数ある植物の中から今、注目の植物をピックアップするシリーズ「Now blooming」。ガーデナーや育種家、ナーセリーなど、植物の達人たちへの取材を元に編集部がセレクトした植えどき・買い時・咲き時のオススメ植物をご紹介します。今回は秋に美しい花を咲かせるリコリスをピックアップ。

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リコリスはヒガンバナ属の花のことで、日本ではヒガンバナが最も親しまれており、秋になると川の土手や林床を真っ赤に染める自然の風景が風物詩になっています。一面見事に真っ赤に見えるのは、たくさん咲いているということ以外にも理由があります。それはこの花に葉がないということです。ヒガンバナをはじめとするリコリスは、季節になると地中からいきなり花芽を出して、ぐんぐん伸びていきます。そして細い茎に一切の葉をつけることなく、とてもユニークな形の花を咲かせます。葉が出てくるのは花の咲いた後。リコリスは花が咲く時期と葉を出す時期がくっきり分かれるライフサイクルを持っています。日本では、赤いヒガンバナには「死人花(しびとばな)」「幽霊花」など不吉なイメージの別名があることから、庭に植えられることはあまりありませんが、リコリスの園芸種には赤色以外にも可愛らしい花を咲かせるものがたくさんあります。

 

夢見るような淡いピンク色のリコリス・スプレンゲリー。花びらの先端がほんのりブルーがかります。くるりと反り返った花びらと、飛び出す雄しべがリコリスの特徴。ヒガンバナ同様に花が咲いているときは葉が出ません。群植するとまるでブーケのように華やかです。

 

濃いピンクの花が目を引くリコリス・ジャクソニアナ。リコリスは日本の気候で育てやすい丈夫な球根花です。植えっぱなしで何年も花を咲かせてくれます。他の球根花と同様、葉で光合成して球根に栄養を送るので、葉は黄変して枯れるまで切らずにおいておきます。

 

輝くような黄色の花はリコリス・オーレア。ショウキズイセンの和名でも知られる花です。花も草丈もヒガンバナより大型で、一つの茎に5〜10輪の花を咲かせとても華やかです。

「リコリス」という有名な海外のお菓子がありますが、ヒガンバナとは別の植物が元になっているお菓子です。ヒガンバナ科のリコリスは全草に毒があるので口に入れてはいけません。

 

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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