岡山県の高原地に位置する「蒜山(ひるぜん)ハーブガーデン HerBill」。借景の蒜山三座をのぞむ景勝地で、約1万株が咲き誇るラベンダー畑は、西日本最大級の規模を誇ります。ナチュラルスタイルで心が安らぐガーデンのほかにも、クラフト体験ができる工房、ガーデンショップ、土産物&雑貨ショップ、カフェなども併設しており、観光施設としての魅力満点のスポットです。

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雄大な蒜山三座をのぞむ借景も魅力
涼しい高原気候ですくすく育つハーブ

「蒜山ハーブガーデン HerBill」は、1998年にオープン。標高600mの高原気候はハーブの生育に適した環境で、街おこしの一環として、そして市民の交流の場として整備されました。総面積は3ヘクタール、ハーブガーデンは700㎡(ラベンダー畑を除く)で、1時間ほどで見学できる広さです。

ラベンダー畑には約1万株ものラベンダーが植栽され、西日本最大級の規模。ガーデンでは約200種のハーブのほか、バラや宿根草、一年草、カラーリーフプランツなどを組み合わせた、ナチュラルスタイルのガーデンを楽しめます。当初はハーブの種類を解説する展示圃場のスタイルでした。しかし、志向にあわせて野菜やハーブ、草花を組み合わせたポタジェ、緑陰にはシェードガーデン、花の種類を見やすくするレイズドベッドなど、写真に収めて美しい景観を意識したガーデンへと進化。現在も毎年リニューアルを重ね、目新しいスポットが次々と登場しています。

蒜山ハーブガーデン HerBill

そして特筆すべきは、蒜山三座をのぞむ借景のよさ。晴れた日はくっきりと稜線が浮かび上がり、雄大な姿をのぞめます。霞がたなびく景色も美しく、秋以降には雲海が広がって幻想的です。昼夜の気温差が大きいこともあり、平地よりも花色が冴えて美しいのも魅力。夏は高原をわたる風が心地よく、植物たちもへたらずに元気に咲き続けます。

「ハーブガーデン」と冠がついていますが、ほかにも四季を通してさまざまな草花の開花リレーを楽しめます。春はスノードロップ、クリスマスローズ、チューリップ、初夏はバラやアジサイ、ラベンダーが見どころ。真夏はルドベキアやエキナセアが咲き誇り、切り戻したジギタリスやデルフィニウムも秋遅くまで元気です。秋はセージやダリアが主役になります。

蒜山ハーブガーデン HerBill 香りの館

園内に建つ「香りの館」には、ガーデンショップ、雑貨&土産物を扱うショップ、クラフト体験ができる工房、カフェがあり、観光施設として魅力的なコンテンツが用意されています。定期的にイベントも開催しており、ガーデンガイドツアーやバラの育て方セミナー、ガーデニング講習会、夜間に開放してジャズバンドのコンサートを行ったり、秋にイギリスの湖水地方にちなんだ「ブリティッシュフェア」を開催したりと、内容も多彩です。一日過ごしても飽きずに楽しめる、今時のハーブガーデンにぜひ足を運びましょう!

何時間も座って眺めていても飽きない
癒やし空間を目指したハーブガーデン

蒜山ハーブガーデン HerBill

新緑が美しい5月上旬の、レイズドベッドで囲んだガーデン内の一角。モルタルで造作してレンガを貼りつけたウォールやベンチ、アーチなどアイキャッチを設けて、撮影スポットを多数設けています。常に「現在進行形の庭」を意識し、毎年ブラッシュアップを続けているので、それを楽しみに訪れるリピーターも多いとか。今や年間4万5,000人が訪れる、人気の観光スポットです。

蒜山ハーブガーデン HerBill ランブリング・レクター

高原気候のため、バラの見頃はやや遅めの6月頃。写真はオールドローズの‘ランブリング・レクター’2株を仕立てた一角。降るように咲き誇っていますね。一季咲きのため、花が咲かない時期でもつるを伸ばす姿が美しいように仕立て方を工夫しています。

そして注目して欲しいのは、昼夜の温度差が大きい高原ならではの花姿の美しさ。「イングリッシュローズの‘ガートルード・ジェキル’って、こんなに素敵だったんだ!」と専門家も絶賛するほど、平地よりも花色は冴え冴えとし、カップはより深くなって魅力を放ちます。

蒜山ハーブガーデン HerBill

写真はパステルブルーでペイントしたアーチを連ねてトンネルをつくり、バラとキャットミント‘ウォーカーズロウ’など宿根草を組み合わせた、ナチュラルな一角です。レイズドベッドの間をつなぐアーチが、シーンの場面転換の役割に。カーブをつけた小径や仕切り役のアーチ、ボリュームいっぱいに張り出させた植物などで視界の先を隠すことで、自然と歩きだしたくなるデザインにしています。

蒜山ハーブガーデン HerBill ラベンダー

ラベンダーの見頃は7月頃で、「駐車場について、車の扉を開けたらラベンダーの香りに包まれた!」と訪れた人が感嘆の声をあげるほど、風が香ります。約1万株が斜面を埋め尽くす、ラベンダー畑は壮観です。品のよい淡い紫の花で香りが強い、オリジナル品種の‘ドリーム’にはぜひ注目を。カフェ以外なら飲食の持ち込みはOKなので、ベンチでお弁当を広げるのもいいですね。

2019年は7月6日から、ラベンダーの摘み取り体験を実施。当日受付で参加でき、費用は500円です。ハサミとカップが配られて、カップいっぱいになるまで摘み取りができ、100本ほどになるのでお得ですよ!

