札幌市の「百合が原公園」は、年間50万人もの方が訪れる、市民憩いの場。ムスカリ&チューリップの群生に始まり、バラ、ライラック、ラベンダー、ユリ、ダリア、コスモスなどへと開花がつながれ、いつ訪れても見頃の花で爛漫となる花公園でもあります。特にユリのコレクションは類を見ない数を誇り、ユリ愛好家のサンクチュアリとして知られる、ユリの名所です。

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四季折々の花々で彩られる花公園
7月の「ユリ月間」は、一度は見ておきたい

1983年に開園した札幌市北区の総合公園、「百合が原公園」。敷地面積は約25.4ヘクタールに及び、園内を見物するにはゆっくり歩いて約2時間かかります。開園時、庭のデザインや植栽を手がけたのは、北海道大学農学部の皆さん。花と緑を通した市民同士の交流の場としての役割も持つ、憩いの公園です。

園内では、約6,400種類の植物が息づく緑豊かな公園です。なかでも公園の名前にも冠されているユリは、原種が約60種、園芸品種が約60種、総じて約2万株を植栽。ユリの聖地として、知る人ぞ知る名園なのです。

百合が原公園

園内には、ユリ園の「世界の百合広場」のほかに、「ロックガーデン」「世界の庭園」「ライラックコレクション」「ローズウォーク」「モニュメント広場」「百合が原緑のセンター温室」などがあり、エリアごとに見せ方を変えています。それぞれに四季折々の花々が咲き、いつ訪れても素晴らしい景観です。

植栽は、北国ならではの気候や環境に合う植物がセレクトされているので、寒地にお住まいの方には参考になりそう。藤棚やハニーサックルのアーチ、フクシアやマーマレードブッシュ、ビカクシダのハンギング、野菜で仕立てたアーチなど、庭に取り入れられそうなアイデアも満載です。

園内には芝生広場や遊具広場などもあり、家族連れや学校遠足などにも広く利用される、カジュアルな公園です。飲食の持ち込みも可能なので、北海道の澄んだ青空の下、芝庭でお弁当を広げてくつろぐのもいいですね。レストランや売店もあるので、ここでしか味わえないメニューやお土産品も、ぜひチェックしてください!

北海道ならではの、豊かな自然美を満喫
一年を通して色の冴えた花々にうっとり!

百合が原公園

春(5月上旬〜中旬)の人気スポットは「ムスカリの道」です。全長80m、幅15m、総面積1,365㎡のエリアに約10万本のムスカリと、約80種7,000球のチューリップで彩られます。青紫色のムスカリと色鮮やかなチューリップの競演は息を飲むほどの美しさです。同じ頃に梅、桜、ユキヤナギ、ツツジなどが咲き、いっぺんに春がやってくる、北海道ならではの春の景色を楽しみましょう。

百合が原公園

初夏(5月中旬〜下旬)は、フジやライラックが見頃になります。藤棚は園内3カ所に配され、紫や白の長い花穂が滝のようにダイナミックに連なる姿は壮観です。そよ風で花穂が揺れるたびに、やわらかな香りが広がります。

百合が原公園

ライラックは園内の「ライラックコレクション」と「ライラック街道」合わせて約50品種、100本ほどを植栽。優しいピンクから濃いピンクまで色幅がある、豊かな表情のライラックを愛でましょう。芳香も素晴らしいです。

百合が原公園

6月になると、「百合が原公園」では約170品種、約200株のバラが開花し始めます。針葉樹の林の中につくられた延長約100mの散歩道「ローズウォーク」ではオールドローズを中心に、北国向けの品種が主に植栽されています。針葉樹の防風林に守られているため、香りが周辺にとどまりやすいのも特長です。

また、ヒースガーデン隣には四季咲きのシュラブローズを、リリートレイン沿線ではハマナシの品種や北海道各地で見られるハマナシを植栽。モニュメント広場にはフロリバンダローズの花壇を囲うようにラベンダーが植栽され、6月下旬頃からバラとラベンダーの見事なコントラストを楽しめます。

生命戦略の力強ささえ感じる
ユリの甘美な濃い香りも楽しんで

百合が原公園

「世界の百合広場」の面積は、なんと約5ヘクタール。ユリの見頃は6月末から8月末です。原種ユリは約60種にも及び、ユリの聖地ともいえる規模。世界中に自生するユリを地域ごとに分けて植栽し、自然界の中で自生している雰囲気を大切に、人の手でつくり込んでいないように見せるメンテナンスを心がけています。

