世界中の人と植物をボタニカルアートでつなげよう。そんなコンセプトのもと、世界のさまざまな国と地域で企画展が同時開催されています。日本で企画展を行うのは、東京都の練馬区立牧野記念庭園記念館。現在開催中の展示企画「世界へ向けて 日本の固有植物」に行ってみましょう!

日本固有の植物を描いたボタニカルアートの展示

現在、世界25か国で同時開催中の「Botanical Art Worldwide(世界に広がるボタニカルアート)」展。参加するそれぞれの国で、各国固有の植物を描いたボタニカルアートを展示する企画展が行われています。全米ボタニカルアート協会が2014年に企画が発表してから、各国のアーティストが準備を積み重ねてきました。ここ、日本では、東京都・練馬区にある練馬区立牧野記念庭園記念館にて、「世界へ向けて 日本の固有植物」という企画展が開催中です。

「世界へ向けて 日本の固有植物」では、全米ボタニカルアート協会に所属し、国内外で活躍する日本人アーティストの手による日本の固有植物を描いた植物画の原画が展示されます。普通のアヤメよりも小型で花茎が短いトバタアヤメや、日本海側に多く自生し、細くしなやかな枝が重い雪の下を這うような姿のユキツバキ、暗紫色に白く筋が入る、くるりと巻いた仏炎苞が印象的なヒメウラシマソウなど、日本固有の植物を描いた植物画の数々は、他ではなかなか見ることができません。これらの植物画の原画とともに、各国で開催中の企画展で展示する作品も併せてモニターで上映されています。

モニター上映中の他国企画展展示作品。

さらに、日本の植物分類学の父として知られる牧野富太郎氏が描いた植物画も併せて展示。植物の生態をよく知る植物学者により、精密に生き生きと描かれた図は学術的にも美術的にも高い価値を持ち、世界的に高く評価されています。その貴重な植物画の中から、今回の企画展に合わせた日本固有の植物を描いたものを10点展示しています。

「世界へ向けて 日本の固有植物」の展示期間は、6月24日(日)まで。
まだ見ていない、という方は、この機会をぜひお見逃しなく。練馬区立牧野記念庭園記念館に足を運んでみてはいかがでしょうか?

貴重な植物も植わる「練馬区立牧野記念庭園記念館」

1862年に高知に生まれ、日本の植物分類学の父とされる牧野富太郎。幼い頃より植物に親しみ、ほぼ独学で植物を研究。東京帝国大学理科大学(現東京大学)の植物学教室で助手と講師を長年務めました。生涯に発見・命名した植物は1,500種類以上、収集した植物標本は約40万枚、収集した書籍は約4万5千冊にのぼり、また、“牧野式植物図”と呼ばれる正確な図でも知られています。練馬区立牧野記念庭園記念館は、牧野富太郎博士の偉業を末永く後世に伝えるため、博士が1926年から94歳で亡くなるまで暮らし、採集した植物を植えて「我が植物園」として愛した住居跡を整備して1958年に開園されました。園内には300種類以上の草木類が植栽されており、学問的にも貴重な植物を多数見ることができます。

写真&植物画/練馬区立牧野記念庭園記念館

Information

「世界へ向けて 日本の固有植物」

練馬区立牧野記念庭園記念館

会期:4月28日(土)~6月24日(日)

Open:9:30~16:30、火曜日休館

入場無料

住所:東京都練馬区東大泉6-34-3

Tel. 03-6904-6403/Fax. 03-6904-6404

アクセス:西武池袋線大泉学園駅下車(南口)徒歩5分、またはバス停「学芸大付属前」下車徒歩3分

Credit

取材&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。