春の訪れを告げるイースターには、春らしいフラワーアレンジをぜひ飾りたいもの。黄色やピンクなど、明るいパステルカラーのアレンジが主流のイースターですが、今回は大人っぽいシックなモーブ色でまとめたイースターのフラワーアレンジレシピを、フラワー&フォトスタイリストの海野美規さんに教わります。

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春の喜びにあふれたイースターのアレンジ

イースターのフラワーアレンジ

春の到来を告げるイースター。長い冬がようやく終わり春がやってきた嬉しさと、キリストの復活とを重ねて祝う、光いっぱい喜びいっぱいの明るいお祭りです。

イースターというと、黄色やピンクなど優しいパステルカラーのイメージですが、モーブ(モーヴ)という紫系の色もイースターカラーの一つです。ここでは、少し大人っぽいシックな色のモーブ色の花を集めたイースターアレンジをご紹介します。

イースターらしいアレンジのコツ

イースターのアレンジは、卵にペイントしたり、シールなどを貼ったり、絵を描いたり、と、イースターエッグを一工夫して取り入れると、とても楽しいアレンジができ上がります。また、鶏や卵、うさぎなど、イースターらしいモチーフの雑貨もいろいろありますので、ぜひかわいいイースターグッズを探してみてください。

私は、もう随分前に見つけた鶏モチーフのエッグスタンドを使ってアレンジしました。そしてもう一つ、同じ花を使って、アクセサリーなどを収納するアクリルボックスを活用したアレンジレシピもご紹介します。

イースターのアレンジレシピ

<使った花>

イースターのアレンジに使ったサルビアなど

・サルビア・ホロミナム
・アゲラタム
・ムスカリ
・ビオラ
・ルピナス
・クリスマスローズ
・ラナンキュラス
・ルッコラの葉
・山ごけ

その他材料
・卵
・食用色粉
・酢
・石
・ワイヤー

鶏のエッグスタンドのアレンジの作り方

イースターらしい鶏モチーフのエッグスタンドに、イースターには欠かせない、色付けした卵をセットしてアレンジの花器に利用した可愛らしいアレンジです。モーブ色の花を集めているので、まとまりがあり、すっきりと落ち着いた雰囲気に。ちょうどよいサイズ感で、イースターの日のテーブルアレンジにもオススメです。

<手順>

  1. 卵の中身を取り出し、殻を食用色粉で色付けする。
    卵を染める
    卵を色付けする際は、お湯に色粉と酢少々を混ぜて染色液を作り、そこに卵の殻を浸すと染めることができます。カップなど卵全体が液につかる方が綺麗に染まりますが、浅い容器の場合、液を回しかけしながら、ムラにならないようにします。
  2. エッグスタンドにワイヤーで山ごけを巻きつける。
    エッグスタンドに山ゴケを巻く
  3. エッグスタンドに卵をセットする。
  4. 卵を安定させるためと、花を留めやすくするために、セットしたそれぞれの卵の中に石を入れる。
    卵に石を入れる
  5. 卵に水を入れて、花を挿す。
    卵に花を飾る
    花は短めにカットして、色のバランスを見て入れていきます。

イースターエッグが並ぶ可愛らしいアレンジメントのでき上がり。

イースターのフラワーアレンジ イースターのフラワーアレンジ

アクリルケースを使ったアレンジの作り方

同じ花材を使い、アクリルケースに活けたポップなアレンジもご紹介します。

仕様したアクリルボックスは、重なるアクリル仕切付ボックス(MUJI)。水耕栽培で育てたニンジンもプラスして、よりカジュアルな雰囲気に。

<手順>

  1. アクリルケースに山ごけを敷く。
    アクリルケースに山ゴケを敷く
  2. 水耕栽培で育てたにんじんをケースの中のこけの上に置く。
  3. 球根付きムスカリは、球根部分にこけを少量巻いて、ケースの中に入れる。
  4. タマゴの殻(色付けしたもの)に石を入れ、ケースの中に置く。
    アクリルケースに花を入れる アクリルケースに花を入れる
    2~4は、ケースの一マスに一個ずつ入れていきます。
  5. タマゴの中に水を入れ、花を挿す。
    卵に花を飾る
  6. にんじんとムスカリのマスに水を少量入れる。
    水を入れる

