ロザリアンにとって、一年で一番楽しみな季節がもうすぐやってきます。バラを健やかに育て、安心して春を迎えるために「鉢植えの土替え」にぜひ取り入れてほしい資材は、ズバリ「木炭」。バラ文化と育成方法研究家で「日本ローズライフコーディネーター協会」の代表を務める元木はるみさんに、木炭を使った鉢バラ栽培のテクニックをご紹介していただきます。

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鉢植えの土替えは、冬の大事なバラの作業の一つです

土替えをすることで、根が新しく生育し、春の開花シーズンに向けて下準備が整います。バラは、根の先端の「根冠」(こんかん)という部分で、養分や水分を吸収します。鉢の中に根が詰まっていては、うまく養分や水分を吸収できず、春によい花を見ることができなくなってしまいます。

根がたくさん張りすぎて、鉢の中で詰まっている状態。

根を少し切っても大丈夫な冬のうちに、鉢から株を取り出して、用土を新しく交換し、根が元気に育つ環境を整えておきましょう。

また、鉢の中には、カナブン(コガネムシ)の幼虫が潜んでいることもあります。根を食害されてしまっては、いくら上から肥料を与えても株は育ちません。この冬のうちに、カナブンの幼虫がいないかよく確認し、もし見つけたらすべて取り除いておきましょう。さらに、癌腫病のチェックも冬の間に行いましょう。

元気な根を育てる木炭

さて、用土を新しくして、また元気な根がたくさん伸びるようにするには、木炭を利用することをオススメします。

木炭には、顕微鏡で見るとたくさんの小さな穴があり、その多孔質な特性が、水分や養分、空気の保持力に優れ、根の生育に有害な物質を取り除き、有効な微生物を増やすという利点があります。また、アルカリ性のため、酸性土で粘土質の土壌改良に優れ、水もちがよいのに、水はけもよく、根腐れの防止にとても役立ちます。

私は、写真の粒状木炭を長年愛用しています。

特に鉢底に木炭を入れることで、まるで木炭をめがけて集まってくるかのように根を生育させ、根張りがよくなります。

また、用土の中にも、ひと握りほどの少量の粒状木炭を混ぜ入れます。でも、あまりたくさん入れると、用土がアルカリ性になりすぎ、株が育ちにくくなるので注意しましょう。

‘ハリー・エドランド’の鉢植え。

根を育てることで、用土の中の水分や養分を吸収する力が増し、株全体がイキイキとしてきます。その結果、春に元気にたくさんの花を咲かせてくれることにつながります。

なお、水はけがよいので、水やりは冬でも3日に1度は与えましょう。また、私は春に、つぼみが色づく前までに、液肥などの追肥を与えています。

今年の開花が待ち遠しいですね。大切に育てた分、きっとバラが応えてくれますよ。

Credit

写真&文/元木はるみ

神奈川の庭でバラを育てながら、バラ文化と育成方法の研究を続ける。「日本ローズライフコーディネーター協会」代表。近著に『アフターガーデニングを楽しむバラ庭づくり』(家の光協会刊)など http://roseherb.exblog.jp

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