最近人気が高まっているパルダリウム。LEDライトを使うことで日光が差さない屋内でも植物を育てられ、ローメンテナンスで楽しめるのも魅力です。育てやすいものから見た目が特徴的なものまで、パルダリウム向きの植物を紹介します。

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人気上昇中のパルダリウムとは?

パルダリウムとは、熱帯の雨林や湿地などを模した風景をガラスケースや水槽の中につくりあげたもの。森林の林床に生息する植物を使えば、強い光が届かない場所でも管理することができます。

最近は性能のよいLEDライトが手頃な値段で手に入るようになり、日が差さない場所でも植物を楽しむことができることから、パルダリウムの人気もじわじわと高まっています。

花が咲くものもある! パルダリウムに向く植物

パルダリウムに向く植物

パルダリウムに向く植物にはさまざまなものがあり、シダや苔などの、苔テラリウムでおなじみの植物はもちろん、花が咲くものや、樹木に見立てて小さな景色をつくることができるものも。ここでは、パルダリウムに使いやすい、オススメの植物を8つセレクトしてご紹介しましょう。

パルダリウム向き植物とは?

「ピクタ」を経営する陶武利さん

今回、パルダリウムに向くオススメ植物を教えてくれたのは、アクアリウムやパルダリウムで使える植物や資材、熱帯魚などの生産を行う会社「ピクタ」を経営する陶武利(すえ・たけとし)さん。

長年にわたり、光が少ない環境や水が多い環境、水槽内などの密閉環境で育つ植物について独自に研究、検証を行っていて、植物生理全般にも詳しく、理論的な裏づけのある提案に定評があるパルダリウムのエキスパートです。

その傍ら、自然観察会や里山の維持管理もパルダリウムに通じるものがあると感じ、耕作放棄地活用の研究も行っています。

※「ピクタ」では基本的に生産、卸のみを行いますが、東京レプタイルズワールド、天下一植物界などの即売イベントなどでは販売を行うこともあります。(参加については以下で要確認)。

ピクタHP https://www.picuta.com/
ピクタInstagram https://www.instagram.com/picuta_official/
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パルダリウムにオススメの植物1
ベゴニア

ベゴニア

屋内でもやはり花が咲く植物を育てたいもの。雨林の林床に自生するベゴニアはパルダリウムに向くものも多く、中でもオススメなのは、くっきりとした黄色〜オレンジ色の花を咲かせる種です。

こちらのベゴニア・バンケレクホベニ Begonia vankerekhoveniiは明るいグリーンの葉、オレンジ色の花、赤い茎でパルダリウムに彩りを添えるのにもぴったり。

「小型種では他に、ベゴニア・プリズマトカルパ Begonia prismatocarpa、ベゴニア‘タイニージェム’ Begonia ‘Tiny Gem’などもオススメです」(陶さん、以下同)

ベゴニア‘タイニージェム’Begonia‘Tiny Gem’
ベゴニア‘タイニージェム’ Begonia ‘Tiny Gem’

パルダリウムにおすすめの植物2
セントポーリア

セントポーリア

室内灯の光でも育ち、花も咲くセントポーリアもパルダリウムで花を楽しめる植物。

「かつてブームになったこともあり、白、ピンク、青、紫などの花色のバリエーションがあり、八重咲きや覆輪などもあります。小型のものがオススメです」

写真は、小型で八重咲きのセントポーリア‘ロブズガンダロー’(セミミニトレーラー)Saintpaulia ‘Rob’s Gundaroo’(semi mini trailer)。

パルダリウムにオススメの植物3
シンニンギア

シンニンギア

シンニンギアは渓流沿いの湿った岩などに生えるイワタバコの仲間。シンニンギア・プシラ Sinningia pusillaはその中でも小型の種です。

「シンニンギアやセントポーリアなどは一般的には鉢に入れて育てますが、保水性の高い着生材を使えば、着生させて楽しむこともできますよ」

着生させたシダ、セントポーリア、苔
着生用の布に着生させたシダ、セントポーリア、苔。

パルダリウムにオススメの植物4
ヒューケラ

ヒューケラ

ガーデンのリーフプランツとしておなじみのヒューケラもパルダリウムに使えるそう。

「耐陰性があり、カラーバリエーションも豊富なヒューケラは、パルダリウムに色味をプラスしたいときにぴったりの植物です。ガーデニング用につくられた苗はそのままでは大きすぎるので、1.5号ポットに収まるくらいに詰めて育てると使いやすいですよ」

