさに圧巻! 隣にはアルバローズの名花‘マダム・ルグラ・ドゥ・サンジェルマン’、奥には‘ポールズ・ヒマラヤン・ムスク’が家の塀を覆い尽くしていました。3品種の白バラと青のキャットミント、ピンクの小花、そして青々と茂る緑の芝生……。息を呑むほどの美しさで、まるで一枚の絵画のようです。 朝の光を浴びて‘ランブリング・レクター’が輝き出すまで、まだ少し時間がありそうなので、三脚にカメラをセットして庭の中へ入っていきました。これまで何度も通った馴染みの光景だけれど、よく手入れされた朝の庭は本当に気持ちがよいものです。深呼吸をしながら、「キッチン前の窓辺のベンチとホスタ」、「フェンスに掛かっているピンクのオールドローズ」という風に頭の中で1枚ずつシャッターを切りながら歩いていきます。 いい光を探してシャッターを切る そうこうしているうちに、東の空からパーッと朝の光が差し込んできました。急いでカメラに戻ってみると、柔らかな朝日が‘ランブリング・レクター’の左上から当たり始めていたので、何枚かシャッターを切ってひと安心。 もう一度庭に戻り、今日撮れそうなカットをまた探しながら、きれいに光が当たってきたコーナーでは撮影をして、光の感じが変わったらまた最初の入り口に戻ってもう一度シャッターを切ります。朝はほんの数分で全然違う光景になってしまうので、ここぞというチャンスには、いつもシャッターは5分おきくらいに数回は切るようにしています。 僕の撮影を実際に見たことがある人から「今井さんは同じ所を、何回も何回も走り回っている」とよく言われます。そう、庭の撮影には微妙な光のニュアンスを見極める目が必要だと常々思うのです。光が強くなってくる7時過ぎには撮影を終了させて、ようやく黒田さんが入れてくれた香り豊かなコーヒーを飲みながら、しばし庭談義。こうして、今年もいい光を捉える幸せな撮影時間を過ごすことができました。