小さな畑で育てた採れたての夏野菜は、愛犬の食事にも取り入れたい食材ですね。ハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法も学ぶ海野美規さんが、夏野菜のラタトゥーユの作り方と愛犬のためのお揃いレシピをご紹介。スローフードに関心を持ったきっかけと手作りごはんを食べさせたいと思った理由もご紹介します。

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家庭菜園の夏野菜、収穫の楽しみ

夏野菜

庭で育てている夏野菜が、収穫できるようになってきました。小さな畑なのでたくさんは採れませんが、やはり育った野菜を収穫するというのは楽しいものですね。 今のところ収穫できた野菜は、ナス、トマト、ピーマン。もう少し日が経てば、枝豆とゴーヤが採れます。 私の住んでいる静岡も、今年2019年7月は例年よりも日照時間が少なく、庭の花もしょんぼりしてしまい、野菜も大きくならないかもと心配でしたが、梅雨明け後の猛暑でぐんぐん育ってくれまし た。

庭採れ野菜でラタトゥイユ

手作りペットフード

収穫した夏野菜を使って、我が家の愛犬あんも大好きなラタトゥイユを作ります。 ”ラタトゥイユ”とは、南フランス・プロバンス地方の郷土料理で、ナス、玉ねぎ、ズッキーニな どの夏野菜を、オリーブオイルとニンニクで炒めたら、トマトを入れて煮込むという料理 です。味つけは塩こしょうとハーブ。白ワインを入れることもあるとか。 炒めて煮るというシンプルな料理です。犬用には、玉ねぎは使わずに、味つけもしないで作ります。 夏野菜をたっぷりといただきましょう!

*材料

・トマト(熟したもの)
・ナス
・ピーマン

その他、かぼちゃ、ズッキーニ、パプリカなども追加しました。 野菜はお好みで。 野菜はあらかじめ、すべてサイコロ状にカットします。

手作りペットフード

*作り方

  1. 鍋にオリーブオイルを入れて、トマト以外の野菜を炒める。 (油っぽさが苦手な場合は、炒めずそのまま鍋に入れて煮ていきます)。
  2. トマトと鶏(こま切れ)を入れる。
  3. 水をひたひたくらいに入れて煮込む。
  4. 野菜が柔らかくなり水分がなくなってきたらでき上がり。
夏野菜のラタトゥイユ

我が家の愛犬あんは、野菜だけよりも、やはり肉の味がするほうが好きなので鶏肉を入れます。 鶏肉のほか、しゃぶしゃぶした豚肉をラタトゥイユに添えることもあります。

犬には、スプーンの背などでもう少し細かく潰して与えます。余ったラタトゥイユは、後日、たっぷりのキャベツを加えたり、ご飯を入れてリゾット風にしたりして使います。

オーガニック料理の母、アリス・ウオータース

手作りペットフード

アリス・ウオータース氏が日本でも大人気になったのはいつ頃でしたでしょうか。6〜7年ほど前には、NHK で番組が放送されて、注目が高まったように記憶しています。 アリス・ウオータース氏が提唱したことに、9つの項目があります。

  1. 地元で持続可能的に作られた食材を食べましょう。
  2. 旬のものを食べましょう。
  3. ファーマーズ・マーケットで買い物をしましょう。
  4. 庭に食べられるものを植えましょう。
  5. 物を大切にし、堆肥を作り、そしてリサイクルに努めましょう。
  6. シンプルに料理しましょう。
  7. みんなで一緒に料理しましょう。
  8. みんなで一緒に食べましょう。
  9. 食べ物は貴いということを忘れずに。

どれも、うんうん頷けることばかりです。これが全部実践できたら素晴らしいですね。全部ではなくても、どれか一つからでも実践したいと、いつも思います。

私が住んでいる地域の近くには、ありがたいことにファーマーズ・マーケットがあり、いつでも 採れたての新鮮な野菜が手に入ります。お昼近くになると売り切れになってしまうので、野菜を買う日は早めにお店に行くようにするのですが、今日はどんな野菜が並んでいるかなと楽しみです。並んでいる野菜を見て、献立を考えるのもいいですね。