マスごとに表情の異なる、楽しい春のフラワーアレンジメントです。

イースターのフラワーアレンジ イースターのフラワーアレンジ

2019年のイースター

イースターは毎年日にちが変動します。「春分の日の後の、最初の満月の次の日曜日」ということで、2019年は4月21日がイースターとなります。そして、多くの場合イースターの二日前の金曜日であるグッドフライデー、イースター当日の日曜日、翌日のイースターマンデーと4日間がイースター休暇となります。

ハンガリーに住んでいた時に、3月末にイースター休暇となった年がありました。この時期は、ヨーロッパでは夏時間に移行するタイミングでもあります。イースターと夏時間への移行が重なると、やっと春が来た~! と、長い冬から解放されたようなウキウキした気分になったことをよく憶えています。ブダペストの冬は、雪が降り続き、日中の最高気温が氷点下となります。そして日没が早く(早い時で3時半くらい)、街は人がまばらでとても寂しい光景でした。夕方、家に帰ろうと急ぎ足で飛び乗ったバスや電車には暖房がなく、おまけに車内は薄暗く、時々停電もしました。乗客のハンガリー人の方の表情も憂鬱そうで、私もとても心細く感じました。

そんな寒く寂しい冬が終わり、待ちに待った春の到来は、嬉しいのと、ほっと安堵する気持ちでいっぱいでした。現地の方は、旅行に出かけたり帰省されたり、春の訪れとイースター休暇を満喫しているようでした。また、この頃からカフェやレストランのテラスには椅子が並べられるようになり、ヨーロッパは一番良い季節へと向かいます。

モーブ色のイースター

モーブ色の春の花

イースターカラーといえば、春らしいパステル系の淡い色を思い浮かべますが、ヨーロッパではモーブという紫系の色のディスプレイもよく見かけました。

モーブという色は、「薄い青みがかった紫」とされています。イースターのこの時期は、モーブ色の花がたくさんありますね。スミレ、パンジー、ビオラ、ライラック、ムスカリ、クロッカスなど、この季節ならではの色ともいえます。私にとっては大好きな花ばかりです。モーブという言葉の響きも、なんとなく大人っぽい感じで、「パリのパック(=イースター)はモーブに染まる」な~んてフレーズをどこかで耳にして、わぁロマンチック! と感激してしまいました。

イースターバニーとイースターエッグ

中世のヨーロッパでは、イースターの9週間前からは、鳥の卵を食べることが禁じられており、イースターの到来とともに、野山に出て卵を探し、卵の食事をしたそうです。この風習がイースターエッグの始まりとされている説があります。そして、卵は生命の誕生や復活の象徴であり、これがキリストの復活に結びつけられ、また、冬の終わりと春の新しい命の芽吹きの喜びも表しているのです。

そのイースターエッグを運んでくるとされているのが「イースターバニー」。うさぎは多産で、生命や繁栄の象徴でもあります。

大人可愛いウィーンのイースター

イースターエッグ

ハンガリーの首都ブダペストから車で3時間ほどで、ウィーンへ行くことができます。ブダペストに住んでいた頃、食料の買い出しのため月に一度ほどウィーンに行くのが楽しみでした。ブダペスト市内では、薄切りの牛肉を買うことができなかったり、日本食の材料が品薄だったりしたため、在留の日本人はよくウィーンへと買い出しに出かけて行ったものです。

ウィーンには、旧市街をぐるりと取り囲むリンク大通りがあり、その沿道にオペラ座、国会議事堂、公園などがあって、ここを一周すれば主だった観光名所は見ることができます。牛肉を買うナッシュマルクト(市場)へは、そのリンク内を通り抜けて行くのですが、リンク内には老舗のチョコレート店、菓子店、高級陶器店などがあり、イースターの時期になると競うように華やかに可愛らしくディスプレイされて、ウィンドウの前は人だかりができていました。イースターのモチーフはうさぎとタマゴ、というと可愛らしいイメージですが、ウィーンはさすが大人の街。イースターエッグも可愛くなりすぎず、とても洗練されていて素敵でした。

観光客も地元の方も、春の陽気の中、各店のウィンドウを覗きながらそぞろ歩きを楽しんでいました。イースターというと、こんなのんびりした穏やかな春のウィーンの街を思い出します。

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Credit

アレンジ作成・写真・文/海野美規(Unno Miki)
フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
http://www.annegarden.jp

参考:『色の手帖』監修 永田泰弘 小学館

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