百合が原公園

園芸品種はオリエンタル・ハイブリッドやアジアティック・ハイブリッドなど約60種類、約2万株を植栽。なかには北海道を中心に日本で作出された品種を集めたエリアもあり、高い日本の育種技術も垣間見ることができます。園芸品種の植栽は大規模花壇を中心に、密度を高めにして群植して迫力ある風景に。特に花数が多い7月を「ユリ月間」とし、期間中に展示会、講習会、ガーデンツアー、オリエンテーリングなどのイベントを開催しているので、ぜひご参加ください。

百合が原公園

7月下旬〜10月は約40種のムクゲが見頃になり、リリートレイン沿線を彩る「ムクゲコレクション」がオススメスポットになります。8月からは約430㎡に約150品種植栽しているダリアが、10月頃まで見頃に。2019年はダリア園とリリートレイン沿線の2カ所に分けて植栽し、風通しをよくして個々の花々を見やすくする工夫が施されています。ダリアの咲く時期は、リリートレイン沿線のコスモスも見事ですよ!

園内を走行するリリートレインが大人気!
レストランや売店のオリジナル品も注目を

百合が原公園

「百合が原公園」園内では、「リリートレイン」が運行されています。園内1.2㎞を約12分かけてゆっくりとした速度で巡っており、季節それぞれの美しい花園の景色を十分に楽しめます。連日、家族連れなど多くの世代に人気の乗り物です。小学生以上360円、65歳以上、障がいのある方は証明書の提示で無料。

百合が原公園

「百合が原緑のセンター」では、年間を通して展示会や講習会が開催されています。展示会は、2019年度は22回の開催予定。屋外ではまだ花の少ない季節でも、野山の植物が見られる「春の花展」に始まり、「サボテン・多肉植物展」「ユリ展」「クリスマスディスプレイ展」など多彩です。

講習会は年20回以上開催。バラの系統や種類の解説、北国ならではの管理法など総合的に解説する「バラの基礎講座」「ダリアの分球・植え付け講習」「ライラックや多肉植物、ユリや洋ランの育て方の講習」のほか、冬は「キャンドル作り」などのクラフト講習も行っています。

百合が原公園

「百合が原緑のセンター温室」の受け付け窓口には売店があり、絵葉書やクリアファイル、フェルトニードルでつくられたキーホルダーなど、オリジナル商品が販売されています。訪れた記念やお土産に、ちょうどいいお買い物ができますよ!

ゆり根どら焼き

オススメのお土産はここでしか買えない「ゆり根ドラ焼き」1個200円(税込)。ユリ根をすりつぶして白餡に練り込んであり、生地もふわふわで柔らかくおいしい! お土産として人気で、近隣に住まう方々も定期的に購入に訪れるほど、大評判のどら焼きです。

百合が原公園

「リリートレイン」駅舎には、「レストラン百合が原」があるので、ここで休憩するのもいいですね。2019年は4月19日〜10月31日の期間に開店しており、期間中は無休。客席数は約60席、営業時間は11:00〜15:00(ラストオーダー14:30)、テイクアウトは10:00〜16:00。レストランでは「ユリ根カレー」700円がオススメ。テイクアウトではアイスクリームやフライドポテトのほか、春巻きやザンギなども販売しています。

Information

公益財団法人 札幌市公園緑化協会 百合が原公園

所在地:北海道札幌市北区百合が原公園210
TEL:011-772-4722
http://yuri-park.jp/

アクセス: JR学園都市線「百合が原」駅下車徒歩約7分

休園日:なし
・公園/終日開放、無料
・百合が原緑のセンター温室/開館時間8:45〜17:15、休館日 月曜(祝日の場合は翌平日)・12月29日〜1月3日、料金 高校生以上130円(65歳以上、障がいのある方は証明書の提示で無料)
・世界の庭園 オープン期間 4月下旬〜10月下旬・期間中は無休、開園時間 8:45〜17:15(入園は16:45まで)、料金高校生以上130円(65歳以上、障がいのある方は証明書の提示で無料)

駐車場:276台(無料、20:00〜6:00は閉門)

Credit


取材&文/長田節子
ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。
https://twitter.com/passion_oranges/
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