「シンプルに料理しましょう」とのこと、 そうそう、そんなに難しい手の込んだお料理(もともとできませんが)を、レシピ本を見ながら頑張って作らなくてもいいのよね、と思ったりしながらあれこれ考えます。

私の場合、月曜日から木曜日は愛犬のあんとの2人(一人+一匹)暮し。みんなで一緒に食べましょう。というのが難しい項目です。それでも、あんのご飯と私のご飯とお揃いにすることで、野菜を摂ろう、肉を食べよう、魚を食べようと、なるべく偏りのない食事を考えるようになっています。きっと一人きりでは、簡単に済ませてしまっていることでしょう。 支度は同時進行にして、あんのご飯は味つけなし、私のほうは味つけをして調整します。でき上がったら、あんと私と同じタイミングでいただきます。

我が家の愛犬あんに手作りご飯を食べさせたい理由

手作りドッグフード

今から5年半ほど前、あんが我が家に来て2カ月ほど経った頃、それまで、ガツガツ食べていたドライのドッグフードをまったく食べなくなりました。それどころか、鼻でドッグフードの入ったボウルをひっくり返そうとします。それを毎回の食事で行うのです。手の上に乗せて食べさせると、何とか口にするけれど、それでも食べるのは、一カ月前の量の1/3から1/4くらいでした。

心配になって病院に連れて行ってみましたが、特段悪いところはないといわれました。胸やけしていたり、胃もたれを起こしているかもしれないということで、胃薬を処方されました。

薬を飲んでも食欲はあまり変わりませんでした。ドッグフードのお皿に近づいてはくるものの、匂いをちょっと嗅いで、ぷいっと顔をそむけて行ってしまいます。あれ、あんはこのドッグフードが嫌いなのかな。何かこのフード、変なんじゃないかなと、その時初めてドッグフードに疑問を抱きました。あんが食べていたフードは、よく耳にする有名なものでしたから、問題があるはずはないのですが、ドッグフード全般についてネットで調べてみました。

手作りペットフード

海外メーカー、国内メーカー、ドッグフードはとてもたくさん販売されています。評判を見てみ ると、味、嗜好という以前に、「安全性とメーカーのモラルに問題があることもある」という投稿があり、少し恐ろしくなりました。すべてを鵜呑みにするわけではありませんが、あんが食べなくなったのも、もしかしたらこういう理由だったからかもしれないと思うと、あんに申し訳ない気持ちでいっぱいなりました。それから私はすっかり落ち込んでしまいました。

犬は、「今日はこれが食べたい」とリクエストすることも、自分で冷蔵庫を開けて好きなものを選べるということもなく、飼い主から与えられるものしか食べることができません。 飼い主は、愛犬の食事には大変な責任があるのです。栄養面でも幸せを実感する面でも。 安全かもしれないけれど加工されたフードを、一生、カリカリ食べるだけの食生活では、なんとなく気の毒に思えてなりません。

手作りペットフード

ご飯を手作りするようになってからは、私があんのご飯を作っていると、足元で丸くなり目を閉じています。「さぁ、できたよ〜」と言うと、すっくと立ち上がり、自分のご飯のテーブルの前に座って待ちます。 私の足元で丸くなっているのは、寝ているのではなく、肉のジュージュー焼ける音や匂い、コトコト煮ている時の音を、じっと目を閉じて「私のごはん。今日は何かしら」と楽しんでいるのではないかと思います。 きっと、このジュージュー、コトコトの音と、おいしそうな匂いが、あんにとって幸せな時間だと思うと、私もとても嬉しい気持ちになるのです。

手作りドッグフード

地場で採れた野菜。家庭菜園で採れた野菜。旬の野菜。素材を生かしたシンプルな料理は、美味しいし、健康にもよいし、気持ちも豊かにしてくれます。家族も、愛犬もスローフードを実践していきたいと思います。

Credit

写真・文/海野美規(Unno Miki)
フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
http://www.annegarden.jp

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