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どうして植物をうまく育てられないのだろう…ちゃんと毎日水をあげてるのに…花が咲かない、枯れてしまうなんてあきらめていませんか? 今回は、これからガーデニングを始めたい方、花を育てるのが苦手と思っている方のために、植物を育てる上で役に立つポイントや、栽培のコツを、ハーバルライフコーディネーターの堀久恵さんにご紹介していただきます。

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ポイント1:植えたい場所に合わせて、正しく植物を選ぶ

植物は「日当たりが好きな植物」と「日陰が好きな植物」の2つに分類できる

植物は大きく分けると、「日当たりが好きな植物」と「日陰が好きな植物」の2つに分類できます。日光は、植物の成長にとって最も重要なものの一つで、上手に育てるためには、この見極めが非常に大切です。つまり、日当たりが好きな植物を日陰に置いたら枯れてしまいますし、反対に、日陰が好きな植物をガンガン日が当たる場所に置くと、うまく育ちません。

それは当たり前のことだと思われるかもしれませんが、植物を買いに行くと、つい好みの色や見た目の形で選んでしまい、植える場所と選んだ植物が合っていないことがよくあり、うまく育たないケースは多々見受けられます。そうならないためにも、植物を買う際には、ついている名前の札をよく見ることが重要です。

植物を買う際には、ついている名前の札をよく見ることが重要

裏をめくると…

植物についている札の裏側

こんなふうに、科や原産地、どのくらいの大きさに成長するのか、管理のポイントなどが書かれていて、植物が好むこと・嫌いなことなどのプロフィールが分かるようになっています。植えたい場所にはどのくらい光があたるのかを事前にリサーチし、その場所に合わせて、正しく植物を選ぶこと。それが、上手に育てる第一歩です!

ポイント2:気温や気候に合わせて、正しく植物を選ぶ

日本の気候は温帯と呼ばれ、冬と夏とでは温度差があり、四季が楽しめるのが特徴です。降水量も多く、高温多湿でもありますね。また、日本の国土は、北海道から沖縄まで縦長の地形で、北海道と沖縄の気候が全く違うのも日本特有です。今まで植物をうまく育てられなかったと思っている方は、この温度や気候が原因の一つになっているかもしれません。

というのも、住んでいる場所によって、育ちやすい植物・育ちにくい植物があり、残念なことに、日本の園芸店で販売されている植物は、すべて日本の気候に適応しているとは限らないからです。しかも、園芸本に書かれている情報は、関東以西の平地での栽培を基準にしている場合が多いので、お住まいの地域によっては、本に書いてある通りには育たないケースもあります。

住んでいる土地の温度や気候に合った植物を選び、育てることができれば、失敗もぐんと減るはずです。

例えば…ラベンダーはどうして北海道で育つのか?

ラベンダーは、気持ちをリラックスさせ、安眠を促す作用(鎮静作用)があるハーブ

ラベンダーは、気持ちをリラックスさせ、安眠を促す作用(鎮静作用)があるハーブです。ふるさとは、地中海沿岸地域。地中海沿岸は、偏西風や暖流の影響で冬は暖かく、夏は涼しい気候で、雨も少ないため乾燥しているのが特徴です。

一方、日本は、寒暖差があり降水量も多く、高温多湿な気候なので、比べてみるとだいぶ違う環境であることが分かります。

しかし、北海道にはたくさんのラベンダー畑が広がっていますね。どうしてラベンダーは北海道で育つのでしょうか!? それは、北海道には梅雨がなく、じめじめしていないからです。ラベンダーはもともと乾燥した場所で生息していましたから、過湿に弱く、特に日本の梅雨・長雨は苦手なのです。

どうしてもラベンダーを育てたいなら…

ラベンダーの育て方

光と温度の条件に合った植物を選ぶことが大切と言ってきましたが、私の住んでいる埼玉県熊谷市は、日本一暑い街として有名です。梅雨のジメジメと夏の暑さ…この環境そのものが、ラベンダーを育てるのには向いていないのです。それでも、私は、どうしてもラベンダーが育てたいと思い、

・水やりを控えて、ジメジメさせないことを基本としつつ、夏は水切れで枯れることもよくあるので、水の管理をしっかりする

・混み合った枝は適度に切って、株元は常に風通しよく育てる

・地植えではなく鉢植えにして、暑い夏は日陰に移動する

という点に特に注意して、管理しています。

植物を育てる楽しみ「ガーデンセラピー」

植物を育てる楽しみ「ガーデンセラピー」

土や緑に触れ、季節の花を愛でたり、ハーブの香りを嗅いだり…そんな自然に寄り添った暮らしで、日々のストレスを和らげ、病気になりにくい身体を作る自然療法を、「ガーデンセラピー」と呼んでいます。

植物が成長する様子は、何物にも代えがたい感動や気づき、勇気を与えてくれます。そのためにはまず、植物の性質・基本的な育て方を知って、植物が暮らしやすいベストな環境を作ってあげることが大切。植物のある暮らしは、決して特別なものでも、難しいものでもありません。失敗を恐れず、気に入った植物一鉢からでも、ガーデンセラピー始めてみてくださいね。

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