自宅の空き地を素敵な空間に変えたいけれど、庭づくりって何から始めればいいの? 
庭づくりを始める前に、まずは家の空き地を庭に変える手順をチェックしてみましょう。ここでは、イベント会場で作られた庭の施行プロセスを例に、庭の輪郭の作り方をご紹介します。テラスと芝生広場、花壇ができたら、そこにさらにプラスすると庭がセンスアップするアイテムも3つご紹介します。

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何もない空間に庭をつくるには

イベントガーデン
2019年に横浜で行われたイベント「ばらフェスタ2019」で公開された「ムッシュー・メイアンのサロン・ドゥ・ローズ」の庭。デザイン&制作/かたくり工房

家の周りに空いたスペースがあったら、何を用意すると庭になるのでしょうか? まず、最初に写真の庭を例に、でき上がった庭に何があるのかをリストアップしてみましょう。

  • 敷地の中央に丸い芝生のスペースがあり、テーブルと椅子が置かれている。
  • 花壇には色とりどりの花が咲き、左手には丈が高い樹木が植わっている。
  • 家と外をつなぐ場所にタイル貼りのテラスがあり、頭上にはパーゴラが設置されている。

これが写真の庭の主なパーツです。これらをどんな手順で形にしていくのでしょうか?

実際の庭づくりでは環境の把握が必要

土
Wstockstudio/Shutterstock.com

ここでご紹介する庭づくりのプロセスは、土がない屋内の会場なので、実際の地面で庭をつくる場合は、各スペースを決める前に、植物が育つ日当たりが確保できているか、地面の水はけが悪くないかなども確認し、必要に応じて土壌改良などを施してから庭づくりをスタートする必要があります。ここでは、庭の輪郭をつくる基本的な手順をご紹介しますので、それをふまえて、実際の環境に合わせて花壇などの場所を決めるとよいでしょう。

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それでは、2019年5月中旬に横浜で行われたイベント「ばらフェスタ2019」で展示された庭を例に、輪郭づくりの手順を追ってみましょう。

Step1 敷地全体を見回し配分を決める

庭づくり

黒と青のシートが敷かれている地面は、約6.5×8mです。中央奥の壁に描かれたブルーの扉が家と庭が接する場所です。このスペースを花壇、芝生広場、テラスの3つのエリアに分けて庭づくりスタート!

Step2 家と庭の間をつなぐテラスを設ける

庭づくり

部屋から庭に出られる掃き出し窓や扉の前に、地面より一段高くタイル貼りのテラスが設けられました。庭にアクセスする場所には、履物を脱ぎ着するためにも役立つ中間地帯として、テラスやウッドデッキなどの平らな空間があると便利です。テラスの前は、広い敷地を生かして、丸く芝生を貼った広場としました。この後、周辺は花壇になります。部屋の窓から外を見た時、芝生越しに花壇があることで、圧迫感がなく外の風景も広く感じられます。

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Step3 花壇に草花を植える前に樹木を植える

庭づくり

敷地の中で、テラス、芝生、花壇とそれぞれのスペースの配分が決まりました。次はいよいよ植物を植える段階。植物は、大きなものから小さなものの順に植えると、ごちゃごちゃにならず、配置も決めやすくなります。

この庭では、庭のアクセントになるシンボルツリーとして、敷地の左手にマルバノキ‘恵那錦(えなにしき)’(写真左の斑入りの葉の樹木)、テラスの左右に樹木のコニファーを配置。この後に、木立ち性のバラ(ブッシュローズ)、宿根草や一年草と順番に入れていきます。

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Step4 花壇に植物が入って庭らしく変化

庭づくり

黒い地面が植物などで覆われて、彩りのある明るい空間になりました。これで基本的な庭づくりは完成ですが、さらに、鉢植えやつる植物をプラスすることで、ぐんと景色がよくなります。

シンボルツリーのマルバノキ
シンボルツリーのマルバノキ‘恵那錦’の株元付近に、ピンクのバラや大きな葉を広げるギボウシ、ふわふわと白花が咲くオルラヤなどが開花。
ガーデンのバラ

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Step5 仕上げにプラスしたい3つのアイテム

庭づくり

花壇に季節の花が咲き、風が木の葉を揺らす、何もなかった空間が自然を身近に感じる庭へと変わりました。さらに、毎日が過ごしやすくて素敵な庭に仕上げるために、3つのアイテムをプラスしています。一つずつご紹介しましょう。

