これまで長年、素敵な庭があると聞けばカメラを抱えて、北へ南へ出向いてきたカメラマンの今井秀治さん。カメラを向ける対象は、広大な庭から個人のお庭、珍しい植物まで、全国各地でさまざまな感動の一瞬を捉えてきました。そんな今井カメラマンがお届けするガーデン訪問記。第2回は、滋賀県の観光ガーデン「ローザンベリー多和田」です。

ローザンベリー多和田は、オーナーの大澤恵理子さんが、細部にまでこだわってガーデンをつくってこられました。大澤さんもイギリスがお好きのようで、私のようなイギリス好きのカメラマンにとっては、たまらないガーデンです。そんな素敵なガーデンを会場にして、日本各地から育種家さんの可愛いビオラが集められ、撮影ができるという夢のようなイベント「パンジービオラフェスティバル」が開催されるというのですから、ワクワクして出かけたのはご想像の通りです。

ビオラが好きになった20年前の記憶

高知県 見元園芸 /見元ビオラ「春の恋」

元々僕は白や青、薄いピンクの小花みたいな花が好きだったので、ビオラは好きな花でした。そのビオラが大好きになったのは20数年くらい前、千葉県富里市の沖縄出身のご夫婦がなさっている「七栄グリーン」と言うお店との出会いがきっかけでした。七栄グリーンは、とってもセンスの良いカラーリーフを使った寄せ植えとハンギングで有名なお店で、僕も機会があるごとにうかがって撮影をしていました。そんな七栄グリーンの寄せ植えに欠かせない花がビオラでした。

群馬県 サトウ園芸/佐藤勳氏「ドラキュラ」

その当時は、まだ“育種家さんのビオラ”のような個性的な品種はなかったのですが、七栄グリーンさんは大手の種苗会社のカタログの中からきれいなビオラをセレクトして、棚の上にはいつもかわいいビオラがたくさん並んでいて、僕もそんなビオラを使ってよく寄せ植えをつくっていました。

愛知県 とよた花菜工房/ROKAビオラ矢田系

その後七栄グリーンさんは沖縄に帰られお店はクローズしてしまったのですが、最近はホームセンターなどでも見元さんや他の方々が生み出したかわいいビオラが手に入るようになったので、寄せ植えは今でも時々つくっています。

育種家さんのビオラとの出会い

(右)高知県 見元園芸/見元ビオラ「つぶらなタヌキ」

僕が最初に育種家さんのビオラに出会ったのは、雑誌の取材で訪れた北海道札幌市にある「国営滝野すずらん丘陵公園」で、梅木あゆみさんが主催するイベントでした。その以前にもいろいろな方から「宮崎の育種家さんのビオラが素晴らしいよ」と、話は聞いていたので、是非拝見したいと思っていました。実際に見る育種家さんによるビオラは、色も形も大きさも想像以上にバラエティに富んでいて素晴らしく、興奮しながら撮影したのを覚えています。

笈川 勝之氏/横浜セレクション「フレアブルー」

その後は大阪の園芸店「Kanekyu金久」さんに取材に行ったり、神奈川県横浜市の笈川さんのハウスにお邪魔していろんなビオラを見てきました。知り合いのガーデンラバーさん達は、もうとっくに宮崎にまで行っていたりして、「今度一緒に宮崎に行きませんか?」と誘われてしまうほど育種家さんのビオラは、僕にとってしっかり撮影してみたい憧れの花になってしまいました。

自宅から5時間かけてローザンベリー多和田へ

そんな憧れのビオラが「ローザンベリー多和田」さんに勢揃いすると聞いたら、行かないわけにはいきません。4月4日、当日の天気を確認していざ出発です。自宅の千葉からローザンベリー多和田のある米原までは450kmおよそ5時間のドライブです。暗いうちに出発したので、お昼前には無事到着。SNSのショートメールでガーデナーのヒデさんに連絡してゲートへ向かうと、4日は休園日とのことで園内はガラーンとしていました。これは、ビオラ独り占めで撮影ができる! 素晴らしい機会となりました。

ローザンベリーと言えばアンティークレンガの塀とメタセコイアのロングウォークが有名ですが、その塀の前には分かりやすく、育種家さんごとにテーブルが置かれていました。アイアンのフェンスの前には、大きなハンギングやテラコッタがいくつも、いくつも並べられていています。

カメラマンとしては、育種家さんごとに全部の花をカメラに収めたいし、大作のハンギングやテーブルの上のグルーピングの写真も撮りたい。撮っても撮っても終わらない大変な一日になってしまいましたが、どの花も可愛く、どのハンギングも素敵だったので、不思議と疲れは感じない充実感いっぱいの幸せな一日になりました。

○2018年のビオラフェアー パンジービオラフェスティバル は、3月17日(土)~4月15日(日)の開催です。詳しくはホームページ(http://www.rb-tawada.com)でご確認ください。

○この記事でご紹介してきたすべての写真は、すべて「English Garden ローザンベリー多和田」で今井秀治さんが撮影したものです。

(左)岡山県 Kim農園「ROKAビオラ」
(右)宮崎県 大牟田尚徳氏「エボルベ」

Information

English Garden ローザンベリー多和田
所在地:滋賀県米原市多和田605-10
TEL:0749-54-2323
http://www.rb-tawada.com

アクセス:名神高速道路 一宮ICより約40分
JR米原駅よりタクシーで約15分

オープン期間:火曜休(祝日の場合は営業)
※冬季休園あり 2018年は3月17日(土)からの営業(オープン期間はHPにてご確認ください)

営業時間:10:00〜17:00(レストランは11:00〜15:00)
※冬季(12〜3月)は10:00〜16:00の営業

入園料:大人(中学生以上)800円、小人(4歳以上)400円、3歳以下無料
※団体は15名以上、割引あり

Credit

写真&文/今井秀治
バラ写真家。開花に合わせて全国各地を飛び回り、バラが最も美しい姿に咲くときを素直にとらえて表現。庭園撮影、クレマチス、クリスマスローズ撮影など園芸雑誌を中心に活躍。主婦の友社から毎年発売する『ローズカレンダー』も好評。