花や緑に親しみ、季節感に溢れる暮らしを訪ねる「私の庭・私の暮らし」。今回は、住宅街の一軒家で隣家と挟まれた狭い敷地も生かして、季節の花が咲きつぐガーデニングを楽しむ飯田さんを訪ねました。

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庭づくりをしてみたいけれど、スペースがないからとガーデニングを諦めていませんか? たとえ庭がなくても、隣家との間のわずかな地面があれば植物を育てることはできます。時間をかけて少しずつ好きな庭にしていく、その過程も楽しいのがガーデニング。住宅街の自宅で、好きな植物を日々育てている飯田さんの庭をご紹介します。

一戸建ての家を得た時「好きな木を、どの窓からも眺められるような小さな森を目指そう」と決めて、ガーデニングをスタートして20年。まだまだ育ててみたい未知の植物があって、毎日が楽しく忙しいという飯田さん。面積が小さいから、理想的な庭にはならないだろうと諦めたこともあったといいます。でも、ある日ふとアイデアが浮かびました。それは、デッドスペースになっている家を囲む狭いスペースの活用でした。写真右は、リビングに接したウッドデッキと前庭。石を敷いた小径の両端には小さく繊細な植物がたくさん植わっています。写真左は、家を囲む小径の庭の入口です。

北と西の隣家に挟まれた細長い敷地を余すところなく使おうと、それまでは荷物置き場として使っていたのをやめて、まずは歩く場所としてレンガを敷きました。写真は西側の小径の庭です。幅は90㎝ほどと人が一人通れる程度の広さですが、幸い西日が遮られるので、真夏でも日陰の植物が育つ環境です。

花色のバリエーションが豊富で、いろいろな品種をコレクションしたくなる早春の花、クリスマスローズを少しずつ増やしていきました。冬でも寒風が当たらないので通常、屋外では冬越しが難しいアジアンタムやシュガーバインも、ここでは育っています。

北側には、ヤマアジサイやツツジ、シャクナゲなどの灌木を植えているので、春から夏は緑がよく茂ります。ほとんど毎日、家を囲む小径を歩きながら、咲き始めた花を確認して嬉しくなり、茂りすぎた枝は剪定しなくても大丈夫かな? などのチェックをしながら歩くのも楽しい日課です。

北側の勝手口付近には、アイアンのフックがおしゃれな物干しスペースも自作で設けました。ブロック塀を隠すように、ハーデンベルギアなど、花もかわいいつる植物を絡めています。ブロック塀を見栄えよくしたいと思う人にオススメのアイデアです。

ぐるりと庭を巡っていると、リスのオブジェやランプ、バードバスがアクセントになった、ほほえましいコーナーがあちこちに。小さな森を目指して植えられたソヨゴやフリーシアなどの木々は、20年で2階の窓からも眺められるほどに育ちました。でも、小さな庭ですから、茂りすぎは禁物です。ほかの植物にも日が当たるように、こまめな剪定は欠かせないといいます。こうしてそれぞれの植物を手塩にかけて育てていると、いつのまにか夢中になって、とても充実した気分になるそうです。

飯田さんの庭を訪ねた4月は、玄関付近やデッキに個性的な色合いのビオラが飾られていました。「去年もきれいだったから、また咲かせてみたくて。買いそびれないように、お気に入りの園芸店に通うのも楽しいですよね」。自分のために咲かせた花は、家を訪れたお客さまや配達の方々にも、そして帰宅した家族にも飯田さんの花好きを伝えています。

ガーデニングをするようになって、好きな植物の話で盛り上がる友人ができた飯田さん。数年前からは、エゴノキにかけた庭の巣箱でシジュウカラがヒナをかえす様子も見られるようになりました。冬には小鳥の餌を庭に置いたり、道行く人も楽しめるような花を公道沿いに植えたり、季節ごとに楽しみがあるガーデニング。「ダイニングの窓から朝日に照らされる木を見ていると、こうして好きなことができる日々に感謝したいと思う。1日で一番好きな時間です」。

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