花や緑に親しみ、季節感に溢れる暮らしを訪ねる「私の庭・私の暮らし」。SNSで全国のガーデニング仲間とつながりながら、自身も千葉の自宅でDIYと庭づくりを楽しむ橋本景子さんが、お気に入りの庭をご案内します。今回は、長野県でハーブ栽培からガーデニングに目覚め、バラをコレクションし、敷地いっぱいに花を咲かせている山田千鶴子さんの庭をご紹介します。

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ハーブを育てたい! と、ガーデニングに目覚めた

バラの庭
アンティークの器にウエルカムフラワーでおもてなし。時にはバラで、時にはビオラで。

2019年で長野在住24年目になるという山田千鶴子さん。彼女がガーデニングに目覚めたのは、神奈川・川崎で社宅暮らしだったころ。春にハーブのバジルを植えたのがきっかけでガーデニングに目覚めたと同時に、その年の夏に長野への転勤が決まったといいます。

ガーデニング
‘レダ’と‘タスカニー・スバーブ’。左のピンクの小花はシレネ‘ファイヤーフライ’。

長野での引っ越し先は一戸建ての広い社宅でしたが、庭には大きな石が置かれ、サツキやボタンが植え込まれた典型的な和の庭。傷んだ芝生をはがし、茂るクマザサを抜いてから、まずはハーブをたくさん植えて、新しい土地でのガーデニングをスタートさせたのです。

バラに魅了されてコレクションは100種以上に

バラ
左上から時計回りに、‘シャルル・ド・ミル’、‘カーディナル・ドゥ・リシュリュー’、‘ジーン・シスレー’、ローブリッター’、‘ジェーン・オースチン’、‘ペルル・ドール’。

ある日、バラ好きの知人に「植えてみたら?」と勧められたものの、「転勤族だからなぁ」と思いながらもバラを植えてみました。すると、それまで知らなかったイングリッシュローズやオールドローズの色や香りの美しさに魅了されて夢中になり、あっという間にバラが20株にまで増えていました。

バラの庭
手前左に‘ピンク・グリーンアイス’が茂り、右にはベロニカ・フェアリーテール。左上は、‘ジェフ・ハミルトン’と赤花‘アンダー・ザ・ローズ’、‘モーティマー・サックラー’。

その後、北海道の両親を呼び寄せて同居し始めたり、子どもが高校生になったりして「長野も悪くないなあ」と思い始めたそうです。そうして長野に永住する事に決めて新居を購入。真夏の引っ越しというタイミングで、無理は承知で思い切ってバラも移植しました。それでも何本かのバラは生き残って、今でも庭で元気に咲いています。

バラ‘ヴィオレット’
‘ヴィオレット’。最初の庭に植えた最古参のバラの一つ。ガーデニング雑誌『BISES』の写真コンテストで入賞した際、贈られたドイツ製のオベリスクに絡ませています。

花で埋め尽くされるお気に入りの庭へ

ガーデニング
6月初めのガーデンを正面から。左は玄関からの通路の右は駐車スペース。

できるだけたくさんの植物を植えたいという気持ちのあまり、お茶を飲んだりする休憩スペースや、芝生を植えるスペースさえももったいなくて、「駐車場と通路とレイズドベッドというシンプルな設計にしてしまいました」という千鶴子さんの庭。とにかく花が咲いているのが大好き! という思いで、バラに限らず、庭をたくさんの花で埋め尽くしたくて、隙間があれば1本でも多く植物を植えたいと庭を作り続けてきました。

バラと花々
‘ジェーン・オースチン’やフィリペンデュラ・ブルガリス、紫のデルフィニウムなど、たくさんの花がボリュームいっぱいに咲き、美しい。

敷地面積30坪という、決して広くはない庭ですが、なんと今では100株あまりのバラが植えられています。樹木は、シャラ、エゴ、ユーカリ・グニー、ジューンベリー、コマユミ、ブルーベリーなど、20種を越える数植えられています。それらの樹木の下には、ゲラニウムやフィリペンデュラ・ブルガリス、サルビア系の宿根草、ヤマアジサイを植えて、ビスカリアやペインテッドセージ、スイートピーなどの秋播きの一年草も。バラの季節の5月下旬から6月上旬まで一斉に花咲く風景を自宅で楽しんでいます。

