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花の庭巡りならここ! 自然美にため息がこぼれる「深山イギリス庭園」

花の庭巡りならここ! 自然美にため息がこぼれる「深山イギリス庭園」

四季がはっきり変化する日本には、豊かな自然と幅広い植物群、そして花を美しく咲かせる技術力があり、海外からも注目されているガーデンがたくさんあります。全国各地で育まれ、訪れる人々を感動させる花咲く数々のスポット。人生で一度は訪れてほしい観光ガーデンへご案内します。

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岡山県玉野市の市政60周年を記念して、2000年にオープンした英国式庭園「深山イギリス庭園」。ガーデンデザインはイギリスの著名な庭園技師、ピーター・サーマンさんが手がけました。彼は「深山イギリス庭園」の設計にあたって深山に3カ月滞在し、当地の気候を肌で感じたうえで、自然・環境との調和を目指した「20世紀の伝統的なイギリス庭園」をコンセプトに構想をまとめ上げました。7,500㎡の敷地は、大人がゆっくり歩いて1時間程度で観覧できる広さ。約200種8,000株の植物たちが四季折々に織りなす、豊かな景色をお楽しみください。

「深山イギリス庭園」は、カマクラヒバの生け垣で6つに区画され、6つのスタイルのガーデンがつくられています。ガーデンは、①「深山イギリス庭園」のシンボルのトリプルドルフィンの噴水を中央に配したウォーターガーデン(水の庭)、②イングリッシュローズを中心に集めたローズガーデン(バラの庭)、③夏花を集めたサマーフラワーガーデン(夏花の庭)、④明るい花色で演出したホットカラーガーデン(暖色の庭)、⑤白やシルバーの花や葉を集めたホワイトガーデン、⑥大きめの花弁をもつ太白桜が咲くグレイトホワイトチェリーガーデン(太白桜の庭)の6種です。

写真はウォーターガーデンのエリアにある休憩スペース。ガーデンテーブル&パラソルが4セット、ベンチが6つあり、飲み物のみ持ち込みOKです。

一番の見頃は5〜6月のローズガーデンが満開になる季節!

「深山イギリス庭園」のローズガーデンの見頃は5〜6月頃です。四季咲きのイングリッシュローズ、つるバラ16種類、約100株は、白、ピンク、黄色系の花色を中心に選び、宿根草と組み合わせてナチュラルに植栽されています。イングリッシュガーデンらしい華やかさと共に、空間に無限の広がりを感じさせるような、バラを仕立てたアーチのレイアウト術も見どころ。また、フォーカルポイントとしてつくられた噴水は、その賑やかな音で花が咲き誇る様子を表現。隣のウォーターガーデンが「静」なら、こちらは「動」で対比させています。発色のよい手前の赤バラは、‘L.D.ブレスウェイト’。

写真は、ローズガーデンを別角度から見た構図。奥に見える建物はイギリスの田舎屋風に建てられたパビリオンで、庭園のインフォメーションとして利用されるほか、アーチストの作品展示コーナー、絵葉書やハンカチ、ボトルフラワー、押し花、パンフラワー、書籍など、植物にまつわる雑貨ショップも併設されています。

旬を迎える花が、主役として輝くステージを随所にしつらえて

幅4m、奥行き12mのフジ棚には、紫のフジ、シロフジ、ベニフジ、ヤエフジ、ノダナガフジの5種類15株が植栽されています。開花時期に多少のずれはありますが、ほぼ咲き揃う5月上旬になると甘い香りが漂い、レースのカーテンのように花がさらさらとなびいて、それは見事なものです。フジの花言葉は「決して離れない」。カップルのフォトスポットにぴったりではないでしょうか?

左の写真はホワイトガーデンのエリア。高さ2.5mのアーチに、樹齢約20年のシロフジを沿わせ、ダイナミックに縦の空間を彩っています。奥に見えるシンボルツリーはオオデマリで、同時期に白い花をたわわに咲かせます。右の写真もホワイトガーデンの一角。オオデマリ、イングリッシュデージー、シロタエギク‘シルバーダスト’など、白花やシルバーリーフでまとめています。

モニュメントとエバーグリーンが織りなす、英国の伝統的な庭

写真のエリアは「彫刻の回廊」。ヨーロッパ独特の石灰岩ライムストーンを原材料に、動物の神や聖女をモチーフにした12体のモニュメントが整然と配置されています。英国の伝統的なガーデンに見られる、彫刻や鉢をシンメトリーにレイアウトする手法が見どころ。フォーカルポイントとなる槍状のオベリスクを奥に据えて奥行き感を強調し、中央にヤシモドキを植栽したゴシック調の飾り鉢を4つシンメトリーに配すことで、単に彫像を並べただけではない、景色の変化をもたらしています。見る方向や角度によっても印象が変わる、フォーマルな庭です。

四季を通して花々で彩られる「深山イギリス庭園」では、写真展やガーデニング教室、アフタヌーンティー、バグパイプ演奏が楽しめるイギリスフェアなど、さまざまなイベントも開催されています。あらかじめホームページでイベント内容をチェックして出かけるのもオススメです!

Information

深山イギリス庭園

所在地:岡山県玉野市田井2丁目4490
TEL:0863-21-2860
http://www.tamano.or.jp/usr/miyama/

アクセス:JR岡山駅/30号経由宇野駅、渋川行バス40分/深山公園入口下車
瀬戸中央自動車道水島IC/車30分

オープン期間:通年

定休日:水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始

営業時間:9:00~16:30(3月~11月)、9:00~15:30(12月~2月)

入園料:小学生100円、中学生以上 200円、65歳以上100円

Credit

取材&文/長田節子

ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが、醍醐味ですね。
https://twitter.com/passion_oranges/

 

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