アイテム1 季節の鉢植えやコンテナを配置

季節の鉢花

テラスと庭を植物でつなぐように、季節の花を植えた鉢植えをいくつか置くと、空間が華やぎます。写真は、スタンド付きのアイアンの器に真っ赤な花のゼラニウムを植え込んでいます。

白いスクエア鉢に寄せ植え

白いスクエアの鉢には、花壇の色味と調和するシックなカラーの植物を寄せ植えて、テラスの前へ。縦のラインがきれいなハイブリッドジギタリス‘イルミネーション・ラズベリー’と銅葉のヒューケラ、アクセントに斑入りのフロックス・ディバリカータ‘モントローザ・トリカラー’を植えた一鉢。

白いスクエア鉢に寄せ植え

白いスクエアの鉢は、テラス前に左右対称に置いて、まとまり感をプラス。アンティーク風のジョウロに花壇のバラを活けて、ロマンチックなシーンを作っています。

グレーのプランター

テラスには、グレイッシュなカップ型のプランターも置いて、空間に動きをプラス。こちらは、ブルーの柱や壁の色に調和する紫花のヘリオトロープと、ライムグリーンのリシマキア・ヌンムラリア‘オーレア’を寄せ植え。

アイテム2 頭上につる植物を絡める

テラスにつる植物を絡める

テラスの頭上には、庇(ひさし)のようになるパーゴラなどの構造物を作ることで、テラスが過ごしやすい場所になります。また、つる植物を頭上に絡めると、日陰ができて過ごしやすくなります。写真のパーゴラに咲くのは、クレマチス。この他、パーゴラに向くつる植物には、ブドウやキウイなど実が楽しめるものや、ハニーサックルやハゴロモジャスミンなど花の香りが楽しめるものなど多種あるので、栽培環境や花色の好みで選んでプラスしましょう。

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ブドウ棚
庭のパーゴラでブドウやキウイを育てる人も多く、収穫の楽しみも。
ハゴロモジャスミン
4〜5月に香りのよい花をたくさん咲かせるハゴロモジャスミン。Patrick Civello/Shutterstock.com

アイテム3 ベンチやテーブル&椅子を置く

ガーデンテーブルとイス

庭を素敵に仕上げる3つ目のアイテムは、ベンチやテーブル&椅子です。庭にガーデンファニチャーを置くことで、花に囲まれた屋外空間でゆっくり過ごすことができます。この庭では、シックなグレイッシュパープルのアイアン製を使用していますが、木製家具ならナチュラルな明るい雰囲気に、赤やピンクのカラフルな家具なら、ポップな印象に。選ぶ家具の色やデザインによって、庭のイメージも変わるので、ちょっと気分を変えたいというとき、入れ替えるだけでも印象を変えることができる便利なアイテムです。

自宅の敷地にあわせて好みの空間を作ろう

ガーデン
nnattalli/Shutterstock.com

庭をつくる時、部屋の中から見た庭の景色と外から庭とともに家を眺める2方向から風景のイメージを考えると、家と庭が調和する場所になります。写真は、家の外壁につるバラを絡め、窓の下にベンチを置き、コンテナに季節の植物を植えています。窓の枠や扉の色をペイントして、家と屋外が調和する素敵な場所になっていますね。

バルコニーガーデン
Lapina Maria/Shutterstock.com

家から外にアクセスできる掃き出し窓があれば、そこにテラスやウッドデッキを設けて、季節の鉢植えと椅子を置いてみましょう。椅子に座り、そこから見える景色を眺めているうちに、こんな庭にしたいなぁとイメージが湧いてくるものです。

テラスガーデン
Photographee.eu/Shutterstock.com

ウッドデッキの上にラグを敷き、椅子やランプ、クッションなど、リビングルームを作るように配置したら、自宅に居ながらリゾート気分が楽しめる場所になります。周囲を生け垣で囲んで隣家からの視線を遮り、地面には芝生を張った緑のみのシンプルな外空間も素敵ですね。

庭は、一度に全部を短期間で仕上げる必要はありません。庭のある暮らしを楽しんでいる先輩たちは、少しずつ時間をかけて理想の形に近づけています。ガーデンのある暮らしで、ぜひ自宅リゾートを実現させましょう。

記事制作協力/阿部容子(かたくり工房)

Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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