フェンスというと、お隣さんとの境界線や視線を遮るものとしてのみ、考えられがちですが、実はフェンスにはもっと多くの機能や効果があります。なかでも、風通し機能を持った「ルーバーフェンス」は、台風の多い日本の気候に最適。ここでは、ルーバーフェンスの機能や選び方を解説します。施工事例写真も載せてますので参考にしてくださいね。  

Print Friendly, PDF & Email

ルーバーフェンスって、どんな機能があるの?

近年の日本列島は台風が頻繁に上陸し、塀やフェンスの倒壊が各地で発生しました。台風による強風をもろに受けフェンスが倒れてしまったのです。強い風を受ける場所では、風が抜けるタイプのフェンス「ルーバーフェンス」なら倒れにくくなります。

ルーバーフェンスとは?

ルーバーフェンスとは
Georgii Shipin/Shutterstock.com

ルーバーフェンスの「ルーバー」とは、細長い羽板を斜めに傾け、隙間を開けながら平行に並べたものです。一見すると隙間は見えないようになっていますが、羽板の間の隙間から風が通り抜け、風力を逃すことができるため、フェンスへの負荷を軽減します。

風通しは強風時の倒壊防止のためだけでなく、敷地内に庭がある場合にも有効です。風通しは植物が健全に育つために必要な大切な環境条件で、空気の流れが悪いと病気や害虫も発生しやすくなります。ルーバーフェンスなら風通しを確保しながら、プライベート空間も維持できます。

また、エアコンの室外機がある場所にもルーバーフェンスはオススメです。全く隙間のないフェンスや壁の前に室外機を設置すると、排出された空気がこもってしまい、エアコンの機能が低下したり、電気代が高くなってしまう原因になります。ルーバーフェンスなら夏場の熱風や冬場の冷風を逃し、効率的にエアコンを稼働できます。

しかし、隣地との距離が近い場合には少し注意が必要です。室外機から排出した空気が流れ、お隣さんの庭の植物や家庭菜園の野菜などを痛めるようなこともあります。そんなときは、下向きルーバー付きの室外機カバーをつけるなど、十分にお隣さんに配慮しましょう。

ルーバーフェンスの選び方

ルーバーフェンスにはさまざまなデザイン、サイズがあります。以下では、ルーバーフェンスの最適な選び方をご紹介します。

ルーバーフェンスの高さ

フェンスの高さは、完全に目隠しを目的にする場合は、1.8~2m程度が必要です。これは、人間が立ったときの視線の高さが身長から10cmを引いたサイズで、一般に1.6~1.7mだからです。

完全に目隠しをしなくてもよい場合なら、より低くても大丈夫です。

ルーバーフェンスのデザイン

ルーバーフェンスには、無機質なアルミ製や、アルミ製ながらも木目調のデザイン、ナチュラルな風合いの木材でつくられたものなど、さまざまなものがあります。また、風通しだけでなく、半透明のポリカボネートでできた採光機能を持つタイプのものもあります。これなら日当たりがよいのに、フェンスの影で暗がりができてしまう、という状況を避けることができ、植物の栽培や室内の明るさにも影響しません。

このように、ルーバーフェンスの高さやデザインは、場所や目的に合った機能を持つものを選んで設置するようにしましょう。

ルーバーフェンスの施工事例拝見!

ルーバーフェンスの機能や選び方が分かったところで、どんな施工事例があるのか実例写真を見てみましょう。

●可動式ルーバーフェンス

可動式ルーバーフェンス
https://pic.takasho.jp/portfolio/11439

ルーバーの隙間の間隔を調節できる、可動式ルーバーフェンスと完全目隠しタイプのフェンスを組み合わせた事例です。気候に応じて、風通し具合を調節することができ、デッキ空間の快適度が増します。

●ナチュラルなルーバーフェンス

ナチュラルなルーバーフェンス
https://pic.takasho.jp/portfolio/1447

外からの気になる視線をシャットアウトする、高さのあるルーバーフェンスです。高いフェンスなので、内側の植栽を台風などの強風から守る役目も果たします。また、木目調のルーバーフェンスに、植栽が自然になじみ、ナチュラルなイメージになっています。

●光と風を取り入れる採光式ルーバーフェンス

●光と風を取り入れる採光式ルーバーフェンス
https://pic.takasho.jp/portfolio/1240

半透明のポリカボネート素材のルーバーフェンスです。このように道路と室内の窓が近い場所では採光が取れやすく、なおかつ、目隠し効果もあるのでオススメです。半透明の明るいグリーングレーのルーバーが、白を基調とした住宅やカーポートともマッチし、すっきりとしたクリアなイメージになっています。

ルーバーフェンスは、目隠しをするだけでなく、台風などの強風対策や季節の変化に対応し、風通しをコントロールしたり、採光を取り入れる機能のものもあります。そうした機能を踏まえつつ、住宅やデッキ、テラスの仕上げ材にマッチするものを、ホームセンターやメーカーのカタログで検討し、最適なフェンスを設置しましょう。

Credit

文:松下高弘

文/松下高弘(まつしたたかひろ)

長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、手描きパース・イラスト・CG・模型等のプレゼンテーションや大手ハウスメーカー社員研修、エクステリア業の研修講師およびセミナープロデュースを行う。

著書には、『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』、『住宅エクステリアのパース・スケッチ・プレゼンが上達する本(彰国社)』など。新刊『気持ちをつかむ住宅インテリアパース(彰国社)』、大手書店に続々登場!!

Print Friendly, PDF & Email