全国で連日35℃を超える猛烈な暑さが続くこの夏。もう、こうなったらいっそこの暑さを味方につけてしまいましょう。猛暑・酷暑を有効利用した庭仕事をご紹介します。作業中はくれぐれも熱中症と日焼けに気をつけてくださいね。

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猛暑を有効活用した古土の再生

土の再生
Mountain Cubs/Shutterstock.com

プランターやコンテナの中で、古い土がそのままになっていませんか? プランターで一度植物を育てた土は、そのままでは使えません。目には見えませんが、一度使った土の中には害虫の幼虫や卵、病原菌が潜んでいたり、土の団粒構造が崩れて微塵(みじん)になっていたりするため、そのまま使うと次の植物が健全に生育しないからです。しかし、土は再生することができます。その再生の方法をご紹介しましょう。

[日光消毒]

土をふるう

晴天の日を選んで作業します。ビニールシートの上に土を広げ、目立った枯葉や前の植物の根、肥料のカスを取り除きます。鉢底石も分別しておきましょう。土はふるいにかけますが、ふるいの目には荒目、中目、細目があります。最初に荒目でふるい、細かい根やゴミを取り除きます。次に中目と細目を重ねてふるうと「微塵(みじん)」という砂のように細かい土が落ちます。これは根詰まりなどの原因となるので処分し、ふるいに残った粒状の土だけを再利用します。

土の消毒

土にジョウロで水をかけて全体を湿らせ、黒いビニール袋に入れて口をしばります。1日おきくらいに袋の上下をひっくり返して太陽が全体に当たるようにします。この方法で真夏なら1週間ほどで土の日光消毒ができます。

土の消毒

[再生剤・腐葉土・完熟堆肥を混ぜる]

消毒した土に、市販の古土再生剤を1〜2割ほど混入し、さらに腐葉土、完熟堆肥、苦土石灰を加え、よく混ぜます。このとき、モミガラ燻炭を混ぜるのも効果的。通気性がよく、水はけのよい土になります。

[液肥]

上記の要領でブレンドした土に、ごく薄い液肥を回しかけ、よくかき混ぜます。そして、そのまま3週間〜1カ月ぐらい寝かせておきます。

[再生完了]

3週間〜1カ月経ったら、再生完了。自家製培養土の出来上がりです。草花も野菜類も、こうして再生させた土で、とてもよく育ちます。

土の再利用
Pong Wira/Shutterstock.com

古くなった土を捨ててしまうなんて、もったいない。そして、都会では土を捨てるのにも一苦労するので、この暑さを利用して夏の間に土の再生をしましょう。秋からは球根や宿根草、冬野菜の栽培がスタートします。それまでにぜひ、土の準備を済ませておきましょう。

猛暑を有効活用した干し野菜づくり

干し野菜
Rimma Bondarenko/Shutterstock.com

晴天と気温の高い日がつづく夏は、干し野菜をつくるのに適した季節。家庭菜園で採れ過ぎた野菜やまとめ買いした野菜は、太陽と風の力を借りて干し野菜にしましょう。干すことで野菜の旨味が凝縮し、生とは食感も変わるので、いろいろな料理に使えるようになります。

つくり方は?

[大根]

切り干し大根
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長さ5mmほどの千切りにし、ザルや網に乗せて天日で乾燥させます。真夏の晴天なら、3〜4日で自家製切り干し大根の完成! 市販の切り干し大根よりずっと風味豊かです。

[切り干し大根レシピ(4人分)]

材料/豚コマ200〜300g(一口大)、切り干し大根2つかみ(水で戻す)、A(水200cc、酒大さじ1、砂糖大さじ1、しょう油大さじ1/2)

つくり方/Aの中に豚コマと切り干し大根を入れて、中弱火で汁気がほとんどなくなるまで煮て完成。豚コマを油揚げ(短冊切り)にしてもよい。

*ご飯の惣菜によし、お酒のおつまみによしの、お箸がとまらない美味しさです。

[ゴーヤ]

ゴーヤ
Trum Ronnarong/Shutterstock.com

ゴーヤは1株育てるとやたらとできて、食べるのが追いつかないくらい。ドライにすれば保存がきき、苦味が減るのも魅力です。厚さ1cmほどの輪切りにして、ザルや網に乗せて天日で乾燥させます。真夏の晴天なら1〜2日でゴーヤチップのでき上がり! ジッパー付きの保存袋に入れて冷蔵庫へ。

ゴーヤチャンプルー
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使うときは水で戻し、炒め物などにすると、生のときとは違う食感とゴーヤ独特の苦みが楽しめます。定番のゴーヤチャンプルや味噌汁など、なんでも使えます。

[ナス]

ナス
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縦に厚さ7〜8mmほどの薄切りにし、酢水に20分つけてアクを抜きます。こうすることで干したナスが黒っぽく変色するのを防ぐこともできます。

アク抜きしたナスをザルや網に乗せて天日で乾燥させます。真夏の晴天なら2日間ほどで水分がほとんどなくなります。ジッパー付きの保存袋に入れて冷蔵庫へ。

[切り干しナスレシピ]

使うときは、水から茹でて、沸騰したら火を止め、そのまま一晩おきます。

ナス干しの料理は山形の郷土料理のひとつで、他の野菜やちくわと炊き合わせたり、油炒めや白和え、枝豆をすりつぶして砂糖と塩などで味をつけた「ずんだ」和えなどにして食べます。

[トマト]

ドライトマト
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夏の完熟トマトは美味しいものですが、そんなトマトで作ったドライトマトの美味しさも格別。ミニトマトなら半分にカットして切り口の水気を一度キッチンペーパーに吸わせます。切り口を上にして軽く塩を振り、晴天で4日以上乾かします。

ドライトマトのレシピ
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[ドライトマトレシピ]

自家製ドライトマトはセミドライの状態のことが多いので、そのまま保存するよりオリーブオイルにつけておくと長もちします。

殺菌した瓶にドライトマト(50g位)とニンニク(2かけ)、粒黒胡椒(10粒くらい)、ローリエ(2枚)ドライオレガノかタイム(少々)を入れ、オリーブオイルを注ぎます。そのままおつまみとしてもパスタの具材に合わせても、旨味が凝縮した美味しいソースになります。

*完全にドライになっている場合は、上記のレシピはいったんドライトマトをお湯(酢を大さじ1入れる)で3〜4分煮戻してから漬けます。

[干し野菜づくりのポイント]

  • どの野菜も、干している途中で雨にあたると、カビが発生します。雨にあてないように注意しましょう。もしも途中で天候が崩れてしまったら、低温のオーブンで水分を飛ばし、カビの発生を防ぎましょう。
  • 干し野菜や自家製の干物などを作るときに便利な干しカゴも市販されています。3段重ねや5段重ねなので、大量に干すことができ、しかも上からも下からも風があたるので、早く乾燥させることができます。ぜひ干しカゴを利用しましょう。

Credit

文/岡崎英生(文筆家・園芸家)
早稲田大学文学部フランス文学科卒業。編集者から漫画の原作者、文筆家へ。1996年より長野県松本市内四賀地区にあるクラインガルテン(滞在型市民農園)に通い、この地域に古くから伝わる有機栽培法を学びながら畑づくりを楽しむ。ラベンダーにも造詣が深く、著書に『芳香の大地 ラベンダーと北海道』(ラベンダークラブ刊)、訳書に『ラベンダーとラバンジン』(クリスティアーヌ・ムニエ著、フレグランスジャーナル社刊)など。

写真/3 and garden(表記以外)

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