ラークスパーとセントーレア
白のラークスパーとセントーレア・デアルバータ。セントーレアは、タネ播きから苗にして、何年も宿根している優秀な植物。

『GARDEN SOIL』がガーデンライフを後押し

ローズガーデン
アーチに咲くピンクの‘タウゼントシェーン’に紫のクレマチス‘デュランディ’。手前の淡い色は‘コンテ・ドゥ・シャンパーニュ’、その下のピンク花は‘デュセス・ダングレーム’。

千鶴子さんのガーデニングの歴史を語るうえで忘れてはいけないのが、車で30分ほどの場所にあるガーデンショップ『GARDEN SOIL』です。千鶴子さんの庭づくりのスタート時期とちょうど同じころにオープンしたこのお店とは、もう18年のお付き合いです。

ローズガーデン
左/‘マダム・アルフレッド・キャリエール’のアーチ。手前は‘スヴニール・ドゥ・ラ・マルメゾン’。右/‘ウイズレー2008’とニゲラ、ゲラニウム・サンギネウム‘アルバム’。優しい色の組み合わせです。

ボランティアでバラのお世話をしていた時期もあって、2人の素敵なオーナーさんからは、植物の事をたくさん教えていただき、そしていろんな方々にも出会い、かけがえのない友人もできました。『GARDEN SOIL』の存在は、千鶴子さんのガーデンライフへの影響力は大きかったと話します。まさにこれも“素敵なガーデンショップがあるところには素敵な庭がある”を実証していますね。

これからのガーデニングはマイペースで

バラの庭
左/‘ルイーズ・オディエ’と‘アイスバーグ’。手前はポピー。間に花穂を伸ばすジギタリス・ルテアは、10年以上ずっと育てています。右/‘ブラッシュ・ノアゼット’。

洋裁やお料理、リース作り、旅行などと多趣味の千鶴子さんですが、その中でも一番の楽しみであるガーデニングについては、今後はだんだんとローメンテナンスな庭に変えていき、マイペースでいつまでも楽しめる庭にしていきたいと思っているそうです。

ガーデン
小さなシェッドがある北側のガーデンにも、ハクロニシキやジューンベリー、西洋ニンジンボクなどが植えられ、バラものびのびと。道ゆく人の目を楽しませています。

千鶴子さんが育てるスイートピーの魅力

スイートピー

千鶴子さんのガーデンに育つスイートピーは格別に素敵です。その秘訣を、特別に教えてもらいました。
長野では10月にタネを播いて11月初めに定植しますが、半分くらいは伸びなかったりするので、1カ所に7〜8本植えます。そして、雪が降る前に1度切り戻しをして、春にも、株のボリュームを出すために1〜2回切り戻します。

スイートピー

関東地方では、タネ播きは10月下旬頃に行い、一晩水に浸けたタネを1ポットに3〜4粒播きます。定植は12月初旬。2ポット分を同じ場所に植え付けても、根はそんなに張らないので大丈夫です。冬前に一度切り戻しして、春にも1〜2回切り戻すとよいでしょう。

スイートピーは日当たりも大好きなので、上手に育てるには日当たりのよいところに植えるのが必須条件です。こうすれば、スイートピーとバラの開花時期をうまく合わせる事ができるはずですよ。

スイートピー

環境によって栽培のタイミングは多少違いますので、タネ播きのタイミングや定植の時期、切り戻しの時期をメモしておいて、あなたの庭に合った方法で微調整をするとうまくいきますよ。

Credit

写真・文/橋本景子
千葉県流山市在住。ガーデングユニットNoraの一人として毎年5月にオープンガーデンを開催中。趣味は、そこに庭があると聞くと北海道から沖縄まで足を運び、自分の目で素敵な庭を発見すること。アメブロ公式ブロガーであり、雑誌『Garden Diary』にて連載中。インスタグラムでのフォロワーも23,000人に。大好きなDIYで狭い敷地を生かした庭をどう作ろうかと日々奮闘中。花より枯れたリーフの美しさに萌える。
Noraレポート https://ameblo.jp/kay1219/
インスタグラム kay_hashimoto

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