一年のうちで寒さが最も厳しい1月ですが、寒さに強い草花を選べば、冬でも花が絶えない庭や花壇を楽しむことができます。今回は寒さの中でいっそう美しさが際立つ白花と、その効果についてご紹介します。アドバイザーは、愛知・豊田市で一年中、花が絶えないガーデンをつくる「花遊庭」のガーデナー、天野麻里絵さん。小さな花壇づくりの基本と、5つのオススメ草花をピックアップしてご紹介します。

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冬に楽しむ草花は、耐寒性があるものをチョイス

最も寒さが厳しい1~2月でも、花咲くガーデンはつくれます。そこで大切なのが、寒さに強い丈夫な品種を選ぶことです。ポット苗に添えられた札に「耐寒性」の表記があるものを選びましょう。外気温が0℃以下になっても枯れない性質なので、屋外で冬越しができます(関東以西の温暖地が基準)。この時期に植え込む植物は、耐寒性がある性質の苗であっても、暖かな温室で育てられている場合があるので、苗を購入したらまずは軒下で2〜4日慣らしてから植え付けるとよいでしょう。

冬を彩る白花の魅力

きりっとした寒さの中で、いっそう純白の花が輝いて見える季節です。白花は、清楚で凛とした美しさを感じさせ、特に女性に好まれる花色です。白花だけを集めたホワイトガーデンは、カラーガーデンの中でも特に清らかさを感じさせます。

白一色、そして黒を加えたモノトーンなど、極力花色を絞ってみると、また違った草花の魅力を発見できますよ。

草姿の美しい植物を選ぶ
「ローダンセマム・アフリカンアイズ」

草花を選ぶとき、花の美しさに目がいきがちですが、茎や葉、そして全体の株の姿から受ける印象も大切です。植え込んだ後の成長を見越して植え場所を決めるためだけでなく、隣り合う植物には、草姿や花、葉形が異なるものを合わせることを意識してみましょう。写真中央付近、淡いチューリップの左下に咲くのが、オススメのローダンセマム・アフリカンアイズです。

長い花茎を真っ直ぐに立ち上げるローダンセマムは、凛とした美しさをいっそう強く感じます。そして、茎葉がシルバーで、花色をより美しく見せてくれる効果もあります。ローダンセマムのなかでもアフリカンアイズは、名前の通り、濃いブラウンのしべが純白の花を引き締めて見せてくれます。咲き進むにつれて、だんだんとしべが盛り上がってくる頃が、花がら摘みのタイミングです。

白い小花がまとめ役になる
「宿根イベリス」

いろんな草花を楽しみたくても、狭くてスペースが限られる花壇では、たくさんの花色を入れてしまうと、にぎやかな反面、ごちゃごちゃとまとまりがない印象になりがちです。そこに白い小花を加えると、色同士のつなぎ役となって、全体をすっきりと見せてくれます。

宿根イベリスは、小花ながら花がまとまって咲くとボリュームを感じさせてくれます。深いグリーンの葉が、より白花を際立たせ、株まとまりもよく、冬花壇に欠かせないパンジーやビオラとも合わせやすい草花です。

ボリューム感をアップする
「スーパーアリッサム」

冬の花を植え込んでみたものの、何かもの足りないと思ったときは、白い小花を加えてみましょう。全体の色合いや雰囲気を崩さずに、花のボリュームをアップできるうえ、明るく華やかな印象にしてくれます。

栄養系のスィートアリッサムのスノープリンセスは、成長すると1株で50㎝ほどの株張りになります。立ち上がった花壇では枠際に植え込むと、枝垂れる姿を楽しめます。

斑入り葉をポイントに
「斑入りアラビス」

さらに斑入り葉の小花を選べば、カラーリーフとしても楽しめます。花の少なくなる冬のシーズンは、葉の美しいものを選ぶことも大切です。

斑入りアラビスは、細かい花と緑葉に入る斑模様が美しい植物です。地面を覆うように横に広がるので、花壇の手前にグラウンドカバーとして使うこともできます。また、ステップの隙間や、ほかの植物を植え込みにくい傾斜地にもオススメです。春になると細い花茎を立ち上げ、浮かぶように可憐な白い小花が楽しめます。

変化を楽しめる草花
「ハナカンザシ」

冬の花は、低温の中で花が開くので、花もちがよいものが多いのですが、さらに蕾のうちから可愛らしい姿を見せる草花を選ぶと、変化を楽しむことができます。写真の花壇の手前と奥で緑の中に浮かんでいる白い粒がハナカンザシのつぼみです。

ハナカンザシは、かさかさとした質感の白い花が爽やかですが、小さく丸いつぼみの頃は、ガクに包まれて濃いピンクに見えるのも魅力です。写真手前の花の中央が明るいイエローの花がハナカンザシです。細かな葉も美しく、株姿もドーム状にこんもりときれいにまとまります。写真中央付近で花茎を立ち上げて咲くのが、先にご紹介したローダンセマム・アフリカンアイズ。

今回ご紹介した冬に咲く白花は夏越しが難しいものが多いので、6月になったら抜き取って、夏の花に植え替えるとよいでしょう。スーパーアリッサムは、暑さに強く花期が長いので、夏以降も花壇の彩りに活躍します。

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Information

「ガーデニングミュージアム 花遊庭」
所在地:愛知県豊田市大林町1丁目3番地3
☎0565-24-7600 http://www.kayutei.co.jp

アクセス:名鉄三河線「土橋駅」から車で3分

Open:10:00〜17:00(3~6月・9~12月無休/1・2・7・8月は火曜定休)

入園料:4~6月、10月 400円
11~3月、7~9月 300円

Credit

写真&文/「花遊庭」天野麻里絵
1,300坪の敷地に28のテーマガーデンが一度に巡れる「ガーデニングミュージアム 花遊庭」のヘッドガーデナーとして、庭づくり、植栽メンテナンスを手がける。NHK『趣味の園芸』の講師や各地のガーデンでの講演会などでも活躍。『NHK趣味の園芸 4つの役割が決め手! 宿根草でつくる自分好みの庭』(NHK出版)など著書も多数。

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