バラとガーデンをテーマにした書籍「ガーデンダイアリー」などで活躍する写真家の福岡将之さんが、ガーデン写真の撮影ポイントをレクチャー! 
今回のテーマは「ツクシイバラ」。「ガーデンダイアリーVol.7」掲載の巻頭特集です。思い通りに写真を撮りたい方、庭のシーンをじっくり楽しみたい方、どちらにもお楽しみいただける写真講座です。

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日が沈む前に、すばやく撮る!

絞りf13 シャッタースピード1/20  ISO感度200  三脚使用 (ガーデンダイアリーVol.7 p20掲載)

球磨川(くまがわ)沿いの河原で保全されているツクシイバラの自生地で、土手の上から見て、花の密度が濃く見える場所を見つけて撮影しました。

夕暮れの傾いた光で撮っています。遠くに球磨川を入れて、河原の広場の自生地ということが写真で説明できるように撮っています。

夕方の撮影は、日が沈んでしまうのが早く、刻々と光の状況が変化するので、すばやく撮るように心がけています。この時も車を停めた場所から、この場所まで走って行って撮影しました。

「縦位置」か? 「横位置」か?

絞りf11 シャッタースピード1/40  ISO感度200 手持ち (ガーデンダイアリーVol.7 p15掲載)

田んぼの中の古民家レストラン「Wabi-Sabi」のツクシイバラ。日本の原風景の中に溶け込んだツクシイバラの美しいシーンでした。

手前の水田と、水田の向こうの草むら、古民家レストランの庭のツクシイバラ、瓦の屋根が層になって重なって見える様子を水田のあぜ道から撮りました。

縦位置と横位置の両方で撮っていますが、この場合は縦位置のほうが「層の面白さ」がよく分かります。

正面からドーンとストレートにいこう

絞りf13 シャッタースピード1/125  ISO感度200 手持ち

人吉市の造り酒屋、大和一酒造元の駐車場、小川の土手沿いに、見事に咲いたツクシイバラの大きな株がありました。株全体の枝ぶりがよく分かるように、正面からストレートに撮っています。

ガラスのテーブルに映り込んだ窓の外を撮る

絞り f8 シャッタースピード1/60  ISO感度200 三脚使用 (ガーデンダイアリーVol.7 p16掲載)

球磨川を見下ろす高台にある「レストラン蔵」の店内で撮影したツクシイバラの小さなアレンジメント。

ガラスのテーブルに、外の様子が映り込んでいます。
花と、ハーブティーの器、ティーポットの重なり方だけではなく
ガラスに映った風景も見え方も考慮して構図を決めました。

複数のポイントにピントを合わせる

絞りf5.6 シャッタースピード1/160  ISO感度200 手持ち (ガーデンダイアリーVol.7 表紙)

ガーデンダイアリーvol.7の表紙を飾ったツクシイバラの花です。

小さな花1輪だけのアップではなく、蕾から花へ、また盛りをすぎて色あせたものまで、ツクシイバラの花のいろんな段階の状態が分かるように撮っています。このように、いろいろな見せ場がある写真の場合は、背景はぼかしながらも、複数の場所にピントが合うように工夫して撮影しています。

主役と背景、それぞれに役割をキッパリ振り分ける

絞りf5.6 シャッタースピード1/800  ISO感度200 手持ち

道の駅「錦」の裏にある公園に、自然樹形でのびのびと元気に育ったツクシイバラの株がありました。地元の野生のバラをシンボルのように植栽している、とても素晴らしい公園でした。

一本美しい曲線で伸びている枝を選び、枝ぶりがよく見えるように枝にピントを合わせて、背景には満開の株がぼやけて写るように撮ることで、周囲の雰囲気を見せながらも、ツクシイバラの枝の美しさを楽しめるように構成しました。

草の一本一本にまでパチッとピントを合わせて

絞り f10 シャッタースピード1/40  ISO感度200 三脚使用 (ガーデンダイアリーVol.7 p8〜9掲載)

球磨川の河川敷の草原に広がるツクシイバラの自生地から、川に向かう小道の風景です。この道の両側にあるツクシイバラは、片方は薄いピンク、片方は白。同じ場所でも、株ごとに色の変異が見られるのも、自生地ならではです。

夕方の光が美しく当たり、風景が立体的に見えました。手前から奥までピントを合わせて、一緒に生えている草の一本一本まで、しっかり見えるように撮りました。

室内でも自然光を使って撮る

絞り f5.6 シャッタースピード1/20  ISO感度200 三脚使用 (ガーデンダイアリーVol.7 p16掲載)

喫茶店「はち」では、器をお借りして、ツクシイバラの小枝を活けて撮影。小枝をそのまま花器に挿すだけで、十分に存在感があります。

マクロレンズで被写界深度を浅めに、背景をぼかして撮影しました。

左側にある窓からの光で撮りました。この日は曇り空だったので、フラットな柔らかい光でした。

 

何がどうなっているの?  分かるように撮る

絞りf11 シャッタースピード1/60  ISO感度200 手持ち

喫茶店「はち」のエントランスの階段。黒い手すりと階段の内側の黒い構造物に仕立てられたツクシイバラ。とてもシックで、新鮮な庭でした。階段との位置関係が分かるようにツクシイバラの周囲の状況も入れて撮影しました。

 

じーっと立っていないで自分が動く

絞りf13 シャッタースピード1/85  ISO感度200 手持ち

喫茶店「はち」の前にある橋のガードレールに絡むツクシイバラが満開でした。水路側から、手前に紫陽花、中央にガードレールのツクシイバラ、瓦屋根の家々と田園風景が見える角度で撮りました。

美しい日本の田園風景に溶け込んだツクシイバラが見事でした。

広い風景を撮るときは、手前から奥までの見せ場がよく見える場所を、自分が移動して探すということが大切です。

Credit

 

写真・文/福岡将之

写真家。1970年、長崎市生まれ。東京を拠点に、「ガーデンダイアリー」、「大成功のバラ栽培」などの書籍、雑誌、広告の撮影をおこなっている。 著書「portrait」「紫竹おばあちゃんの幸福の庭」「北鎌倉のお庭の台所」。インターネットで花と庭の写真撮影を、全国のアマチュア写真家に教えている。
「福岡将之の無料メルマガ写真講座」 http://laf-p.com

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