宿根草(しゅっこんそう)という植物のグループをご存じですか? ガーデニングを始めたばかりの人には、初めて聞くワードかもしれない宿根草。実は手間がかからなくて、とっても簡単に育つ宿根草もたくさんあります。「ガーデニングの初心者にこそ、宿根草をオススメしたい!」という「おぎはら植物園」店長の荻原範雄さんに、宿根草の中から育てやすいオススメのカラーリーフを5種、ピックアップしていただきます。

宿根草は庭や鉢に植えっぱなしで越年して、何年も楽しめる植物です。ただし、一年草に比べると花の時期が短いものもあるのですが、葉色がきれいな宿根草であれば、花期以外でも周囲に彩りを添えることができ、観賞期間が長いのも魅力です。花だけでなく葉も楽しめて、しかも長生きするので、お得感があります。

四季を楽しむカラーリーフ

宿根草のカラーリーフは、春のあざやかな芽吹き、夏のさわやかな葉色、秋の紅葉と折々の変化が楽しめて、四季がはっきりとした日本の気候にはぴったりの植物です。

一年草や花メインの宿根草と組み合わせてアクセントにしたり、葉の色が違うもの同士で組み合わせれば、シックでおしゃれな雰囲気が出せます。葉色の美しいカラーリーフはアイデア次第で楽しみ方が広がります。

葉の彩りが周年楽しめる! 宿根草のカラーリーフ5選

Pickup1 ヒューケラ(ツボサンゴ)

日本でもツボサンゴの名で知られるヒューケラは世界的にも人気が高く、品種が多いため色のバリエーションがとっても豊富。赤、オレンジ、黄色、ブロンズなど、ヒューケラだけで組み合わせることもできます。季節ごとに色が変化するもの、花がきれいなものなど魅力的な品種が多く揃っています。

ヒューケラ(ツボサンゴ)の生育の様子・育て方のポイント

寒さ、暑さともに強い性質で育てやすく、冬も常緑で葉が残ります。春から初夏は花も楽しめますから、常にきれいに飾っておきたい場所には最適です。庭植え、鉢植え、どちらでも育てることができます。秋から春は十分に日に当てて育てますが、夏に日光が強すぎると葉が焼けてしまうことがあるので、夏の午後には日が陰る場所がよいでしょう。ある程度、水分を好む宿根草なので、極度に乾燥する場所は避けます。でも、多湿な場所は苦手なので、水を多く与えすぎないこと。根腐れの原因になります。水はけがよく、栄養の多い土で植え込むことがコツです。管理場所と用土を選べば、あとは難しいメンテナンスは不要です。

オススメのヒューケラ3種

ヒューケラ‘グリーンスパイス’

ヒューケラ‘ティラミス’

ヒューケラ‘スノーシュクレ’

Pickup2 ホスタ(ギボウシ)

日本原産のホスタは、シーボルトがヨーロッパに広めたことをきっかけに、世界中で親しまれるようになったカラーリーフの定番です。とても丈夫な性質で、葉も花も楽しめて、観賞期間も長いため「パーフェクトプランツ」とも呼ばれています。品種のバリエーションが膨大にあり、大きな葉から小さな葉、斑入りやグレイッシュな色など、品種ごとに変化があります。

ホスタの生育の様子・育て方のポイント

もともと日本の植物ですから、気候も合っており、難しい管理は必要ありません。栄養のある土を使って植えるだけで、ほとんど手がかかりません。明るい半日陰か、日向で育てますが、夏場は強い日差しを避けてください。大きくなる種類は庭植えがオススメですが、小型~中型の種類は鉢植えでも楽しめます。適度な水分を好み、強い乾燥は避けて育てます。初夏から晩夏にかけて花を咲かせ、秋には紅葉し、冬になると落葉して地上部が無くなります。春になると再び葉が芽吹き、生育を開始します。

オススメのホスタ3種

ホスタ‘ハルション’

