イングリッシュガーデンでもよく育てられている可愛い草花、エリゲロン(Erigeron)。直径2cmほどのピンクから白の小花が春から秋まで長く咲き続け、育てやすい宿根草です。細い茎を伸ばして花が咲き、ふわふわと風に揺れて軽やかな姿。小さな庭でも圧迫感がなく育てられるので人気があります。花壇はもちろん、グラウンドカバーや小道の縁取り、足元の緑化などにも重宝します。エリゲロンの特徴や魅力、庭での使い方アイデアをご紹介します。

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小花がたくさん咲く! エリゲロン・カルビンスキアヌス

エリゲロン・カルビンスキアヌス
Malle/Shutterstock.com

草丈30cmほどに茂る宿根草のエリゲロン・カルビンスキアヌス(Erigeron Karvinskianus)は、ハルジオンやヒメジョンの仲間で、黄色の花心の周りに細長い花びらが丸く広がり、デージーや小菊を思わせる素朴な花が魅力です。和名は、源平小菊(げんぺいこぎく)、ペラペラヨメナ。広がるように増えるので、グラウンドカバーなどにも向きます。

ここからはイギリスを中心とした海外の庭から、エリゲロンが咲くガーデンシーンをご紹介します。

石の隙間に花が咲く

エリゲロン
バートン・ハウス・ガーデンにて。

日当たりから半日陰で、少し乾燥気味の水はけがよい場所を好みます。こぼれダネでも増えるので、いつの間にか思いがけない場所に生えてくることも。写真のような石の隙間にも育つ丈夫なガーデンプランツです。春から次々と花茎が立ち上がり、秋までずっと咲き続けますが、伸び過ぎて乱れてきたら思い切って短くカット(切り戻し)すると、夏の蒸れ防止になります。

花壇の手前に植えて軽やかな印象をプラス

エリゲロンの花壇
Peter Turner Photography/Shutterstock.com

細かな花がチラチラと咲くエリゲロンは、花壇の中なら一番手前側に植えましょう。奥に育つ中〜大型植物の株元の隙間を埋める役も果たしながら、花壇の境目を花で隠してくれます。

エリゲロンの庭
グレイト・ディクスターにて。

小道の縁取りに植えると、歩く場所と花壇の間をやさしくつなぎます。花色は、ピンクから白の小輪花なので、どんな植物とも相性がよく、何を植えたらいいか? と困ったら、エリゲロンが可愛い景色づくりを助けてくれます。

ベスチャトーのエリゲロン
ベスチャトー・ガーデンでは、乾燥に強い植物や多肉植物のコレクションなどが並ぶスクリー・ガーデンの花壇にもエリゲロンが群れ咲いていました。
ナイマンズのエリゲロン
ナイマンズの花壇では一面エリゲロンが群れ咲いて、ロマンチックな景色に。

固い印象を和らげる効果あり

エリゲロンの石壁
ヒドコート・マナー・ガーデンにて。

水はけがよく用土が少ない場所でも育ちやすい性質から、石の隙間に定着することが多いエリゲロン。石を積み上げた側面の目地から生えて、花がこちらを向いて咲いているようになるのも、可愛い演出です。石のゴツゴツした表情を花が和らげてくれるため、庭がナチュラルな雰囲気になります。

コッツウォルズのエリゲロン
コッツウォルズの住宅にて。

石を積み上げた塀の上面へ用土を少し入れられるようにし、根が浅く張る植物を植えれば、目の高さで花が楽しめるアイデア植栽。上部の花壇部分からこぼれるように花が咲くエリゲロンが、道ゆく人の目を楽しませていました。

階段のステップや段差の隙間に花の彩り

エリゲロンの階段
チェニーズ・マナー・ハウス・アンド・ガーデンズにて。

バラが咲く頃にイギリスの庭巡りをしていると、エリゲロンとの遭遇率が一番高いのが階段のステップです。一段二段と歩きながらも、足元に小花が咲いている光景は目を和ませてくれます。ある時期に、このデザインが流行って皆が真似したのではと想像させられます。

エリゲロンの階段
グレイト・ディクスターにて。

エリゲロンが咲く階段の植栽アイデアの元祖は、もしかしてこの場所? と、思うほどチャーミングな風景を見せるのは、イギリスの南東部、イーストサセックス州にある「グレイト・ディクスター」です。有名な庭師でガーデンライターであったクリストファー・ロイド氏の邸宅のガーデンで、この階段を降りた先には、メドウガーデン(季節の花が咲きひろがる野原)が広がっています。

エリゲロンの植栽
グレイト・ディクスターにて。

ラウンドした低いステップが手前に3段、円形の芝生のフロアから上へ2段つながる、とても凝ったつくりの階段に、エリゲロンがステップを縁取るように咲いています。階段という構造物に植物を組み合わせるという発想に、さすが本場のデザインと感動。

エリゲロンの階段
どんな風に育っているのか? 近づいて見てみたくなる可愛さ。グレイト・ディクスターにて。

石造りの日時計を縁取るエリゲロン

日時計
グレイブタイ・マナーにて。

芝生が広がり、十字に石張りのテラスが伸びるガーデンの中心に添えられた日時計。その足元の円形の台座をエリゲロンが縁取っています。グレイッシュな石に控えめに小花が色を添え、庭との一体感を生んでいます。

バラの下草やグラウンドカバーにも丈夫に育つエリゲロンの植え付けや、苗の買い時は、秋か春。宿根草の通販ショップやガーデンセンターなどで購入できます。

秋冬の庭デザインの変更や、来春に向けた庭づくりに、エリゲロンの可愛い花をプラスしてみませんか?

Credit


写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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