咲かせて、眺めて、飾って嬉しい、花のある暮らしにオススメの植物と飾り方アイデアを、小さな庭のある暮らしを楽しむ前田満見さんがご紹介。外の庭が寂しい季節でも、身近に花と緑を必ず取り入れる、前田さんのガーデニングエッセイ。苔を部屋に飾り、愛でる楽しみをご紹介します。

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早春の息吹が芽生える2月

落葉樹の足元にこんもりと積もった落ち葉を手で掻き分けると、鮮やかな苔が目に飛び込んできます。そのみずみずしい緑の美しさに心奪われるのも、冬の名残のこの時季だからこそ。草木の若葉が一斉に芽吹く春を待ちながら、苔の緑を部屋の中で楽しみます。

小さな盆栽鉢で楽しむ

庭に生えている苔の中で、観賞用に適しているのは、スギゴケとスナゴケです。どちらも管理しやすく、スコップで簡単に掘り起こせるので、根に土を少しつけたまま鉢植えします。この時使用する鉢は、苔のサイズ感に合う浅めのものなら、素焼きでも陶器でも大丈夫ですが、私のお気に入りは、手のひらサイズの小さな盆栽鉢。

この鉢に苔を植えると、何とも愛らしい和の雰囲気になります。さらに、一株のユキノシタを添えて、庭の景色のかけらを部屋の中で楽しみます。フワフワのスナゴケの上に、ちょこんと小さな丸葉を広げたユキノシタ。何だか、寒い庭より、こちらのほうが居心地よさそうです。

芽出し球根と苔のミニチュアガーデン

年明けから園芸店に続々と並び始める芽出し球根。なかでも、大好きなスノードロップを見つけると、いくつか買って部屋の中でひと足早い春を楽しみます。

ポットごと鉢カバーになる器に入れると手軽ですが、スノードロップの愛らしさが際立つように、器にもこだわって植え替えします。

この時、準備するのが水耕栽培用の「ハイドロボール」と「ミリオン」。ハイドロボールは用土代わりに、ミリオンは、根腐れや水腐れ防止、生育促進に効果を発揮してくれます。まず、ミリオンを器の底に入れ、水で洗ったハイドロボールを2/3の高さまで敷き詰めます。

球根の根に付着した用土を水で洗い、一つひとつ植え付けます。球根が安定するようにハイドロボールを足したら、もう一度上からミリオンをパラパラと。仕上げに表面にスナゴケを敷いたら、水をたっぷり含ませます。後は、霧吹きで湿度を補いながら管理します。

窓辺やダイニングテーブルの上に置くと、そこは、まるで陽だまりのミニチュアガーデン。フカフカの苔の絨毯をまとったスノードロップ。なんて可愛いのでしょう。

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写真&文/前田満見

高知県四万十市出身。マンション暮らしを経て30坪の庭がある神奈川県横浜市に在住し、ガーデニングをスタートして15年。庭では、故郷を思い出す和の植物も育てながら、生け花やリースづくりなどで季節の花を生活に取り入れ、花と緑がそばにある暮らしを楽しむ。小原流いけばな三級家元教授免許。著書に『小さな庭で季節の花あそび』(芸文社)。

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