みなさんは「オープンガーデン」ってご存知ですか。オープンガーデンとは、個人邸の庭を一定期間、一般の人に開放する活動のことを言います。訪問客と植物の知識や工夫について意見や知識の交換をしたりしながら交流を深めることができる素敵な活動です。今回はオープンガーデンについて紹介します。

古い歴史をもつオープンガーデン

個人が所有している庭を一般開放してくれる「オープンガーデン」。個性ある庭を間近で見られるだけでなく、所有者さんと直接話して苦労話や体験談を聞けるため、これからガーデニングや庭づくりを始める方には貴重な機会です。

オープンガーデンの歴史は古く、80年以上前にイギリスで始まりました。そこからニュージーランド、オーストラリア、カナダと、世界でも住みよい都市や国々を中心に広がり、文化として定着。日本では地方自治体が後押ししたこともあって、2000年ごろから広がりをみせ、現在では全国で実施されています。

不信感を持たれないために守るべきマナー

基本的にはどの庭も無料で開放してくれており、指定された公開日であれば誰でも見学できます。公園や植物園と違う個人の庭であることを忘れず、見学マナーを守って観賞させてもらいましょう。庭主の方への感謝の気持ちを伝えるのはもちろん、大切に育てられた草花を踏んだり折ったりしないよう注意を払います。また、種や株を「欲しい」というのもNGとされていますので気を付けましょう。

美しさの連鎖を生み出す「オープンガーデン」

写真/Robert Kamalov/Shutterstock.com

「家の価値は庭で決まる」とよくいわれますが、家以外に目を向けると、現在の日本では「生活価値」、「資産価値」、「地域価値」という3つの価値が大事とされています。オープンガーデンは家の価値(資産価値)だけでなく、その3つの価値すべてに関係するといわれています。個人の庭がその街の名所となり人が来ることによって、庭に続く街並みも美しくなったり、近隣住民がオープンガーデンを始めたりというふうに美しさの連鎖が生まれ、その3つの価値がより一層高まることが分かってきているからです。

最後に・・・

世界のオープンガーデン事例を見ていると、「この家でよかった」「この街でよかった」と人々が思うには、単純に坪単価が高い家を建てればいいということではないと分かります。自分の敷地内だけでなく、それを取り囲む人との出会いや都市景観をどのようにデザインしているかということも、私たちの暮らしの価値につながっているのです。個人の庭を開放するのは大変ですが、美しさが連鎖する中心に立って、家や街、そして生活の価値が高まっていくのを感じる喜びがそこにあるのです。

住宅メーカーやガーデンメーカーは、注文を受けたモノやコトをそこに置くだけでなく、これから続く住まい手の幸せをどう設計するかも考える必要があります。私たちはこのオープンガーデンのように、より暮らしや幸せが連鎖し、年を重ねるごとに価値を高めていけるような住まいをつくることが大切だと考えています。