上の写真は左の緑葉がヒューケラ‘ライムリッキー’ Heuchera ‘Lime Ricky’、右の赤葉がヒューケラ‘ファイヤーチーフ’ Heuchera ‘Fire chief’。

パルダリウムにオススメの植物5
シダ

シダ

薄暗い場所でも育つシダは、まさにパルダリウムにうってつけ。

中でも上のネフロレピス‘ライムシャワー’ Nephrolepis ‘Lime shower’は草丈3cmほどの極小品種で、マット状に広がるので、苔の替わりに敷き詰めるのにも向きます。

「葉を大きく広げるものは、大きくなりすぎたら葉をすべて切り詰めるといいでしょう。すべて葉を切られると最初は小さい葉を出し、徐々に大きい葉を出すようになります。大きすぎる葉が出たら、再度葉を切るとよいでしょう」

シダ、ポリスティクム・セティフェルム‘コンゲスツム’

写真はシダ、ポリスティクム・セティフェルム‘コンゲスツム’Polystichum setiferum ‘Congestum’。右は大きく葉が伸びているので、葉のつけ根で切るとよい。左は大きな葉を切ったあとに、新しい葉が出てきた株。

パルダリウムにオススメの植物6
ネペンテス(ウツボカズラ)

ネペンテス(ウツボカズラ)

最近は食虫植物が人気ですが、代表的なものの一つ、ネペンテスもパルダリウムに使うことができます。

多湿な環境を好むネペンテスに、パルダリウムのようなケース栽培は最適。

「このネペンテス・アラタNepenthes alataはネペンテスの中でも手に入りやすいものの一つ。ネペンテスはつる状に伸びていく植物なので、育つにつれて草丈が高くなっていきます。大きくなりすぎたら、株元で切ると、小さな芽が複数出て盆栽風になります」

パルダリウムにオススメの植物7
ヒドノフィツム

ヒドノフィツム

ヒドノフィツムはアリ植物の一種。アリ植物とは、アリと共生関係にある植物のことで、ヒドノフィツムは根元の大きく膨らんだ部分の内側に、アリが巣をつくることが知られています。

ヒドノフィツムは他の樹木の幹や枝に張りついて生きる着生植物で、水切れがよい場所に生えているので、一般に水が停滞するような環境は好まないとされています。

「多くの種類は、湿度は高い環境は好む反面、水はけがよくないと生育がよくありません。しかし、ヒドノフィツム・ペランガスツムHydonophytum perangustumは、根のまわりが常に湿潤な環境であっても、しっかり育ちます。耐陰性があるところも、パルダリウム向きといえますね。

枝分かれして、樹木に見立てて使うことができる株姿をしているので、風景をつくるときにも役に立ちます」

パルダリウムにオススメの植物8
ブロメリア

ブロメリア

ブロメリアは、人気のチランジア(エアプランツ)やパイナップルの仲間の植物のこと。

「もともと自生していた環境によって水を好む程度は異なりますが、ネオレゲリア・リリプティアーナNeoregelia lilliputianaはネオレゲリアの超小型種。日照に恵まれない場所でも育つうえ、湿潤な環境も好みます。ブロメリアの仲間だけでなく、葉が薄くて柔らかいものは弱い光で育つものが意外とありますよ」

最近人気上昇中のパルダリウム。ローメンテナンスで光の当たらない部屋でも管理できるので、地面の庭やベランダがない人はもちろん、室内でガーデニングを楽しみたい人も、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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Credit

写真&文/土屋 悟(つちや さとる)
フリーライター。
園芸雑誌の編集に携わりながらフリーランスのライターとしても活動。都内在住のベランダー。鉢の置き場所がなくなったため、最近はランを中心とする着生植物にシフト中。その延長で、コンパクトで清潔に植物を楽しめる、水槽、透明ケースなどを使いながら試行錯誤している。ときおり実家の庭の手入れも行い、家の中、外での園芸ノウハウを蓄積。

アドバイス/陶 武利

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