花好きさんのボタニカルクラフトの中でも、特別な道具がなくても楽しめる押し花。紙に挟み込み、プレスすることで平たく整えられた花や植物が、庭とは違った表情を見せてくれます。押し花にすると表情が変わる、庭の植物たちの魅力をご紹介します。

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押し花は標本からアートへ

押し花の起源は、落ち葉を書物に挟んだものといわれていますが、古い文献によれば、16世紀頃にイタリアの生物学者が標本として採取した植物を紙に挟み、乾かしてその姿を残したという記述が残っています。そして19世紀には、英国のビクトリア女王が押し花を好んで行い、額に入れて飾ったと伝えられています。また、1982年に亡くなったモナコ公国公妃、グレース・ケリーも押し花を愛好していた一人。近年では、押し花の教室やアート作品を制作する人などが日本でも増えています。今も昔も、その姿を残して近くで眺めていたいと願うのは、草花好きに共通する思いかもしれません。

押し葉標本は、ドライフラワーのように水分を抜いて乾燥させて、その姿を残す方法。虫やカビの繁殖を避ける湿度と温度が保てれば、100年以上も保存がきくとか。

押し花で庭の植物をコレクション

現代は、デジカメなどで花の美しさや様子を見たままに残すことができますが、庭で咲かせた実物の花をそのまま保存できる押し花は、一つ二つとやっていくと、あの花はどんな表情になるのだろうかと興味が膨らんでいきます。まず、秋冬で人気の押し花素材は、パンジー&ビオラ。比較的花の形が平坦なので、失敗が少なく仕上がります。

花茎から花を切り取らずに押し花にすると、標本のようになります。葉と花茎が同じ位置から伸びていることが分かります。

パンジー&ビオラの仲間、スミレは上品な姿。葉の形がパンジー&ビオラと違って、幅が広いですね。

アジサイの萼も押し花にしやすく、光に透かすと違った表情が見られます。品種ごとに少しずつ萼の形が違いますね。

ラベンダーを花壇に咲くようにレイアウトするのもオススメです。

西洋オダマキは、葉も花もとても特徴がありますね。西洋オダマキは、品種数が多いので、咲かせたことがある花で押し花コレクションするのも楽しいです。

これは何の花か分かりますか? そう、別名キツネノテブクロと呼ばれるジギタリスの花です。斑点までくっきり残っています。この斑点は、虫を呼び込むためのものだとか。

クレマチスも、いろんな花形、花色がありますね。薄い花びらがドライになったその質感を、ぜひ押し花にして観賞しましょう。

咲いている時が一番美しいとは思いつつ、バラを押し花に。色があせているのに、さすがにバラらしい気品が残っています。

押し花を飾る楽しみ

押し花は、素敵なアートになります。額縁の中をガーデンに見立てて、一緒に植えてみたい植物を並べるのもアイデア。季節ごとにインテリアとして飾る押し花を入れ変えるのもいいですね。お友だちとの花談義の時間に、品種当てをしたり、作品づくりの情報交換をしたりと、話題にもなります。

押し花を続けていると、まだ育てたことがない植物への興味が湧いたり、またこの花を咲かせてみたいなと、ガーデニングへの刺激にもなるので、ぜひチャレンジしてみてください。

Photo/ 1,7)photka/ 2)KUCO/ 3)Alena Khudnitskaya/ 4)aarud/ 5,9,10)svrid79/ 6)KPG_Payless/ 8)fotocvet/ 11)CoffeeChocolates/ 12,13)EKramar/ Shutterstock.com

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