蒜山ハーブガーデン HerBill

写真は秋のガーデンの一角で、カラーリーフの組み合わせにセンスが光ります。花を引き立てるグリーンの足し方にはこだわりがあり、花3に対して葉7が心地よいと感じる比率とか。「華やかに咲き誇る花のエネルギーに圧倒される感動空間というよりは、リラックスして何時間でもボーッと過ごせる癒やしの空間ですね。秋のだんだんと黄昏ていく景色にも、趣がありますよ」とガーデン制作担当の小谷さん。

毎年10月には「秋のブリティッシュフェア」を開催しており、紅茶の楽しみ方レッスンや、マーケットなど、イギリスにちなんだイベントが盛況となります。

ポピュラーからレアまで揃うガーデンショップ
クラフト体験できる工房ではぜひ思い出づくりを

蒜山ハーブガーデン HerBill 香りの館

「蒜山ハーブガーデン HerBill」園内に建つ「香りの館」。1階のガーデニングショップでは、宿根草などの花苗、ハーブ各種、バラ、コニファー類、樹木類、鉢、ガーデニング雑貨など幅広く取り揃えています。園内で一目惚れした植物があれば、ここで販売もしている可能性大。ぜひ立ち寄って相談を! センスよくまとめた寄せ植えの販売もしています。

蒜山ハーブガーデン HerBill 香りの館

「香りの館」1階のショップでは、地元のお菓子などの土産物のほか、ハーブティー、フレグランススプレーやアロマオイル、インテリア雑貨などを販売しています。ハイセンスな雑貨ばかりが揃うので、一気にテンションが上がること間違いなし! 主な価格帯は800円〜。ここでしか買えないオリジナルグッズ、「ラベンダーのハーブ枕」2,000円がオススメです。

蒜山ハーブガーデン HerBill 香りの館

「香りの館」2階にはクラフトルームがあります。リース作り、ハーバリウム作りなどを実施しており、予約なしで参加OK。1時間くらいででき上がります。予算はサイズや使う花材によって変わりますが、リース作りが900円〜、バーバリウムが1,000円〜です。定員は40名ほど。

蒜山ハーブガーデン HerBill ハーバリウム

写真は、ハーバリウムの作品例。ボトルのサイズや使用する花材など、どれも個性がありますね。スタッフが丁寧に教えてくれるので、初めてのチャレンジでもきれいに仕上がります。訪れた記念に、世界に一つだけの作品を作って、思い出とともに持ち帰りましょう!

地元の食材を使ったランチは絶品!
インスタ映えするハーブティー&ドリンクも

蒜山ハーブガーデン HerBill カフェ

「蒜山ハーブガーデン HerBill」ではカフェを併設しているので、歩き疲れたら休憩を。お天気に恵まれたら、テラス席で食事を楽しめます。蒜山の借景が素晴らしく、高原らしい清涼な風が抜けていく心地よさ。テラス席はペット同伴OKなのもうれしいですね。

蒜山ハーブガーデン HerBill カフェ

カフェでは各種パスタ1,000円〜、ピザ1,300円〜、蒜山のジャージービーフを使ったカレーランチ・サラダ、ジャージーヨーグルトつき800円やビーフライス1,000円などのメニューが揃います。季節によって旬の食材を用い、園内で育ったハーブも使用。写真は蒜山だいこんおろしの和風パスタ1,000円です。

蒜山ハーブガーデン HerBill カフェ
蒜山ハーブガーデン HerBill カフェ

カフェのデザートは、シフォンケーキやリコッタチーズのチーズケーキなどの手作りケーキがあり、単品500円、ケーキセット600〜800円(ドリンクによって価格に幅があります)。ドリンクメニューはハーブティーのラインナップが豊富で、体にやさしいハーブブレンド各種(400円)から選べます。写真はマロウティーで、ブルーのティーにレモンシロップを入れるとピンクに変わりました! インスタ映えするベリーベリーソーダ、ラベンダーソーダ各500円もオススメです。

レストラン横苗売り場では、オリジナルのラベンダーソフトクリームも販売(350円)。自家製ルバーブビーツジャムもトッピングした、ルバーブサンデー450円も人気です!

Information

蒜山ハーブガーデン HerBill

所在地:岡山県真庭市蒜山西茅部1480-64
TEL:0867-66-4533
http://ww81.tiki.ne.jp/~herbill/herbill-home.html

アクセス: 車/米子自動車道蒜山I.C.より約5分

オープン期間:4〜11月

休園日:無休

営業時間:9:00~16:30(季節によって変更あり)

料金:大人300円、中高生200円、小学生以下無料

駐車場:普通車80台、バス8台、身障者スペース2台(いずれも無料)

Credit


取材&文/長田節子
ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。
https://twitter.com/passion_oranges/

写真一部(*)/3and garden

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