猛暑の最中、花も少なくなる真夏の花壇は、いっそ思いっきりトロピカルに楽しんでみてはいかがですか? メルボルン駐在時にオーストラリア特有の植物に魅了され、帰国後はオーストラリアの植物を中心としたガーデニングを楽しむベテランガーデナーの遠藤昭さんに、夏花壇をエキゾチックに演出できるオススメのトロピカル植物を教えていただきました。

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暑さも楽しむ夏花壇

トロピカル花壇

夏の花壇といえば、ヒマワリやジニア、ニチニチソウなどを思い浮かべるが、ありきたりで面白くない。地球温暖化の影響で、ここ最近の日本の夏はまるで熱帯気候である。そんな暑い夏は、開き直って花壇もトロピカルにして、夏の気候を楽しんでしまおう。僕が緑化相談員をしている川崎市緑化センターでは、毎年、夏花壇はカラーリーフや熱帯植物を地植えにしてトロピカルムードを楽しんでいる。2019年のトロピカルガーデンを紹介しよう。

トロピカルガーデンを演出する花素材

ストレリチア

夏花壇を演出する定番の花は、ストレリチアだ。別名、極楽鳥花(ごくらくちょうか)といわれるように、その姿は極楽さながら。かつて、プラントハンターが南アフリカからヨーロッパに持ち込んだ時は、大変な人気だったそうだ。意外と耐寒性があり、冬は凍らないように防寒すれば、関東南部以西では露地で越冬する。横浜の我が家では、南側の軒下で20年以上越冬している。

コルディリネ‘レッドスター’
コルディリネ‘レッドスター’。
ニューサイラン‘レインボークィーン’
ニューサイラン‘レインボークィーン’。

南国ムードがあるカラーリーフで、耐寒性のある植物としては、ニュージーランド原産のコルディリネニューサイランがある。これらの剣葉はシャープな雰囲気を醸し出す。

コルディリネ‘アイチアカ’。
コルディリネ‘アイチアカ’。
グズマニア(アナナス)
グズマニア(アナナス)。

また、南国ムードを演出するには、やはり観葉植物が手っ取り早い。観葉植物は屋内でよく観賞されるものだが、屋外に地植えにして花壇の素材としてもよいのだ。

ハゲイトウ

あとは、存在感のある銅葉のカンナや、秋には大きくなるハゲイトウを植えておくと、ボリュームが出る。

カンナ
銅葉のカンナ。
ハゲイトウ
ハゲイトウ。
コリウス

トロピカル花壇をつくるのに忘れてはいけないのが、カラーリーフの代表格のコリウスだ。挿し芽で簡単に増やせるし、成長も速く、剪定にも強いのでオススメのガーデニング素材。色や模様のバリエーションも豊富だ。

ハイビスカス

これらに加え、さらに熱帯花木のハイビスカスを植えこむと、トロピカルムードが一層盛り上がる。

トロピカル花壇のグラウンドカバーとアクセント

これでほぼ花壇の骨格はできたので、後は隙間にアクセントとなるケイトウやグラスを植え、グラウンドカバーにヒポエステスやムラサキゴテン(紫御殿)、イポメアなどを植えこめば完璧だ。

ケイトウ
ケイトウ
ケイトウやキャンドル系のケイトウは、色鮮やかで花壇のアクセントにぴったり。
ペニセタム
ペニセタム‘ファイヤーワーク’。グラス類はガーデン演出に欠かせない素材だ。
ヒポエステス
ヒポエステス
グラウンドカバーに向くヒポエステス。
ムラサキゴテン
ムラサキゴテン。
イポメア
イポメア。

これだけでも十分なのだが、ワンランクアップの少しおしゃれな花壇を演出するには、ダリアの‘黒蝶’や、銅葉のヘーベ、黒花のサルビアなどを植えこんでもよい。どれもシックな色合いが、色鮮やかなトロピカル花壇とよく似合う。

ダリア‘黒蝶’
ダリア‘黒蝶’。
ヘーベ
ヘーベ。
サルビア
黒花のサルビア。
トロピカル花壇

夏を楽しむトロピカル花壇、いかがだろうか? 10月頃にはグラス類が大きく茂り、観葉植物を取り去ると、素敵なグラス花壇に変身する。暑い夏を楽しむ一つのアイデアとして、ぜひ取り入れてみてほしい。

Credit

写真&文/遠藤 昭
30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。現在は、川崎市緑化センター緑化相談員を担当しながら、コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施。園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。

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