ホスタ‘長大銀(ちょうだいぎん)’

ホスタ‘ファイヤー&アイス’

Pickup3 宿根ビオラ

ビオラといえば、秋から早春に流通する一年草のビオラを想像しますが、他にもさまざまな種類があり、宿根性のタイプもあります。中でも葉がきれいな宿根性のビオラは、個性的で面白いです。宿根性のビオラは寒さに強いことはもちろん、管理次第では夏も越して何年も育てることができます。

宿根ビオラの生育の様子・育て方のポイント

主な花期は早春から初夏なので、一年草のビオラのように花期は長くありませんが、周年葉の色が楽しめます。暖かい地域では冬に葉が多く残り、観賞期間がより長くなります。

生育がゆっくりなので、寄せ植えや小さいスペースのグラウンドカバーに使ってみてはいかがでしょうか。花もとても可愛いです。夏の高温時に多湿になると弱りやすいので、水はけのよい用土で育てます。鉢植えの場合は、夏には風通しのよい半日陰に移しましょう。

オススメの宿根ビオラ2種

ビオラ‘ラブラドリカ’

ビオラ‘ハートスローブ’

Pickup4 アジュガ

小さな葉が可愛らしいアジュガ。葉が密集して育ち、ユニークな姿をしています。性質も丈夫なのでグラウンドカバーにしたり、寄せ植えのアクセントにも使えます。寒さや暑さにも耐え、丈夫な性質です。一年中常緑で春には花穂を立ち上げて小花を咲かせます。コンパクトなものや、よく広がるものがあり、葉色もブロンズ、黄色、斑入りなどのバリエーションがあります。

アジュガの生育の様子・育て方のポイント

アジュガも品種によって性質はさまざまなので、用途に合わせて選びましょう。小型のものは鉢植え、寄せ植え、小さなスペースに。広がるタイプは雑草よけなどグラウンドカバーに用います。庭植え、グラウンドカバーの場合は、強すぎる日光、乾燥地を避けて、午後から半日陰になる場所に植えます。日陰に強く、他の植物が育ちにくい暗めの場所でも生育します。鉢植え、寄せ植えの場合は日向でも構いませんが、夏には半日陰に移しましょう。

オススメのアジュガ3種

アジュガ‘バーガンディグロー’

アジュガ‘チョコレートチップ’

アジュガ‘ゴールドライム’

Pickup5 ユーフォルビア

ユニークな姿をしたユーフォルビアは、その独特なフォルムが個性的で、おしゃれな庭の演出に役立ちます。乾燥に強いので、多肉植物と寄せ植えにしたり、鉢植えにもできます。大きくなる種類は庭に植えて楽しみましょう。春から初夏に咲く花も目を引きます。

ユーフォルビアの生育の様子・育て方のポイント

日向で乾燥気味の環境を好みます。庭植え、鉢植えともに水はけのよい用土で育ててください。逆に日陰や多湿を嫌います。主な花期は早春から初夏で、花後に短めに切っておくと、その後の姿がきれいで楽しめます。剪定などの際、白い樹液はかぶれることがあるので注意が必要です。木立タイプは冬も常緑で、葉の紅葉も楽しめます。

オススメのユーフォルビア3種

ユーフォルビア‘ウルフェニー’

ユーフォルビア‘タスマニアンタイガー’

ユーフォルビア‘カラキアス’

写真協力:株式会社ハルディン

Credit

写真&文/「おぎはら植物園」荻原範雄

長野県上田市にある宿根草と山野草を扱う植物専門店「おぎはら植物園」の店長。1979年から植物の栽培と販売をスタートさせた「おぎはら植物園」では、現在、取り扱う宿根草と山野草は4千種を超える。全国に苗生産者のネットワークを持ち、海外からの新品種の導入なども積極的に行う。近著に『四季の宿根草図鑑 決定版』(講談社)。「おぎはら植物園」https://www.rakuten.co.jp/ogis/