四季がはっきり変化する日本には、豊かな自然と幅広い植物群、そして花を美しく咲かせる技術力があり海外からも注目されるガーデンがたくさんあります。全国各地で育まれ、訪れる人々を感動させる花咲く数々のスポット。人生で一度は訪れて欲しい観光ガーデンへご案内します。

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北海道のほぼ中心に位置する大雪山連峰。その雄大な自然を背景とする上川町に、2013年にオープンした緑あふれるガーデンが、「大雪 森のガーデン」です。大雪高原旭ヶ丘の起伏がある地形を生かした広大なガーデンの面積は約4ヘクタール、そこに約1,000品種の植物が育ちます。約250㎞に及ぶ北海道ガーデン街道を構成する8つのガーデンのうちの1つでもあり、北海道を代表するガーデンです。

「大雪 森のガーデン」は、約700品種の草花が植栽され、色彩豊かな花々の競演が楽しめる「森の花園」と、変化に富んだ地形に大きく育つ木々や山野草が心地よい、ナチュラルな「森の迎賓館」の2つのエリアに分かれています。どちらのエリアにも、この地に自生する植物の姿が多く見られ、北海道ならではの自然を生かした庭になっています。

「森の花園」

四季を通じてさまざまな花が楽しめるこのエリアには、アイヌ語で神々の遊ぶ庭を意味する「カムイミンタラ」や、大雪山系の植物を集めた「大雪な庭」など5つのテーマガーデンが広がります。写真は形や色、手触り、香りなど、特徴のある植物を集めた「親しみの庭」。鮮やかな黄色の葉が地を覆うリシマキアの中で、すっと伸びてボール状の花を咲かせるアリウムや銀色に輝くアサギリソウが引き立ちます。

「森の花園」のエリアのガーデンデザインを手がけているのは、ガーデナーの上野砂由紀さん。イギリスでガーデン研修を受けた後に帰国し、自宅の農場ガーデン「上野ファーム」で庭づくりを進めてきました。2008年、倉本聰氏脚本のドラマ『風のガーデン』の舞台となる庭を制作し、大きな話題を呼びました。現在も「上野ファーム」や「風のガーデン」をはじめ、北海道内外の多くのガーデンデザイン・植栽を手掛ける実力派のガーデナーです。

「森の迎賓館」

色鮮やかな「森の花園」のエリアを抜けた奥には、高低差のある地に7つのガーデンシーンが現れる「森の迎賓館」が。大きく茂る木の足元にはハクロニシキや涼しげなグラス類が続き、森の奥へと誘います。笠康三郎さんがデザインしたこのエリアでは、この地で育つ木々の中にナチュラルに草花が植栽され、落ち着きのある空間の中にゆったりと時間が流れます。

ピザ窯やテーブルがあり、くつろぎの時間を楽しめる「森のリビング」や、木陰のテラスから自然豊かな景色を眼下に眺める「癒しの谷」、シラネアオイやエゾリンドウなど北海道の自生種を約70種集めた「森の博物館」などのゾーンが広がります。

「大雪 森のガーデン」のシンボル的な存在である「Dress Garden」は、花のドレスが2つ並んだ姿で園内に。限られた時期のみの限定公開ですが、満開の花のドレスを身にまとったような写真が撮れるとあって、人気の撮影スポットとなっています。北海道ガーデンの大きな魅力が、その花色の鮮やかさ。北海道の気候風土では、花々は本州で見るのとはまた違い、発色がより鮮明な花色が楽しめたり、本州では育ちにくい植物がびっくりするほど大株に育っていたり。土地による植物の種類や育ち方の違いを実際に見ることができるのも、ガーデンツアーの面白さです。

「森の花園」のエリアにあるアーチ。ハニーサックルやつるバラを絡めたこのアーチの連なりは、「大雪 森のガーデン」のシンボルとなる景色の一つです。初夏にはハニーサックルが鮮やかなイエローの花をたわわに咲かせ、通路に花殻が散り敷くほどに。

北海道でしか見られない固有種や高山植物に出合えるところも、このガーデンの大きな魅力です。エゾノリュウキンカやサワギキョウなどの湿生植物、オオバナノエンレイソウやトカチフウロなどの北海道の自生種が多く植栽されているほか、コマクサやイワブクロなど本州では高山にしか育たない植物も、ガーデンで身近に観察することができます。観光客はもちろん、北海道在住の人も身近な植物に改めて触れ、親しんでいます。

ガーデンに隣接する場所にあるのは、北海道出身の三國清三シェフがオーナーシェフを務めるガーデンレストラン「フラテッロ・ディ・ミクニ」。遠方に大雪山系の雄大な景色を望むレストランでは、新鮮な道産食材を使った贅沢な料理を堪能できます。時にはノウサギが窓のすぐそばまでやってきて、愛らしい姿を見せてくれることも。三國さんは「大雪 森のガーデン」のカフェのプロデュースも手掛けており、ガーデンを歩いた後には季節に合わせたおいしさでほっと一息つくことができます。

Information

「大雪森のガーデン」

上川郡上川町菊水841番地8

TEL 01658-2-4655 http://www.daisetsu-asahigaoka.jp/

Open 5月中旬~10月中旬

9:00~18:00(最終入園17:00)※季節により営業時間が異なります。

入場料 大人800円/中学生以下無料

 

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